TAXI
これはだいぶ前に一度見た。ハリウッド版では美女軍団が強盗やっていたけど、こっちは特徴のないヤローども。ダニエルはピザの配達人をやっているが、それも今日で終わり。六年かかったけどやっとタクシー運転手に。そんなに大変なのかな、タクシー運転手になるのは。と言うか彼は無免許らしい。どゆこと?最初に乗せた客はカミーラ。彼女の息子がエミリアンで、運転免許の試験に落ち続けている。警察の仕事でもドジばかり。まあクビになる心配はないだろう。まわりは彼以上にアホだから。さて、ベンツを使った強盗団がとうとうフランスにも現われた。しかもこのマルセイユに。しかも事前に予告までするという大胆不敵さ。何とかつかまえて手柄を立てたいエミリアン。ダニエルの恋人リリー役でマリオン・コティヤール。いいムードになる度に邪魔が入るのでオカンムリ。エミリアンの方はペトラに片思い。リリーはいかにもフランスらしくフワッとした美女だが、ペトラは長身でしっかりとした体つき。ややいかつい顔立ち。演じているエマ・シェーベルイはスウェーデン出身。以前見た時はあんまりおもしろいとは思えなくて、何でこれが人気シリーズとしてその後も続くのかいな・・と不思議だった。二作目、三作目はおもしろかったけど。今回改めて見たらけっこうおもしろかった。でもラスト近くの某シーンはいらなかったな。何と言うかリリーはこのためだけに出ているみたいで。ダニエルの某発言も女性からすると暴言。まあそういうところでも入れとかないとこの映画お色気不足になっちゃうんだけどね。強盗団がアレだから。この映画のいいところは、いかにもマルセイユらしく明るくて晴れていて暖かそうなところ。こういう・・明るい画面の連続って珍しいからさ。暗くて何がうつっているのかわからない映画ばっかりだから、これを見ると気分も晴れやかに。あと前半の銃を撃ちまくるシーンもおかしかったな。「ポリスアカデミー2」みたいで。それ以外は・・何だろこれと言って印象に残らないな。見ている間は楽しいけど。見終わるとあまり頭に残っていない。いや、残っているんだけど文章にしようとしても・・。あまりにもおバカでノーテンキで、メモを取る手も途中から止まってしまっていた。ペトラはいいです。女性から見てもカッコイイ。
TAXi3
一作目は笑えるのが速度測定機が倒れるところくらいで、あんまりおもしろいとは思わなかったのだが、3までできるくらいだからヒットしたんでしょうな。「3」の出だしは「YAMAKASI」風(見たことはないけど)。追われている人がヘルメット取ったらシルベスター・スタローンなのにはびっくりしたが、逃げてる時と体格違うじゃん!もっと真面目にやれ!うさんくさいサンタ集団というのは「ジングル・オール・ザ・ウェイ」、デパートとサンタは「バッドサンタ」、銀行までトンネル掘ってというのは「おいしい生活」・・つまりストーリーに新鮮味ゼロ。マルセイユ警察の連中はありえないほどアホで、展開はありえないほどいいかげん。エミリアンは怪しいサンタを二回も偶然目撃する。一回目はサンタに化けた署長で、二回目はビンゴ!強盗団のアジトを見つけるがあえなくつかまり、気持ちのよすぎる拷問を受ける。ところで何を白状させられたの?一方ダニエルはアジトの位置を知らせるために警察へ行ったのに、警察はトンネルの情報が入ったとかで銀行の方へ。一味は警察を出し抜いてアジトへ・・だから最初からアジト見張ればいいのに!ところで私はエミリアンが気に入っている。大きな生気のない目をしていて、強盗団のことが気になって奥さんのぺトラが八ヶ月の身重なのにも気がつかない(ありえん!)。ボクがパパに?うれしさのあまり気絶し、ミーティングでは一人だけ別の世界をさまよう。一方ダニエルの方もリリーが妊娠。エミリアンとダニエル、二人してタクシーの中で夜明けを迎える。何なんだ?この親密ムードは・・。でもそこがおかしい。ダニエルが不審そうな顔をしているのがおかしい。エミリアンが全然気がついていないところがおかしい。・・つまりダニエルとリリーがいちゃいちゃするのはおかしくも何ともないが、エミリアンのダニエルに対する態度が笑えるのだ。何となくホモっぽい。本人は全然そんな気はないのだが・・。つかまって危ういところをダニエルに助けられたエミリアン、お礼を言わないのでダニエルが「俺、おまえを助けたよな」と念を押すところがおかしい。事件が解決し、ペトラの出産にかけつけ、二回も気絶するところがおかしい。湖か何かに落ちた署長が幽霊みたいな顔で「エミリアン・・エミリアン・・」と言うところがおかしい。これエミリアンとエイリアンを引っかけているんでしょ?4も作ってください。
TAXi4
「1」から「3」までいちおう見ている。最初に見たのは「3」で、そのせいか一番好き。今回は四作目なので出来は期待していなかった。シネコンでは吹き替え版しかやってないし、しかも声をあてているのがオリエンタルラジオとかいうコンビ。話題作りのためかもしれないけど、本職の声優でないというのはどうも心配。でも・・見てみたらそれほどひどくもなかった。そりゃあ単調だし、ただあててるだけ。でもそれがかえってよかった。何しろフランス語で早口となると、聞いてて鬱陶しいでしょ。英語の早口とはまた違って・・聞いてるだけで疲れちゃう。目から入ってくる映像はめまぐるしいし、ストーリーは信じられないほどばかばかしい。日本語のセリフが盛り上がらないので、それで相殺されてちょうどよくなるのよ。あれでテンション高い早口フランス語聞かせられていたらきっとうんざりしたと思う。今回ちょっと意外だったのはタクシーそのものはあんまり活躍しないの。冒頭サッカーの有名選手を競技場(の中)まで送り届けるっていう・・それだけ。今回の主役はジベール署長(ベルナール・ファルシー)。声は高田純次氏で、もちろんテンション高いんだけど、ちゃんとやってるというか。もっとムチャクチャな全然関係ないようなことしゃべりまくるのかなと思っていたから、まともなのにかえってびっくり。タクシーがあんまり出てこないってことは、サミー・ナセリのダニエルもあんまり活躍しないってこと。「3」ではそれぞれの奥さんが妊娠やら出産やらしてたけど、今作ではそれぞれかわいく成長して出てくる。ダニエルの奥さんは今回はなぜか出てこない(「ピアフ」のせい?)。そのせいかいやらしいシーンほとんどなし。家族で(安心して)楽しめる映画になってる。だから私は今作が「3」以上に気に入りましたよ。この映画の前に「ラッシュ3」を見て、フランスの警察の描かれ方に呆れたけど、この映画ではそれ以上にバカでマヌケでノーテンキ。自分で自分をおとしめて笑っているような感じ。見ていて気分のいいものではないが、それさえクリアーすれば楽しめる。私には「ラッシュ3」よりこっちの方がおもしろかった。ナセリはすごい顔になってきたな。ゴツゴツひび割れているし(乳液塗ったら?)。
TAXi4 2
エミリアン役フレデリック・ディーファンタルもくたびれてきたけど、ナセリにくらべりゃまだ・・。彼は「ルーブルの怪人」にも出ていたな。女性に振り回される役が似合う。奥さんペトラ(エマ・シェーベルイ=ヴィークルンド)がまた堂々としていてステキなんだよな。今回はけっこう活躍する。秘密任務についているところをダニエルとエミリアンに見られるんだけど、任務のことは知らないから、どうも見たことがあるぞ・・とダニエルは不思議がる。でもエミリアンの方は全然気にとめなくて、そのオバカぶりが笑える。今回彼は重罪人を逃がしてしまう。彼はいつもヘマばかりしていて、警官には向いていないんだけど、他にやりたい職業はないの。やっぱり警官として人の助けになりたいと思っていて、そこにちょっと胸キュン。いやらしいシーンはないけど、やっぱりエミリアンはダニエルにくっついて話すようなシーンがあって、そこが笑える。本人達にはその気はないんだけどまわりから見るといやにくっついている。ジベール署長はいつにも増してハイテンション。出てないシーンもあるのに、終わってみれば一番印象に残っていると言うか。クライマックスではドハデに屋敷破壊するし、サッカーまでやってみせる。今回はギャグもいっぱいあったしスピード感もあったし、シネコンだから一回しか見られなかったけど、もう一度見たいくらいだった。ちなみにお客は11人くらい。あんまりヒットしてない感じ。「ラッシュ3」みたいな今回はパリが舞台・・とか、真田氏が出ているとかそういう目玉はなし。サッカーの有名選手ったってこちとらちんぷんかんぷんだしさ。だから私にとってはこれというものもなく、期待せずに見に行って、結局はそれがよかったのよ。月日を感じさせるものとして子供の存在があるけど、二人ともとってもかわいいし、変にこましゃくれていないのもいい。出てはくるけどストーリーの邪魔になるほどじゃない。将軍(ダニエルにとっては舅)がいいように孫(とその友達)のおもり押しつけられているのも微笑ましい。たった一つ不満があるとしたら悪役がぱっとしないこと。アッと驚くような大物出してきて欲しかった。ものすごいハンサムとか・・。監督ジェラール・クラヴジックは「花咲ける騎士道」とった人。だったらヴァンサン・ペレーズとかさあ・・。こんな終わったら顔も名前も思い出せないようなしょぼい犯人じゃなくてさあ・・。
TAXI ダイヤモンド・ミッション
原題はずばり「TAXI 5」。前作から11年たってるらしい。「5」の後は作られていないのか。パリオリンピックがあったし、それをネタに作れそうに思えるが。マロ警部はパリからマルセイユへ飛ばされる。警視総監の奧さんに手を出したのがばれたらしい。後で総監が出てくるが、何もなかったな。マロは特殊部隊に入りたいが、マルセイユにいたのではその夢もかないそうにない。おまけに市警の連中は変人・変態揃い。いくらかまともな署長のアランは車にはねられて入院してしまった。ここんとこマフィアの宝石強盗団が店を立て続けに襲っている。近く開催される世界宝石展も狙われるだろう。マロはアランからダニエルやエミリアンの活躍を聞いても、車のことを聞いても興味示さないが、実物の車を見れば気も変わる。現在ダニエルはマイアミにいて、エミリアンは辞めたらしい。と言うことでマロの相棒となるタクシー運転手は、ダニエルの甥エディ。冒頭エディの叔父が出てくるが、ダニエルではなくハミット。彼が使ってるダニエルの車が、エディのところへ戻ってくる。以前署長だったジベール(ベルナール・ファルシー)は市長になってるが、相変わらずの無能ぶり。ストーリーは文章にするのもためらわれるほどのばかばかしさ。マロの無茶な運転にびびった護送中の犯人が、「白状するから」と、ペラペラしゃべるのは笑えたけど、あとは低調。笑いにもキャラにも新鮮味がなく、呆れてしまうほど。見ていて印象に残るのは、出てくる俳優がみんな誰かに似ていること。特にマロ役フランク・ガスタンビドゥはヴィン・ディーゼルを少しスマートにしてジェイソン・ステイサムで風味づけしたような感じ。いやホント、時々「ワイルド・スピード」見てるような気にさせられる。マロが一目ぼれするのがエディの姉サミア。サルマ・ハエック風。強盗団のトニードッグはジャック・ブラック似だし、ロッコはカール・アーバン似。ラストでつかまったトニードッグが「覚えてろ」とか言うので、続編もありそうに思えるけど、6年たってるしな。ガスタンビドゥはいいと思う。軽快で。エディはアホすぎて見るに堪えない。
TAXI NY
これを見る少し前に「TAXi3」を見た。いきなりシルベスター・スタローンが出てきてびっくりさせられた。デヴィッド・スーシェも出ていたし。主役二人がとてもよくて、機会があれば1・2も見てみたい。まあストーリーはアレだけどさ。つまり・・フランスの警察はあそこまでアホじゃないと思うけどさ。「TAXI NY」を見たのはニュー東宝シネマ。年に何回か通う私のお気に入りの映画館。「アイデンティティー」とか「パニッシャー」とか「バレット モンク」とかさ、いいのをやってくれるのよ。残念ながらただいま改装中。新しくなってもあの広さ、見やすさはそのままであって欲しいな。700人以上入るからたいていはガラガラ。今回は元の「TAXi」シリーズが知られているせいか100人くらい入っていたけど、それでもすいてる。何たって前の人の頭が邪魔ということが絶対ないのがいい。さてこの映画、予告を見ておもしろそうだと思った。肩の凝らない単純な娯楽映画という印象。アメリカ映画らしく主人公は女性。しかも黒人。しかも太ったオバさん。しかもハル・ベリーみたいな完璧な美女ではなくて、昔ながらの鼻の広がった庶民的な顔立ち。そこが気に入った。「TAXi3」での中国人女性の使われ方は・・!(今どき)!(なんちゅー)!(使われ方じゃい)という感じで、映画の技術は最新でも、作り手の頭の中はチョー保守的ってのをバクロしていた。つまり女性はいちおう強くて頭もいいけど、必要とあらば男性に奉仕することもいといませんわよ・・ってね。こっちはそこまで都合よくは描いていませんな。お客(女性)にそっぽ向かれちゃう。黒人で太っていて鼻があぐらかいていてもベルはこれこの通り有能で魅力的ですよ・・とストレート。ヴァネッサ達もいちおう悩殺スタイルはしてみせるけど、基本的には仕事(銀行強盗)第一で行動はクール。警部補のマータだって・・。このようにこの映画でまず印象に残ったのは女性の描かれ方。みんな仕事を持ち、女性であることのハンディなんて全くなし。仕事をしていないのはウォッシュバーンの母親くらいのもので・・。まあ私は車には興味ないし知識も皆無。だから人間の方に目が行ってしまう。フォードだBMWだって言われてもわかんないし、チタン製スーパーチャージャー、何ですかそれ?
TAXI NY2
ストーリーはシンプルで、それだけじゃ持たないからくり返しでもある。適当にカーチェイスを絡めて一丁あがり!いやホント頭からっぽにして楽しめばいい映画なんだけどさ。終わってしまえばあとは忘れるだけのさ。でもまあいくつか引っかかるところはあるな。いいところ悪いところ取りまぜてね。冒頭自転車便のライダーがうつる。車の映画なのに自転車?・・とまずびっくり。まあ私「TAXi」シリーズの3しか見てませんからね。1と2見た人は驚かないんだろうけど。ヘルメット取ったら女性でした。別に悪いことして逃げていたわけでも、技術を見せびらかしていたわけでもなくて、仕事が今日で最後で、何分かかるか賭けをしていたっていうオチなんだけど、ここでまず呆れたわけ。だって自転車に乗っていた人(スタントマンでしょ?)と、この女性ベル(クイーン・ラティファ)とでは体型が全然違うじゃん。ベルはふくよか、ええはっきり言いますとも「デブ」ですよ。走り回ってた人普通の体型。それにしてもあんな高いところから飛び降りて、着地した時パンクしないんですかね。速く走れるってことは軽量化してあるんでしょ?そのぶん頑丈さを犠牲に・・。五年かかってやっと手に入れた車、明日からは念願のタクシードライバー。車を前にウキウキしているピンクのシュミーズ姿のベル・・と思ったんですけど、あれって下着じゃなくてピンクのドレスなんですか?タクシーに負けない巨体が何とも微笑ましい。ウエストについた肉とかさ・・♪象さん象さん・・て感じ。ウォッシュバーン(ジミー・ファロン)とのやり取りでも、しっかり者の姉さんと頼りない弟という感じで、例えば夜二人きりで車の中にいても色っぽいムードゼロ。女らしく甘えるのは恋人のジェシーに対してだけ。まあここはあんまりいただけなかったけどね。自転車便の同僚の前でも、ウォッシュバーン母子の前でもベタベタイチャイチャラブラブとおかまいなし。母子が目を丸くしているのが微笑ましい。コホンなんてせき払いしてつつましく注意するのがこれまたかわいい。こらそこの二人、ええかげんにせーちゅうの!まあジェシーがすねて家に入れてくれなかった時(キモの小さいヤローだぜ!)、いいわよほっときましょ・・となるのはよかったけどさ。クイーンはその顔立ち、体型からして、肝っ玉母さんタイプ。
TAXI NY3
恋人ではなく母親タイプ。かわいらしく甘えるのは似合わない。さて一方のウォッシュバーン。演じているジミー・ファロンは知らない人。この映画で知っている人ってクイーンとウォッシュバーンの母親役のアン・マーグレットだけ。マーグレットもパンフ見て「えーッ!」と驚いたわけで・・。エンドクレジット見ても気がつかなかったの。キュートで溌剌としていた彼女も60過ぎて・・ウーム。ヴァネッサ役のジゼル・ブンチェンはディカプリオの恋人ですか、へー知らんかった。さてジミー君。一言で言うと「かわいい!」。女性に大人気ってのもわかる。恋人と言うより弟ってタイプ。いろいろ世話してあげたくなるタイプ。起きなさい、遅れるわよ、ハンカチ持った?兄弟の一番上ってことは絶対なくて、末っ子か一人っ子。世話のやける、世話をやきたい、世話をやくのがうれしい、母親にとっては永遠の坊や。何があっても大丈夫、ママが何とかしてあげる。ウォッシュバーンの母親はちょっとアル中ぎみ。でもふらふらしているようでいて案外まとも。ウォッシュバーンは母親の隣りに住んでいる。アパートの隣りの部屋。いちおう別居しているけど隣りにいればママだって安心。でもベルは呆れて笑い出す。日本だと成人した男性が母親と二人で暮らしていたって何とも思われないけど、向こうはそうはいかないのよね。例え隣りという近さであっても別々に住む。ジェシーにしめ出されて寝るところがないベルはウォッシュバーンの部屋に泊まる。日本だったら母親の部屋の方に泊まるでしょ。そこらへんも違うなあ。ベッドにしてもベルに譲らないで自分が寝ちゃう。ベルは床の上に・・ソファくらいないのかよ!パンフによるとジミー君は(日本では無名だけど)アメリカでは人気実力ともにトップのコメディアンで、女性にモテモテ。その理由は「男らしくてキュートだから」と書いてある。目が大きくてキュートなのは確かだが、男らしいか?歌を歌うシーンがあるが、キャーキャーイェーイェーけっこう高い声出るじゃん。・・でもって女性的。私が彼を見ていて思い出すのはクリス・カタン(パンフにはカッタンと書いてあるが語感がよくないのでカタンにしとくぞ!)。「モンキーボーン」が印象的だったけど、WOWOWでやった「コーキー・ロマーノ FBI潜入捜査官!?」もなかなかおもしろかった。
TAXI NY4
クリスは目が大きくて足が細くて背が低いから、おさげ髪でスカートはいてガールスカウトか何かに変装した時なんてそのかわいいことと言ったら!おどおどしていてはかなげで可憐で・・。ジミーもきっと女装したらかわいいだろうけど、彼の場合背は低くないから、細くて頼りなげではあってもどこかに男っぽさは残っている。だからウォッシュバーンの変装は、ヒゲをつけてハデなカッコしたラテン系の血の気の多い兄ちゃんというのが定番。うーん確かに彼にはハンドルにしがみついてソプラノで歌っている時は別として、どこか男らしい雰囲気はあるな。さてウォッシュバーンにはマータという恋人がいるのだが、恋人だと思い込んでいるのは彼だけで、マータにしてみれば昔のことよ、今は上司なんだからけじめつけてよね・・という状況。マータが登場した時には正直心配になった。いかにもアメリカ映画らしく、やせてぱさぱさのイライラとヒステリックな筋張った女なんだもの。うるおいも何にもなしそのまんま(つまり仕事の鬼、キャリアウーマン)。これで細くて頼りないウォッシュバーンとは対照的な大柄な肝っ玉母さん風美女というのならひねりがきいていておもしろいけど、そっちの方(つまり体重)はベルがもう満たしちゃっているからね。ウォッシュバーンとマータのガリガリどうしで・・。まあマータも少年がヴァネッサ達強盗に人質に取られた時、サッと身代わりを申し出るなどあっぱれで、目をつり上げてキーキー言うだけのヒス女じゃないんだ、勇気と決断力のある女性なのだと感心させられたけどさ。ヴァネッサにボディチェックされ、はずかしめを受けてもじっと耐える。見ている男性警官達は口笛でも吹かんばかり。勇気もないけど礼節の心もない。あるのはスケベ心だけ。それにしてもこの時のウォッシュバーンの描き方には工夫が足りない。あわてるとかわめくとか、目が釘づけになっているまわりの警官けとばすとか、何かしらあばれてベルに押さえ込まれるとかするはずでしょ。コメディー映画なんだからさ。コメディアンなんだからさ、アドリブで・・。でも何もしてない。そう言えばヴァネッサ達が車の修理に来るに違いない・・と目星をつけて張り込みする時も何もなかったな。普通ならちょっといいムードになるでしょ。夜・車の中・二人っきり・他にすることもなしヒマだし。
TAXI NY5
でもやっぱここでもしっかり者の姉と頼りない弟のムード。本家の二人の方がよっぽど・・。「TAXi3」を見てびっくりしたのがエミリアンとダニエルの距離の近さ。まるでキスでもするみたいにくっついているでしょ。そこが何ともおかしかったんだけど、こっちの二人は何もない。・・いや、そういう意味での「何もない」の他に、こういうシーンでは必ず流れるはずのBGMがなーんもなくて、そこが印象的と言うか、ヘンな感じと言うか。普通かぶさるでしょ、思い出話をして、二人の心理的な距離がちょっと縮まるシーンに最適のしみじみとしたメロディーがさ。でも無音。張り込みの最中に音楽がかかることの方が不自然なんだけど、その不自然が常識になっちゃってるからさ、どの映画でも。ところでパンフでこの映画の音楽のこと持ち上げていたけど、私はそんなにいいとも思わなかったな。エンドロールもはずまなかったしさ。それだけにウォッシュバーンがまねて歌うナタリー・コールの歌がやけに印象的なんだけどね。・・てなわけでただ楽しめばいいだけの映画と言いつつ、意外といろいろ書くことはあったな。コメディー映画なのに今いち乗りきれないのか、お客は静かだった。「モンキーボーン」でのクリス・カタンの演技で場内大爆笑なんていうのは、ホントめったにないことだったのね。でもまあ楽しくてかわいらしい映画であることは確か。ヴァネッサ達の背景とか全く説明されなくて、来る・襲う・逃げる・・というふうに、行動が至ってシンプルなのがとてもよかった。四人の美女軍団だけど、ヴァネッサ以外は顔もよくわかんないし。つまりあんまり深追いしてないのよ。一人一人の性格や容姿がどうのということは・・。悪の頂点としてヴァネッサがいて、すべて彼女に視線が集中するようになっているのよ。太陽みたいなもので、他の美女三人も仲間の男も彼女のまわりを回っている取るに足りない存在。最後の最後にぶち切れて銃ぶっぱなして、悪あがきするけどでも一発はベルに命中してケガをさせる。要するにころんでもただでは起きないのよヴァネッサは・・。最後のカーレースは蛇足だけど、この映画、キャストがはまっているのでシリーズ化して欲しいな。ウーム、それにしてもあの美女達も、40年たてばマーグレットみたいになっちゃうのね・・。