OUT

OUT

これはWOWOWで一度見た。その後古本屋で原作買って読んだ。日本映画にしてはわりといい感じだが、ラストは大甘で拍子抜け。北海道やオーロラは映画用。いつものことだがセリフが全然聞こえない。「○○よ」「××だから」「△△ですか」・・肝腎なところ聞こえない。頼むから字幕つけてよ。何でお客は怒らないのか。怒らなきゃ作り手はこのままでいいと思っちゃうよ。まあ・・だから私は日本映画めったに見ないんだけどさ。今毎日新聞の日曜版に原田美枝子さんの聞き書きみたいなの連載していて。それに「OUT」のことが出てきて。それで見返す気になってDVDをレンタル。映画は登場人物うんと削ってある。主人公雅子(原田)は元信金に勤めていた冷静な女性。リストラされた夫や引きこもり(?)の息子とは会話もなく、家庭は冷えきっている。ヨシエ(倍賞美津子)は寝たきりの姑かかえ、家の立ち退き迫られている。邦子(室井滋)はブランド品に身を固めているが、借金まみれ。弥生(西田尚美)はもうすぐ子供が生まれるが、夫のDVに悩まされている。とうとう夫を殺すが、死体処理は雅子達におまかせというノーテンキぶり。何かあっても誰かに泣きつき、お荷物を押しつけてしまうと安心してあとは知らん顔。後ろめたさ、後悔ゼロ。なぜ雅子は弥生に力を貸すのか。押しつけられてそのままなのか。彼女の性格なら弥生の無責任さに怒り、人体入りのゴミ袋突き返すと思うが。そのうち金貸し業者の十文字(香川照之)が死体を持ち込むようになるが、解体だけに500万も出すかなあ・・。彼が手首切り落とされるのも・・医者だって怪しむでしょ。ヨシエの行動も・・何で自宅に放火するの?原作だと弥生は夫の生命保険金手に入れるが、佐竹(間寛平)に取られてしまう。夫殺しは警察にばれずにすんだが、お金は手に入れ損なったからプラマイゼロで、それが天罰ってもんだ。邦子は佐竹に殺されるからラストは雅子一人。でも解体料、佐竹が持ってた金(元々は弥生のもの)合わせて5600万持ってる。これだけあれば人生の再スタート切れる。映画だと邦子は殺されず、雅子、弥生の三人で北海道旅行。産気づいた弥生は途中ではずれるが、残りの二人はヨシエの夢だったオーロラを見に・・。ケッ!何て甘っちょろいラストなんだ。原作のなまなましさはなく、解体もきれいごとですませ、大甘ラスト。やっぱりここまでしかできないのかなあ・・。