主任警部モース21 デッド・オン・タイム
主任警部モース22 ハッピー・ファミリー
主任警部モース23 モース イタリアの事件
主任警部モース24 有罪判決
主任警部モース25 ケルビムとセラフィム
主任警部モース26 アヴリルの昏睡
主任警部モース27 サタンが巣くう日
主任警部モース28 神々の黄昏
主任警部モース29 森を抜ける道
今回はルイスが大ピンチ。危うく命を落とすところだった。え?モース?今回に限ってはルイスが主役で彼は脇役でしょ!モースの性格の悪さばかりが目についた。たぶんこの性格の悪さがユニークだ、魅力的だとなって人気が出たんだろうけど、私には理解できないな。・・刑務所でトイレ掃除やってた囚人が、数人の囚人に襲われ、殺される。理由は不明。彼・・パーネルは死の間際牧師に何事か言い残す。この作品には原作があるようだが、まだ入手できていない。かなり変更されているんだろうな。見ていて不明なところがいっぱいあるけど、原作では説明されているのかな。今回の感想には不明という単語が何度か出てくるだろう。散歩中の犬が頭蓋骨をくわえて走る。モースはコンサートで魅力的な女性に会い、期待が頭をかすめるが、彼女には連れがいた。パーネルのニュースを聞いた庭師のデイリー。給油に行った時見かけた女性のあとをつける。パーネルは五人殺したことになっている。カップルが二組と、カレンという女性。彼女は死体が見つかっていない。湖の中だから見つけるのは無理だろう。家族がいればもっと捜しただろうけど、誰も名乗り出なかった。モースは休暇中らしい。片づけなければならない書類仕事はたくさんあるのだが、こういうのは性に合わないから、パーネルの件を知ると署へ出てくる。カレンの事件があった一年前も彼は休暇中で、ジョンソンとルイスが事件を担当。今回のパーネルの件もこの二人が担当する。モースは担当でもないのにあれこれ口を出す。当時は事件が重なり、上からの圧力もあって、十分な捜査がされなかったのは確かだ。しかしパーネルは自白したし、そうなればそこで打ち切りとなってもおかしくはない。ルイスだって自分はちゃんとやったと思っている。それなのにモースは(休暇でいなかったくせに)見落としただの何のと言いたい放題。ジョンソンだけでなくルイスだっておもしろくない。しかし彼には引っかかってることがあるのも事実。刑務所へ行った時、牧師からパーネルの今はの際の言葉・・「最後のは違う」を聞いていたからだ。もちろんジョンソンは問題にせず、ストレンジにも報告しない。ルイスがモースに話し、モースがストレンジに話し、それでストレンジは報告を怠ったとジョンソンをとがめ、担当をモースに変える。
森を抜ける道2
その後またジョンソンに担当が移ったりめまぐるしいが、どちらの場合もルイスが補助する。大柄で顔も体も四角いジョンソンは、推理よりも腕っぷしみたいなところがあり、モースとは仲が悪い。実際こんな短絡的なやつに目をつけられたらおしまいと言うか、解決するものもしなくなっちゃうという感じなのだが、そんな彼でもルイスに対するモースの扱いは不当だと思っている。彼でさえそうなのだから、署の他の連中もそう思っている。地味で大変な仕事はルイスにやらせ、しかもまだ見つからないのか、わからないのかとせっつく。ルイスが残業している時にモースはデートだ。「魔笛」の回だったか、珍しく夜遅くまで仕事してるなと思ったら、何のことはない、クロスワードを解いていたのだった。「死を呼ぶドライヴ」では他の連中を働かせ、自分はベッドに寝そべる。事件が解決すると手柄は一人じめ。パブへ行けば何のかんのと理由つけてルイスに払わせるし、ビールが濁ってると文句言う。不思議でしょうがないのは、モースにはこれらのことが不公平でも何でもなく、当然のこととして認識されていること。自覚がないから態度が改まることもない。もう一度言うが、何でこんなやつが人気者なの?私はルイスに代わって怒ってやっているのだ。途中でジョンソンは警視に昇進、ルイスには警部補として自分と一緒に来て欲しい。モースの下で働いていては昇進の望みはない。そうわかっていてもルイスは残る。モースにはいろんな不満があるが、ジョンソンの乱暴なやり方にもついていけない。結局誰と組もうと自分には同じ役が回ってくるのだ。そう悟ったかどうかは置いといて、今回のルイスはさすがにぶち切れていたな。話を戻して・・デイリーの行動は見るからに怪しい。カレン殺しはばれずにすんだけど、また殺人の衝動が起きて、女性をつけていたのでは?彼は事件当時、道で(カレンの)バッグを拾ったと警察に届け出ていた。今回またそのことで事情聴取を受け、いら立ちを見せる。原作を読んでいない私は、だからデイリーが殺されたのにはびっくりした。ここで検視医のローラが初登場。まだ若く、ちょいと生意気そう。モースの好みのタイプじゃない。途中ジョンソンと何かありそうな感じだったけど、彼は移動するし。モースの好みはコンサートで出会ったクレア。彼女は本屋をやっていて、あの時の連れは義兄のハーディングだった。
森を抜ける道3
それじゃあ問題なしというので、デートに誘ったりするが、後で二人が不倫の関係にあったと知ると、モースの態度は冷たくなる。カレンの事件の真相と、デイリーを殺したのは誰かという二つの興味があるわけだが、私としてはパーネルは何でやってもいないカレン殺しを自白したのかいなという、その点でつまずいちゃっていて。結局不明のまま。ジョンソンが痛めつけたとか?でもルイスが止めるはずで。ハーディングの妻リンは娘をなくしたショックから立ち直れずにいる。いろいろ手伝ってもらってるうちに、クレアと深い仲に。モースだってリンの状態見た時点でそれくらい気づくでしょうに。ハーディングはまた整形医のマクブライトらと一緒にヌード写真の撮影会をやったりしている。カレンはそこでモデルを務めたらしい。バッグには持ち歩いていたはずのカメラが入っておらず、後でデイリーの息子フィリップが持っていたことがわかる。デイリーの妻マーガレットはフィルムは焼き捨てたと言ったが、実際には現像して持っていた。本当は他にも写真があるのだが、モース達には渡さず、後で焼いてしまう。ハーディングにしろクレアにしろマクブライトにしろマーガレットにしろみんなウソをついていて、それが捜査を困難なものにしている。実際この作品でウソをつかなかったのは牧師と城の番人と不動産屋と給油所の男性くらいなものだ。モースはハーディングが犯人だと思っていて、自分が担当をはずされるとわざわざジョンソンに言いに行く。見ている私にはハーディングはただの不幸な小心者にしか思えないから、モースはわざわざ間違った情報ジョンソンに与えて、足を引っ張るつもりかしら・・なんて思う。もちろんモースが足を引っ張らなくたって、無能なジョンソンはフィリップを連行し、暴力をふるってルイスを呆れさせる。その少し前、モースの主張で森のいっせい捜索が行なわれ、例の犬のおかげで骨が見つかる。カレンのものらしいスカーフも見つかり、成果が出てホッとするが、後で骨が男性のものだとわかる。あの時ハーディングは途中で帰ったが、カレンとマイトンという男性が森へ入った。だからやっぱりカップル殺しで、パーネルの仕業だとなったりする。とにかくそのマイトンは南アから来ていて、ハーディングと同じくマクブライトの患者。骨と一緒に腕時計が見つかり、彫ってあったイニシャルから、骨はマイトンのだと思われる。妙なことにマイトンのアパートの家賃は彼の失踪後・・死後も支払われていた。
森を抜ける道4
森の管理人マイケルズとキャシーの夫婦は、ハーディングやデイリーのところとは違い、仲むつまじい。マイケルズは妻が妊娠したと幸せいっぱい。キャシーはマイトンの写真を見せられても知らないと答える。彼女がここへ来たのは五ヶ月前だ。モースもルイスも二人のことは全く疑っていない。ところが・・ルイスはマイトンのアパートの家賃を払っているのが誰かと調べているうちにマイケルズに行き当たる。デイリーは銃で撃たれていたが、マイケルズも銃を持っている。彼は照合するからと銃を受け取りにマイケルズの家へ。一方モースはデイリーの行動を洗い直そうと給油所へ行き、監視カメラの記録を見せてもらう。デイリーと入れ違いに店に入ってきた女性はキャシーだ。その前、カレンのカメラについていた指紋から、ケイトという女性が浮かび上がっていた。15歳の時父親を撃ち殺し、七年間服役していた女性だ。マーガレットの話によれば、デイリーは殺人に興味があったらしい。給油所でキャシーを見たデイリーは、彼女がカレンだと気づいたのだ。遺体が見つからないのも当然だ。彼女は生きていた。ルイスは銃を受け取ってそのまま立ち去ればよかったのだ。でもついしゃべってしまう。彼はマイケルズがカレンもマイトンもデイリーも殺したのだと思っている。びっくりするマイケルズ。彼はデイリーのことは頭にない。モースはルイスに連絡しようとするが家に向かったと言われる。てっきり自分の家に帰ったのだろうと思っていたら、マイケルズの家。こりゃ大変だとなって大あわてで車を走らせる。マイケルズの家の前には血だまりがあって、モースは恐怖のずんどこ・・じゃない、どん底に。血はマイケルズのだけど、モースはそんなこと知らないし・・と言うか、いつもだったらこんなの見たら気分悪くなるんじゃなかったっけ?ルイスは自分が勘違いしてたことに気づく。デイリーを殺したのはキャシーだった。マイトンを殺したのも彼女。偶然出くわしたマイケルズは、レイプされそうになったという彼女の話を聞いて同情し、死体を隠すことにしたようだ。彼はキャシーがデイリーを殺したと知って驚く。マイトンの時は手伝ったけど、ルイスを殺す手伝いはできない。懸命になだめようとするがキャシーは聞かない。妊娠はウソだと言い、彼を撃ち殺す。なだめようとしてるのを見て、絶対やられるぞと思っていたら案の定・・マイケルズも気の毒に。
森を抜ける道5
即死だから痛いも苦しいもなかったのがせめてもの救い。キャシーはルイスに銃を突きつけ、車に遺体を乗せて移動する。穴を掘らせ、遺体を入れ、今度はルイスの番だ。キャシーが銃を突きつけていない瞬間もあり、スコップで殴るのは無理としても土を浴びせかけることくらいはできそうなものだと思ったが、ルイスは何もしなかったな。穴も掘り上がり(←?)、「妻と子供がいる、撃たないでくれ」と頼んだけど耳を貸す気配もなし。一方モースはやっと近くまで来ていて・・静かな森の中なら車の音がキャシーにも聞こえるはずだが・・。銃を持たないモースはキャシーを狙い撃ちというわけにもいかず、声をかけるしかない。銃を持ってるとは言え、キャシーも一度に二人は無理。結局モースがスコップでキャシーを殴り倒すが・・力が入り過ぎて殺しちゃった。ルイスはホッとしている暇もない。ショックで腑抜けになってるじっちゃんをいたわらなければならない。彼には自分がショック状態になるなんていう贅沢は許されないのだ。たぶん彼はこれが自分の運命なのだと悟ったでしょうね。マイケルズはキャシーにだまされていたのだろう。彼女が父親を殺したのは何年にもわたって性的虐待を受けていたからだが、そういう過去がありながらヌードモデルやるってのは・・。森にマイトンと二人で入ってヌードをとらせて、それで何も起きないと思うはずがない。たぶん彼女は頭がおかしくなっていて、わざとマイトンを誘ったのだろう。ハーディングは自分が邪魔者扱いされてるのがわかって、それで途中で別れたけど、それで正解だったのだ。一緒に行っていたらどうなっていたことか。キャシーはマイケルズと結婚したのは弱味を握られていたからと言ったけど、そうは思えない。刑務所へ戻りたくない一心で、自分に都合のいい話でっちあげたと思う。彼のことは愛しておらず、自分のことだけ考えていたと思う。新しくキャシーとして暮らし始めたものの、デイリーに目をつけられてしまう。マイケルズ役はニール・ダッジェオン。今同じ局で放映中の「もう一人のバーナービー警部」で主役やってるようだ。顔の下半分がちょっとたるんできたけど、透き通った目はそのまんま。デイリー役クリストファー・フェアバンクはパスカル・グレゴリー風味。「エイリアン3」に出ていたらしい。
森を抜ける道6
運よく原作を見つけたので読んだ。文章はわかりにくく、読みづらい。読みながら、これはいったい誰のことを書いているのだろうと思ってしまう。同じところを何度も読むはめになる。服役中の殺人犯が・・というのはなし。原作ではある投書によってスウェーデン娘カレンの再捜索が始まる。ワイタムの森を捜せという指摘で、その通りにすると、何とその日に骨が見つかる。そこまではよかったが、骨は男性のものだった。実は最初の投書も、森を指摘した投書も、どちらもモースの仕業。彼は自分の思い通りにことを運ぶため、こんな細工をしたのだ。彼は休暇先で見つけたクレアに興味を持つ。いろいろ調べて、ハーディングと不倫していることを知る。クレアがハーディングの義妹という設定はなし。この作品では何と検視医のマックスが死んでしまう。モースの数少ない友人の一人だが、心臓発作で急死。後任のローラはモースより25も下だが、彼に強く引かれる。ラスト、モースを訪れたのはローラかね。クレアかもしれないけどはっきりしない。ローラだとしたら「ルイス警部」を見ている人達は「あらら~」と思うでしょうな。もちろんずっと後になって「ルイス警部」でルイスとローラが結ばれるなんて、誰も想像しなかっただろうけど。ジョンソンはテレビと違ってわりとまともに描かれている。理解できないのはカレンに対するまわりの態度。森をさまよっていてマイケルズに保護されるのは同じだが、原作ではマクブライト、ハーディング、デイリーの三人ともマイトン殺しには無関係なのに死体の始末等を手伝わされる。スウェーデンにいるカレンの母、姉妹、イギリスにいる知り合いみんなして失踪を偽装する。誰も警察に届け出ることは考えない。どう見たってカレンはまわりに迷惑をかけるトラブルメーカー。デイリーを殺したのがマイケルズなのかカレンなのかはっきりしないのは読んでいてもイライラする。マイケルズが殺してカレンが始末したってことかね。はっきり書けよ。テレビはいろいろそぎ落としてわかりやすくしてある。ルイスのピンチも原作にはなし。どう見たって今作はテレビの方が勝ちですな。
主任警部モース30 カインの娘たち
これは原作があるようだが、まだ入手できていない。モース物は古本屋であまり見かけない。たぶん内容は変更されているんだろうけど、そういうわけで比較はできない。別に比較しなくたっていいんだけどさ。テレビを見ていても、ここは何だか変だなあと何度も思って。ジュリアは教師で、今は一人だが過去に夫に悩まされたようで。不治の病・・たぶん脳腫瘍にかかっているが、わりと冷静に受け止めている。彼女の家に掃除に来ていたのがブレンダ。最初の夫との間に娘ケイをもうけるが、死別。再婚したテッドは以前大学の用務員をしていたが、今は博物館の警備員。元ボクサーで、ブレンダやケイに暴力をふるう。古風な考えの持ち主であるブレンダはじっと耐え忍ぶが、ケイは家を出てロンドンへ。最初はブレンダが不治の病で、ジュリアが励ましているのだと思った。ブレンダはしきりにタバコを吸うが、どうせ死ぬのだからとヤケになっているのだと。そしたら病気なのはジュリアの方で。当然殺されるのはテッドだと思っていると、死体で発見されたのは大学を引退したマクルーアという歴史学者。大学は資金不足に悩み、今も何とか基金への寄付をつのっているところ。マクルーアはそちらの腕がきき、評判もいい。以前マシューという学生が転落死したと聞いたモースは興味を持つ。たぶん原因はクスリで、売っていたのはテッドだろう。マシューはケイをめぐってアシュリーと大ゲンカしたことがある。テッドは心臓発作を起こして入院していたが、事件当時のアリバイはブレンダが証言。アシュリーはケイと一緒。二人は婚約している。どちらも確実なアリバイとは言えないが、そのうちテッドが殺される。ネットで調べると、原作の方はマクルーア殺しとテッド殺しの間に数週間たってるようだ。テレビの方は数日の間の出来事に思える。そのせいでジュリアの病気の進行が早く思える。物語のキモは三人の女性とそのアリバイ崩しか。題名は「娘たち」と複数だから、ジュリア一人の犯行ではないのだろう。マクルーア殺しの方はテッドの仕業。彼は今でもクスリを売っていて、マクルーアに通報すると言われたのが動機。マシューの時はたぶんケイのためにマクルーアはクスリのことは表沙汰にしなかったのだろうけど。
カインの娘たち2
犯行の後で発作を起こし、入院したため、凶器のナイフ(博物館の陳列品)を戻せなかったとか手違いが生じるが、ブレンダがテッドのアリバイを証言。このブレンダの心理がこの作品での一番の謎だ。彼女はテッドの裏の仕事のおかげで、今では掃除に行くのはジュリアの家だけ。台所も改装した。クスリのことは全く悪いことだとは思っていないようだ。暴力をふるわれても耐えるが、そのストレスの捌け口としてしきりにタバコを吸い、あったことをみんなジュリアに話す。善悪の判断がずれているような感じで、自分では何も決められず、他人を頼る。ジュリアがテッドを殺したのは・・ケイ、あるいはケヴィンが手伝ったかどうかはっきりしないが・・ブレンダへの仕打ちを許せなかったからだ。でもブレンダがどう思っているのか・・ジュリアに殺して欲しかったのか、それともテッドに生きていて欲しかったのか・・はっきりしない。原作ではそこらへんどうなっているのだろう。まあそれはともかく、私にはブレンダが自分ではできないからジュリアをけしかけていたように思えるわけ。たぶん無意識にだろうけど。一時は夫殺しの容疑者として拘束されたブレンダだが、後に釈放される。人々は温かく迎え入れる。何しろ彼女は夫の暴力に耐え、最後まで尽くした貞淑な妻なのだ。たぶんこれがブレンダが長年夢に描いてきた晴れ姿のはず。彼女はヒロインになれた。夫から解放してくれたジュリアに感謝しているのか、それとも殺すなんて許せないと思っているのかは不明。三人の中では一番何を考えているのかわからない。ジュリアには緻密な計画を練る頭脳と冷静さがある。もうすぐ死ぬから何も怖くない。ただ、彼女の計画が実際にはどういうものだったかはよくわからない。テッドがマクルーアを殺すシーンも、テッドが殺されるシーンもうつらない。モース達が推理するだけ。ジュリアのネックは、病気の進行のせいで車を車庫から出すなどの行為ができないこと。不良生徒のケヴィンに車出しを手伝わせたりするが、彼をどの程度まで関わらせたのかは不明。見返りに彼と関係したようだが、そこらへんもはっきりしない。ケヴィンのキャラもはっきりしない。少年院から出たところだが、ジュリアに色目を使うなどませているようでいて、案外純なところもありそう。無謀運転で死んだのかと思ったら重症ながらも生きていて。
カインの娘たち3
ジュリアの葬式に現われて新事実を告げるのでは・・と期待させるが、何事もなく終わってしまう。ラストで棺を長々とうつしたのは何のためだったのかいな。ケイの役回りは何だったのだろう。ロンドンにいれば疑われないのにこっちへ来たってことは、何か手伝ったはずだが、うつらないのでわからない。ケイはブレンダのことはどう思っているんだろう。テッド殺しはジュリアと二人でやったことで、ブレンダは何も知らないのだろうか。ケイは美人でスタイルもよく、知性もある。エスコート嬢らしいが、原作では娼婦なのかな。アシュリーとは婚約しているけど、最愛の人はマクルーアだったのかも。彼とは純粋にプラトニックな関係だったけど、彼を殺した犯人は絶対許さないとはっきりモースに宣言。それはともかくジュリアはテッドを殺したのは自分と書いた手紙を残す。死んでから読むようにというジュリアの希望なんかどこ吹く風とばかりにモースもルイスも中を読む。告白している以上ブレンダもケイも逮捕できない。ほどなくジュリアも死に、捜査は打ち切りになる。資金不足で困っているのは大学だけではなく警察もそう。二つの殺人事件が同時に解決して経費が節約できたのだから、これ以上はほじくるなとの上からのお達し。ルイスは不満でしょうがないが、どうしようもない。最後の最後ケヴィンが出てきて引っくり返るのではという期待も空しく、何とも中途半端な状態でエンド。ブレンダ役はガブリエル・ロイド。ジュリア役フィリス・ローガンは「ダウントン・アビー」に出ているらしい。え?「アビー」?見てませんてば。この作品で一番印象に残るのは、ケイ役アマンダ・ライアン。大変な美人で、特に目が印象的。事情聴取を受ける時の、モースの追及にも負けない不敵な態度を取る時の怪しくも謎めいた強い目の輝きがすごい。演技はさほどうまいとも思えなくて、美しさやスタイルのよさで何とかなってる感じなのだが、このシーンだけは・・。あまり見たことのないものを見せられたという感じ。ケヴィンがナイフを戻す時、手袋もせず指紋残し放題なのが気になった。あのナイフを見つけたってことは、テッドに犯行自白させたってことだろうが、ジュリア一人でテッドに立ち向かえるかね。ケイがいたとしてもどうかね。ケヴィンがいれば何とかなるだろうけど、仲間にするにはケヴィンはあまりにも信用できない感じ。後で何しゃべるかわからないし。