インビジブルシリーズ、透明人間

透明人間(1933)

このDVDには特典がついていて、メイキングには「ゴッド・アンド・モンスター」のシーンも出てくる。当時としては高度な技術が使われており、あまり細かいことを気にしなければ、十分驚ける(←?)。ウェルズの原作とは違い、グリフィン(クロード・レインズ)の恋人としてフローラ(グロリア・スチュアート)が出てくる。また、時代も少しずらしてあり、電気やラジオが出てくる。大雪の晩、アイピング村の宿屋に妙な男がやってくる。顔を見せないので、中には脱獄囚ではないかと疑う者も。田舎のこととて、酒とうわさ話の他に楽しみはなし、たちまち興味を引く。原作だとグリフィンがロンドンから田舎へ移ったのは、空気の汚れ・・ススやほこり・・や霧のせいで、透明でいることが難しいから。しかし田舎の人間の詮索好きを考えれば、都会にいた方がマシだと思うが。フローラの父クランリーは科学者で、グリフィンとケンプ(ウィリアム・ハリガン)はその下で働いている。ここらへんも、ケンプが殺されてしまうのも、原作とは違う。ケンプはフローラを愛しているが、彼女は失踪したグリフィンのことで頭がいっぱい。騒ぎを起こし、宿屋にいられなくなったグリフィンは、ケンプの家に現われ、協力を迫る。薬で透明になったものの、復元薬はまだ。おやおや!おっちょこちょいなやつだ。薬の副作用で性格が凶暴化。列車を転覆させるなど多くの犠牲者を出す。恐怖で言いなりだったケンプだが、意を決して警察に通報。クランリーにも知らせる。しかし警察はウロウロモタモタ同じ失敗をくり返す役立たず。ケンプのことはグリフィンをおびき出す囮としてしか考えていない。フローラもクランリーもグリフィンを助けてやりたいと考えている。誰もケンプのことは真剣に心配してくれない。とうとう彼もグリフィンに殺されてしまう。私は彼が気の毒で仕方なかった。グリフィンは元々は好青年、あんなふうになったのは薬のせい、薬を作るのを急いだのだって、フローラのために早く富と名声を手に入れたかったからなどと、いろいろ弁護しているが私はそうは思わない。彼には元々自己中心的で、残酷な面があったのだ。宿屋のおかみはウナ・オコナー。彼女の悲鳴やドタバタぶりがおかしい。ホラーには笑いも必要だ。映画を見ていてもわからないが、コメンタリーを聞くと、ジョン・キャラダイン、ウォルター・ブレナン、ドワイト・フライが出ているのがわかる。

インビジブル

「悪いことしましョ!」の予告を見るために見た映画。評判は悪い。エログロだの何だのって。それもこれも監督(ポール・バーホーベン)のせいにされて。特撮シーンは見るに堪えないかも・・なんて思っていたけれど、「ハムナプトラ」のミイラとか理科室の人体模型と変わりないんでそんなにショッキングでもなかった。むしろ本当によくできているなあ、どうやって作ったんだろうと感心しながら見ていた。特にボタンをはずすなどという難しい動きはCGには見えないし・・。主演のエリザベス・シューは胸が大きいのとしまりのない口元とで、とても理知的な科学者には見えないのだが、けっこういい年なのにかわいらしくて憎めないという感じでなかなかよかった。最後の方のフントウぶりは「けっこうやるじゃん」という感じでカッコよかった。保管庫に閉じ込められて絶体絶命になるが、「死んでたまるか」と知恵をしぼって脱出し、最後には「地獄へ落ちろ」とケヴィン・ベーコンに引導を渡す。キャーカッコイイ!ジョシュ・ブローリンの暖かさと、ベーコンのエゴイストぶりもいい対照。サラという女性の気の強さぶりもよかった。残念なのはベーコン扮するセバスチャンが火で焼かれ、レンチみたいなので脳天を直撃され(何で血が出ないの?)、高圧電流に感電しても死なないこと。透明人間になって不死身になったってんならともかく。それにいつの間にエレベーターの箱の上に来ていたの?シューさんはサラに思いっきりひっぱたかれたんだから顔が腫れ上がるはずだし、サラさんは首を折られたのに表情変わんないし、ブローリンさんは出血で半死半生だったのにいつの間にか元気いっぱいになってるし。そこらへんはいいかげんです。しかしエレベーターのシーンは本当にすごかった。この迫力はやっぱり映画館でないとね。・・と言うわけで一回のつもりがいつも通り二回しっかり見て満足して帰ってきた。ファーストシーンの顕微鏡でも覗いているようなところ(アルファベットが組み合わさって出演者などの名前になるというアイデアがまず気に入った!)、何だか気になる音楽(・・と思ったらジェリー・ゴールドスミスでした、さすが)で最初っから引き込まれてしまった。でも私の一番のお気に入りのシーンは、実験用動物が吠え、鳴き、あばれる中でちょこんと大人しく座っているネコちゃん!かわい~。

インビジブル2

・・今久しぶりに感想を読み返して、一つ発見した。フランクという役の人、どっかで見たような・・と、ずーっと思っていたけれど、「タイムトラベラー きのうから来た恋人」で教祖おじさんをやった人だ。ちょうど一年前だ。・・これも2000年11月10日に相鉄ムービルで見た後書いた感想。「レンチみたいな」は金てこだし、「何で血が出ない」は血液も透明だからだ。ノベライズを読んだり、DVDで何度も見たりすると、第一印象も当てにならないな・・と思ったりするが、まあそれはそれで大事な記憶だと思う。これを見た後「悪いこと」が始まったけど、確かまた「インビジブル」に戻ったと思う。「悪いこと」はそれくらい不入りだったのだろう。東宝会館でもやっていたからいっそう・・。前にどこかで書いたが「ヴァイラス」も途中でもう終了した「8MM」に戻ったし、映画もヒットしないと悲しいものがあるね。「インビジブル」のDVDは「2」とセットで買ったのかな・・もう忘れちゃったな。いまだに何で「2」が作られたのかよくわからない。こんな仕事しかないクリスチャン・スレイターが何だか・・。スレイターにしろ、ブレンダンにしろ、ヒット作にめぐまれない俳優って悲しいなあ・・。あらら、何だか文章まで気勢が上がらないわ。気を取り直して・・古本屋で買ってずっとほったらかしにしていたノベライズを読んだのをきっかけに、DVDを再見。まあ何度見てもそれなりに楽しめる。顔ぶれも揃ってるし、セットも(安っぽいと書いてる人もいるが)ちゃんとしていると思う。特撮も一流。それなのにどことなく漂うB級感・・いいねえ。傲岸不遜なケヴィン・ベーコンのセバスチャン。見たくもないのにスッポンポン。実験の時パンツはいてたっていっこうにかまわないのに脱いでしまう。ちなみにこの頃はあんまりベーコンのことは好きじゃなかった。「ワイルド・シングス」でもまともそうなキャラなので好感持って見ていたのに脱いだし。脱ぎたがりや、見せたがりやという印象。「エコーズ」あたりからだな、好きになったのは。さてメイキングを見ると、俳優達は目印相手に演技していたわけではなく、ベーコンがその場にちゃんといたようで。ベーコンはグリーンやら黒やらのスーツ着ていて、後で画面から消したようで。そのわりには俳優達の目線が変だとか思っちゃうのはなぜなんだろ。ま、いいか。

インビジブル3

何度見てもエリザベス・シューのリンダはビミョー。とても科学者には見えない。彼女のでろんとした口元が引き締まっていれば・・女優人生もかなり違っていただろう。てなわけで何度見ても彼女には違和感があるのだが、同時に何度見てもクライマックスでの奮闘には感心してしまうのだ。エレベーターシャフト内での、やすやすとケーブルを上ってくる腕力・・すごいなあ。趣味はロッククライミングとか?サラ役キム・デュケンズは「気まぐれな狂気」に出ていた。サラはセバスチャンと似ているところがあり、そのせいで反発し合うのだと思う。セバスチャンはマットと似てないことで反発するし、サラもリンダと似てないので反発する。そしてリンダとマットは似ているので強く引かれ合う!いやこの映画の場合、こんな人物愛憎相関図なんて考えてないで特撮に感心するべきなんだろうけどさ。コメンタリーでリンダはマットを愛しているけど、セバスチャンも引きつけていたいとか何とか言っていて。あらそうなの?・・とびっくりしたわけで。二人ともなんて欲張りな。映画ではそれぞれのキャラは掘り下げられておらず、ノベライズでも十分描かれていない。テーマはそこにはなく、透明になったら何をしたい?覗き見!とか、透明になるとついでに精神的にも肉体的にもモンスターになるとか・・まあホントお手軽。セバスチャンが強がりの中にふと見せる孤独とか、ごうまんさの中にふと見せる気配りとか(フランクにコーヒーポットを渡すさりげない動き!)もあるが。マット役はジョシュ・ブローリン。こういう誠実で暖かいキャラって珍しいんだよな。たいていもっとクセのある扱いにくいキャラなことが多い。「ナイトウォッチ」のジェームズとか。フランク役ジョーイ・スロトニックの、メイキングでの言葉が印象的。「透明になっても同じさ、今も視線は集めてない」・・悲しい答だけど言えてる。透明になってもベーコンならわかる。声や衣服等の動きで。うつっていなくても画面のそこを見てしまう。見る者の視線を集める。でもスロトニックはそういうタイプじゃない。そこにいても透明人間と同じ。一生かかっても花形スターにはなれない。でも・・こういうタイプもいなくちゃ困るのよ!

インビジブル4

カーター役グレッグ・グランバーグは知らない人。うんとやせればキアヌ・リーブスに似ていなくもない。彼はテレビの「フェリシティの青春」や「HEROS/ヒーローズ」に出ているらしい。クレイマー博士役はウィリアム・ディヴェイン。よく見る顔だ。「スペースカウボーイ」とか。彼を見るとリチャード・ジャッケルかと思ってしまう。ジャッケルなんて誰も知らん?いや、「グリズリー」とか「スターマン」とか。「エイリアン」のイアン・ホルムにも似てるな。今回見て・・いや、前見た時も気になったけど、透明化したセバスチャンに襲われる隣りのアパートの美女・・ローナ・ミトラなのね。いやホントきれいで印象に残る。本当はもっと出番あったけど削られたのね。私はてっきり彼女殺されたんだとばかり思ってたけど、(DVDの特典見たら)違った。まあ・・何ですな、誰が見てるかわからないからカーテンは閉めましょうね。あの女性はちょっと不用心だけど、こういう映画のお約束でもある。ところで、国防総省のプロジェクトとなれば透明化実験が平和利用なんてありえないわけで、目立つことしか考えてないセバスチャンはともかく、リンダやマットはどう思っているのかしらね。何か目指すもの(崇高なものであるはずだ)があるからこそ、何年も力を合わせて研究しているのだと思うが。それとセバスチャンは透明になってからは何も研究してないな。科学者なら自分に起こった変化記録したり調べたりするはずだが。映画のテーマはそこにないからいいのかな。ゴリラのイザベルはどうなった?冷凍室に何で医療機械が?マットのおなかの傷に直接ダクトテープべたべた貼って・・はがす時痛そう・・。何か布を当ててからやりましょう。また、セバスチャンがいくら透明で悪賢いからって、ああも簡単にばたばたやられていくのもなあ・・。固まっていればいいのにばらばらに行動する。スプレーとかあるんだしちっとは工夫しろッ!扉はちゃんと施錠しろッ!冷凍室の扉閉めろッ!あのままじゃ冷気出っぱなし。あんな紙燃やしたくらいのチョロチョロの火じゃ、マットは生き返らん(生き返るけど)!とまあほじくりどころ満載の映画。ところどころ下品なところもあるけど、でもおもしろい映画ですよ、サービス満点。最後に・・感電したり焼かれたりのセバスチャンのベーコン・・あぶったベーコン・・いい匂いがしそうだ。

インビジブル2

今年最初の太極拳の練習の時、ある会員さんに「○日の朝、先生(いちおう)が××駅のホーム歩いているのを見かけましたよ。よっぽど声をかけようかと思ったけど、ボクは下りの電車に乗っていたのでかけられなかった」と言われ、びっくり。ウーム、いつどこで見られているかわかんないもんですな。でも出かけるところだからまだよかった。映画を見た帰りだとどんな顔してるかわかったもんじゃない。入り組んだ掘り出し物だったりすると、あれこれ妄想してデへヘ・・なんてにやついていたりするからな。用心用心。その日見たのは「インビジブル2」。一作目は映画館で見て、けっこうおもしろかった。「悪いことしましョ!」の予告目当てで行ったのだ。私は時々予告目当てで映画館に行くことがある。気に入った映画だと、その映画の何もかもを手に入れたくなるのだ。チラシ、パンフ、サントラ、DVD、ポスター・・時にはグッズ(Tシャツとか)。予告もその一つ。DVDの特典として入ってる場合もあるが、入ってないこともあるしね。あの時は「インビジブル」が終了して「悪いこと」の公開が始まったけど、しばらくするとまた「インビジブル」がかかり始めた。それだけ「悪いこと」はお客が全然入らなかったということ(いい映画なのに・・)。あれから何年たつのかな。続編が作られているなんて知らなかったけど「ぴあ」に小さな記事が載り、主演がクリスチャン・スレイターとくれば、そりゃあ見ないわけにはいきませんて。おなじみシネパトス、二回とも15人くらいで、レディス・デーのせいか若い女性も数人。きっとスレイターのファンだろう。もう一人ピーター・ファシネリが出ているけど彼のファンじゃないだろうなあ(まだ日本ではあんまり知られていないと思う)。前作ではケヴィン・ベーコンが脱ぎまくり・・じゃない、暴走しまくり、ラストはエリザベス・シューが「くたばれ」とか言って殺しちゃう。かなり過激。いちおう前作で透明化には成功しているので、今回は死に至る副作用抑える緩和剤が焦点。スレイター扮するグリフィンが緩和剤求めて暴走する。この映画、作られたもののアメリカではビデオスルーらしい。何で?そりゃ前作にくらべれば確かに地味。スレイターにもベーコンほどの強烈なインパクトなし。何しろ最初から透明だからスレイター本体(?)ちーとも出てこないのよ。回想シーンでチョビ、クライマックスでチョビ。

インビジブル2 2

彼目当てのファン(私とか)にはちと辛いかも。仕方ないから声だけ流してる。これでガマンしてねファンの皆様ウフ・・って感じ?映画のほとんどは殺人事件の捜査から降ろされ、護衛の仕事に回されておもしろくなく思っている刑事フランク(ファシネリ)と、護衛される若く美しい科学者マギー(ローラ・レーガン)とのあれこれ。一回目は見ていても物足りない。スレイターの不在に加え、ファシネリにあんまり魅力がない。目のあたりがトム・クルーズに似ていて、ちょっとぽちゃっとしていて、口のあたりが甘ったるいと言うか・・。別にこんなタイプ嫌いだわ・・なんて思ったりしないけど、どっちかと言うと好感の持てるタイプなんだけど・・今いちピリッとしない、物足りない。むしろスレイターがこの刑事役やってればもっとおもしろくなったと思う。あるいはスティーブン・ドーフあたりがさ。彼が刑事でスレイターの透明人間と戦うんだったら・・もっと・・(妄想)。「アローン・イン・ザ・ダーク」再び!さてファシネリ君どーもどっかで見た顔だ。どこでだったかしらん・・とずーっと考えていて、にやけたトムクル・・「スーパーノヴァ」のカールだ!・・と思い出したんですの。素っ裸になったり女のコゆーわくしたり怪物になったりいろいろやってたっけ。ベーコンといい勝負じゃん(負けるけど)。ファシネリ君の透明人間もいいかもよ(だからってホントに透明になるかよ!)。マギー役のレーガンも最初はしっくりこない。表情に乏しく、もしかしてこの人演技ヘタかも・・なんて。でも二回目見てたら慣れたせいかなかなか魅力的に見えた。ショートカット、長い首、なで肩、スラリとした体つきで姿勢がいい。一目でバレエやってたな・・とわかる。科学者だから服装は無造作だが、ムダのない体つきはうらやましい。出演者は知らない人ばかり。ストーリーは驚くほどいいかげん。つじつまは合わないし、登場人物のキャラはうすっぺら。国を守る兵器として透明人間を作ることに、マギーが何の疑惑もいだいていないことからしておかしい。私は科学者だから世間のことは知らない・・みたいな視野の狭さ。軍がライズナーと組んで透明人間作ったのは、国防のためではなく政敵暗殺のため。・・別にわざわざ透明人間使わなくたって・・。政敵ばっか殺してると目立つので、無関係な一般市民も殺す。

インビジブル2 3

特殊部隊出身のグリフィンは無敵の暗殺兵器なのだ。ところがライズナー達はなぜかグリフィンに緩和剤与えないのだ。このままでは副作用で死んでしまうので、グリフィンは緩和剤求めて暴走するのだ。だから・・何で与えないの?与えるフリしていくらでも始末できるのに、何手間をかけているのかね。いくら衝撃的だの残酷だのと謳っても、こういう基本的な部分があいまいむちゃくちゃなので、説得力全然なし。そのうちフランクとマギーの逃避行。グリフィンと国防総省と警察と三者から追われる。いろいろあって絶体絶命という時、フランクは自分も透明人間になります。あなたにも簡単になれます透明人間てか?まあこの展開にはちとびっくり。しかもクライマックスは透明人間VS透明人間。あのー映画史上初めてじゃないの?見えないものどうしのバトルって・・。手に汗握れったってムリだよな、見えないんだもん。どっち応援しようかな・・とも思わないな。どっちが勝ってるのか負けてるのか見えねーぞ、おい!さすがの私も笑いこらえてましたとさ。怒る気にもなれん。・・で、フランクだけど元々はのんびりしたやさしい性格なんだと思う。正義感も強い。マギーの元同僚が殺されるという事件が自分達から取り上げられたことにまず腹を立てる。次にマギーを護衛中相棒のリサを殺され、またまた怒りに燃える。透明人間になった直後、彼はライズナーを殺す。自分で直接手は下さないけど、そういう状況に持ってっちゃう。積もり積もった怒りのせいもあるが、彼には元々そういう面があるのではないか。やさしくて正義感の強い好青年も、機会を得れば簡単に殺人鬼になれるのだ。これはなかなかいい設定だと思った。しかしがっかりさせられたのが赤外線カメラにうつるフランクの頭部(パンフに写真あり)。スタントマンかファシネリ君自身か定かではないが、明らかに髪の毛ないじゃん。頭に何かかぶってるってすぐわかっちゃう。それともフランクは実はカツラかぶってたとか。透明になったらハゲも何も関係なし・・と脱ぎ捨てたのか。アデランスとはおさらばだいッ!それにしてもいきなり裸になったのに平気なんですか?寒いと思うが・・。スースーすると思うが・・ってどこがだよッ!透明人間って大変なんですよ真面目な話。

インビジブル2 4

さてマギーはグリフィンに強要されて緩和剤与えるけど、疑り深いから半分自分に注射しろ・・と命令される。そりゃそうですわな、何注射されるかわかったもんじゃないからね。それにしても普通の人に緩和剤注射したらどうなるの?何でできてるのか知らんけど。前にも書いたけど、この映画の焦点は緩和剤。マギーはグリフィンを被験者とした実験は失敗したと聞かされている。緩和剤が効かなかったと・・。彼女は研究所をクビになるが、納得いかないので実験はその後も続けている。自宅の冷蔵庫の中は、何やら薬でいっぱいだ。今もグリフィンに脅されて大学の研究所で緩和剤作っちゃった。そんなに簡単に作れるの?ライズナー達は彼女をクビにだけしておいて、何で後はほっといたの?さてフランクと戦っている時に、グリフィンに異変が起きる。姿が見え始める。やっとスレイター出現かと喜んだのもつかの間・・「何を注射した!」「殺鼠剤よ」・・ってオレはネズミかよッ!そう言えばマギーはネコ飼ってたけど、家が爆破されて・・あのニャンコどうなったのかしら。話を戻して・・鼻血を出しながらも冷静なマギー。あっぱれ烈女・・自分の命を賭けて殺人鬼を始末・・あら?助かったの?病院で何事もなかったかのように気持ちよく目を覚ます。ハーレクインロマンスみたいだな。清潔な病室、目覚めたばかりの血色のいい美女、窓から差し込む明るい太陽の光・・。妹が心配する。「フランクは行方不明よ」でもマギーは全然心配してない。外で病院の窓見上げるフランク。これまたスクリーン右下(中央でも左下でもいいけど)に「つづく」って出そうな雰囲気。作るんですか?ファシネリ君で?まあ別にいいんですけどさ。マギーは一つ忘れてますぜ。前のベーコン(役名忘れた)にしろ今回のグリフィンにしろ、透明人間になると超人的な身体能力の他に、人格の変化も起こるんじゃないの?フランクだって・・。何となくお気楽ムードのマギーには首を傾げたくなる。マギーがあのまま死に、孤立無援のフランクはこの先どうなるのでしょう!と気をもませるラストの方がよかったのでは?さて・・いろいろ書いてきたけど気づいたことあれこれ。フランクの相棒リサは刑事にしてはずいぶんヒールの高い靴はいていて・・あれでいざという時走れるんですかね。とは言えリサを演じている人はなかなかよかったです。

インビジブル2 5

パンフにも書いてあるけど、透明人間と言えばお色気シーン。透明になったらまず何をしたい・・って、そりゃもちろんノ・ゾ・キ・・ってそれしかないんですかね。前作はベーコンだから・・あのベーコンだからそこらへんばっちり。覗きシーンだけでなく、自分自身まで、見せなくたっていいものわざわざ見せて(もちろんじかにではありませんけど)呆れたけど、今回のグリフィンは何しろ死が迫ってるからそれどころじゃない。彼は裸だから寒い。透明人間の弱点ってそこだよな。マギーの家見張るのに向かいの家忍び込む。そこではバカップルが暗くてもうつるビデオカメラ使っていちゃいちゃのさいちゃいちゃ・・じゃない最中。その画面に人影がうつるから女の子はびっくらこくわけです。グリフィンはカメラの前横切ったりして、わざとやってるとしか思えない。夜だし外は寒いから室内に避難しているという理由はあるけど、うつるとわかっているカメラの前普通は横切らない。映画だから横切る。ここは効果音入れて怖がらせるシーンだけど怖いと言うより笑えた。エレベーターの中で夜勤の女性と会話するシーンがある。てっきりフードつきのコート、顔にはマスク・・と思わせといて実はそのまんま。見えないまんまというのがすばらしい。この女性も犠牲に・・と思わせといてそうならないというのもいい。実はこの女性は盲人なのだが、エレベーターから出て白い杖を出すまで我々にはそれがわからない。グリフィンは殺人鬼だが、理由のない殺人はしないのだ。こういう描写があるので、映画が終わってもグリフィンはひどいヤツだという印象は残らない。まあはっきり言ってトホホな映画。製作総指揮があの!ポール・バーホーベン!というのがすべてで、あとは何もない・・みたいな。でも見終わってみればそれなりにおもしろかったと言うか。地味で欠点だらけではあるけれど、どこかしら魅力がある。前作と似た感じのオープニングクレジットや、音楽もよかった。パンフは笑っちゃうほど小型で(メモ帳かよッ!)、同じ600円でも「プラダを着た悪魔」の大きくて堂々とした内容豊富なパンフとは雲泥の差。ちゃんと普通サイズにして、写真もちゃんと載せ、スタッフやキャストもっと紹介しろこら。ファシネリ君なんて主演なのにほとんど無視されてますぜかわいそう!