塔馬教授の天才推理1隠岐島の黄金伝説殺人事件(2012)
原作はまだ読んだことなし。佐々木蔵之介氏の2時間ドラマ初主演作なんだそうな。塔馬(佐々木氏)は近世庶民文学史が専門の大学教授だが、その天才的な推理力で警察に協力することも。推理作家の長山(橋本さとし氏)、雑誌の編集やってる亜里沙(森口瑤子さん)とは大学の同期。後醍醐天皇が一時流されていた隠岐には黄金伝説があるらしい。長山と亜里沙は取材に。黄金伝説をHPに載せたのは観光課の直子だが、スナックのマスター(柳沢慎吾氏)を始め、みんなどことなく態度がぎこちない。天皇が作らせた乾坤通宝は一枚も残っておらず、どこかに隠してあるのではないかとか、実際は作られなかったのではないかとか諸説ある。島には長野県の大鹿村から八木沢が来ている。後醍醐サミットで出会って以来、八木沢と直子は好意を持ち合っている。塔馬には気にかかっていることがある。以前青森県の黒石市で火祭りを見学していた際、死体が見つかったのだ。山形県警の山影(宇梶剛士氏)に問い合わせてみると、まだ犯人は見つかっていないという。一方長山は旅館の風呂で男に襲われる。その後も手を引けとか殺すとか脅しの電話がかかってくる。気になった塔馬は隠岐へ。いかにも2時間ドラマらしく、隠岐や吉野の観光地が度々うつる。隠岐、大鹿村、黒石市の共通の悩みは過疎化。若者がどんどん出ていってしまう。隠岐で乾坤通宝が見つかれば観光客が・・と言うか宝捜しの連中がどっと押し寄せるだろう。何しろ一枚1000万はするらしい。その乾坤通宝を、あの殺された男性杉本が見つけたらしいのだ。兵藤という男も殺されたらしい。困ったことに見ていてもどうも話がよくわからんのよ。殺害現場と発見現場は違う・・杉本は殺された後死体が移動させられた・・んだけど、何であんなすぐ見つかるところへ?普通死体はなるべく見つからないようにするんじゃないの?マスター達の行動もよくわからない。島のことを記事にして欲しいのか、それともして欲しくないのか。黙ってりゃ長山達は数日で取材を終え、島を去る。それなのに何で余計なことするの?そもそも杉本はどうやって乾坤通宝を見つけたの?彼が見つけたのなら所有権は彼の遺族にあるんじゃなかろうか。鑑定の結果どうやら本物らしいということで終わるけど、残念ながらニセモノでした・・とした方がいいんじゃないの?隠岐の島だけいい思いするのはねえ。明るくて楽しそうに講義をする塔馬のキャラはいいと思う。推理に集中している時の冷たい表情とのギャップもいい。橋本氏は何となく演技がオーバーに感じられた。八木沢役中林大樹氏は佐藤健氏に似てるかな。
塔馬教授の天才推理2湯殿山麓ミイラ伝説殺人事件(2014)
山形県、湯殿山、即身仏。長山は怖がりだからミイラの取材なんかしたくない。でも仙人村では映画の撮影が始まる。長山はヒロイン役梓川の大ファンなので、行くことに。亜里沙の知り合い小暮(田畑智子さん)にとっては念願の初プロデュース作品。記者会見の途中馬に乗って登場した梓川。あら?流れている曲に聞き覚えがあるぞ。22式太極扇で使用する曲だ。でも数秒で終わり。梓川は何かにつまずいて転ぶが、石かと思ったら仏像の頭。掘り出してみたら台座がやたら大きくて、中にはミイラ。状態からみて即身仏。一方塔馬はそれを聞くと山形へ。今回わかったけど彼は何かあると職員に数日分の学生用課題を与え、現場へ飛んでっちゃうようだ。職員も困惑気味。そのうち地元の人間で撮影のためのコーディネーターやってる松本が殺される。そのため山形県警の山影もやってくる。彼は塔馬の力を借りようと捜査情報をペラペラしゃべるが、これはテレビだからであって、実際そんなことしたら始末書だろう。容疑がかかったのは村の実力者である殿岳寺の住職雲海と、村議会議長の千崎。塔馬は例のミイラが入っていた木棺は最近埋められたものと見抜くが、ミイラの方はなくなっていて。千崎のアリバイはテル子が証言するが、恋人なのでだめ。彼は松本とトラブっていたらしいし、凶器の出どころも千崎の家。彼の疑いはますます濃くなるが、塔馬から見ると証拠が揃いすぎていて不自然。警察の要請で撮影は中止、怒った監督は降板、小暮はピンチに立たされる。塔馬にミイラ捜しを任された亜里砂と長山はテル子の死体を発見したりする。カギを握っているのは小暮の弟。小暮がいかにもわけありな表情するので、犯人だと予想つく。小暮は雲海が弟を殺したと思っていて、彼を追いつめたいけど、なかなか思い通りに動いてくれないというのはいかにもありそうなことだ。手間取っているうちに死人の数が増えていく。弟の行方を一人で捜すのと、映画のプロデュースを並行してやるのはいくらなんでも無理で、多くの人に迷惑かけすぎ。無関係な千崎を陥れるのもバツ。ラスト、長山が監督になって撮影が再開されるが、ああいう、勢いだけで突っ走る、緻密さゼロの彼には無理だと思うよ。塔馬が話を聞きに行く郷土資料館のシーンに大出俊氏が出ていた。
塔馬教授の天才推理3からくり人形殺人事件(2019)
冒頭中村という男が、妻や招待客の目の前で空中散歩を披露。しかし途中で池に墜落して溺死してしまう。これを見てあれれ?次に新潟市で開催されたからくり人形展。実業家新島(渡辺裕之氏)はからくり人形マニアで、自分のコレクションも出品しているが、人形が出したおみくじに書かれていたのは「べんきちはゆるさないぞ」。ここでまたあれれ?もしかして私原作読んだ?でも塔馬のような人物が出ていたら覚えているはずなんだけど。見終わった後読書日記を調べてみたら・・あったあった。でも矢的という人が主人公のようだ。塔馬はどこに?話を戻して、例の事故が起きたのは26年前。新島は未亡人となっためぐみ(いしのようこさん)と結婚したが、愛人栄子との間に娘夏江がいる。夫をなくした時、めぐみは妊娠していたが生まれた娘百合亜は大学教授神楽の養女に。夏江には新聞記者深町という恋人がいるが、彼はどうやら財産目当てらしい。まず栄子が車の事故で死亡。蛇のオモチャが仕かけられていて、それが原因。後で目撃者が出て仕かけたのは深町とわかるが、彼は手袋も何もしていない。指紋ついてまっせ。その深町も殺される。26年前の事故に不審を抱き、調べ回っていた新聞記者の池上は、20年前にひき逃げで死亡。犯人は見つかっていない。深町は池上の遺児で、偽名を使って新島に近づき、父の死の真相を暴こうとしていたらしい。中村はからくり師大野弁吉の子孫で、偶人館には銭屋五兵衛の莫大な財産が隠されているという伝説が。ここらへんは「乱れからくり」と同じだ。新島は中村を事故に見せかけて殺し、めぐみと結婚し、財宝を見つけ、実業家としてスタートするための資金にしたのだ。途中真相を暴かれそうになって池上を始末。神楽が疑惑を持ち始めると彼も始末。仕上げにめぐみも自殺に見せかけて殺そうとするが、それは塔馬達に阻止される。新島は財宝を村人に持ち去られ愕然とする。塔馬はこの財宝のことは警察には言う必要なかったのでは?それにしてもケガをして入院中の長山は、病院から山奥の偶人館までテレポートしたの?