album

1st Album『WANDS』● '92/6/17 release

WANDSの初アルバムはミニという形態。この頃のB-ingはバンド名を冠したミニアルバムを1枚目に持ってくるというのが多かったが、WAANDSも例外ではない。

ただ、ミニなだけにちょっとヴォリュームが少ないんだよね。一応シングルチューンが2曲入っていますが、やっぱり物足りない。

王道的B-ingサウンドが全編に詰まっています。ポップでロックな1枚の布石となっています。

1. ふりむいて抱きしめて

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:大島康祐

見事なダンスチューン。やっぱり前期と後期のサウンドアプローチは全く違うね。まぁ進化の途中でありメンバーの交代も進化の一部だからね。

一応ギターは登場していますがロックチューンと呼ぶにはちょっと・・・。抽象的だけれども現実的な上杉の詞の世界観はやっぱり独特。でも10代の書く詞とはちょっと思えない。

2. Cloudy Sky

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:大島康祐

何かいかにも90年代サウンド。ちょっとしたデジタルロックチューン。せっかくA・Bメロでかっこよかったのに・・・。

ちょっとサビでポップ志向が強く出てしまった感じだな。路頭に迷っている青年が主人公。本人達とダブっているような違うような・・・。

3. 寂しさは秋の色

作詞:上杉昇 作曲:栗林誠一郎 編曲:明石昌夫

意外に知られていないWANDSのデビュー曲。しかも上杉はまだ10代であった。これには本当に驚きだ。

ただ「寂しさは秋の色」ってなかなか10代でタイトルとして持ってこないような。結構しんみりするバラードナンバー。やっぱり声が若いです。 このWANDS。なんでも上杉と柴崎、Wesugi and Shibazaki→W and S→WANDS だって。こんな名前の由来があったそうです。じゃ、大島は?

4. もう 自分しか愛せない

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:大島康祐

マイナーポップ調の歌でサビでスタート。しかもキャッチーに攻めてくるなかなかの良曲。ただ詞がちょっと古臭い。

というかカッコつけすぎか?ところどころ恥ずかしいと思えるのは何だ?しかもタイトルにちょっとひく。

お前はナルシストか!しかも詞の主人公が暗いところが嫌いな淋しがり屋だったりするしね。

5. Good Sensation

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐・柴崎浩 編曲:大島康祐

随分とエロティックな歌詞。しかも主人公、やけに攻撃的。とにかく絶頂を歌に。快楽に浸っている。

となると、何かこの曲だけ浮いているような・・・。ちょっと突発的すぎやしないかい?ま、サウンドが他の曲と同じようなので押さえているかな。

6. この夢だけを・・・

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:大島康祐

最後はバラードで締め。ちょっとアンビエントな要素を加えて、1番ではしっとりと。

途中のメロディーからドーンと音が加わり、再びしっとりと。いやぁ、メリハリのついたなかなか高度な構成で楽しませてくれます。

2nd Album『時の扉』● '93/4/17 release

WANDSの極地を行くポップな2枚目。大ヒットシングルに始まり、大ヒットシングルのソロバージョンで締めくくられる名盤。

これぞWANDSというようなサウンドがぎっちりと詰まっています。まぁ、B-ingロックですが。

上杉の詞が一番わかりやすい形で聞き入れることのできる作品かもしれませんね。おまけに詞を提供した曲のセルフカバーも入っているしね。

だからとっても大衆的です。

1. 時の扉

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:明石昌夫

言わずと知れたWANDS最大のヒット曲。ダンスポップとギターロックのミクスチャー的な感じでちょっとB-ingぽくないサウンド作り。

中途半端っぽいがなかなかなんだよね。大島が作曲したにもかかわらずこの時点ですでに木村に変わっているなんてもったいない。一体何がそんなに大島をSO-FIへと導いたのか? それにしてもシングルジャケットの上杉の目、魂が抜けた感じだ。この時点でもうB-ingに洗脳された操り人形になってしまったのか?

しかしこの語もヒットを飛ばし続ける。90年代前半を駆け抜けたバンドだ。

2. このまま君だけを奪い去りたい

作詞:上杉昇 作曲:織田哲郎 編曲:葉山たけし

DEENへ詞を提供した曲のセルフカバー。やっぱりDEEN Ver.とは違いますね。声が。だって上杉声が高いんだもん。

オリジナルと引けを取らないバラードに仕上がっていますね。ただポコッって言うバックの音が許せない。

そういえばこのあたりってこういう長いタイトルが多かったっけ。しかもB-ingでね。

3. 星のない空の下で

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:WANDS

イントロの静寂さがタイトルに反する気がするが、一変してバウンドサウンドに。

都会の雑踏感が出ていてタイトル通りになりましたね。やっぱりサビがキャッチーで聞きやすい。なかなかいいですよ、この曲。

4. もっと強く抱きしめたなら

作詞:魚住勉・上杉昇 作曲:多々納好夫 編曲:葉山たけし

なんかWANDSの夜明け、みたいなイントロから始まるロングセールスを記録したヒットナンバー。そしてミリオン突破。

この曲のヒットで一躍スターダムに。やっぱりポップかつキャッチーで攻めてきた。リスナーのつぼを押さえてくるよね。 ドラえもんを見ていて途中のCMで流れていたのを覚えています、三井生命。この曲でミュージックステーションにも初登場したしね。ただ出演時には大島から木村に変わっていた。

5. ガラスの心で

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:明石昌夫

ダンスポップとロックの融合系だね、この曲も。Aメロの入りが結構好き。キャッチー感が漂っている。サビも聞きやすくいいんだけど。

なんだろうなぁ、パクリ感を感じてしまう。ん~、なんかありきたり。個人的にはOh NoよりかはWowのほうがいいのでは、と思います。

6. そのままの君へと・・・

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:明石昌夫

バラードです。静かです。だんだんと盛り上がりを見せてくる。Bメロがいい曲なんだけど・・・。

FIELD OF VIEW「CRUSH」、坂本美雨「I'll believe look in your eyes」、中谷美紀「STRANGE PARADISE」のそれぞれサビのメロディーラインと似ている。 サビの力がちょっと物足りないなぁ。

7. 孤独へのTARGET

作詞:上杉昇 作曲:川島だりあ 編曲:明石昌夫

おぉ、だりあのコーラスが響き渡る。なかなかのロックナンバーだ。でもそれ以上がない。別につまらないわけじゃないけどね。

8. Mr.JAIL

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

シングルでは他人が絡んでくることが多いが、アルバムでは結構自分たちで作業を行っている彼ら。

それを印象づけるかのような自由気ままなサウンドが楽しめる曲。なんか楽しそう。柴崎の作るメロディーがまたキャッチーです。ギターも伸びやか。

9. Keep My Rock'n Road

作詞・作曲:上杉昇 編曲:葉山たけし

最初で最後の?上杉作詞曲ナンバー。2分ちょっとなんですがね、それでも。

最後のみんなでコーラスの部分にちょっとWANDSサウンドとは違った感じがして逆に新鮮味を覚える。

10. 世界中の誰よりきっと ~Album Version~

作詞:上杉昇・中山美穂 作曲:織田哲郎 編曲:明石昌夫

中山美穂との供作ナンバーをソロバージョンで。シングル・リリースされたものに比べたら華やかさはかけたものの

宇徳敬子のコーラスがなんとか支えとなって盛り上がっている。サウンドはどちらかといえばアコースティック感に近づいたロックナンバー。やっぱりいい曲ですね。

3rd Album『Little Bit...』● '93/10/6 release

WANDSの3枚目は再びミニアルバム。おいおいどうした、何でまた。せっかくの勢い乗っている最中なもので、曲を揃えることが出来なかったのか。

ただ、ミニながらもキャッチーなM-1や2曲のシングルトラック、それに詞を提供した曲のカバーなど、盛りだくさん。小さいながらに盛大な力を放っています。なかなかやりますな。

1. 天使になんてなれなかった

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

オープニングチューンはWANDSにとって王道ロックだね。このころから自分たちの曲が歌えるようになった。この曲は柴崎が作曲。 王道を行っているから耳に馴染みやすいナンバー。サビもキャッチーです。ちょっとキーボードの音が煌びやか過ぎるかも。イントロの打ち込み感はスリリングさを醸し出している。

2. 恋せよ乙女

作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:葉山たけし

元メンバーの遺物、大島作曲のダンス・ロックチューン。系統が時の扉だよね、もしくはそれ以前。

で、これもまたヒットするわけだ。やっぱりサビがキャッチーだしタイアップもいいし、ヒットの方程式が成立しているわけですね。 3分半というコンパクトもいい感じで。でも彼らもB-ingの呪縛からとかれたいはず。

3. DON'T CRY

作詞:上杉昇 作曲:川島だりあ 編曲:葉山たけし

ジャカジャンとアコギから入ってくるミディアムテンポのロッカバラードチューン。

作曲はだりあさんですか。この曲、まずサビ直前がポイントだね。ここにメロディーをおくことでサビへの流れをうまくしている。

でもってサビ。2回フレーズを繰り返すことでキャッチーさをとにかくアピール、引き付けてくれる。赤版Bestにも収録されている人気曲。

4. 君に もどれない

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

タイトルからだとバラードのイメージがあるんだけど、正反対のポップロックチューンだった。

サビがなんかよくあるメロディーだし、やけに収まりすぎなんだよね。詩の内容は夢に向かうには何かを犠牲にしなければならないという内容。

5. 声にならないほどに愛しい

作詞:上杉昇 作曲:織田哲郎 編曲:明石昌夫

さてこちらはMANISHのスマッシュヒットシングルのセルフカバーということで。サウンドアプローチがやっぱりMANISHよりもロック方向へ。

それにしても上杉は声が高いと聞いて思う。とてもキャッチーな織田サウンド。このころは左団扇ですな。

6. Little Bit・・・

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

アルバムのタイトルチューンでもあるバラードナンバー。ちょっとサビの部分が変則的に思わせるメロディーライン。

チョット不安定かもしれないと思った。しかも字余り的なんだよね、詞が。微妙ですな。

7. 愛を語るより口づけをかわそう

作詞:上杉昇 作曲:織田哲郎 編曲:明石昌夫

さてさて大ヒット曲を最後にもってきました。いかにもな王道B-ingロックで打ち込みや電子音も飛び交う。

爽快感があり、ヒットのにおいがぷんぷんしている。この長いタイトルも当時は話題になりました。 この時、Al「時の扉」が同時発売だったにもかかわらずこの曲は収録されなかったというやらしい手を使っていましたね。消費者泣かせ。

4th Album『PIECE OF MY SOUL』● '95/4/24 release

WANDSの4枚目はポップからロックへの転換。モロに上杉&柴崎の趣向が出まくっています。

今までのB-ingサウンドからの脱却を目指して作られたアルバムといっていいでしょう。そのために、M-9は新たに録り直し。

詞や曲も従来のWANDSとは変化して、内省的というかロック志向になっています。

このアルバムでとうとう本当にWANDSがWANDSであったのかもしれないし、ある種の最終的な結論だったのかもしれない。

考えれば考えるほど、深いアルバムとなっている。

1. FLOWER

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

怪しげなイントロからハードに展開。今までのWANDSとはガラっと変わり生音をメインにしたサウンドだ。 つまり、このアルバムではサウンドの方向性は生にシフトチェンジされている。今までのWANDSサウンドから脱皮。

詞の方も王道なラブソング的なものからちょっと内面的なものへと変わっている。この曲もロックしている。

2. Love & Hate

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

ハードさとポップさの中間を行く曲。キーボードも前面に出ているし、キャッチーなメロディーラインだし。嫌いではないが、もう少しかな。

3. 世界が終わるまでは・・・

作詞:上杉昇 作曲:織田哲郎 編曲:葉山たけし

アニメのテーマソングとして大ヒットを記録したナンバー。壮大なロッカバラードだけれども、やはりキャッチーな仕上がりなのは織田マジック。

今後もこのようなタイプのバラードが他のアーティストで聞けるようになったねぇ。この後のWANDSサウンドのシフトチェンジに影響を与えたのは間違いないね。生音志向。

4. DON'T TRY SO HARD

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

暗い。とにかく暗い。アコースティックギターにのせてしっとりと心から歌い上げる1番。後半に行くにしたがって音数も増し、ちょっとドラマティックに。

5. Crazy Cat

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

木村のキーボードが何気にフューチャーされたサビでだしのロックナンバー。とにかく熱いサウンドが展開されている。

上手い具合のキャッチーさもあり、なかなかの良質ソング。

6. Secret Night ~It's My Terat~

作詞:上杉昇 作曲・英作詞(“It's My Treat”):栗林誠一郎 編曲:池田大介

アルバムからの先行シングルとしてリリースされた曲はこれまでのWANDSを打ち破ったかのような生音爆発。リスナーを驚かせましたねぇ。

イントロからしてなんかスリリングだし、詞の方も今までになく文学的というか内面的というか。この曲はもともと栗林のソロ作品。栗林がこの曲を歌っていたとはねぇ。

7. Foolish OK

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩 編曲:葉山たけし

入りは静かなのに激しいサウンドに変化する。サビはキャッチーだけどもダークな歌詞が展開。 何かのしがらみから脱出する感じです。

終わりも静かに幕を閉じる。

8. PIECE OF MY SOUL

作詞:上杉昇 作曲:柴崎浩・上杉昇 編曲:葉山たけし

静かなA、Bメロ。そして次第に盛り上がるサビへの展開。アルバムのタイトルチューンでもあるミディアムテンポのロックナンバー。

サビでは全てを爆発させているかのようで生音ならではのサウンド、曲も熱いね。エフェクトがかったヴォーカル部分がまた無機質さを漂わせる。

9. Jumpin' Jack Boy ~Album Version~

作詞:上杉昇 作曲:栗林誠一郎 編曲:葉山たけし

CMソングとしてO.A.されていたヒットナンバー。しかもアルバムバージョンで収録。

このアルバムの主旨でもあるように、生音アレンジで演奏されている。激しさ、暑さの中にもきらりと光るポップセンスとキャッチーさがある。これが栗林メロディーとは思えないなぁ。

やはりアルバムバージョンに比べてシングルテイクの方は青臭く感じられる。コンピューターサウンドで展開されているので少しフィルターがかかった感じ。

10. MILLION MILES AWAY

作詞:上杉昇 作曲:木村真也 編曲:葉山たけし

ここに来て初めて木村の楽曲が収録された。静かに展開する1番は木村のキーボードがフューチャーされている。

そして2番からはギター、ドラム、ベースと勢ぞろい。詞を読むと当時のWANDS自身を歌ったかのようだ。何か葛藤のようなものが感じられる。

Best Album『SINGLES COLLECTION+6』● '97/10/8 release

突如発売された初のベストアルバム。よく意図がわかりませんが当時は即買いでした。一応全曲リマスタリングされ、音がクリアになっています。

おまけに未発表曲まで収録。このアルバムが売れに売れてびっくりだ。

ただその背景には上杉と柴崎の脱退があり、会社側はしばらく隠していましたね。

後に上杉はこのアルバムにはかかわっていない発言をしています。つまりは会社側が勝手に出したアルバムということですかね。

4. 恋せよ乙女~Remix~

Words by Show Wesugi Music by Kohsuke Oshima Arranged by Takeshi Hayama

リミックスといっても冒頭のイントロ部分をちょいと手加えた感じで。全編どーのの問題じゃない。

なんかこう、中途半端になっているような気がします。

8. 白く染まれ

Words by Show Wesugi Music by Daria Kawashima Arranged by Takeshi Hayama

レコーディング時期から言って多分「PIECE OF MY SOUL」用の曲だったんじゃないでしょうか。どういった理由でお蔵入りになったんでしょうかね。

ミキシングの時期は思い切りこのアルバムにあわせています。だりあによる曲が見事にWANDS色に染まっているのはやっぱり上杉の歌詞だからでしょうか。

随分とネガティブで暗い。すっごい落ち込みようの歌詞です。

Best Album『WANDS BEST ~HISTORICAL BEST ALBUM~』● '97/10/8 release

今までの活動を凝縮した2枚目のベストアルバム。というか、ただ穴が開いたもんだから穴埋め用じゃないか?第Ⅰ期から第Ⅲ期までの変遷をたどれるベストなんですが、

やはり「WORST CRIME」で脱線したサウンドを第Ⅲ期が再びWANDSの王道ポップ路線の引き戻ししている部分がみられれます。

ちなみにM-1,3,5,6,10はミックスし直されているという手ほどき。聞き比べる価値ありですな。これを機に第Ⅲ期が本格的にスタートしたわけですね。

14. MILLION MILES AWAY

Words by Show Wesugi Music by Shinya Kimura Arranged by WANDS

4thに収録されていたラストナンバーを和久バージョンで収録。まぁ、木村氏の曲なんで選ばれた理由もわかりますが。

やっぱり賛否両論を招くよね。ドラムとベースの打ち込みになった分、印象が弱いし、和久のヴォーカルもちょっと弱いんだよね。

もう少し歌いこんでからこの曲を歌ったほうが上杉との差も縮まったんじゃないかな?

5th Album『AWAKE』● '99/10/27 release

新生WANDS、最初で最後のオリジナル・アルバムがこの5枚目。前作ではポップからロックへと変化したWANDSサウンドだったが、今回は再びポップ路線へ。

木村が「WANDSはポップなユニットでないといけない」ということから、第三期が活動したわけで、その集大成がこのアルバムというわけですね。

確かにキャッチーなメロディーとポップなサウンドが散りばめられていますね。

1. AWAKE

作詞:木村真也 作曲:杉元一生 編曲:WANDS

新生WANDSにとって初となるアルバムのオープニングチューンは疾走感のあるデジタルロックナンバー。 イントロ、タイトルともにこれから何かが始まるような予感をさせてくれる。デジ・ロックといえども、やはりどこかしらWANDS黄金期の王道サウンドを意識しているよね。

ポップでキャッチーなサビのメロディーなんか特にね。

2. Brand New Love

作詞:坂井泉水 作曲:綿貫正顕 編曲:WANDS

イントロの声に驚きですが、詞を提供した坂井泉水です。あらまぁ。その声とともにピアノがスリリングに弾けまくりなイントロ。そしてデジタルロックへと変貌する本編です。 WANDSならではのマイナー調のメロディーやサウンド、攻撃的でありながらどこかしら引き付ける力を持つ曲だ。ちょっとライブを意識したようなアレンジでのストレート性は買いです。 無駄なSEとかないんで勝負して欲しい曲だな。

3. 雲が流れる方へ

作詞:杉本一生 作曲:杉元一生・木村真也 編曲:WANDS

ミディアムテンポのロッカバラード。王道だね、WANDSの。でも気になるのがA、Bメロとサビとの差なんだよね。

若干ずれがあって、スムーズに流れていないような気がする。サビ、上がりすぎなんだよね。最初から低くしておいて後から転調してあげればよかったんじゃないか?

4. With you ~living in my heart~

作詞・作曲:木村真也 編曲:WANDS

ミディアムテンポのナンバーです。ロックテイスト溢れるアグレッシブな展開をサビで聞かせてくれる。

マニアックまでいかず、きちんとポップな要素を抑えているところがまたWANDSらしいですね。サビのメロディーもいい感じです。無難な曲ですね。

5. SILENCE

作詞:和久二郎 作曲:木村真也 編曲:WANDS

打ち込みを使って無機質感を出してきた。そうやって静かに進行したかと思いきや、中盤で急に荒々しく、激しいギタープレイを伴う演奏。 再び静へ戻る。うーん、ちょっと統一感が無いというか、もう少しまとまりのある曲にならなかったものか。バラードなんだからさぁ。

6. 「今日、ナニカノハズミデ生きている」

作詞:AZUKI七 作曲:三好誠 編曲:WANDS

重々しいイントロから始まる事実上WANDSにとってのラストシングル。作曲は三好“弟”誠です。runamania montevideoの曲からは想像し難いほどのヘビーな楽曲。

でもって詞のほうはGARNET CROWのAZUKI七なんだなぁ。確かに曲のイメージとしては合っているかもしれないけれども、で何が言いたいの?と問い掛けたくなる。 この曲はサウンド面に関して言えばとっても面白いと思うよ。構成が今までのWANDSに無い展開だしね。この作品が最後というのがまたもったいないよな。

7. BLACK or WHITE

作詞:杉元 一生 作曲:木村真也 編曲:WANDS

第一印象としては第一期を彷彿とさせるようなダンスロックだなぁ。その第一期サウンドを第三期バージョンといった具合で演奏。

言いたい事はわかる詞なんだけれども、メロディーに合っていない。なんかちゃんと聞けないからしっくりとこないんだよね。だからSEとか入れてもそれ以前の問題なんだよ。もったいない。

8. Time washed away

作詞:和久二郎 作曲:木村真也 編曲:WANDS

バラードです。しっとりキーボードと弦をバックに歌い上げる和久。そして途中からロック調に変身。アコースティックサウンドが軸になっているからそこまで激しくない演奏。 じっくりと聞くことができます。ってか1番だけで終わってしまい、後半は弦がフューチャーされたインストになっています。これって未完成の曲?それともこれで完璧なのか?

9. 明日もし君が壊れても

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:WANDS

チェンバロ的なざっくりとしたイントロにちょっと教会っぽい繊細なイメージが湧き上がる。1番はキーボードをバックにじっくりと歌い上げる和久。

サビではだりあのコーラスが全開です。2番からはバーンとロッカバラードで本領発揮といった具合に。激しいです、これでもかというくらいにね。 力振り絞っています。本当にアニメのタイアップなのか?ちなみにZARDもセルフカバーをしていますが、聞き比べるとその差は歴然です。どちらもそれぞれの色が出ています。

10. Still in love

作詞:木村真也 作曲:杉元 一生・木村真也 編曲:WANDS

すごいイントロ。WANDSっぽくない。曲自体もロックンロールしている。これぞバンド・サウンドといった具合で激しいギタープレイだ。

ただ、曲のほうは力を入れすぎて詞の説得力が薄れている。もうちょっとバランスを考えてください。それぞれ個々のできはいいとは思います。

11. Please tell me Jesus

作詞:和久二郎 作曲:宇徳敬子 編曲:WANDS

デジタルなイントロ。まさかこの曲を作曲したのが宇徳敬子だというのが驚きだよな。ぜひともカバーしてもらいたいものだ。

バラードにしてまったく別アレンジにしたらたぶん本人の色に染まるな。で、こちらの曲はWANDSの本領を発揮させたロックナンバーに仕上げております。

ただ和久による俗っぽい詞が曲のイメージを低くしているというか、なんかWANDSらしくないんだよな。こういう歌詞じゃない方が曲との相性もばっちりだったと思う。

12. 錆ついたマシンガンで今を撃ち抜こう

作詞・作曲:小松未歩 編曲:池田大介

長い沈黙を破ってリリースされたシングルは王政復古のWANDSサウンド。しかし、新しく迎えられたヴォーカルの和久は皮肉にも前ヴォーカル・上杉と似ても似つかわしい。 まぁ、レコード会社の思惑も入っているね、こりゃ。曲のほうはいたって普通の王道ポップ。作詞・作曲は小松未歩が担当。が、やはり今までの上杉の詞と比べると なんだか現実感が無く、薄っぺらいんだよなぁ。何を歌っているの?

13. Where there's a will...

作詞:和久二郎 作曲:木村真也 編曲:WANDS

第三期WANDS、アルバム最後の曲はバラードで締めです。1番はキーボードをバックにしっとりと。

2番からは弦とアコースティックギターも加わって曲を盛り上げる。そして煌びやかにキーボードも登場だ。なんか本当に終わってしまったなぁ、という感じに終わります。

Best Album『BEST OF WANDS HISTORY』● '00/6/9 release

WANDS解体に伴ってリリースされたベストアルバム。通称赤盤。WANDSの代表曲がずらりと並べられてその軌跡がこの1枚でわかります。

未発表曲やライブトラックまで収録されているが、もう一工夫欲しいところだよね。すでに2枚のベストアルバムを出しているんだからさぁ。

後半の楽曲はリクエストによって決められたそうなんだけれども、固まって収録するよりかは離したほうがいいかも。大体、この収録曲の基準が曖昧だ。

ライブトラックの収録場所はいったいどこなんだ?気になるとこと。イントロのギターだけで歓声が上がるんだから、やっぱり名曲なんだよなぁ。ただ、短いよ~。もう少し長かったらよかったのに。

13. 太陽のため息

Words by Show Wesugi Music by Hiroshi Shibasaki Arranged by Takeshi Hayama

ヘビィなサウンドを聞かせてくれるイントロ。ヘビィながらもポップさが残る曲だな。往年のWANDSサウンドをちょっと激しくしたような感じがします。

多分「PIECE OF MY SOUL」時期の曲だろうね。この先、WANDSはどの道を進むべきか、迷いを含んだ作品といえますね。 歌詞から、上杉の迷いと本音がうかがえますね。Beingとの係わり合いにそろそろ疲れてきたのかな。

Best Album『complete of WANDS at BEING studio』● '02/8/25 release

コンプリートベストと銘打った4枚目のベストアルバム。もういいって?収録曲も大して代わり映えしないしね。まぁ、メンバーが一切かかわっていないといっても過言ではないアルバムだよね。

M-12やM-15といった上杉昇の詞のセンスが光るナンバーの収録はいいかも。やっぱり曲順に難があると思うなぁ。 M-9の場所はちがくないか?さてプレミアトラックとしてM-16、M-17が収録されています。ひとつはカバーでもうひとつはレアなライブトラック。

しっとりとしたアコースティックスタイルで演奏されていますが、どうせだったらライブ盤でCD出せばいいのにね。 前アルバムにもライブテイクがあるんならばさ。だいたいライブテイクの収録時間が短いんだって。

13. 君が欲しくてたまらない

Words by SHOW WESUGI Music by TETSURO ODA Arranged by TAKESHI HAYAMA

本家ZYYGさながらのロック色強いサウンドを展開するナンバー。やっぱり声の質が違いますなぁ。上杉独特の高く張りのある声が響いています。

♪WOW~の部分は言葉が見つからなかったのか?なんかもったいない気がする。

Best Album『BEST OF BEST 1000』● '07/12/12 release

B-ingが新たに仕掛けた企画版。1990年代を飾ったアーティスト達の楽曲を、廉価でお届け。1000円でこのヴォリュームです。 おいしいけれども、今まで発売されているベストアルバムを持っている人には、あまり興味がないかも。それよりも、1000円という安さで投売りされているようで、ちょっと悲しくなってくるかもね。 今作は、主に第2期の楽曲を中心に収録しています。どれもがポップで、キャッチーでわかりやすく、親しみやすいナンバーだよね。 斉田才によるブックレットも付いていますが、いつもながら微妙に間違っている部分があるんだよね。

6th Album『BURN THE SECRET』● '20/10/28 release

まさかまさかのWANDS再始動。第5期としてシングル2枚をリリースして、オリジナルアルバムにまでたどり着くとは。これには本当に驚きだ。 全10曲という曲数ながら、魅力がギュギュギュッと詰まったトラックの数々です。シングル2曲はじめ、オリジナルは新生WANDSのさまざまな可能性を秘めた曲です。 ジャジーなロックあり、あの頃を思い出させるアレンジあり、柴崎、木村それぞれの音がものを言わすトラックあり、そして上原の歌詞が踊り攻めてくるナンバーありと、とにかく面白さたっぷり。 そして、これまでのWANDSナンバーのセルフカバーを4曲収録。多いという声もあるけれども、いいバランスじゃないかな。 上杉昇とは全く違うんだと言わんばかりに、上原のヴォーカルと新しいアレンジでさらにアップデートされていきました。これを経ての次なる展開も楽しみになってきますね。 初回盤は、ビデオクリップを収録したDVD付きの2枚組仕様となっています。

1.

2.

3.

真っ赤なLip

抱き寄せ 高まる 君の体温と共に

Secret Night ~It's My Treat~ [WANDS 第5期 ver.] Short ver.

1. David Bowieのように

作詞:上原大史 作曲・編曲:柴崎浩

記念すべき6枚目のアルバムのオープニングチューン。まさかこういうタイトルを持ってくるとはね、新生WANDS。 突き刺すような伸びのあるヴォーカルが世界を作る。そうだ、これがWANDSなんだと改めて気付かされる1曲。 ヴォーカル、ギター、キーボードの3人の役割もはっきりしているね。どかどかとロックアプローチもかっこいい1曲だ。

2. 抱き寄せ 高まる 君の体温と共に

作詞:上原大史 作曲・編曲:柴崎浩

第5期に突入したWANDSの2枚目となるシングルナンバー。サビスタートで伸びやかな上原のヴォーカルが響き渡ります。 そして、どこかしら「Jumpin' Jack Boy」のようなきらきらしたスタイリッシュロックが展開。キャッチーさを出したサビの力が強いね。しっかりWANDSとして伝えてきます。 最後の木村のピアノプレイがいい味を出しているじゃないですか。

3. 賞味期限切れ I Love you

作詞:上原大史 作曲・編曲:柴崎浩

イントロがまさかのHIP-HOPなアプローチで驚きを隠せないね。タイトルがまたセンスを出すクールなミディアムロックチューン。ジャズテイストがとってもクールだ。 しかし、メロディパートとサビパートのテイストがちょっと違うとろこにびっくりな展開。最後がとってもオシャレだ。ここで木村のピアノの本領発揮だね。フェイドアウトで消えていかなくても。

4. Secret Night ~It's My Treat~ [WANDS 第5期 ver.]

作詞:上杉昇 作曲:栗林誠一郎 編曲:柴崎浩

WANDSの転換期となったシングルナンバーの第5期バージョン。あの頃が蘇ってくるようなアレンジでアップデートされています。 あの頃からオルタナ路線に入ったWANDSの音を、見事に再現するかのようなトラックに、上原ヴォーカルが見事に浸透してくる。最後のシャウトもいい感じだ。

5. Burning Free

作詞:上原大史 作曲・編曲:柴崎浩

手拍子したくなるようなアップテンポのロックチューン。導入から面白さが出ているね。 WANDSの新しい可能性を引き出してくる音。柴崎浩、かなり攻めてきますな。上原のヴォーカルもぐいぐいと押し寄せてきます。

6. 真っ赤なLip

作詞:上原大史 作曲・編曲:大島こうすけ

このニュースは本当に驚いた。WANDSが復活だと!?しかも第5期として!?第4期を吹っ飛ばしてのCDリリース。 そして第一印象としては、やっぱりこういうヴォーカル路線なんだね、ということ。ハイトーンながらに鋭さとこさを交えてくる新ヴォーカリストの上原大史。でも、自分のスタイルで出してきたね。 作曲とアレンジは、第1期、第4期のメンバーでもある大島こうすけが手がけています。随分とトリッキーなジャズフレーバーのデジロックに仕上げてきました。 Bメロのメロディアスで甘い部分がまた虜にさせてくれるじゃないですか。まさしくWANDS、王政復古ですな。

7. 明日もし君が壊れても [WANDS 第5期 ver.]

作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:柴崎浩

第3期WANDSの名バラードをセルフカバー。いやはや、イントロからしてさらにゴージャスになっていますね。 そしてサビでのシャウト。かっこいいなぁ。何気に川島だりあのバックコーラスも迫力があるぞ。

8. もっと強く抱きしめたなら [WANDS 第5期 ver.]

作詞:魚住勉・上杉昇 作曲:多々納好夫 編曲:柴崎浩

随分と丁寧なアレンジにあったなぁ、という印象。上原のヴォーカルも、やっぱり上杉昇がどこかしらよぎってくる。 なんだろう、うまいんだけれども、どこか物足りなさがあるかな。やっぱりオリジナルの持つきらきら感が足りないな。あの時の若さもやっぱり大きいんだな。

9. 世界中の誰よりきっと [WANDS 第5期 ver.]

作詞:上杉昇・中山美穂 作曲:織田哲郎 編曲:柴崎浩

大ヒット曲のカバー。WANDSのアルバムバージョンと、オリジナルのシングルバージョンをミックスさせたようなトラックだね。 あの頃を蘇らせるような柴崎浩のアレンジが効いています。そして、GIZAの精鋭たちがコーラスとしても参加しているので聞いてやってください。

10. アイリメンバーU

作詞・作曲:上原大史 編曲:柴崎浩

アルバムのラストナンバーは、なんと上原が作曲も務めたアップチューン。柴崎のアレンジでポップなロックに仕上がっています。 キャッチーなサビの力も手伝って、なかなかいい曲ができました。これから上原の役割もかなり大きくなっていくんだろうな。

[DISC 2:DVD]

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