殿、利息でござる!
原作はまだ読んでいない。18世紀の仙台藩が舞台。宿場町吉岡は土地がやせている上、伝馬の負担が百姓達に重くのしかかっていた。夜逃げをする者も多く、人口は減る一方。村一番の知恵者篤平次(瑛太氏)は妙案を思いつく。今藩は金に困っている。千両貸しつけ、毎年百両の利息を取れば、伝馬の負担(馬を用意したり、人足を雇ったり)を減らせる。そうすれば百姓は本業に精を出せるし、町に活気も戻る。しかし問題はどうやって千両用意するかだ。何しろ金を出したって儲けはないのだ。百両は全部町につぎ込むのだから。前半は金集めに苦心する描写が続く。百姓は逆さにしたって鼻血も出ないから、やや余裕のある連中がしぼり出すこととなる。後半は集まったお金をさてどうやってお上に貸しつけるかだ。藩の財政立て直しを任されているのが萱場(松田龍平氏)。冷酷で嘆願書をあっさり却下。この時出てくる郡奉行が磯田道史氏。あらセリフなし?時々説明のナレーションが入る。庶民には小判なんか縁はなく、使うのは銭。あの穴があいていてヒモに通すやつだが、それではお上に受け取ってもらえない。金の相場がなんちゃらで余計に必要になってそこでまた一苦労。最初に思いついてから実現するまでに何年もかかっている。しかし後でわかるがその何十年も前にすでに町を救おうと一人の老人がコツコツ小銭をため始めていたのだった!実際にあったことをもとにしているとのことだが、それにしたってちょっとできすぎなんじゃ・・いやいやそんなこと考えちゃいけない。素直に感動しましょうよ。そもそもの行動起こした甚内が山崎努氏、その信念を受け継ぐ息子が妻夫木聡氏。その兄が阿部サダヲ氏。母親が草笛光子さん。肝煎幾右衛門が寺脇康文氏。大肝煎り千坂(千葉雄大氏)はずいぶん若いね。飯屋の女将ときが竹内結子さん。竹内さんは生き生きとしていてとてもいい。寺脇氏や寿内役西村雅彦氏は軽快さを感じさせてくれるのがいい。他にきたろう氏。最後の方で藩主伊達重村役で羽生結弦氏が颯爽と出てくる。でもあの・・もとはと言えば重村のせいで藩の財政が・・。それはともかく映画館に押しかけた(たぶん)羽生ファンは、あまりの出番の少なさに(心の中で)絶叫したことだろう。あれだけ~!?回転不足・・じゃない出番不足!!