魔界探偵ゴーゴリ
魔界探偵ゴーゴリ
魔界探偵ゴーゴリ1暗黒の騎士と生け贄の美女たち
三人のならず者をあっさり始末し、さらわれてきた女性を助けてあげるのかと思いきや・・。ディカーニカ村で若い女性が犠牲になるのはこれで三人目。1829年、首都のサンクトペテルブルク、秘密警察で書記官として働くゴーゴリ。時々発作を起こして失神する。パッと頭に浮かぶ映像、無意識に書きなぐった文字や絵。どんな難事件も解決すると評判のグローは、他の者には何のことだかわからないそれらを手がかりに、事件をあっという間に解決。ゴーゴリは自分の作品をけなされたショックを引きずっている。出版された自分の本をかたっぱしから買い、火にくべて焼いてしまうという、回りくどいことをやっている。彼にはとんでもない能力があるのだが、自分では気づいていない。コントロールもできない。グローのような老練なキレ者がそばにいて指導してくれれば・・。そんな感じで事件を解決していくのかなと思っていたら・・違いました。ゴーゴリの作品は読んだことがない。ロシア映画だから知らない人ばかり・・と思ったら、ゴーゴリ役アレクサンドル・ペトロフは「ザ・スパイ ゴースト・エージェント」に出ていたらしい。現代の格好すればわりとハンサムなアンチャンなんだけど、こちらでは・・。顔色は真っ白で、目は不自然なまでにブルー。しょぼくれたヒゲにあのヘアスタイル。おまけにフニャフニャした性格。馬車にぶつかって気絶、風車の羽根にぶつかって気絶、殴られて気絶。しっかりしろよ、全く。どうしても余裕たっぷりで頼もしいグローに期待してしまうが、ありゃりゃ途中で退場?でもこういうのは絶対また後で出てくるな。で、実際そうなる。謎の黒騎士とか「スリーピー・ホロウ」風味。あっちのデップは同じ色白で、しょぼくれたヒゲでもかわいかったけど、こっちは何でこうなるのかいな。リザがタイーシャ・ヴィルコヴァ、オクサーナがユリヤ・フランツ、グローがオレグ・メンシコフ。グローもいいけど地元警察の署長ビンフが気になる。イェフゲニ-・スティチキン。ジェームズ・スペイダーとジェレミー・レナーをミックスしたような感じ。酒飲みだけど腕は確かな医師ボンガートはジェームズ・スペイダーとピーター・ローレをミックスしたような感じ。
魔界探偵ゴーゴリ2魔女の呪いと妖怪ヴィーの召喚
三部作の二作目はどうしてもつなぎ的な感じになって、正直だれる。一作目の終わりで生きてることがわかったグローだが、二作目には出てこない。残された彼のカバンを開けてみると、書類がいろいろ。中でゴーゴリが気になったのは、自分に関する記録。グローは彼のこと調べていたらしい。それはもちろん彼が特殊な能力を持っているからだが、彼は依然として何もわかっておらず、宝の持ち腐れ状態。グローは死んだふりなどせず、ゴーゴリと捜査にあたった方がよっぽどよかった。彼なら断片的な映像や言葉もうまく結びつけ、意味を悟ったことだろう。こちらは・・ゴーゴリの協力者・・署長のビンフ、鍛治屋のヴァクーラ、医師のボンガート、従者のヤキム、そして名前はわからないけどいつも帽子かぶってる男性・・達は凡人である。他の村人に比べればずっとマシだが、それでも普通の人々である。肝腎のゴーゴリはフニャフニャと頼りない上に、伯爵夫人のリザに夢中である。幽霊のオクサーナもゴーゴリに夢中である。何でこんなのがいいのかいな。今回出てくる妖怪ヴィーは、黒騎士とは関係ないのか。オクサーナの時も継母にかなりの人数殺されたらしいが、一つの村でこんなに魔術やら魔女やらが絡んだ、しかも別々の事件が起きるものだろうか。おかげで見ていても何が何だかよくわからなくなってくる。気の毒なのはビンフで、次々に起こる事件に翻弄される。ヴィーに立ち向かうのが妖怪ハンターとも言うべきブルット。使命を帯びて孤独な戦いを続けているらしい。残念なことにわりとあっさりやられてしまう。スコット・グレンに似た顔立ちでよかったのに。まあ何ですな、これほど無能で魅力に乏しいのが主人公ってのも珍しいんだけど、よくしたものでその分脇役達が魅力的。だから何とか見ていられる。
魔界探偵ゴーゴリ3蘇りし者たちと最後の戦い
どうやらゴーゴリは死んだようだ。あれッ、そうだっけ?前回のラストを見直してみる。気絶しただけじゃん。ボンガートは手がふるえるので解剖はできないと拒否。埋葬のための棺は木が腐っているが、他にも大勢埋葬しなければならないので仕方がない。おかげで目を覚ましたゴーゴリは生き埋めにならずにすんだけど。生き返ったと思ったら今度はビンフに逮捕され、留置所に。娘達を村から離せと言い出したのはゴーゴリだけど、廃墟になった農場を提案したのは帽子男ですぜ。まあとにかく黒騎士本人ではないとしても共犯者かも。普通ならビンフのアホ、伯爵もリザも農場のこと知ってるでしょうが・・となるところだけど、そうならない。苦境にあるビンフが気の毒で。だって彼は置かれた状況で精いっぱいやってる。状況が異常すぎるのだ。相手は悪魔だしゴーゴリは頼りにならないし。後でグローが現われるけど、何でもっと早く現われないんだよ~と文句の一つも言いたくなる。そう、村人にリンチにかけられそうになったゴーゴリを助けたのはグロー。でもその前に雨を降らせて火あぶりの火を消したのはヴァクーラの娘ヴァシリナ。彼女になぜこのような能力があるのかは不明。ヴァクーラは信心深く、魔術の話をいやがる。娘の能力は認めたくない。母親のことは不明だけど、たぶん彼女の能力が娘に伝わったのだろう。クライマックスで能力を発揮するのもヴァシリナ。グローやビンフも鮮やかなチャンバラ見せてくれるけど、ゴーゴリは何の役にも立たない。床にのびてるだけ(やれやれ)。今回リザの過去が明かされる。姉マリアとの確執。でもそんなことはどうでもよくて、ビンフが死んじゃうのがショックだった。いい人だったのに!思い違いもするけど、基本的には法律を守り、正義を重んじる。グローの方は闇の権力と結びつき、手段を選ばない。ところでこの映画を見て感じたのは、娘の意向を無視して結婚相手を決めるなど父親が横暴な態度を取ること。娘には相思相愛の恋人がいるのだが、父親は相手を殺しかねないほど嫌う。自分が決めた相手には金がある。つまり自分の得になるのだ。仲を裂かれ、悲運に泣いたカップルがどれほどいたことだろう・・と、そんなことを思っていた。