SAFE/セイフ
90分あまりと短く、説明なんかすっ飛ばして暴走しまくる。ジェイソン・ステイサムのアクションはいつも以上にキレッキレで、さえまくる。数学の天才メイは、一度覚えたことは決して忘れない。どんなものもパッと見ただけで、聞いただけで。組織のボス、ハン(ジェームズ・ホン)はコンピューターを信用しない。ハッキングされたらそれまで。でもメイに覚えさせておけば・・。誘拐されたらとは考えないらしい。メイは養父のチャンと共にアメリカへ渡る。一方、元特捜部のルーク(ステイサム)は自殺を考えていた。ロシアの組織に妻を殺され、今はホームレス。あの時ロシアの連中は彼を殺すこともできたが、別の方法を取った。常に監視し、少しでも彼が誰かと関わりを持つと、その人物を殺してしまう。そうやってじりじりと追いつめ、自殺させようというのだ。ボスのドチェスキーは、ボクシングの八百長試合でルークに大損させられていた。地下鉄に飛び込もうという時、ふと目に入ったのがロシア人の追っ手から逃げるメイ。彼女はハンに長い数字を暗記させられていたが、どうやら金庫を開ける番号らしい。ここらへん暗号解読の段階があるはずだが、すっ飛ばしている。浮浪者暮らしで栄養は不足し、体もなまっているはずなのに、どうにも止まらない状態のルーク。花火大会みたいに銃が火を噴き、目にも止まらぬ速さで殴るわ蹴るわ大暴れ。メイから事情を聞くのは格闘や銃撃やカーチェイスが終わってから。ケガ人、死人が山ほど出てから。彼がメイを助けたのは彼女が自分を自殺から救ってくれたから。彼女が目に入らなければ自分は列車に飛び込んで・・。ハンをボスとする中国系の組織、ドチェスキーをボスとするロシア系組織、それにニューヨーク市警(の汚職警官達)。これらが三つ巴となって死体の山を築いていく。例の番号は3000万ドル入っているカジノの金庫、その他に大物達の脅迫材料となるディスク。この二つをめぐって・・。見ているうちにステイサムがジャッキー・チェンに見えてきた。メイはいかにもジャッキーの映画に出てきて、誘拐されてジャッキーに助けてもらいそうな顔をしている。まあジャッキーの映画ならこんなに死人は出ないけどね。ニューヨーク市長役はクリス・サランドン。「フライトナイト」に出ていた人ね。メイ役はキャサリン・チェン。どの批評でもかわいくないと書かれていてちょっと気の毒。まあ確かに顔はかわいいとは言えないけど、演技がへたなのよりはマシ。