ブックセラーズ

ブックセラーズ

何年ぶりかで映画館へ行った。お客は五人かそこら。新聞で紹介記事を読んで見たいと思っていたが、テレビでやるまで待つしかないと思っていたのでうれしい。私は本が好きだ。本がたくさん出てくる小説も映画も好きだ。ただ、私の場合本は読むためのもの。だから装丁とか初版かどうかなんて全く気にしない。でもここに出てくるのは本を読む人達と言うより売る人達。もちろん彼らだって読むけど。何と言うか、私が求めているのとはちょっと方向が違っている。稀覯本とか売買なんか私にはどうでもいい。稀覯本の売買と言えば「死の蔵書」とか「ナインスゲート」でその世界を知ることができる。古本を扱った映画が何本かチラッと紹介されていたが、私が見たことあるのは「ナインスゲート」だけだな。それにしても近頃ではコロナ禍のせいで東京で古本屋めぐりもできない。欲しい本があっても電子書籍しかない。前者はともかく後者は腹が立つ。あたしゃ紙の本が読みたいんだ!映画にはブックセラーズがぞろぞろ出てくるが、男性陣の声のよさにはびっくりさせられる。深みがあり、びんびん響く。いや、単に小さなテレビで平坦な音ばっかり聞いてるからそう感じるのか。さすがは映画館!出演者の中ではフラン・レボウィッツがいい。「どうでも良くないどうでもいいこと」の作者?あら私その本読んだことあるぞ。何書いてあったか全然覚えてないけど。こういう人の書斎こそ見てみたいものだ。本は捨てない。はい、私もそうです。あと、私はニューヨークのストランド書店の新聞記事を切り抜いて取ってある。”ニューヨークにある世界最大の古書店 その驚嘆スケール 300万冊”・・どうです?想像しただけでも心がふるえるじゃありませんか。たぶんこの映画にも・・あッ、出てきた。でもすぐ次に移っちゃった。なんでぃ、これだけか、つまんね~の!今は300万冊よりもっと増えてるだろうな。あ~本に埋もれて暮らしたい。てなわけで物足りないと言えば物足りない内容だったんだけど、まあ見られただけでもよしとしよう。パンフレットも買っちゃった。猫の写真に釣られて・・。紙の匂いだか、インクの匂いだかが独特で・・こういうのはキンドルにはありませんな。ラストの”本も読者を読む”という言葉が印象に残った。