私がやりました
イザベル・ユペールの作品はコンスタントに公開されているけど、私が見たのは「ブロンテ姉妹」と「キュリー夫妻/その愛と情熱」くらいだな。この作品の舞台は・・車の形からして現代じゃないな。後で1935年とわかる。売れない女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)と、仕事のない弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)は家賃滞納でアパートを追い出されそうになっている。役がもらえるかと演劇プロデューサー、モンフェランに会ったマドレーヌは愛人になれと言われた上、襲われ、逃げ出す。屋敷を出てすぐオデット(ユペール)にぶつかるので、後の展開・・殺人事件の犯人は彼女と予想つく。モンフェランが頭を撃たれて殺され、マドレーヌが容疑者に。一計を案じたポーリーヌはマドレーヌに嘘の告白をさせ、正当防衛だと無罪を主張。マドレーヌは女優ごころを刺激されて名演技。無罪判決を勝ち取ったばかりか、二人はすっかり時の人となり、仕事も次々舞い込む。ところがある日、オデットが現われ自分が真犯人と言い出す。普通人を殺したのに気づかれずにすんでいるなら、これ幸いと黙っていそうなものだが、そこは往年の名女優。他の女にスポットがあたり、金まで入りそうなのはがまんできない。と言って無罪でカタがついているから、判事にも相手にしてもらえない。黙っている代わりに30万フランよこせとマドレーヌ達を脅すが、彼女達にまとまった金などあるはずもなく・・。正直言って、途中で見始めたことを後悔し始めた。話はうまくできているが、どいつもこいつも常軌を逸していると言うか。ついていけない。特に男どものアホさかげんときたら・・。判事役の人は「しあわせの雨傘」で見たばかりのファブリス・ルキー二だな。彼とユペール以外は知らない人ばっか。ヒロイン二人は美人だ。男達の中では建築家のパルマレード(ダニー・ブーン)がまともそうに見えたけど、エンドクレジットでそれも裏切られる。こういうの見て笑う気にはとてもなれない私は、この監督(フランソワ・オゾン)とは相性悪いようです。