八犬伝
こういうのはどうも感想書きにくいな。一つの映画の中に二つの映画。八犬伝と言えばNHKの人形劇「新八犬伝」を見ていたから、話の流れはわかる。最後の方はたぶん見てなかったと思うけど。最初に出てくるのは信乃。女性の名前なのが不思議だったが、昔はちゃんと育つよう男の子を女の子として育てることもあったらしい。犬塚信乃役渡邊圭祐氏はどこかで見たような・・と思ったら、「光る君へ」の藤原頼通だった。髪の長い美剣士という感じで、中国か韓国製の時代物に出てきそう。次が犬川荘助。私は犬川額蔵はいつになったら出てくるのかなと思っていたけど、荘助が額蔵なのね。「新八犬伝」では額蔵が一番好きだった。なぜかはわからないけど。荘助役は鈴木仁氏。あとは犬田小文吾が佳久創氏、犬飼現八が水上恒司氏。水上氏は「死刑にいたる病」の岡田健史氏らしい。犬山道節が上杉柊平氏、犬村大角が松岡広大氏。犬坂毛野の板垣李光人氏は「陰陽師0」に出ていたかな。毛野は女装で出てくるから八犬士の中でも印象に残る方。一番最後に滑り込みセーフで出てくるのが犬江親兵衛。藤岡真威人氏は出番少なくて気の毒。八人も出てくると、そのうちの半分は見分けがつかない。敵役扇谷定正役は塩野瑛久氏。ん?「光る君へ」の一条天皇?全然感じが違うじゃん。玉梓が栗山千明さん。「我こそは玉梓がおんりょ~」・・阿部寿美子さんのおどろおどろしい声・・今でも耳に残っておりまする。八犬伝の部分は画面が暗いことが多く、何が何やら。それでなくても誰が誰やらなのに。屋根の上で信乃と現八が戦うところはスケールが大きくてよかったけど。もう一方は馬琴(役所広司氏)と北斎(内野聖陽氏)の交流。しかし心に残るのは病身で親の期待にこたえられず、若くして亡くなった馬琴の息子宗伯(磯村勇斗氏)。もう気の毒で気の毒で。驚くほどハンサムな渡辺崋山(大貫勇輔氏)、暗くて顔がわからないままの鶴屋南北(立川談春氏)。中村獅童氏と尾上左近氏を見ることができたのは得した気分。へえ~「東海道四谷怪談」には「忠臣蔵」も入ってるんですか、知らんかった。馬琴の妻が寺島しのぶさん、宗伯の妻が黒木華さん。下條アトム氏が出ていたけど、これが遺作になるのかな。庶民が八犬伝を読むところは出てこなかったな。今原作を読んでいるところだけど、原作にも一般読者のことは出てこない。