アラビアの女王 愛と宿命の日々
ガートルード・ベルはT・E・ロレンス関係の本に時々出てくるので、名前と顔だけは知ってる。たいていの写真では四角い顔をして魚みたいなどよんとした表情をした、いかつい感じのオバサン。ニコール・キッドマンとは似ても似つかないが、若い頃の彼女はなかなか美人だ。50代の頃は写真によってはベネディクト・カンバーバッチによく似ている。さて、ガートルードは上流社会の窮屈な暮らしに飽き飽きしていて、テヘランへやってくる。そこで三等書記官のヘンリーと恋に落ちるが、父親からは反対される。どうも彼は賭け事が好きで、莫大な借金があるらしい。恋する日々と失意の日々が美しくも悲しく描かれ・・あら~いつまで続くのかしら。ヘンリー役の人はどこかで見たような・・と思ったらジェームズ・フランコだった。あらまあ。ガートルードはベドウィンや砂漠に魅せられ、研究と称してあちこち旅行する。どこへ行っても男どもは彼女に魅了される。ほんまかいな。それと彼女は1868年生まれだからけっこういい年なんですぜ。映画の中のキッドマンは全く年取ってないけど。ま、映画だからね。それにしても・・砂漠を優雅に旅して回るお金はどこからわいてくるんでしょう。実家から送金してもらってるんでしょうか。それとも(全く描写されないけど)何か出版してお金稼いでいるんでしょうか。どこどこは危険だ、〇〇族は危険だと言われつつ、行ってみると何も危険じゃなくて、肩透かしの連続。いつの間にか第一次世界大戦が始まっているけど、知らなかったわ~と涼しい顔。領事のワイリーと恋に落ちるけど、彼をほっぽりだして自分は好き勝手に旅して回る。戻ってきて・・さあ・・と思ったら、今度はワイリーが出征することにしたと。彼は既婚者なので、戦争から戻ってきたら妻と話をつけると。あらまあ、ガートルードがいない間、何も(別れ話)進展してなかったのかよ。もちろん彼は戦死します。気の毒なガートルード?いえ、全然。この頃には彼女は50近いんですよ。出てきた時と全然変わりませんけど。ワイリー役はダミアン・ルイス、ガートルードの母親役でジェニー・アガター。この映画はロレンスが出てくるのが珍しい。でも演じているのがロバート・パティンソンなのがちょっと残念。イメージ違うもん。ただ、同じ砂漠やベドウィンに魅せられたと言ってもガートルードとは考えが違っていて、そこはよかったと思う。