おくりびと

おくりびと

アカデミー賞受賞を機に再上映され、お客が詰めかけているというニュースは知っていたけど、こっちではやらないだろうなあ・・と。そしたら二ヶ月くらいたってから再上映し始めた。もうDVDも出てるし、わざわざ見に行かなくても・・と思ったけど、ダンナと二人で出かける機会は大事にしたいウヒ。行ってびっくり。ここは通い始めて一年ほどたつけど、いつも心配になるくらいガラガラで。でも今回はたくさん入ってた。平日昼間だから客層は女性二、三人連れとか夫婦とか。中年以上の女性が多いので、上映中あちこちから声がもれる。「あら」「まあ」「はあ」「そう」といった意味不明のつぶやき。自分でも知らないうちに出てしまうんでしょうなあ、尿もれならぬ声もれ。ストーリーとか一般的な感想は、もうたくさんの人が詳しく書いてるから今更私が書いてもねえ。いちおう賞をとった時にはうれしかったですよ。何たって「陰陽師」の滝田洋二郎監督ですから。IMDbを見ると「陰陽師」二作のDVDアメリカでも発売されていて。これってすごくうれしい。あの日本独特の世界・・美・情・艶・怨・無など・・もっと外国の人に知って欲しい、見て欲しい。野村萬斎氏のデータも以前は誰か別の人のになっていて、IMDbでも誤りはあるのだ・・なんて思ったけど、今はちゃんとしてるようだ。話を戻して今回はよく泣いたな。ストーリーは同じことのくり返し。遺体と納棺の儀式と悲しむ家族。そのシーンになると涙が出てくる。次にまた別の葬式になると同じように涙が出てくる。自動的にスイッチが入ってしまうのだ。まあまわりのお客もそうだから別にいいんだけどさ。映画だから仕方ないけど遺体の顔はきれいすぎるね。ピンクでつやつや弾力がありそう。死の直後ならまだしも数日たっていればもっと固く黄色っぽくなると思うが。音楽はとてもよかったが、時々うるさく感じた。本木雅弘氏は演技がうまい。広末涼子嬢の存在は映画のトーンとずれていると思うんだけど、そのずれ具合が微妙で、見方によってはそこが名演と言えるのかも。私がああいうキャラ、演技を好きになれないのは好みの問題であって。女優という点では余貴美子さんの、崩れた重い感じがよかったけど、ラスト近くで急にお涙ちょうだい路線に行くのは興ざめだった。その後の峰岸徹氏の登場でだいぶ救われたけど。