宇宙人のあいつ
「屍人荘の殺人」に出ていた中村倫也氏目当てで見たんだけど、え?同じ人?って思うくらい別人に見えたな。そもそもあっちはメガネかけてたから素顔よくわからないんだけど。それとけっこう年齢がいっているのね。20代半ばだと思ってた。亡くなった両親の家業を継いで焼き肉屋をやっているのが長男の夢二(日村勇紀氏)。長女が想乃(伊藤沙莉さん)、末っ子が詩文(柄本時生氏)。次男日出男(中村氏)は店を手伝い、想乃は清掃局、詩文はガソリンスタンドに勤めている。下の二人は知らなかったが、実は日出男は土星人トロ・ピカル。もう23年も一緒に暮らしているが、土星の尺度では一年。目的は観測だが、帰る期限が近づいている。彼を悩ませているのは、家族の一人を土星へ連れて行かなければならないこと。土星には家族という概念がない。たぶん彼はこんなふうに思い悩むことになるなんて思いもせず、軽い気持ちで地球へ来たのだと思う。夢二はミュージシャンになる夢をあきらめ、親代わりとしてがんばってきた。40歳になっても女性には全く縁がなく、合コンに出ても轟沈続き。想乃は神内という男と付き合い、子供ができたが打ち明けられずにいる。神内はエゴイストで、彼女が引っかかるのはいつもこんなダメ男ばかり。詩文は中学時代にいじめた宍戸と再会。負い目があるから、この時とばかりに仕返ししてくる宍戸に何も言えずにいる。ただ、後で宍戸は心を入れ替えたようで。ところで私は宍戸と神内の区別がつかなくて、ずっと同じ人だと思っていた。さて、日出男は一人で帰ると罰として刑務所バームクーヘンに入れられるらしい。土星の輪がそれ。彼に命令を下すのがジャガイモで、いよいよ夢二を連れて出発となっても宇宙船も宇宙服もなし。あと、土星人である証拠として写真にうつらないというのがあったけど、本体はともかく服や靴はうつるんじゃないの?まあこのようにムチャクチャなストーリーで、ばかばかしいんだけど、日村氏はちゃんとやってるし、中村氏にはどこか冒しがたい雰囲気がある。それ以上に柄本氏がいい。彼を見る度白塗りメイクなしで志村けん氏のバカ殿様できるな・・といつも思う。朝食の時小さな女の子のように頭のてっぺんで髪を結んでいるのがかわいくて笑える。想乃の同僚あかりの娘ゆめは目が大きくて利口そう。想乃の妊娠を見抜くなど何やら特別な能力がありそうだったが、ふくらませることなく終わってしまったな。ちょっと残念。彼女なら日出男の正体一目で見抜きそう。伊藤さんは「虎に翼」の人かな。