マックス・ペイン

マックス・ペイン

これは録画してから10年以上ほったらかしにしていたもの。この頃はこういう冷たい感じのする映像の映画が多かったような。「シン・シティ」とか「ザ・スピリット」とか。この映画はゲームがもとになっているようだが、知らなくても楽しめる。ラストはいかにも続編ありそうな感じだが、作られてはいないようで。ゲームの方は続いているようだが。まあ私がこれを見たのはマーク・ウォールバーグが出ているからで。冒頭、溺れそうになっている主人公。そのうち底に沈んでいき・・。底には他にもいっぱい死体があって、おいでおいでをしていて、そのうち彼も死体で見つかるはず・・ってこれじゃ映画終わっちゃいますがな。いやいや、話は一週間前にさかのぼり・・。ニューヨークには未解決事件がいっぱいあって、コールド・ケースっていうやつですな。で、殺人課からそっち移って未解決事件資料の管理をしているのがマックス(ウォールバーグ)。三年前、妻子を殺され、三人の犯人のうち二人は射殺したが、残りの一人は逃走。それ以来、笑うことも忘れ、硬い表情のまま。何とかして残りの一人を見つけたいと資料をあさる。ある晩地下鉄駅で三人のヤク中に襲われる。と言うか、わざと襲わせ。ここらへんではまだ何がどうなっているのかよくわからない。線路に逃げた男を襲う、翼を持った黒いカゲ。何じゃこりゃ「ザ・クロウ」とか「アイ、フランケンシュタイン」とかそっち系?ホラー、オカルト風味?マックスがイヌとして使っていたトレヴァー。彼の店で近づいてきたのは・・あら?オルガ・キュリレンコ?彼女はナターシャと言い、店には目つきの鋭い女がいて、姉だという。映画を見た後で、(感想書くため)ネットで調べるわけだが、姉のモナはロシアン・マフィアなのだそうな。演じているミラ・クニスは「ジュピター」に出ていたとか。えッ、私あれ見て感想書いたよな。どう見たってキュリレンコより年下に見えるけど。ナターシャは腕に翼みたいなタトゥーを入れてる。さっきのチンピラ達も。ナターシャを家に連れ帰ってみたが、誘惑して来るだけで、情報は引き出せなさそう。それで追い返すが、彼女はケータイでオーエンに電話した後、何やら空を飛ぶ黒いカゲに襲われる。翌朝マックスが署に入ろうとすると、元相棒のアレックスに声をかけられ、連れて行かれたのが殺人現場。

マックス・ペイン2

何でも彼の財布が見つかったらしい。たぶんマックスより見てる人の方がびっくりしたと思う。えッ、キュリレンコもう退場?ナターシャは手癖が悪かったんだな。たぶんクスリ買うお金目当てだと思うけど。それにしても美女に誘惑されても落ちない主人公。ストイックでいいわあ。これがジェームズ・ボンドなら・・チャンス逃しませんてば。それはともかく事件のせいでマックスはあらぬ疑いをかけられる。心配するアレックスだが、マックスは逆に妻ミシェル殺害事件がいっこうに解決しない不満をぶつける。アンタそれ言いすぎですってば。そのアレックスは改めて資料見直してあることに気づき、マックスに電話するが不在。彼の家で待ってるとか伝言するが、マックスが駆けつけると彼は殺されていた。ところで何でアレックスがマックスの家にいると(犯人には)わかったの?とにかくマックスはナターシャだけでなく、アレックス殺しまで疑われるはめに。ケガをして入院した彼を見舞ったのはヘンズリー。彼は警官だったマックスの父親の相棒で、今はエーシル製薬会社にいる。生前ミシェルはここで働いており、CEOのホーンが言うには、彼女の名を冠した奨学金制度を設けたとか。ここの警備課にいるジョーもマックスの知り合い。アレックスの通夜に出たマックスは妻のクリスタになじられる。手抜き捜査と責められ、夫はどんなに苦しんだことか。一方内部調査のブラヴーラが調査を始める。ここらへんでだいたい登場人物が出揃ったな。アレックス役はドナル・ローグヘンズリーがボー・ブリッジス。こういう・・警官だった父親の元相棒で、主人公にとっては父親代わりってのは、必ず裏の顔持ってると決まってて。親切にすればするほど怪しい。ミシェルの上司だったコルヴィンがクリス・オドネル。あらまあ彼が出ているなんてびっくり。ブラヴーラも見覚えがある。リュダクリス・・「ワイルド・スピード」シリーズに出ているらしい。いかにも怪しげなルピノがアマウリー・ノラスコ。アーノルド・ヴォスルーに似ているかな。さて、ナターシャが死ぬ前にオーエンに電話していたことはわかった。彼に会えば何かわかるかも。マックスが妹を殺したと思い込んだモナに襲われるが、説得して二人でオーエンのところへ。ところが彼はクスリのせいでおかしくなっていて。トレヴァーの店でも見かけた青いクスリ。

マックス・ペイン3

オーエンは(ナターシャは)弓形の翼が連れてったなど意味不明のことをしゃべり、窓から落ちる。その時も翼を持った怪物が後ろからつかんで彼を落とすので、こりゃこういうのが相手かよ・・と思うが、マックス達にはこいつが見えてないようで変だな~と思う。次に二人はタトゥーの店を訪ねる。ここの主人は顔がすごく印象的。ここであの翼の形をしたタトゥーに、バイキングのお守りの意味があることがわかる。モナが会いに行ったリンカーンは「サタンが軍を組織」とか言うし、何となく「コンスタンティン」風味。戦う相手は生身の人間じゃない?でもそう思わせておいて結局は生身の人間が持つ欲望の話でした。な~んだ。マックスはエーシル製薬を疑い始める。会社のロゴマークが翼というのも怪しい。コルヴィンはさほど悪人というわけでもなく(オドネルだし)、ちょっと痛めつけられるとベラベラしゃべる。軍の要請で開発したのが新薬ヴァルキリー。恐怖心がなくなり、好戦的になる。ところが被験者の99パーセントが幻覚を見るなど副作用が強い。つまり大失敗なわけだが、飲んだ者はヴァルキリーなしではいられなくなるから、クスリとしての需要はあり、大儲けできる。ミシェルはこのことに気づいたため殺されたようで。あの日・・もう10分早く帰っていれば・・。マックスは何度悔やんだことか。回想の中での彼は・・職場から飛んで帰ってきたという感じで、妻子に会う前から自然と顔がほころんでいて。それが・・。コルヴィンは駆けつけた警備員の一人に射殺される。マックスは自分も撃たれそうになったので発砲し、あとは凄まじい銃撃戦。てことはその警備員が(あるいは全員が)誰かの指示受けていたということで。もちろん先に発砲したのはマックスということにされる。ヘンズリーはブラヴーラにマックスはイカれてると忠告し、ますます怪しい。と言うか完全に怪しい。コルヴィンから得たのはルピノの資料。彼はヴァルキリーの被験者で、効果があった方。彼がいるのはラグナロワという古いクラブの跡地。さすがにモナは相手が悪いと同行はせず、マックスが単身乗り込む。例の翼バサバサの連中は怪物でも何でもなく、クスリによる幻覚だったってことだ。だからマックスにはオーエンを後ろから引っ張って落とす怪物が見えなかったのだ。

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この後はルピノとマックスの一騎打ち・・のはずが、ヘンズリーが撃った弾一発でルピノは死ぬ。何だよ~簡単すぎる~。あっさり正体もあらわす。今更だが、マックスは思い出した。あの時窓から逃走した三人目。天井からつるした赤ん坊のための飾りに、ヘンズリーの顔がチラッとうつってた。彼は母子を殺し、心配事を取り除いた。一度やってのけると、あとはもう物事は簡単になった。マックスを川だか海だかに突き落とせば、自殺だとみんな思うはず。例のクスリをポケットに押し込む。あららそんなことしたら「クリムゾン・リバー2」のファイト~イッパ~ツになりますがな。スキを見て水に飛び込むマックス。銃弾から逃れたものの、雪だか氷だかが浮いてる状態。たちまち体温低下で沈んでいき・・と、ここで冒頭シーンにつながるわけですな。頭に浮かぶ妻子・・でも「まだだめよ」って言われて、必死こいて浮き上がり、停泊している船にすがりつく。何とか陸へ上がったものの力尽きて動けない。そこで・・アレを飲んで・・。幸いヘンズリー達はもういなくなってる。この後は・・CGバリバリ、大うつしになるマックス。鼻の穴が大きくて笑っちゃう。その後はエーシルへ乗り込んで大暴れ。この映画格闘シーンは少なくて銃撃戦が多い。警備員の中には悪者じゃない人もいるのでは・・なんて言う人もいるけど、ゲームがもとですから細かいことは気にしなくてよろしい。撃ちまくり壊しまくり殺しまくり・・その間にもマックスは凄まじい幻覚を見、こりゃ「コンスタンティン」よりすごいや。ただ、敵がオッサン一人というのが何ともしょぼい。ホーンにヘリを要請するけど、彼女は知らんぷり。あらら見捨てられちゃったよ。その間にもジョーの仕かけた爆弾でビルの一部が吹っ飛ぶ。おや、モナさんいつの間にビルの中に?ヘンズリーを倒したマックスはミシェル達のところへ行きたいが、また「まだだめよ」って言われちゃった。エンドクレジットの後モナと会うマックス。やっと少しは女性に目が行き・・って違いました。差し出された新聞にはエーシル株急騰の記事。まだやること残ってるってわけですな。でもそっちはゲームの方でどうぞってか?てなわけでおもしろかった。主人公がストイックなところが誠によろしゅーございました。