ある用務員
深見は子供の頃目の前で父親を殺された。父親役は野間口徹氏。よく見かけるけど名前は・・というタイプ。父親代わりとなって育ててくれたのが真島(山路和弘氏)。成長した今はヒットマンだが、普段は高校の用務員として働いている。真島の娘唯(芋生悠さん)を守るためだが、彼女はこのことは知らない。母親の死後、優等生だった唯の成績は落ちたが、彼女は気にしない。父親が気を使ってあれこれ言ってくるが、無感動、無関心が常態化している。幼なじみのヒロ(伊能昌幸氏)はいろいろ心配してくれるけど。真島は今では実業家だ。ヤクザはもう古い。酒匂組の六代目組長西森(般若氏)から、四代目だった父親を殺したのは他ならぬ真島と聞かされた深見は動揺する。真島に問いただすと否定しない。自分を育ててくれた恩人は、実は仇だった。孤独な暗殺者は苦悩する。・・何度も使い古された設定。むろんこれに美女、あるいは美少女が普通絡む。でも唯はねえ・・ヒロインとしては失格。そりゃ目の前で次々に人が殺されたら、なすすべもなくボケッと突っ立ってるのが普通なんでしょうが、映画としてはね、物足りない。いやほんと人がバカスカ死ぬんですわ。いとも簡単に。銃もバンバン撃つ。真島が殺され、次に狙われるのは唯。真島は仇だけど、死ぬ間際に唯のこと頼まれた。だから命を張って守り通す。真島が妾に産ませた本田(前野朋哉氏)が次々に殺し屋を送り込む。ただ、まともなのはいなくて、よく今までつかまらずにいましたな・・と言うか、生きていられましたな・・ってくらいイカレタやつばっか。中では寡黙なシホ(伊澤彩織さん)と、死んだと思ったら生きてた(防弾チョッキでも着てたのかな)稲岡(北代高士氏)はマシな方。二人とも結局は死んじゃうけど。不思議なことに誰も・・教師も生徒も唯も・・警察に通報しない。自分を守るため重傷を負った深見に対しても、唯は救急車呼ばない。何でだ?ケータイ持ってるのに。まあこういう映画ではこういうことに疑問持っちゃいけないのだろう。サラッと流さなきゃいけないのだろう。深見役は福士誠治氏。「ラプラス」とかに出ていたのは福士蒼汰氏の方ね。どうもこんがらがっちゃう。誠治氏の方は見るの初めてかな。不精ヒゲがちょっと残念。深見は死んじゃったのかしら?たぶん見てる人のほとんどは、唯がこの先どうなろうと知ったこっちゃないと思うよ。