エド・ゲイン(OV)

エド・ゲイン(OV)

オリジナルビデオの方。DVDにはいくつか予告編がついている。猟奇殺人物ばっかで、さすがの私もこういうのには興味なし。予告編と言ってもチカチカしていて、何が何だかよくわからんし、わかりたいとも思わない。これをレンタルしたのは、レイルズバック主演の「エド・ゲイン」と見くらべてみたかったから。こういう事件の多くがそうであるように、事件が発覚し騒がれている間に、事実とは違うことが広まっていく。憶測が事実とされてしまう。時間がたつと想像やウソは伝説になる。伝説になると事実かどうかはあんまり関係なくなる。この映画は冒頭で「真実」と謳っているけど、その時点でもう内容は信用できない。実際のゲインはやせた小男だが、毛深くてがっちりしたクマみたいなおっさんが出てくる。年代はめちゃくちゃだし、殺す相手もそう。年配の太った女性では絵にならないので若い娘出してくる。確かに当時若い女性の失踪がゲインの仕業と思われていた。墓あばきは手伝いがいたことになってる。確かに当時墓あばきは一人じゃムリ、共犯がいたに違いないと思われていた。しかしこれらは捜査の結果否定されている。でも映画には出してくる。ある程度は脚色も仕方ないけど、共犯の男殺したりするのは行きすぎ。ゲインに大きな影響を与えた狂信的な母親のことはほとんど無視される。父親、兄、母親と次々に死に、ひとりぼっちになってしまったことから、人の体はただの入れ物と考えるようになった・・としている。入れ物だから切り刻んだり皮をはいでも何とも思わない・・ってことか。生きたまま切るとかはぐとかいう描写にし、恐怖心をあおる。ゲイン役はケイン・ホッダー。「13金」でジェイソン役をやっている人らしい。目が鋭くて悪くはないが、見かけもやっていることも無愛想な肉屋のおっさんとしか見えない。ゲインの内面にはこの映画ほとんど迫っていない。副保安官ボビー役はショーン・ホフマン。仕事に恋人を同行するなど彼のキャラ設定はいいかげんだが、ホフマンは顔立ちはまあまあ。そりゃホッダーのクマ面見てるよりはねえ・・。ボビーの母親とゲインの母親両方やってるのがプリシラ・バーンズ。あとは知らない人ばかり。ボビーの恋人がゲインにさらわれるのもフィクション。見ても得るもののない映画だけど、見るに堪えないってわけでもない。平凡な残酷映画。もちろん私はあっちの「エド」の方が好きですよ!