album2

●9th Album『時間の翼』● '01/2/15 release

10周年記念オリジナルアルバムは、前作から2年ぶり。ただ、ブランクがありすぎで、 ただ単なるシングルの寄せ集めになりかねなかった作品だ。

10周年記念リミックスも ボーナストラックとして入れればいいんだけれどね、こういった形はちょっとなぁ。

そしてアルバムのタイトルトラックは未完成のまま収録ってこれはかなり問題です。

はっきり言えば、もう少し手の込んだものを作って欲しかったといえますね。

既存シングルが別ミックスで収録されているんだから、せめてリミックスバージョンをボーナスディスクとしてつけるとかね。

1. Get U're Dream

Words by IZUMI SAKAI Music by AIKA OHNO Arranged by TAKESHI HAYAMA

NHKのオリンピックテーマとして大量O.A.されていた曲ですよ。 第二の「負けないで」を狙った応援歌だそうですが、テイストがまったく異なりますね。

曲のほうは随分とポップに富んでおり、いかにもZARDだなぁ、と感じてしまう曲です。 ただ、何かしっくりこないんだよなぁ。やっぱりアレンジだろうか。 サビがスカスカというか、もう少し力強さを足してもいいんじゃないかい?

そうすればよかったと思う。大野愛果のコーラスはいい感じですね。

2. この涙 星になれ

Words by IZUMI SAKAI Music by YUICHIROU IWAI Arranged by HIROHITO FURUI

やけに壮大なイントロ。宇宙の片隅で何かが始まるようです。 で、曲のほうは打ち込みを多用したデジタルロックナンバーです。

当時まだNew Chinema 蜥蜴として活動していた 岩井勇一郎の作品です。かなりアグレッシブでサビではキャッチーなメロディーを持ってくる。 が、アレンジに力を入れすぎたのか、バックのサウンドと坂井泉水のヴォーカルが混じりすぎて汚く聞こえる。

それにしてもここまでアレンジに徹する古井弘人は何だ? 世界観が広いですが、詞では一体何を歌っているのかよくわからない作品。

3. promised you 〜with P-edition〜

Words by IZUMI SAKAI Music by SEIICHIROH KURIBAYASHI Arranged by Cybersound

久しぶりのバラードナンバー。ボストン在住の制作チームCybersoudがアレンジを手がけた 暖かい作品。

しかも栗林が提供っていうのも久々ですね。

アコースティックギターの音色とコーラスが冬の冷たさを拭い去るような曲です。ジャケットと合わせた冬の曲。 タイアップを意識したのか、「土曜」なんていうフレーズが登場しています。

アルバムではイントロに生ピアノを味付け。

これまた聞き応え十分のたまらない演出。

4. 痛いくらい君があふれているよ

Words by IZUMI SAKAI Music & Arranged by KENJI SHIOJIRI

なんとZARDがHIP-HOPに挑戦?幻想的なイントロの後で見事なラップ?を聞かせてくれます。 詞の方も韻を踏んでいるみたいだけど。

当時4D-JAMのリーダーだったシオジリケンジによるクラブよりのミディアムポップナンバー。 心地よいビートとピアノが見事に合わさった作品。間奏のお祭り騒ぎなんか、面白いですね。 ZARD流パーティーチューン。いやぁ、なかなかの秀作ですよ。

最初と最後のバラード部分も今までにない感じで新鮮味あふれている。 しかもタイアップを意識して歌っちゃっているよ。

5. 窓の外はモノクローム

Words by IZUMI SAKAI Music by YUICHIROU IWAI Arranged by YOSHINOBU OHGA

イントロから重圧なコーラスを聞かせてくれるポップなミディアムナンバー。

新曲のひとつでしたが、アルバム収録前からタイアップで流れていました。

歌詞も番組を意識したような内容。 中身はというと、特にこれといった特徴が無いんですね。

1番のコーラスをパートがなかなかいいんじゃないでしょうかね。

じわっと味わい深い作品という事で。

6. お・も・ひ・で

Words by IZUMI SAKAI Music by HIROSHI TERAO Arranged by HIROHITO FURUI

ギターサウンドの印象が強いミディアムナンバー。伊豆のタイアップが付いていたから「大室山」 なんていう歌詞が出てきます。

曲のほうはどこかしら懐かしさを演出。まったり気分に浸れる一曲ですね。 ごくありきたりなメロディーだけど、見事に曲の色を染めた。

7. 明日もし君が壊れても

Words by IZUMI SAKAI Music by AIKA OHNO Arranged by AKIHITO TOKUNAGA

WANDSに詞を提供した曲のカバーナンバー。

オリジナルは激しいバンドサウンドとピアノが使われていたゴージャスなものだったのに対して、 ZARDバージョンは最初は静かで何かを秘めている。

2番からはオリジナルを彷彿とさせるような激しいサウンドで決めてきた。

しかも間奏では「G線上のアリア」をギターで奏でるというにくい演出をかましています。

最後のエフェクトヴォーカル、坂井泉水本人だと思うけれどちょっと怖いよな。

8. 世界はきっと未来の中 〜another style 21〜

Words by IZUMI SAKAI Music by YUICHIROU IWAI Arranged by YOSHINOBU OHGA AKIHITO TOKUNAGA

第一弾ベストアルバムの発売後にリリースされたアッパーなポップナンバー。詞の世界が現れているような爽快サウンド。

アルバムではギターうねらせ、コーラスを重圧にもってきたかなり曲が豪華になっている反面、 ちょっとドラムのスカスカ感が気になる。

オリジナルのシングルテイクのほうは、打ち込み感たっぷりの分厚いサウンド。 どこかしら物足りなさを感じるのはやっぱり打ち込みだからか?

9. hero

Words by IZUMI SAKAI Music by AIKA OHNO Arranged by YOSHINOBU OHGA

このアルバムの中で唯一の未発表新曲ナンバー。 温かみのあるバラードナンバーで、なんかほっとした気分になります。

できれば2番からは打ち込みじゃなくて生音のほうが雰囲気伝わってきたな。

10. 揺れる想い Gomi's New York Remix

Words by IZUMI SAKAI Music by TETSURO ODA Remixed by Gomi

ZARDの10周年記念リミックスナンバー。

でも、せっかくの10周年記念アルバムなんだから、 リミックスはボーナスディスクで収録して2枚組みにすればよかったのに。

ま、この曲もボーナストラック的収録だしね。リミキサーがGomiという事で、かなり力を入れましたね。 Gomiお得意のハウストラック。

しかも聞きやすいのはやはり相手がZARDだからか? おまけに坂井泉水の声が若いなぁ。

11. 負けないで Gomi's 10th Anniversary Special Mix

Words by IZUMI SAKAI Music by TETSURO ODA Remixed by Gomi

おなじくGomiによるリミックスナンバー。こちらもハウストラックだけど、 前曲よりもテンポを落とし、ブラスアレンジまで施されています。

さすが記念日ミックス。 このアレンジだったら十分生音でもいけましたね。

観客も手拍子できるし、リミックス初心者向きって感じがするくらい受け入れやすいナンバーです。

12. 時間の翼

Words by IZUMI SAKAI Music by AIKA OHNO Arranged by AKIHITO TOKUNAGA

このアルバムのタイトルナンバー。 にもかかわらず、未完成のまま収録されるとは・・いやはや、いやらしいなぁ。

ミディアムテンポのポップなロックナンバー。爽快感たっぷりで気持ちよい。

きちんとしたかたちで収録して欲しかったね。せっかくのアルバムなんだから。

●Selection Album『ZARD BLEND Ⅱ 〜LEAF & SNOW〜』● '01/11/21 release

坂井泉水本人によるセレクション・アルバム第2弾。今回は前作とついになる「冬」をテーマにした楽曲を集めています。

収録曲の中ではc/wの曲が多く、日の目を見た感じですかね。テーマにそぐわないような夏にリリースされた曲もありますが、同なんでしょうか。

元々はリミックスやリアレンジを施した楽曲を収録する予定だったそうですが、急遽オリジナルテイクを収録することとなったそうです。

曲本来の持ち味が失われるとのことを本人がメッセージを寄せています。そのせいなんでしょうかね、結構楽曲の印象は薄いですね。

セールスもあまり振るわなかったみたいだし、おしいですね。「クリスマス・タイム」のカバーと「永遠」の別バージョンが聞き所なのかな。

シークレットトラックはあまり意味無いな。

15. クリスマス タイム (ZARD Version)

Words by ZUMI SAKAI Composed by SEIICHIROH KURIBAYASHI Arranged by AKIHITO TOKUNAGA

随分と煌びやかなイントロ。オリジナルよりもキーが高いのはまぁ、当たり前ですかね。 でもテイストは同じ。アレンジもそうだよなぁ。

新しさがあまり感じられないし、楽曲自体も古臭いよね。 もっと斬新な切り口で曲を切って欲しかった。ちょっと安定志向のラインを辿りすぎだね。

16. 永遠 〜君と僕との間に〜

Words by ZUMI SAKAI Composed by AKIHITO TOKUNAGA Arranged by AKIHITO TOKUNAGA

イントロ開けたと思ったらもうサビ。ギターがメインのアレンジになっているけれど、 随分とラフだよね。しかもすぐに終わっちゃうし、おいおい。

全然物足りなくて残念。

●Single Box Set『ZARD PREMIUM BOX 1991 - 2000』● '02/9/10 release

ZARD10周年を企画してのプレミアボックスが登場。

こちらは公式な発売ではなく、ファンクラブやアンケート読者のみが購入できるというもので、ファン心理をくすぐります。

というのも、既存のシングルを12cm Maxi Singleに形が変わり、しかも紙ジャケット。中には未公開写真を使っていたり。

さらにはさらにはお蔵入りとなっていたみ発表の曲を1枚サービス。これは見逃せませんね、聞き逃せませんね。

全部のSingleを買い揃えるよりか、こちらのほうがお買い得となっております。

1st

Good-bye My Loneliness

不思議ね・・・

もう探さない

眠れない夜を抱いて

IN MY ARMS TONIGHT

負けないで

君がいない

揺れる想い

もう少し あと少し・・・

きっと忘れない

この愛に泳ぎ疲れても

こんなにそばに居るのに

あなたを感じていたい

Just believe in love

愛が見えない

サヨナラは今もこの胸に居ます

マイフレンド

心を開いて

Don't you see!

君に逢いたくなったら

風の通り抜ける街へ

永遠

My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜

息もできない

運命のルーレット廻して

新しいドア 〜冬のひまわり〜

GOOD DAY

MIND GAMES

世界はきっと未来の中

痛いくらい君があふれているよ

この涙星になれ

Get U're Dream

Promised you

約束のない恋

2nd

3rd

4th

5th

6th

7th

8th

9th

10th

11th

12th

13th

14th

15th

16th

17th

18th

19th

20th

21st

22nd

23rd

24th

25th

26th

27th

28th

29th

30th

31st

32nd

33rd

未発表曲

未発表曲 約束のない恋

作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:葉山たけし

アコースティックサウンドが印象的なミディアムバラードナンバー。 正直言うと、栗林メロディーは平々凡々の仕上がりとなっておりますな。

葉山たけしのアレンジも同じようなテイスト。 坂井泉水の詞の譜割がいつもとは違った感じで、なんか複雑。

内容は別れ、そして前向きな志向の主人公。 まぁ、あっさりとした感じの曲です。どうしてお蔵入りになってしまったのでしょうかね。

シングル向きではないし、 アルバムの一曲でもなんか目立たないような曲だけどね。隠れた名曲的要素を持つ作品とでも言いましょうかね。

●10th Album『止まっていた時計が今動き出した』● '04/1/28 release

ZARD、渾身の10作目オリジナルアルバム。前作の10周年記念盤に比べると、幾分か出来がよい作品となっていますね。

待ちに待った甲斐があります。シングル曲を4曲収録していながらも、ほぼ新曲で構成された内容。ちょっとやる気を見せたか?

ただ、最近では珍しい栗林や春畑なんかの名前があるのはおかしいよね。ストックからの掘り出し物と言うことで、処理しておきましょう。

でも、この段階でもお蔵入りされなかっただけ、よかったよ。曲は見事にZARD色に染まっております。やっぱり坂井泉水。

年を重ねてもZARDとしてのイメージを損なうことなく、徹していますね。特殊形態ジャケットには驚いた。

ZARDも第2章の幕開けのごとく、力が入った作品となっています。

1. 明日を夢見て

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:小林哲

アルバムのオープニングは約1年のブランクを明けて届けられたシングルナンバー。

ピアノのしっとりとしたサウンドと、坂井泉水の柔らかいヴォーカルの相性が抜群。1番サビでは厚いサウンドで固めてきた。

そしてテンポアップしては2番には入る。アコースティックギターが前面に出た爽やかサウンドです。

往年のZARDサウンドを彷彿とさせて、とても気持ちがよいね。

シングルバージョンはさっくりと、アルバムテイクではザックリと。 ドラムとギターが入ってくる。

サウンド的には重圧なのがアルバムで、どっしりとしてきた。シングルの軽さもいい感じに仕上がっています。

2. 時間の翼

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:小林哲

前作アルバムのタイトルチューンが装いも新たにフルバージョンで収録された。

前作ではかなりロックテイストに溢れたものだったのに対して、今作は音が柔らかめ。 アコースティックギターが基本となっているサウンド。

ちょっとSEが邪魔臭いかもね。しかも前作よりもキーが下がっているのが気になる。

この時点での坂井泉水、ZARDならではの表現方法だったんでしょうね。爽やかな部分は変わらない。

3. もっと近くで君の横顔見ていたい

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:池田大介

サビ入りからスタートするミディアムナンバー。叙情深い歌詞と和的なメロディーがとても印象になります。

もちろんタイアップを意識してのことでしょうがね。ただ、メロディー部とサビが妙に合わないんだよな。 きっと、サビが先行で作られたんだと思う。

大野愛果、ちょっとこの展開はきついぞ。 曲が進行するにつれてアレンジがどんどんと変わってゆく。 どんどん濃く、激しくなっていく。ZARDの力強さがこの曲には表れているね。

シングルとアルバムでは、若干アレンジが違うので、聞き比べてみてください。

4. pray

作詞:坂井泉水 作曲:徳永暁人 編曲:小林哲

坂井泉水のヴォーカルが柔らかく曲を包み込むバラードナンバー。 イントロの打ち込みはちょっと余計かも。

本編はアコースティックサウンドがベースで、ZARDならではのせつなさを含んだメロディーで進行。

コーラスがこれまたいい味を出している曲でもありますよ。懐かしさをテーマにした歌詞もまた、胸が打たれる。

久しぶりに王道中の王道で攻めてきた、ポップなチューン。

5. 出逢いそして別れ

作詞:坂井泉水 作曲:春畑道哉 編曲:春畑道哉・池田大介

イントロがまたオリエンタルフレーバー。もうイメージは中近東ですよ。 TUBEの春畑が作曲を手がけたポップチューン。

何故今ごろ春畑?ということで、多分ストックの中の1つでしょうね。 アレンジ的には打ち込みをベースとしたポップロック。

サビの独特のメロディーがまた、結構病み付きになるんです。 こういったZARDも初めてなんじゃないか?という感じの曲でした。

6. 止まっていた時計が今動き出した

作詞:坂井泉水 作曲:中村由利 編曲:徳永暁人

出た!イントロからこの具合。すごいぞ、復活B-ingサウンドだ。 やるなぁ、徳永。このギターとベースの具合があの黄金期を彷彿とさせる。

曲はGARNET CROW、中村由利によるもの。 ただ、どうしてもWANDSの「世界が終わるまでは・・・」に似ている。

とにかく色々な要素がつまりに詰まった、アルバムのタイトルチューン。

7. 瞳閉じて

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:徳永暁人

間髪おかず精力的にシングルをリリースしているZARDが夏に放ったナンバー。 イントロではピアノでしっとりと。

そのピアノをバックに坂井泉水が伸びやかなヴォーカルを聞かせてくれる。

サビではコーラス、ドラム、そしてストリングスが見事な盛り上がりを聞かせてくれる。 サビが終わるとバラードが一転、ミディアムロックへと変身。

ザックリザックリとギターが入ってきます。 この辺りに来ると、フツーというか、王道のZARDなんだよね。しかし、間奏を挟んでからスパートかける。再びテンポアップしてポップに仕上げてきた。

さらに追い討ちをかけるかのごとく、キーをあげてとどめを挿してきました。もうJ-POPをわかっていますね。 これはアレンジ、徳永の勝利だな。

8. さわやかな君の気持ち (Album Ver.)

作詞:坂井泉水 作曲:徳永暁人 編曲:Dr. Terauchi & Pierrot Le fou

アコースティックサウンドが爽やかな気分にさせてくれるシングルナンバー。 ミディアムテンポでグルーヴ感を少々加えた曲は徳永によるもの。

このテイストのままサビまで行きます。 おもしろ味にかけるかと思いきや、意外とコーラスに助けられている。

英語詞では倒置法を使って強調を示したりとかなり高度なテクニック使っていますよ。

さて、アルバムではだいぶ印象を変えて来ましたね。爽やかロックナンバーに仕上がっています。

キーも若干下がって、しっかりと地に足構えてきた模様。最後はギターがうねり、F.O.したところでコーラスが華を添えた。

9. 愛であなたを救いましょう

作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:明石昌夫

これがまたイントロから驚きだね。ミディアム・スローのブルージーなナンバー。 サウンドに比べると歌詞の方がちょっと浮いているけどね。

サビでガッツリとサウンドを聞かせてくれると、これがまたかっこいい仕上がりなんだ。

近藤房之助とのコラボだったら間違いなくかっこいい出来だよ。♪ぜいたくは夢を〜 のくだりは「痛いくらい君があふれているよ」でありましたね。

お気に入りなのか?このフレーズ。

10. 天使のような笑顔で

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:徳永暁人

これまた随分とアコギがかきなるポップサウンドだ。 ちょいと落ち着きのないメロディー部。

その落ち着きの無さが逆にサビでは生かされているんだよね。 不思議だ。

でも爽快な気分が伝わってくるので、いい塩梅に仕上がっていると思います。

11. 悲しいほど 今日は雨でも

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:小林哲

アルバムの締めは抑え目のグルーヴとポップなサウンドで進行するナンバー。 サビ前にSE飛びすぎなんだけど。

サビのメロディは往年のZARDにあるような感じだね。 アレンジがポップでスピーディーでグルーヴィー。

だからまた昔とは一味もふた味も印象が違うんだよ。 最後の最後で再びJ-POPというカテゴリーを感じることが出来たかな。

ZARDにとってはこのアルバムが大作となったんではないでしょうか。

Remix Album『Cool City Production vol.6 ZARD ~WHAT RARE TRACKS!~ ZARD Edit』● '05/6/8 release

Cool City Productionのリリースアイテム第6弾は、ZARDがラインナップ。今回は、これまで発表してきたリミックス+新たに制作されたトラックで構成されたリミックスアルバムになっています。 おなじみMo-Z、lightin' groove、Dr. Trachi、night clubbersなどなど、Being/GIZAお抱えのトラッカーたちはじめ、大御所の小西康陽、GOMIなどがZARDの楽曲をアグレッシヴに変身させる。 4つ打ちを中心に、テクノやハウス、トランスなど、最新クラブミュージック仕様に味付けされたZARDの楽曲は、どれも濃い仕上がりだね。 「痛いくらい君があふれているよ」「この涙 星になれ」などもリミックスされていたけれども、もっと色々な楽曲を起用しては、変化させて楽しませて欲しい。 ライブ会場と通販限定、しかも、1stプレス、2ndプレス、ZARD Editと、枚数を重ねてきました。残念ながら、なぜかメジャー流通予定も中止になってしまったこともあり、 世に出回っている限定版が貴重なアイテムとなっています。

1. Get U're Dream Perry Geyer mix

remixed by Perry Geyer

やけにバックサウンドが強調されている。歌い方などはラフに聞こえるし、 もしかしてこれはデモトラックか?

そのかわりコーラスは強いし、打ち込みのトラックを使ってのリズムを刻んでいる。 オリジナルよりかは全体的に抑え目です。

2. 風が通り抜ける街へ White silver wind mix

remixed by MIWA

オープニングからラテン熱を前面に出してきて、その後は4つ打ちビートを軽やかに打ち込んでくるハウスリミックス。 ただ、基本的にはサビパートのみで構成されて、あとはホイッスルが吹き荒れているような展開。フロア向き。

3. 愛が見えない M-oZ club mix

remixed by M-oZ

激しいビートが押し寄せてきては、エッジの効いたギターが響いてくる。 さすがは小澤正澄だ。作曲した本人がリミックスを手掛けているということで、楽曲をよく知っているからこその、相性抜群なクラブミックス。 トランシーなテイストと合わせて、駆け抜けてゆく。

4. この愛に泳ぎ疲れても night clubbers mix

remixed by night clubbers

緊迫感を出す高速ビートが押し寄せてくるアッパーなリミックス。 night clubbersにしては、かなり攻めてきたね。トランステイストでどこかしらクールに展開。 ヴォーカルもサビベースで、サンプリングしたり、結構いじくっています。

5. 永遠 Till the end of time mix

remixed by lightin' grooves

名バラードを高速ビートで仕上げて、これぞテクノなガッツリフロア対応のリミックスに仕上げてきました。 イントロのしなやかな音を加えては、よりカッコ良さが出てきたね。しかも、英語版のヴォーカルを使用するとは。

6. Don't U see! D.F.P Zar-dub

remixed by Ikuoh & Yoshito for Double Front Project

もっさりテイストで聴かせるクラブミックス。ど頭の「Don't you see!」の部分以外は、オリジナルの影も形も無くなってしまった。 まさしくダブで、ビートを味わう1曲。

7. Can't take my eyes off of you readymade wizard mix radio edit

Arranged and mixed by KONISHI YASUHARU

坂井泉水のブレスがフューチャーされたリミックス。 面白いところに目がついたなぁ。テンポも落ち着いてビートを効かした仕上がりに。

クラブでかかっていても、おかしくない感じですね。さすが小西さん。

8. Get U're Dream hifloor breakin' mix

remixed by DJ.MELTDOWN from BUZZLIP

ボコスカビートで始まり、ヴォーカルサンプリングでなんだかカオスと化したリミックス。 色々と手の込んだことをしすぎて、逆に手に負えなくなってしまったような感じ。 途中、テンポが若干落ちた。ダメだ、このリミックスはいただけないや。

9. 止まっていた時計が今動き出した new time mix

remixed by Dr.Terachi & Pierrot le fou

イントロがとにかく壮大かつ冷たさを漂わせてオリジナルのテイストをうまく引き出してきたね。 メランコリックな音づかいが、楽曲の世界を際立たせる。増崎孝司のギターがポイントだ。 ただ、リミックスというよりかはリアレンジのようなテイストだね。

10. マイフレンド HBK dp delight mix

remixed by Hibiki Nakahara <dela production>

ポップできらめくビートを入れてきては、引っ張って引っ張って、盛り上げてくる。 そして本編はテクノやユーロビートなアプローチで派手派手にかましてきます。 多分、このアルバムの中で一番リミックスされて、一番聞きやすい仕上がりかも。

11. 負けないで Flute solo mix

Mixed and Programming by Gomi for Rhythmedia

Gomiがリミックスした「Gomi's 10th Anniversary Special Mix」のヴォーカルトラックを外して、 フルートのソロで聴かせるリミックスチューン。う〜ん、ZARDの坂井泉水の声を聞かせて欲しかった。

11th Album『君とのDistance』● '05/9/7 release

前作から約1年半ぶりにリリースとなった、1枚目のオリジナルアルバム。 秋のリリースとしては、3rd Album「Hold Me」以来だそうで。さて、タイトル「君とのDistance」とあるように 、収録されている楽曲それぞれに、特定の距離を思い描いて詞が書かれているそうです。 さすがはベテラン、坂井泉水。サウンドのほうは前作で復活の兆しを見せたB-ingサウンドがこのアルバムでも健在。 いい意味で古臭く、新しいサウンドが提供されています。 特にM-6「セパレート・ウェイズ」は、つぼをつくような曲で、じっくりと聞くことができますね。 ヒットシングル4曲の力も大きく、ポップでキャッチーなZARDが演出されています。また、歌詞を提供したFIELD OF VIEWやテレサ・テンのセルフカバーなども待望の収録。 バックで演奏しているミュージシャンたちは、GIZAのクリエーターで固められています。 恐るべし、鉄壁。ミュージシャン魂にびびりますね。 デジパック仕様のジャケットからも、秋ならではの温かさが伝わってくる作品となっています。

1. 夏を待つセイル(帆)のように

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Takeshi Hayama

両A面としてリリースされたシングルナンバー。映画の主題歌ということもあってか?やけにイントロが壮大でドラマティック。 しかし、本編はアコースティックサウンドで包み込むミディアムナンバー。ZARD特有の爽やかさが曲からにじみ出ています。 いろいろな面で坂井泉水による配慮が見られるようで。特にタイトルには相当のこだわりがあったようです。 往年のB-ingサウンドを彷彿とさせるのは、やはり葉山たけしの仕事がうまいからでしょうね。 後半の盛り上がりといい、ぐっと来る作品となっています。

2. サヨナラまでのディスタンス

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Takeshi Hayama

ヒット曲「愛が見えない」に通じるようなスリリング感を持つアップテンポのロックナンバー。 イントロのプログラミングといい、Aメロのヴォーカルエフェクトといい。 随分と冷たいイメージを作り上げています。当初はアルバムタイトルになるはずだったものの、 曲の持つマイナスイメージを前面に押し出すことになってしまうため、アルバムタイトルからは外されたようです。 曲のほうはもはやB-ingロックの復興だよね。歌詞のほうも随分と初期の頃のZARDを思わせるような内容で、かっこいいです。

3. かけがえのないもの

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Satoru Kobayashi

初の全国ツアー真っ最中にリリースされたシングルナンバー。 これがまた、ZARD王道のバラードに仕上がっているわけだ。1番はピアノがフィーチャーされ、次第に音数が増えてゆく。 サビでガツンとロッカバラードとして聞かせてくれる展開です。 好きな人を一途に思う主人公。その気持ちは坂井泉水によって綴られた詞の世界で歌われています。 曲の柔らかさと強さが入り混じって、リスナーを引き込んできますね。 なかなかキャッチーナメロディーで、いいじゃないですか。 恋愛番組のテーマソングとして流れていたので、ヒットチャートの上位にも食い込みました。

4. 今日はゆっくり話そう

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Akihito Tokunaga

CMソングとしてO.A.されていたシングルナンバー。サビ入りでキャッチーナメロディーを放っていますね。 ちなみに最後のパートのサビの歌詞意外は、サビ部分が同じ歌詞なので、覚えやすいですね。それとも手抜き? かなりサビのコーラスが厚く、聞き応えがあります。なんでもゴスペルを意識したとかしないとか。 全体的な印象としては、ミディアムポップのロックテイスト溢れるナンバー。やっぱりZARDならではのサウンドが耳につきますね。 激しさの中の温かさ。そして、最後の展開がスパイスに。キーを半音下げてサビに入り、途中から原曲キーに戻る。 戻るときのバックサウンドが、もう少しはっきりしていたらメリハリがついたんじゃないでしょうかね。 ちなみに、ジャケット写真はアルバム「止まっていた時計が今動き出した」の使い回しだ。見てすぐわかります。 その代わりに、珍しくプロモーションビデオが作られていました。

5. 君とのふれあい

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Takeshi Hayama

ピアノがしっとりとしたサウンドを作り上げる印象的なバラードナンバー。 この曲がまたいいんだ。1番はしっとり、2番からは音数が増え、バンドサウンドで。 しかし、そこまで強くならず、このいい具合が曲を引き立たせる。 シンプルながらに何か訴えるものがあるね。温かみのあるメロディーに反して、別れの曲です。せつないねぇ。

6. セパレート・ウェイズ

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Hirohito Furui

異国感、はたまたオリエンタル要素を醸し出すイントロにZARDの新しい魅力が出ている。 ミディアムナンバーで、淡々としたマイナーメロディーがまた、曲の味を出しているね。 サビのメロディーも独特な色があって、世界に引き込まれる。 間奏のトランペットソロが響き渡る様子は、なんだか広大な大地に立っているような気持ちにさせてくれる。 聞き所は最後のサビじゃないでしょうか。一瞬、アカペラ状態になる坂井泉水のヴォーカルにすべてが詰まっています。

7. Last Good-bye

Words by Izumi Sakai Music:Yoshio Tatano Arrangement:Takeshi Hayama

イントロのアコースティックギターからは、随分とポップな印象を受ける。 FIELD OF VIEWに歌詞を提供したナンバーをZARDがセルフカバー。オリジナルが結構ハードなブリティッシュロックだったのに対して、 ZARDバージョンでは、柔らかさが前に出ている。印象が随分と変わったよね。サビでの展開も、ちょっと違います。 F.O.V.はマイナーメロディーからだったのに対して、ZARDバージョンはメジャーメロディーからになっている。 間奏では、サックスが吹き荒れては曲を盛り上げています。

8. 星のかがやきよ

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Takeshi Hayama

ZARDにとって記念すべき40枚目にリリースされたシングルナンバー。 約5年ぶりにアレンジャーとして葉山たけしを迎えた意欲作です。スピーディーなアップテンポのロックナンバー。 ただ、正直バックトラックの力が足りないね。妙に軽く聞こえるんだよね。パンチが足りない。 どうした!葉山たけし?SEは歌詞の世界がよく出たもので、とってもスパイシー。 でも、すべてを「ZARD」として片付けられそうな感じの曲だな。 おなじみ、コナンのタイアップが付いていて、もう元気いっぱい。

9. 月に願いを

Words by Izumi Sakai Music:Aika Ohno Arrangement:Satoru Kobayashi

ZARDには珍しく、3拍子の楽曲。柔らかい匂いのするバラードナンバーです。 サビではコーラスが幾分も重なり合い、盛り上がりを聞かせてくれる。そこから温かさも伝わってきますね。 ZARDの女性的な部分がよく出ている曲だと思います。

10. あなたと共に生きてゆく

Words by Izumi Sakai Music:Tetsuro Oda Arrangement:Satoru Kobayashi

テレサ・テンに詞を提供した楽曲のセルフカバー。そもそもテレサ・テンに楽曲を提供していたB-ing、なかなかやるなぁ。 ミディアムテンポのロッカバラードに仕上がっている本作。やっぱり、織田哲郎の楽曲なんだよ。 キャッチーなメロディーラインにぐいぐいと引き込まれていく。ちょっと、サビ最後の盛り上がりで、坂井泉水の高音ヴォーカルがとてもきつそうに聞こえてきます。 間奏の二胡と中国語の組み合わせがまたいいね。全体的に素朴なイメージがあって、温かい感じがします。

11. I can't tell

Words by Izumi Sakai Music:Seiichiroh Kuribayashi Arrangement:Takeshi Hayama

イントロからしてこれまた栗林メロディーという印象がしますね。アップテンポのロックナンバー。 やっぱり栗林のマイナーメロディーがいいんだわ。アコースティックギターがかき鳴り、疾走感が出まくっています。 歌詞の一人称が“僕”と表現されていますが、これまたZARDにしては珍しいんじゃないでしょうか。 別れたあとのせつなさが、うまくこの曲を作り上げています。過去を引きずった曲なんですけれどね。

12. good-night sweetheart

Words by Izumi Sakai Music:Akiihito Tokunaga Arrangement:Takeshi Hayama

アコースティックサウンドが軽快に弾けているミディアムポップ。こういうタイプの曲も、ZARDにしてはちょっと珍しいかな。 とってもわがままな女性が主人公。そのわがっまを曲でうまくごまかしているね。サビでのコーラスが、坂井泉水のヴォーカルを殺しています。 前面出過ぎだってば。

13. 君と今日の事を一生忘れない

Words by Izumi Sakai Music:Tokunaga Akihito Arrangement:Akihito Tokunaga

ものすごく暗いイントロからスタート。なんだ?この絶望感は。このピアノのスリリングさが、なんか突き刺してくるんですけれど。 1番はしっとり気味で進行。サビでは主線メロディーをコーラスに預けています。さすがにここまでの高音は、坂井泉水も出ないということでしょうか? 2番はアコースティックサウンドをベースとしたサウンドで曲が展開。その後の2番サビでは、ギターソロがメロディーを奏でています。 Cメロも下のパートをじっくりと歌う坂井泉水。ドラマティックには仕上がっているんだけれども、そろそろヴォーカルにも限界が見えてくるね。 複雑なメロディー進行なだけに、大作感はあります。

●Best Album『Golden Best 〜15th Anniversary〜』● '06/10/25 release

ZARDのデビュー15周年を記念してリリースされたベストアルバム。 2枚組み全27曲、さらには全曲リマスタリングと、これまたヴォリュームたっぷりにお届け。 ただ、収録曲の大半が前2作のべストアルバム(「軌跡」と「Request Memorial」)に収録されており、結果的には前2作のベストアルバムに怪我は得た程度なんだよね。 結構リリースから5年の間に劇的変化があったと思うんだけれども。 「負けないで」、「揺れる想い」、「この愛に泳ぎ疲れても」、「愛が見えない」、「永遠」などなど、とにかくZARDのヒット曲オンパレード。 やっぱり曲目が被りすぎなんだよなぁ。だったら、前作のベストアルバム以降のシングル曲やアルバム収録曲を今回のベストアルバムにもっと収録するべきだったね。 果たして、今回の選曲基準はいったいなんだったのか。「Oh my love」や「Today is another day」のアルバムからの曲収録はよかったと思うんだけれども、 それでも基準はあいまいだね。 「痛いくらい君があふれているよ」、「さわやかな君の気持ち」、「セパレイト・ウェイズ」、「君とのふれあい」などなど、最近の曲の中でもいい作品はたくさんあるじゃないですか。 なぜ、過去の栄光にしがみついてまで、ZARDをアピールしているのだろうか。もはやB-ingのラプンツェルと化しているような気もする。 さて、15周年という歴史を駆け抜けたZARD。坂井泉水の歌詞といいヴォーカルといい、色あせることなく現在でも健在です。 これには驚き。色々な作家の作り出すメロディを、うまく自分のものにしています。

初回限定版には、3パターンのDVDが用意されています。それぞれに春、夏、秋〜冬に対応した楽曲のCMスポットを収録。 こちらもある意味ベストな展開を見せてくれますが、少々物足りないかなぁ。 そもそも、CMスッポトくらいだったら1枚のDVDに収まると思うんだけれども。 しかし、それを3つに分けて初回特典にするとは、B-Gramもいやらしいです。 春は「DREAM」です。「負けないで」や「君に逢いたくなったら」、「星のかがやきよ」などを収録。 夏は「AQUA」です。「揺れる想い」や「愛が見えない」、最新シングルの「ハートに火をつけて」などを収録。 秋、冬は「CRYSTAL」です。「あなたを感じていたい」、「永遠」、「今日はゆっくり話そう」などを収録しています。

●Best Album『Soffio di vento 〜Best of IZUMI SAKAI Selection〜』● '07/8/15 release

ZARDの坂井泉水の不慮の死に対して、追悼の意を込めて2枚のアルバムがリリースされた。 今作は、坂井泉水が直感で選んだ楽曲に、少し変更を加えた全13曲を収録したセレクションアルバム。 もともと、ファンクラブの会報で「LOVE & POWER」というタイトルでリリースされる予定と報告されていたアルバムらしいんだけれども、 やはりレコード会社の思惑というか、セールスを期待して、元の選曲に手を加えてシングル曲を加えたようです。 ファンの人からは、「それはどうなの?」と非難する声もありました。 どちらにしろ。収録曲からは坂井泉水が愛した曲への思いが伝わってきますね。 M-1「あの微笑を忘れないで」、M-9「遠い日のNostalgia」、M-2「黄昏にMy Lonely Heart」など、隠れた名曲がそろっていますね。 ちなみに、織田哲郎による楽曲が1つも収録されていないということには驚きです。 付属のDVDには、レアな映像が収録されています。 素顔の坂井泉水が覗けて、とても貴重な作品となっております。

[DISC 2:DVD]

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●Best Album『Brezza di mare 〜dedicated to IZUMI SAKAI〜』● '07/8/15 release

ZARDの坂井泉水を偲んで、追悼作品を2枚同時リリース。こちらはZARDと長年かかわっていた制作チームが選んだCDです。 はっきり言えば、商業路線が見え見えで、なんか複雑ですね。 収録曲も、前年に発売されたベストアルバム「Golden Best」に収録されなかった楽曲の穴埋め的役割があり、 シングル曲が中心になっていますね。 アルバムの曲はちょこっと添えられているような感じです。 おいおい、なんか売りたい欲が出ているね。 だからかな、いくら長年を共にしてきたスタッフの選曲と言えども、坂井泉水に対する思いが、どうも無機質といったような感じで伝わってくる。 同時発売となった坂井泉水セレクションアルバムと対比すると、こちらが売れるのは当たり前といった感じですね。 付属のDVDには、「もう少し あと少し…」、「眠り」をバックサウンドに、オフショットや素顔が覗ける坂井泉水の貴重な映像を収録しています。

9. 君がいたから (di mare version)

words:Izumi Sakai music:Tetsuro Oda arrangement:Takeshi Hayama

7th Album「TODAY IS ANOTHER DAY」に収録されているFIELD OF VIEWのセルフカバーを、 新たなバージョンで収録。より深さを増したサウンドで、温かみが伝わってきます。 優しい音と、ヴォーカルで包み込んでくれます。

13. 世界はきっと未来の中 (di mare version)

words:Izumi Sakai music:Yuichiro Iwai arrangement:Akihito Tokunaga, Hirohito Furui, Kenji Shiojiri

9th Album「時間の翼」でも別バージョンで収録されていたのに、今回も新たなバージョンで収録。 さすがに3人もアレンジャーがいると、この曲は試行錯誤で生まれた作品なんだなと感じますね。 打ち込み感がちょっと新鮮に聞こえて、曲全体が軽くなった気がします。

[DISC 2:DVD]

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●Best Album『ZARD Request Best 〜beautiful memory〜』● '08/1/23 release

ZARD、2枚目となるリクエストベストアルバムは、CD2枚組みとDVDの超豪華な内容となっております。 前作の2枚の追悼版ベストアルバム「Soffio di vento 〜Best of IZUMI SAKAI Selection〜」「Brezza di mare 〜dedicated to IZUMI SAKAI〜」に 封入されていた葉書や、インターネットでの投票により、実に50万票以上も集まったというから、やはりZARDの力ってすごいんだと思わせてくれます。 その結果、集計に時間がかかり、発売延期になるという状態にまでなりました。さて、そのリクエストされた楽曲は、 リクエストの上位30曲を収録。 随分と幅広い楽曲が採用されたみたいですね。 もちろん、先に発売された「Golden Best」や「Soffio di vento」「Brezza di mare」とかぶらないように配慮されています。 大ヒット曲「負けないで」や「永遠」など8曲は、追悼フィルムコンサートでのライブバージョンを収録。 ファンによるZARDへの思いが一番強く表れていますね。 そのほかにも、隠れた名作シングルやカップリングナンバー、アルバムの収録曲やカバー曲など、盛りだくさんの内容となっております。 次点となった31位の「サヨナラは今もこの胸に居ます」は、ちょっと残念な結果だね。 なお、「明日もし君が壊れても」「息もできない」「hero」「Love is gone」の4曲は、リアレンジされて収録されています。 残念だけれども、「Love is gone」は、オリジナルのトラックを収録してほしいという声が多数聞かれました。 そして、発売間もない「グロリアスマインド」まで収録してしまうところに、商業的な匂いを醸し出すB-ingですよ。 DVDには、追悼ライブの模様をピックアップして収録しています。時間は短いながらに、ファンの思いが伝わってくる内容ですね。 初回版は、秘蔵写真のフォトカレンダー付です。

DVD

1.

ZARD Memorial medley from 2007 LIVE“What a beautiful memory”

揺れる想い〜グロリアスマインド〜負けないで

1−8. 明日もし君が壊れても

words by IZUMI SAKAI Composed by Aika Ohno Arranged by Takeshi Hayama

葉山たけしによるアレンジで収録された、WANDSへの提供曲のセルフカバー。 アルバム「時間の翼」では、随分と機械的というか、無機質で淡々とした音が特徴的でしたが、 今回は感情で訴えかけるかのような有機的サウンドで聞かせてくれる。 ギターやドラム、コーラスが一丸となって、坂井泉水のヴォーカルを支えているね。ドラマティックな仕上がりで、聞き応えがあります。

2−1. 息もできない

words by IZUMI SAKAI Composed by Tetsuro Oda Arranged by Takeshi Hayama

アレンジをし直して収録されたアニメ主題歌。 オリジナルは低音が強調されていたけれども、このトラックは、軽めのポップロックチューンになっている。 胸の弾みがそのまま曲になったような気がしますね。

2−8. hero

words by IZUMI SAKAI Composed by Aika Ohno Arranged by Takeshi Hayama

アルバム「時間の翼」の中でも異彩が放たれていたバラードチューンが、アレンジを変えて収録された。 よりアコースティックな面を出して、深く優しくなった印象がします。

2−9. Love is gone

words by IZUMI SAKAI Composed by Masaaki Watanuki Arranged by Takeshi Hayama

シングル「My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜」のカップリングに収録されていたナンバーが、葉山たけしによるアレンジで収録された。 この曲は、オリジナルテイクのほうがよかったという声が多く聞かれました。 ハードなロックサウンドと、訴えかけるような坂井泉水のヴォーカルが切実に伝わってきていたし。 一方、こちらのリアレンジバージョンは、どこかしら優しく包み込んでくるかのようで、がらりと印象が変わった。 やっぱりオリジナルの印象のほうが強いので、あまりこちらのテイクは魅かれないかな。

[DVD]

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●Single Box Set『ZARD PREMIUM BOX 1991 - 2008』● '08/5/28 release

以前、ファンクラブやライブ会場限定で発売されていたシングルボックスセットが、コンプリート版としてパワーアップ再登場。 もちろん、未発表曲「約束のない恋」も収録。 そして、長嶋茂雄を迎えた「果てしない夢を」やBarbierのシングルなど、ZARDのサイドワークス的なシングルも収録された、まさにコンプリートなボックスセット。 しかし、批判も続出していますね。 出したばかりのシングル「翼を広げて」まで入っちゃっていますから。 死人に口無し状態で、B-ingは金の亡者と化したのか。値段も高い。 ちなみに、前作のボックスセットを購入した人向けに、それ以降のシングルのみを集めた『2001 - 2008』も用意されています。

1st

Good-bye My Loneliness

不思議ね・・・

もう探さない

眠れない夜を抱いて

IN MY ARMS TONIGHT

負けないで

君がいない

揺れる想い

もう少し あと少し・・・

きっと忘れない

この愛に泳ぎ疲れても

こんなにそばに居るのに

あなたを感じていたい

Just believe in love

愛が見えない

サヨナラは今もこの胸に居ます

マイフレンド

心を開いて

Don't you see!

君に逢いたくなったら

風の通り抜ける街へ

永遠

My Baby Grand 〜ぬくもりが欲しくて〜

息もできない

運命のルーレット廻して

新しいドア 〜冬のひまわり〜

GOOD DAY

MIND GAMES

世界はきっと未来の中

痛いくらい君があふれているよ

この涙星になれ

Get U're Dream

Promised you

さわやかな君の気持ち

明日を夢見て

瞳閉じて

もっと近くで君の横顔見ていたい

かけがえのないもの

今日はゆっくり話そう

星の輝きよ/夏を待つセイル(帆)のように

悲しいほど貴方が好き/カラッと行こう!

ハートに火をつけて

グロリアスマインド

翼を広げて/愛は暗闇の中で

果てしない夢を/ZYYG、REV、ZARD & WANDS featuring 長嶋茂雄

クリスマスタイム/Barbier

LOVE ~眠れずに君の横顔ずっと見ていた~/Barbier

異邦人/TAK MATSUMOTO featuring ZARD

約束のない恋

2nd

3rd

4th

5th

6th

7th

8th

9th

10th

11th

12th

13th

14th

15th

16th

17th

18th

19th

20th

21st

22nd

23rd

24th

25th

26th

27th

28th

29th

30th

31st

32nd

33rd

34th

35th

36th

37th

38th

39th

40th

41st

42nd

43rd

44th

Single

Single

Single

Single

未発表曲

●Best Album『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』● '16/2/10 release

ZARDデビュー25周年を記念してのベストアルバム。 何枚もベスト盤が出ている感じもするけれども、今回は坂井泉水の描く歌詞から、四季に分けての選曲。 早春、初夏、盛夏、秋冬という4つに区切って、それぞれ13曲ずつ収録。やっぱり、ZARDって、夏をイメージした曲が多いんだなと、あらためて思います。 そして、収録曲も、シングルナンバーやアルバム曲など、バランスよく収録されていますね。 「Don't you see!」から始まり、「マイ フレンド」「心を開いて」「愛が見えない」「永遠」「あの微笑を忘れないで」「IN MY ARMS TONIGHT」「きっと忘れない」などを経て、 最後は「負けないで」で終わる流れも実に憎い演出だ。また、今回は、Blu-spec CD2を採用し、マスタリングも合わせて、音の1つ1つのきめ細やかさが出てきたように思えます。 ベスト盤となると、あの曲が入っていない、この曲よりもあの曲、などの意見がつきものですが、今回はコンセプトもしっかりしているし、 歌詞のこだわりと音のこだわりをうまく合わせた作品と言えますね。タイトルさながらに、永遠に歌い継がれていきたいZARDの名曲がここにあります。 初回盤は豪華三方背BOXしようとミニ写真集付きです。

Album『d-project with ZARD』● '16/5/18 release

GIZA所属ミュージシャンたちが、楽曲重視の質の高い作品を送り出そうと始まったプロジェクトの第1弾作品。 今回は、ZARDの名曲をリアレンジした企画盤です。徳永暁人をはじめ、大賀好修や岡本仁志、麻井寛史などがアレンジを手掛け、 さらに、Beingに戻ってきた大黒摩季がゲストヴォーカルとして参加しているとは、随分と豪華です。 特に、大黒摩季は、まるで坂井泉水とデュエットしているかのようにスルッと入ってきては、パワフルなヴォーカルを聴かせたり、バックアップするかのように、見事なコーラスを聞かせてくれたりと、大活躍です。 それなのに、アレンジの方が残念というか、これはアレンジなのか?リミックスなのか?ちょっと微妙なラインを行くというのもなんだかな。 プログラミング頼みで音を作っているようで、もっと全体的にバンドで聴かせて欲しいような気もするんだよな。 それゆえ、やっぱりBeing的な、無機的な音になってしまい、数々の名曲もいいもの悪いものとバランスがバラバラ。 本当にもったいない。いっそのこと、きちんとした形で、外部の人たちによるリミックス版として作った方がいいんじゃないかな。

1. 愛は暗闇の中で

Words by Izumi Sakai Music by Seiichiro Kuribayashi Rearranged by Hiroshi Asai

いきなりラップが入ってくるし、しかも誰かと思えば、元DA PUMPのKENだし。 そして、そのパートがなくても成り立ってしまう本編。ギターのエッジを効かせては、バリバリと音を立てて、ガッツリ聴かせてくれます。 ハードロックな感じだね。後半の大黒摩季パートは、ちょっと雰囲気がキリッとしてきます。

2. 負けないで

Words by Izumi Sakai Music by Tetsuro Oda Rearranged by Akihito Tokunaga

徳永暁人が手がけたユーロビートリミックスといった感じかな。 バリバリシンセサウンドを聴かせては、派手さを加えてきました。でも、元々のヴォーカルトラックが上品だからか、 ケバケバしさはなく、すっきりとした感じ。

3. きっと忘れない

Words by Izumi Sakai Music by Tetsuro Oda Rearranged by Yoshinobu Ohga

大賀好修が手がけたトラックは、オリジナルの展開をうまく踏襲したキラキラアレンジに変身。 ポップさと力強さをうまく組み合わせて、それ俺の楽器がいい味を出してきます。大黒摩季パートも、自然に入り融合させています。

4. 君がいない

Words by Izumi Sakai Music by Seiichiro Kuribayashi Rearranged by Yumeto Tsurusawa

イントロが煌めきすぎて、なんの曲かわからない始まりに拍手。 その後はオリジナルをパワーアップさせたようなサウンドが展開。

5. 揺れる想い

Words by Izumi Sakai Music by Tetsuro Oda Rearranged by Hitoshi Okamoto

岡本仁志が手がけたアレンジは、みずみずしさを残しつつも、アグレッシヴな音を加えて爽やかに仕上げたポップなトラック。 大黒摩季との擬似デュエットも、すんなりと展開してきます。

6. 雨に濡れて

Words by Izumi Sakai Music by Seiichiro Kuribayashi Rearranged by Atsushi Yamaguchi, Yumeto Tsurusawa

選曲がまた意外。そして、キラキラした音づかいと、ハードな音づかいをうまくミックスさせては、 ポップに展開。

7. 愛が見えない

Words by Izumi Sakai Music by Masazumi Ozawa Rearranged by Naoki Morioka

かなりハードな音に仕上げたバリバリロックチューン。 小澤正澄のハードな楽曲を、さらにパワーアップさせながらもすっきりと聴かせる。うん、なかなかの良アレンジだね。 ラストサビの大黒摩季のヴォーカルは、正直なくてもよかったかな。

8. こんなにそばに居るのに

Words by Izumi Sakai Music by Seiichiro Kuribayashi Rearranged by GAK

繊細さを醸し出すEDMトラックに、ギターも加えて、エッジを効かせてきました。 Bメロデ一瞬沈めてきたり、サビ前で刻んだりと、テクニックでどうだと示してくるけれども、う〜ん、不要かな。 この曲は、やっぱり疾走感が終始欲しいんだな。

9. DAN DAN 心魅かれてく

Words by Izumi Sakai Music by Tetsuro Oda Rearranged by Akihito Tokunaga

徳永暁人が手がけたアグレッシヴなアレンジ。 サビパートは4つ打ちビートを強めて、周りの音もエッジを効かせてきました。それでいて、ポップな要素もあるので、楽しい曲に仕上がっています。 ラストのゲストコーラスは、入らなくてもよかったかな。

10. もう少し あと少し・・・

Words by Izumi Sakai Music by Seiichiro Kuribayashi Rearranged by Tomoki Abe

イントロのゴシック要素が曲の持つおどろおどろしさをさらに盛り上げてくる。これは面白い。 ただ、歌が始まると、ちょっと抑えめになってしまったので、残念だな。もう、この曲は恐ろしさや絶望感を出してしまっていいくらい。

11. Don't U see!

Words by Izumi Sakai Music by Seiichiro Kuribayashi Rearranged by U-zo Ohkusu

ピアノのみで聴かせる始まりはいいね。そのまま本編もすっきりとした感じで、春先にぴったりなアレンジ。 あれ、オリジナルよりもいいかもしれない。なんて思っていたら、2番からはギターがメインになってしまった。 これは残念、ピアノメインのアレンジがいい。

12. Get U're Dream

Words by Izumi Sakai Music by Aika Ohno Rearranged by Daisuke Haibara

ごく後期の曲からの選択は面白い。デジタルサウンドをベースに、ギターを前面に出してきたリアレンジかと思いきや、 随分とデジタルビートが前面に出てくるリミックスに近いトラック。Bメロからは4つ打ちビートに加えて、鮮やかになる。

13. 星のかがやきよ

Words by Izumi Sakai Music by Aika Ohno Rearranged by Ryo Miyazaki

後期ナンバーより、アッパーなビートを投入して、音をより鮮やかに変身させたナンバー。 この曲はリアレンジという言葉がしっくりとくるサウンドですね。 大黒摩季とのヴォーカルもマッチいている。オリジナルの勢いそのままに、パワーアップした感じで、なかなかいい感じ。

14. かけがえのないもの

Words by Izumi Sakai Music by Aika Ohno Rearranged by Takeda NINJA Kyosuke

ギターインストでスタート。メロディラインをエッジの効いたギターがギュインギュインと響かせるトラック。 2番からはヴォーカルが入ってきて、ちょっと安心する。オリジナルの音をより丁寧に、そしてパワーアップさせた感じ、 なんだ、最初からヴォーカルを入れてくれればよかったのに。

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