死刑にいたる病
雅也(岡田健史氏)はFランクの大学に通っている根暗な学生。ある日大和(阿部サダヲ氏)から手紙が届く。彼は少年少女23人と、成人女性一人を殺した罪で死刑判決を受けている。面会に行くと、成人女性かおるの件だけは自分の犯行ではないから調べてくれと頼まれる。彼の弁護士佐村に会って資料を見せてもらい・・。大和はパン屋をやっていて、学校と塾の間に店に寄るのが雅也にとってはホッとできるひとときだった。大和は父親に虐待されている雅也をやさしくいたわってくれた。周囲の誰も彼の裏の顔には気づいていなかった。この後調べていくうちに、母の衿子(中山美穂さん)と大和が知り合いだったことがわかる。もしかしたら自分は大和の子供なのでは・・。自分にも殺人鬼の血が流れているのでは・・。大和の言う通りかおるを殺したのは別の人物なのでは・・。手口も違うし。裁判で大和に不利な証言をした金山(岩田剛典氏)が怪しく思える。「怪物の木こり」の後でこれを見ると、阿部氏の方がリアルなサイコパスに見える。あっちはちょっと薄っぺらくて。ただこっちは爪をはがすなどあんまり見たくないシーンが出てくる。私はこういうサイコとか連続殺人鬼といった種類の映画見ることが多いけど、イタいシーンを長々と・・というのはごめんです。不思議なのは雅也が父親和夫に殴られるなどすること。実の息子じゃないからかと思ったら、結局実の息子だった。だったら何で?衿子はなぜ和夫の暴力を止めないんだ?何で何事もないようにやり過ごすんだ?自分のことはがまんしても息子のためには戦うんじゃないの?ラストのどんでん返しはたいていの人は余計と書いている。私もそう思う。原作はまだ読んでいないのでどうなっているのか知らないが、私だったら雅也がサラリーマンを殺しかける中盤あたりの件は、彼の妄想だったとか、そういうふうにするな。でないと殺人未遂なんだから当然警察が動き、彼も気にするはず。岡田氏は「ドクター・デスの遺産」に出ていたらしいが、全く記憶にございません。漠然とどこかの人気グループの一員かなと思い込んでいたけど違うのね(←スミマセン)。