怪物の木こり
サイコパスが襲った相手は、自分以上のサイコパスだった!まあそんな感じの内容らしい。原作は未読。亀梨和也氏は「美しい星」に出ていたな。他は見たことなし。弁護士の二宮(亀梨氏)は医師の杉谷(染谷将太氏)と組んで殺人を続けている。今も杉谷が作成し続ける死亡診断書に疑問を抱いた矢部を殺したところ。荷見を自殺に見せかけて殺し、弁護士事務所を手に入れる。荷見の娘映美(吉岡里帆さん)と婚約しているが、愛情があるわけではない。巷では連続殺人事件が起きている。斧で頭部をかち割り、脳を持ち去るという残虐な手口。二宮も襲われ、その際頭部を負傷。診察した医師に脳チップが埋め込まれていることを告げられるが、彼には覚えがない。手足のマヒを回復させる目的から、感情の制御へ・・一種のロボトミー手術だとなって、30年前に禁止されたらしい。二宮も含め、被害者に共通するのは捨て子であること。児童養護施設の出身であること。二宮を襲ったやつは怪物のマスクをかぶっていた。そいつがつかまって(二宮が今までしてきたことを)しゃべられたら困る。いちおう警察には強盗事件として届けてある。そのうち三人目の犠牲者が出るが、分析官の戸越(菜々緒さん)は二件目と三件目の間にも失敗した事件があるのでは・・と気づき、二宮に目をつける。会ってみればサイコパス的傾向の持ち主。戸越は警部補の乾と組んでいるが、彼は保険金目当てで妻を殺したと思われる剣持(中村獅童氏)をずっと疑っており、彼を殴って飛ばされた過去があった。彼は今でも剣持が犯人と確信している。乾は人相も悪いので、途中で彼が怪物なのでは・・と思えてくる。連続殺人の犠牲者は皆後ろ暗いことをやっており、サイコパスが始末してくれているのをいいことだと思っている。一方の戸越にも兄をサイコパスに殺された過去がある。さて、30年前に起きたのが子供の連続誘拐事件。東間という夫婦が子供を誘拐し、脳にチップを埋め込む手術をくり返していた。警察が踏み込んだ時、生き残っていたのは一人だけ。それが剣持。手術に耐えきれなかった子供の死体が15もあったが、生き残った子供はタケシの他にもいて。警察が踏み込む前にそれらの子供達は施設の前に捨てられていた。それが二宮や今回の被害者達。元々は夫婦に障害を持つ子供がいて、その治療方法を見つけるための実験だったらしい。
怪物の木こり2
妻は自殺、夫は獄死、息子は10歳で死亡。協力していた金木という男の腐乱死体が見つかるが、たぶん彼の持っていた子供のリストが持ち出され、怪物はそれを元に殺して回っているのだろう。と言うわけで怪物は剣持。途中二宮は怪物に襲われるが、正体は杉谷。彼も十分サイコなので、ん?彼が犯人?と思った(喜んだ)けど違いました。二宮は頭をケガをした際チップが壊れたらしく、感情に変化が起き始めている。今までみたいに二人で殺人を楽しめなくなるのでは・・と、杉谷にはそれが心配で。襲って試してみたら案の定・・。剣持の方も乾に殴られて頭を打った際チップが壊れ、妻を殺したことを悔い始める。で、自分みたいなサイコパスを始末することが妻への贖罪になると・・。リストを手に入れて調べてみると、みんな悪事に手を染めてる連中ばかり。ところで・・え~と脳チップは感情を制御するんじゃないんですか?そう思って見てるから混乱するけど、誘拐された時点では子供は正常。脳チップによって制御されるのは正常な感情の方なのね。だから壊れることによって正常に戻る。でもほらそれだと見ていてもつまんないんですわ。サイコパスを上回るサイコパスが!というのが売りのはずなのに。迷ったり後悔したりし始めたのでは設定のユニークさがなくなる。いつもの・・悪人が改心して・・という使い古された内容になってしまう。愛とか涙とかフツーになっちゃう。亀梨氏は演技うまいんですか?何かぎこちない。でもそこがいいのかな。二宮は四六時中本性隠しているわけだから、演技しているわけだから、ぎこちなくなって当然なのかな。ぎこちないと言えば戸越もそう。あの髪型は何ですか、仕事中はきちんと束ねるのが普通でしょ?居酒屋にいる時は髪を解いて女性らしさを強調とかメリハリつけなきゃ。過去に傷持つ分析官なら「テイキング・ライブス」のアンジェリーナ・ジョリー思い浮かぶけど、あんな迫力はなし。迫力がないと言えば映画全体もそう。二宮は事務所の引き継ぎで、杉谷は医師だから忙しいはずだが二人共全然仕事してない。でも染谷氏はよかったな。杉谷は杉谷で殺して回っていそう。普段は猫で間に合わせているようだけど。