フューチャー・ウォーズ
SFならひまつぶしになるかなと見始めたんだけど。アグゾマコ社の原発がメルトダウンを起こし、ついには爆発。実はその直前、職員の前に浮浪者みたいなのが突然現われ、爆発を防ごうとしたんだけど、時空警察とやらも現われて邪魔。で、そもそもこの原発建設を推進したのが議員のジルベール(アルノー・デュクレ)。彼の妻は娘アリスを出産した際死亡。成長したアリス(エンヤ・バル-)は原発には反対だ。例の浮浪者キツネ(フローラン・ドリン)によって、父娘は荒廃した未来へ。原発事故、父娘の断絶など、わりと深刻になりそうな内容なんだけど、冒頭のシーンからしてふざけた感じ。見ていても笑えないし、正直ハズレかな・・と。今の状態だと放射能の雲のせいで人類は近く滅亡してしまう。人類の一部は放射能のせいでゾンビ化。それ以外の連中はキツネのように浮浪者みたいな暮らしをしている。不潔で猥雑な世界。それに比べ時空警察はピッカピカでメタリックで。で、この映画で一番しっくりこないのはこの時空警察。彼らは過去を変えるのを許さない。だからジルベールを元の世界へ戻し、アグゾマコ社と契約させようとする。つまり彼ら・・時空警察のボス、コンスタンスは人類が放射能によって滅びてもかまわないと思ってるわけ?たぶん見ている人の多くはこの点に引っかかると思う。中には時空警察の連中は別の世界から来たと書いてる人もいるけど、見ていてもそんな感じしない。ちょっと強引だけど彼らはやはり歴史は変えるべきではないという信念で動いているとした方がいいように思える。人類は滅びるけど地球がなくなるわけではない。そのうちまた別の生物、文明が誕生するかもしれないのだ。まあそれだと映画にならないので、アリスは思いきった手段に出る。過去に戻り、赤ん坊(自分)の代わりに母親が助かるようにすればいいのだ。そうすればジルベールは赤ん坊は失うけど、愛する妻は失わずにすみ、考えも変わって原発の契約はしない。と言うわけで生まれなかったはずのアリスだが、存在は消えずにすむ。彼女がいなければ過去に戻って彼女の誕生を阻止できないのだから。まあそれはいいとして彼女が生きることになった未来世界には、33歳になった彼女も存在するはずで、それはどうなるのかな。そしてもっと重要なことがある。ジルベールが契約しなくたって他の人が契約して原発が建設されることがありうるのでは?う~ん、頭が痛くなってきたぞ。ちなみに多くの人はこの映画見て「ターミネーター」とか「マッドマックス2」を連想したみたいだけど、私が思い浮かべたのは「ニューヨーク1997」や「タイム・シーカー」などでした。