ハンニバル2の1懐石
シーズン1の途中で書くのをやめてから、何年もたってしまった。書こうと思って見直したこともあったけど、文章が浮かんでこない。最初のうちはよかった。そのうちだんだん内容について行けなくなった。理不尽だしグロテスク。このシリーズは7くらいまでやるつもりだったらしい。3で終わってしまったから、たぶん多くのことが宙ぶらりんのままなのだろう。ファンはもちろん4以降を期待しただろうが、これでよかったのかもしれない。1がまだ途中なのに2を書くなんてアレだが、今のところ見る気起こらんのよ。はみ出た内臓なんて・・ウゲゲ。冒頭いきなりレクターとクロフォードの格闘。場所はレクター邸のキッチンか。もう何年もたったから、1のラストがどうなってたのかよく覚えていない。2のラストを冒頭に持ってきて見ている者を驚かせ、そこから12週間前に戻るという使い古された手法。グレアムはレクターの犯行みんなおっかぶされて囚われの身。レクターその他の人々が事件について、囚われの身の彼に意見求めに来るなんて逆じゃん・・と思う。1ではグレアムは病気で、それもかなり悪くて心配したけど、いつの間にか治っている。脳炎で片づけられている。彼はレクターが犯人だと思っているが、誰も信じようとしない。証拠はすべて彼が犯人と指さしていて、レクターには何もない。アラーナは彼が無意識のうちに犯罪を犯したのだと思っている。クロフォードは彼を捜査に引きずり込んだことを後悔している。彼が犯人とは完全には思えないでいる。レクターはグレアムを助けたいとしおらしく言う。たぶんグレアムが死刑になりそうになったら、何か起こして引っくり返すつもりなのでは?グレアムが死んでしまったら、今の充実した楽しい日々(←?)も終わってしまう。グレアムはずっと囚われの身なので、動きは少ない。裁判の時もずっと黙っている。原作や映画でのレクターは大変な記憶力の持ち主で、囚われの身でも全く退屈することがない。グレアムの方は頭の中で釣りをしている。そこが何だかよかった。魚を釣り上げるシーンがないのは、記憶が戻っていないことを表わしているのか。
ハンニバル2の2先付
川からたくさんの死体が見つかる。みんな何らかの処置を施されている。カッツがクロフォードに内緒でグレアムを訪ね、写真を見せる。グレアムはすぐ色見本だと見抜く。原作だと皮を剥いで縫い合わせていたけど、こちらは様々な皮膚の色をした死体を組み合わせ、縫い合わせ・・。レクターはあっさり犯人を見つけ、あっさり殺し、足を片方切断して家ですね肉料理。犯人そのものについては何も言及されていなかったな。名前も素性も。グレアムの見立てはレクターと同じ。レクターは現場に身を置いているけど、グレアムは写真を見ただけ。すごい才能。レクターは顔には出さなかったけど、さぞうれしかったことだろう。今回べデリアはレクターの担当医をやめ、身を引くと宣言。ラストでレクターが彼女の家に忍び込んだのは殺すためか。でも彼女は一足先に去っていた。
ハンニバル2の3八寸
いよいよ裁判が始まる。グレアムは自分が死刑になる悪夢を見たりする。しかも電気椅子のスイッチ入れるのは自分。この頃のクロフォードは、ベラをイタリアへ連れていくことを考えている。そこが彼女の死に場所になるはずだった。裁判が進む中、耳が片方送られてきて。鹿の骨に串刺しになった死体が見つかる。口は耳まで切り裂かれ・・。こりゃ一連の事件の犯人は別にいて、グレアムは無実なんじゃないか・・となるが、手口は違う。弁護士にはそんなことどうでもいいが。グレアムが無実かどうかはどうでもいい。無罪を勝ち取ることが大事。とにかくこれはチャンスだ。たぶん犯人はグレアムの崇拝者だろう。アラーナは嘘を言うことには反対だが、裁判の行方には少し希望の光が見えてきた。レクターもその線に沿って証言するが、判事は彼の証言を記録から削除するよう判断。もちろん彼は本物の切り裂き魔の手口で殺される。レクター様を無視したのが運の尽き。私は殺されるとしたら裁判でグレアムを追いつめる側の女性だと思っていたので、判事が始末されたのは意外だった。とにかくこれで裁判はとん挫。全体的に画面が暗く、何がうつっているのかわからないことが多く、見ていて疲れる。登場人物の会話も謎めいていて、は?どういう意味?となる。カッツの垂らした髪が気になる。微細な証拠見つけたり分析するのが仕事なのに、アンタそのヘアスタイルは何?彼女のキャラそのものはいいだけに見ていて残念。
ハンニバル2の4炊合せ
冒頭はアビゲイルに釣りを教えるグレアム。彼の笑顔は美しい。めったに笑わないだけに余計。例の色見本の男の名はグレイ。グレアムは彼の体に、犯人を指し示す証拠があるはずだとカッツに言う。グレイの件とは別に、体が蜂の巣になってる死体も見つかる。普通蜂の巣と言えば銃弾で穴だらけということだが、こっちは文字通り。したがって蜂蜜も取れる。こちらの犯人はあんまり隠していなくてすぐつかまる。事情を聞きにいったクロフォード達も拍子抜けするほどあっさりんこ。何のために出してくるのやら。作り手が蜂の巣人間を見せたかっただけ?犯人ピムズ役はアマンダ・プラマー。蜂蜜をとる時に髪を垂らしたままなのが気になる。髪の毛落ちたらどうすんの?見ていてもそんなことばかりに目が行く。話が浅いのだ。グレアムはチルトンの催眠療法を受ける。レクターに薬物を注射されたことや、閃光を思い出す。発作や記憶が飛ぶこと、脳炎はそれが原因。しかし証拠はない。チルトンにもレクターが一種の洗脳を行なったことはわかったが、何しろ無能なのでグレアムの役には立たないし、彼も期待していない。グレアムはカッツにレクターには近づくなと忠告。しかし今までレクターを疑っていなかった彼女も、グレイの腎臓がなくなっていることに気づき、無謀にもレクター邸へ忍び込む。一方化学療法を受け始めたベラは、自殺をしてけりをつけたい。モルヒネを過剰摂取した状態でレクターのところへ来る。そのまま安らかに死ぬはずが、レクターが助けちゃった。この時、コインを投げて助けるかどうかを決めていたみたい。と言うことは別の面が出ていたら助けなかった?彼女は末期ガンだから肉や臓器には興味ないしな。ここでクロフォードに恩を売っておくのも悪くない。病院で目覚めたベラは怒ってレクターを平手打ち。カッツはレクター邸で腎臓見っけ~。さらに証拠を求めて地下室へ。ところが病院にいるはずのレクターが・・。レクターは瞬間移動ができるらしい。てことはベラがレクターを追い払わず、彼がそのまま病院にいれば、カッツは死なずにすんだことになる。
ハンニバル2の5向付
レクターは妻のことで元気がないクロフォードに、食事を作って勧める。材料はカッツか?ラウンズは前に出てきた天文台でカッツの死体を発見。そりゃ誰かに見つけてもらわないとね。グレアムがこの現場へ行く時の格好は、映画でアンソニー・ホプキンスが着せられているのと同じ拘束衣。カッツの死体は・・輪切りはよくあるけど、今回はたて切りだったな。あまりにもむごい死体の有様にショックを受けるクロフォード。グレアムはラウンズのサイトを利用し、犯人が接触してくるよう仕向ける。今まで表に出てこなかったが、看護師がいやにうつるようになる。被害者のうち裁判所の職員・・串刺しになっていたのは、この看護師の仕業。判事殺しはレクター。グレアムにレクターを殺せと言われた看護師はレクターをつかまえる。しかしこういうタイプにはありがちだが、すぐには犯行に及ばないでいろいろ楽しむ。つかまらないためには自分が犯人であることを隠さなければならないが、その一方で誰かに自分の犯行、頭のよさを吹聴したくてたまらないのがこういう連中のさが。そんなことやってるから駆けつけたクロフォードに撃ち殺される。やれやれ。
ハンニバル2の6蓋物
レクターが殺されかけたことで、クロフォードのグレアムに対する不信感はつのる。ただ、切り裂き魔が臓器などを持ち去るのは食べるためで、犯行後食事会を開くと聞かされると・・クロフォードにも思いあたることで。木と一体化した死体が見つかる。日本人から見ると、花咲か爺さんだ。被害者は市議のアイズリーで、肺以外の臓器はなくなっている。その上レクターは食事会を開くと言う。で、やっとクロフォードは料理を持ち帰ってゼラー達に分析させたけど、結果は空振り。アラーナは食事会の後、レクターと一夜を共にする。グレアムはやめにして、レクターに鞍替えだ。もちろん夜彼女が寝ている間に・・たぶんワインに眠剤でも入れておいたのだろう・・レクターは抜け出し、ギデオンを拉致。彼はチルトンの病院へ戻されていたが、看護師達のリンチにあい、突き落とされて脊椎を損傷。以前同僚を殺されたことに対する復讐らしい。翌朝クロフォードが来たってアラーナがアリバイを証言するだけ。ギデオンには自分の足を食べさせていたな。タコかよ!ギデオンの見張りについていた警官が殺されるが、使われていた毛鉤の材料には切り裂き魔の被害者達の一部が使われており、これでやっとクロフォードもグレアムが切り裂き魔ではないと納得する。アイズリーの肺に残っていた水などから、クロフォードはヴァージニア州サマービルへ。閉じ込められていたミリアムを見つける。と言うか、見つけさせられる。納屋みたいな建物で、床にはこれ見よがしに地下への入口。題名が”蓋物”だけあって、ふたを開けたらミリアムがいましたとさ。
ハンニバル2の7焼物
ミリアムは片腕を失っている。記憶も失っていて、レクターに面通しさせても違うと言う。この頃になると、何だちっとも話が進まないじゃん・・と思うようになる。芸術的な死体にも、おいし(くなさ)そうな料理・・素材が素材だからね・・にもこちとら興味なし。と言うか、今回は珍しく料理のシーンはなかったような。検察が起訴を取り下げ、グレアムは自由の身に。この頃になるとチルトンは自分の身が危うくなっているのに気づき、不安になる。グレアムがはめられたように、また誰かがはめられる。「ジャックに話せ」とグレアムに言われ、思いきって訪ねるが相手にされない。うん、だからこれじゃ話がちっとも・・。家に帰ったグレアムを犬達が迎える。この時だけは彼も自然な笑顔。犬は人をはめたりしない。アラーナは自分が間違っていたことは認めたが、相変わらずレクターのことは信じている。グレアムがいない間、たくさんの犬達の世話をしてくれたのは彼女。頑固な性格だが、親切であるのも確か。この後チルトンが、ちょうどグレアムがそうであったように罪を着せられ、逃げようとするがつかまる。捜査官が何人も殺され、ギデオンの死体も。クロフォードはたやすく間違った方向へ導かれる。おまけにミリアムは自分をひどい目にあわせた切り裂き魔がチルトンだと思い出し、彼を撃つ。てっきりチルトンはこれで退場(グレアムはミリアムがチルトンを殺したとレクターに言ってたし)と思ったけど、後でまた出てくる。しぶといね。もちろん彼女はそういう行動を起こすよう催眠術か暗示をかけられていたのだが、クロフォードまでチルトンが犯人だと思い込むのはいくら何でもおかしい。彼がそういう器ではないことくらいわかってるはずで。
ハンニバル2の8酢肴
切り裂き魔はチルトンだということで事件にはけりがつく。例によってレクターは食事会。グレアムは提供される肉は食べたくないので、マスを釣って持っていく。でもあの・・ソースに使われているかもよ、人骨で取った出汁とか。ある厩舎で馬の死骸が見つかる。二日前死産をし、衰弱してたから死んでいても不思議じゃないが、腹に縫ったあとがあり、開けてみると女性の死体が・・。喉には・・「羊たちの沈黙」みたいに昆虫が入ってるのかと思ったら・・土の塊。死んでるはずなのに心臓のあたりが動いていて、中から飛び出したのは小鳥。ん?体内で生きてられるか?被害者は厩務員のサラ。この厩舎に詳しい者の仕業・・となって、浮かんだのが元厩務員のピーター。たくさん動物を飼っていて、見るからに挙動不審。ただ、彼は馬に頭を蹴られたことがあり、その後遺症も影響している。例の土から場所を割り出し、掘ってみると15体もの女性の死体。サラを入れれば16人。グレアムにはピーターが犯人とは思えないが、何か隠してるのは確か。で、聞き出したのがソーシャルワーカーのイングラム。そのため彼は仕返しとしてピーターの飼っている動物のほとんどを逃がしてしまう。逆上したピーターはイングラムを返り討ちに・・と思えたが、イングラムは馬の腹の中に生きたまま詰められていた。この馬はピーターを蹴った馬だが、彼は別に憎んではいない。それなのにイングラムは馬を殺してしまった。非力なピーターがどうやってイングラムに立ち向かったのかは不明。イングラムがなぜ16人も殺したのかも不明。何で省略するの?グレアムはイングラムを撃とうとするが、レクターは止める。ピーター役はジェレミー・デイヴィス。何となく見覚えがあるが、「ソラリス」のスノーやってた人らしい。
ハンニバル2の9強肴
クロフォードのグレアムに対する疑念はまだ晴れない。アホか!例によってレクターの手料理を楽しみ・・鈍感!関係ないけど、テレビで日本人の料理人が「アメリカの人は(料理を)残すんです」と言っていて。それは「リトル・ミス・サンシャイン」のところでも書いたけど、食べ残しをいっぱい捨てていて。レクターの料理もごてごてと飾りつけられていて量が多い。でも彼が残り物食べてるとは思えない。冬の夜・・トラックの運転手が殺される。ホラー映画みたいだが、何がどうなっているのか全然わからない。暗くて見えないんだもん。朝になるとバラバラにちぎれた死体が・・。このへんの家畜も襲われている。熊か狼の仕業か。家畜は練習で、人間は本番。グレアムは精神病院にいるピーターに写真を見せて意見を聞く。ピーターまさかの再登場。看護師に見つからないようネズミを飼っているのがいじらしい。彼は動物が悪いわけではないと思っている。彼を操ったイングラムもそうだが、悪いことするのは人間の方。次に雪原で若いカップルが襲われる。うつし方がゲージツ的なので、何が何やらだ。見ている我々は、襲っているのは人間だと思っている。レクターは以前見ていた10代の患者の話をする。今では成人しているだろう。自然史博物館で働くランドールがそうだが、レクターの入れ知恵もあり、今では完治したと主張する。この獣になりたいと望んでいるランドールを、レクターはさらにそそのかす。以前グレアムは看護師を使って彼を殺そうとしたから、そのお返しだ。グレアムはランドールを返り討ちにするが、その描写は省かれる。何で?警察には通報せず、死体はレクター邸へ運び込む。これとは別に資産家の兄に虐待されているマーゴが前回から登場している。レクターの患者で、同じく通っているグレアムに興味を持ち、自宅に訪ねてくるなど積極的。
ハンニバル2の10中猪口
前回では省略されていたが、グレアムがランドールをどう倒したのかが描かれる。彼にはランドールがレクターに見えたようで。それにしてもランドール・・弱っちくないか?ドライバーやカップル襲った時の強さはどこへ?グレアムの傷ついた拳をやさしく手当てするレクター。指輪はめてプロポーズするかと思っちゃった。その後ランドールを作品に仕上げたのはグレアムか。レクターは手伝っていないのか。まあとにかくランドールの、獣になるという望みはかなったようで。ラウンズはチルトンが切り裂き魔で事件が終結してしまったのが解せない。あんなにレクターを疑っていたグレアムまでチルトンが犯人と言うのはおかしい。それになぜセラピーを再開したりするの?今回マーゴの兄メイスンが出てくる。今まで姿をはっきり見せなかったけど。髪はボサボサで子豚を抱いて登場。私、マイケル・ピットが「ハンニバル」のシーズン2に出てると知った時は、絶対連続殺人鬼の役だと思った。でもなかなか出てこなくて、今回やっとちゃんと。顔も見えるしまわりは明るいし。だって「ゴースト・イン・ザ・シェル」の時なんて暗くて顔も見えないで終わっちゃったんだから。最後まで彼だと気づかなかったんだから。それと彼は昔からウジウジした、鈍重な、重苦しいキャラが多くて。メイスンは妹をいたぶるなど異常だが、ジトジトもウジウジもしてない。だから彼こういう役もやるんだ・・って正直びっくりした。時々ジェシー・アイゼンバーグに見えたりして。さて、兄妹の父は畜産業で財を成し、メイスンがあとを継いでいる。彼が死んだ時男の跡継ぎがいない場合、遺産は南部バプテスト連盟とやらへ行ってしまう。女であるマーゴは全く無視されているが、レクターは「だったら(跡継ぎを)作り出せ」とそそのかす。で、マーゴはグレアムを訪ね、一夜を共にする。同じ頃レクターはアラーナと・・ここらへんはスローモーションやら何やらで、何となくそれらしくふわふわと長々と。メイスンと会ったレクターは豚を土産にもらい、早速丸焼きにしてふるまう。アラーナも同席していたが、レクターとグレアムの間には彼女が入り込めない雰囲気があって、疎外感を感じたかも。その後グレアムを訪ねたラウンズが納屋で見つけたものは・・。作品に使われなかったランドールの残りかね。
ハンニバル2の11香の物
冒頭・・絶滅危惧種の小鳥を食べるレクターとグレアム。ピーターが見たら悲しむだろうな。でも今はレクターに合わせなければならない。彼に近づいていると思わせなければならない。グレアムはラウンズを殺したとはっきり言っているが、言葉だけでは弱いので、車椅子、燃える人体という、映画でもおなじみのシーンをここで出してくる。死体は黒焦げだが、歯形によってラウンズと断定される。おまけに腰部から戦利品が持ち去られている。その頃マーゴは妊娠に気づく。ところで思い立って「ハンニバル」を読み返した。シーズン3の予習というわけだが、メイスンが少年をいじめるところとか、メイスンの父親のナイフのエピソードとか、レクターのカップを元通りにとか、原作で読んだばかりのことがいろいろ出てくる。ここもそう、あそこもそうと思いながら見ていた。アラーナはだんだん精神的に追いつめられてきている。レクターのことが信じられなくなってきている。グレアムがレクターに接近しているのもおかしい。みんなしてウソをつき合っているような気がして仕方がない。クロフォードもこれ以上隠しておくのは無理だと思ったのか、ラウンズに会わせる。これでグレアムがラウンズを殺したのではという疑惑も晴れ、彼女はさぞホッとしたことだろう。でもこれだと話に無理が出てくる。あの内臓は誰の?燃えたのは誰の死体?検視にはレクターも立ち会っていたから、ゼラー達も協力してだましていたことになる。葬儀の後ほどなくして死体が掘り起こされ、シヴァ神のような作品に仕立て上げられていたけど、これはレクターの仕業か。さて、マーゴの相手がグレアムと知ったレクターは意外だったようで。彼女にも跡継ぎが作れるという可能性をほのめかされたメイスンは早速行動を起こす。身の危険を感じたマーゴは家を出ようとするが邪魔され、手術をされ・・。グレアムはメイスンに怒りをぶつけたけど、裏でレクターが動いているのにも気づいたはずだ。マーゴも自分もメイスンもみんなレクターのセラピーを受けているのだから。マーゴの相手がグレアムでなかったらレクターも黙っていただろう。でもグレアムが父親になるなんて・・。そうなれば彼の考えも変わってしまう。せっかく自分の思い通りになり始めたのに。レクターの”うまく邪魔してやった”と言わんばかりの表情が印象的。
ハンニバル2の12止め椀
レクターがメイスンを殺すよう持っていき、そこを逮捕するというのがグレアムの計画。問題は操ろうとして逆に操られてしまうこと。それを強調するため、べデリアをここで再登場させる。レクターはグレアムの計画なんかすべてお見通しと断言する。レクターはグレアムに仕向けられなくたってメイスンを始末する気でいる。何しろ彼はとんでもなく無礼なのだ。レクターの(大事な)テーブルに足をどっかと乗せる。レクターの(大事な)ソファにナイフを突き立てる。突き立てるのを見た時のレクターの表情・・「ハンニバル」では珍しい笑ってしまうシーンだ。前にも書いたがマーゴには跡継ぎを作るチャンスはあった。父親の遺言書にはメイスンの男の跡継ぎと書かれているわけではない。男の跡継ぎなら自分が産んだ子でもかまわないのだ。でもその望みも絶たれてしまった。おなかには大きな傷あとが残った。メイスンがわざと残させたのだ。彼女の背中は彼につけられた傷でいっぱい。すべてを奪われたと気落ちするマーゴだが、受難の日々はもう終わりだ。レクターはメイスンに幻覚剤を与え・・。首の骨を折って動けなくし・・。殺しちゃうと男の跡継ぎを得るチャンスが失われ、マーゴが路頭に迷うのでいちおう生かしておく。
ハンニバル2の13水物
ベラは自分の思い通りの死を迎えられなかったことをまだ怒っている。うん、だから自殺したいならなぜ5話のところでレクターのところへ行ったのかね。やっぱり一人で死ぬのはいやだからでしょ?クロフォード以外の誰かに見守って欲しかったんでしょ?とは言え彼女にはそろそろ死期が迫っている。レクターは幕引きのことも考え、グレアムを始めとした患者達の記録を焼き捨てる。焼き捨てたって全部記憶しているのだろうけど。記憶の宮殿のところでパレルモ宮殿の名前が出てくるが、シーズン3の伏線か。嗅覚が鋭いレクターは、グレアムにラウンズの香りがくっついているのに気づく。死んだことになってる彼女と外で会うグレアムを始め、みんな緊張感なさすぎ。相手はレクターだぞ。人間じゃないんだぞ(←?)。とは言えさすがのレクターもこの時まではラウンズはグレアムの手にかかって死んでいると思っていたようで。上司は反対したけどクロフォードはバッジも銃も返し、レクター邸へ。そこで1話目の冒頭部分に。アラーナもレクター邸へ。正体あらわしたレクターに銃を突きつけるが、逆に追われて上の階へ逃げる。そこにいたのは死んだはずのアビゲイル。油断したため彼女に窓から突き落とされる。ん?彼女死んじゃうの?やっと駆けつけたグレアムも、アビゲイルを見て驚愕。レクターに腹を刺される。アビゲイルはレクターに喉を裂かれ、血・血・血。血の池地獄。クロフォードも重傷だし、駆けつけた救急隊員はびっくりしたと思うよ。一人かと思ったら四人もいるのだもの。救急車に乗りきれたのかしら。グレアムがアビゲイルの噴き出す血を止めようと必死なのが印象に残った。自分だって死にそうなのに。ここがレクターと違うところ。ラスト、飛行機の中でくつろぐレクター。隣りにはべデリア。ん?何で彼女がここで出てくるの?シーズン2ではだんだんラウンズがまともに見えてきた。レクターに対するグレアムの態度の変化を素直にいぶかしむし、生還した後は売れる記事が書けると前向き。今まで生き残ってきたように、これからも生き残るつもり。彼女を見ているとすがすがしい気持ちにさえなってくるから不思議。