燃えよデブゴン(1978)
これは映画館で見た。パンフも持ってる。1978年と言えばまだブルース・リーも身近で。もうすぐ没後50年だなんて・・こっちも年取るわけだ。田舎で豚の世話をするロン(サモ・ハン・キンポー)はリーを尊敬し、頭の中ではいつも自分もリーになったような気分。そういう人はいっぱいいたと思うけど、彼が他の人と違うのは太った体形にもかかわらず身軽でカンフーも強いこと。叔父の屋台を手伝うため、都会へ出てきたものの、失敗ばかり。隣りの屋台との客の取り合い、無銭飲食をし、暴力をふるうチンピラ。何があってもじっと耐えるしかない年老いた叔父の姿には哀愁が漂う。店員のタイジーゴウは画家志望。贋作を持ちかけられたが断ったため、いやがらせを受けるはめに。表向きは骨董商、裏では偽物作りのボス役はロイ・チャオ。彼と取引する大富豪バク教授がピーター・K・ヤン(楊羣) 。「地獄から来た女ドラゴン」と違い、今回はコミカルな役。そのせいかウッチャンによく似ていたな。三人の用心棒のうち、空手の達人はどう見たって「燃えよドラゴン」のジム・ケリーに似せてるが、やってるのは李海生。カンフーの達人がレオン・カーヤン(梁家仁)。「ツーフィンガー鷹」にも出ている。カート・ラッセルに似ていて、私この人好きなんだな。バクに目をつけられるザン(李海淑)は美人だが化粧が濃く、肌が疲れてるような感じ。メイはタイジーゴウの恋人かなと思ったがそうでもないような。数十年ぶりに見て目が行ったのはデブゴンではなく、タイジーゴウの方。彼の絵の腕前がどの程度なのかは不明。ああやって悪の手が伸びるってことは以前贋作に手を染めたことがあるのかと思ったが、そうでもないようで。でも画家を志しつつもやってることは屋台の店員、タクシー運転手、パーティのウエーター。なかなか人生うまくいかない。このパーティのシーンは「スカイ・ハイ」思い出す。酔ったロンはここだけリーではなくジャッキー風だったな。ロンがどうやってカンフーの腕を磨いたかは不明。物真似であそこまで強くなれるかね。すぐリーのマネでうつろな目つきになるので、そのうち見飽きてうんざりしてくる。その分タイジーゴウを見て口直し。演じているリク・チュセク(陸柱石)は優しそうな顔立ち。オープニングとチンピラの一人で、ユン・ピョウが出ていた。
燃えよデブゴン/TOKYO MISSION(2020)
こちらはサモ・ハン・キンポーのとは無関係。主演がドニー・イェンということは、彼がデブゴン?現実に太るわけにはいかないから、特殊メイクか。香港の刑事フクロン(イェン)は正義感が強すぎ、事件が解決するのはいいが、被害も甚大。香港の”デモリションマン”てとこか。女優のホーイとの結婚もパーになり、閑職の証拠保管室勤務に。六ヶ月たつ頃には体重が66キロから120キロへ激増。その後山本という男を日本へ護送することになるが、途中で逃げられてしまう。冒頭のアクションシーンからして、キレッキレの大暴走。ハリウッドアクションなんか目じゃないってくらい、体を張った動きの数々。そうそう、これだけはマネできないんだよな。途中フクロンの回想として「SPL」のワンシーンが再現され、思わずギャッと喜びの声あげてしまいました。それにしても10年以上たってるのに、イェン全然変わってない!東京新宿歌舞伎町でのシーンは「死亡の塔」思い出す。同じセットでも全然作りが違うけどね。クライマックスの東京タワーも、セットとCGなのだそうな。まるで本物みたいで、ハラハラドキドキ。さて、肥満すればそれだけ動きは鈍くなるし、足腰や内臓への負担も増える。66キロの時と同じつもりでいたらそうはいかなかったとなり、そこが笑いどころのはず。ところがこの映画では120キロになっても66キロの時と同じ動きをするのだ。太ったことによるギャグ・・椅子が壊れるとか服が裂けるとかもなし。太ったけどトレーニングは欠かさないからああいう動きができるという描写もなし。思いきり食べてトレーニング全然しないけど技のキレはそのまんまなんて夢のようだけどさ。イェン本人は大変だったと思うけど、見ている方は主役を太らせた意味ないじゃん・・と思うのでは?顔の部分はたぶんCG処理してあるんじゃないかしら。「サロゲート」みたいに。アクションシーンはもう見せ方を心得ていて文句ないんだけど、どうして東京を舞台にしたのかな。日本人俳優も出ているけど、竹中直人氏を始め、何言ってるのか全然わからない。日本の警察の描き方も独特だ。暴力組織に対し、見て見ぬふりをするとか本当なの?