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●Remix Album『YMO REMIXES TECHNOPOLIS 2000-01』● '99/11/03 release
YMOのリミックスアルバムなんだけれども、なんだろう、この豪華なリミキサー陣は。小西康陽にテイ・トウワ、DJ HASEBEにFantastic Plastic Machine、砂原良徳にケン・イシイ。 森俊彦やSUGIZOなどなど、実に多彩な顔ぶれにまずやられますね。ただ、豪華な反面、ちょっと期待しすぎ感もあって、このリミキサーならこうくるだろう、といったちょっと読めてしまう部分もあるんだよね。 さらには、YMOの楽曲なので、もう1つ2つと裏切って欲しい部分もあったかな。いかんせん、有名曲が揃っているのでね。 ジャケットはなんだかんだで、おしゃれなモード入っています。
1. TECHNOPOLIS / THE READYMADE-DARLIN' OF DISCOTHEQUE TRACK
remixed by YASUHARU KONISHI
イントロからしても、Readymadeな味付け。小西康陽によるリミックストラックは、忙しないクラブビートをどかどかと注入してお届けだ。 オリジナルのいいところを残しつつ、しっかり小西印になっているところはすごいね。
2. TIGHTEN UP
remixed by KEN ISHII
ケン・イシイによるリミックス。テクノ御大のナンバーを、テクノDJがリミックスですよ。 オリジナルをそこまで弄らずに、それでいて自身の味付けを加えた4つ打ちナンバーに仕上げてきました。スタイリッシュだね。
3. RYDEEN / SRATM (TOWA TEI) REMIX
remixed by SHODAI & OBI
YMOチルドレンなテイ・トウワが手がけたトラック。もう、もっさりどっぷりビートに「TECHNOPOLIS」なTOKIOフレーズも持ってきて、もうなんでもありだな。
4. SEOUL MUSIC
remixed by YOSHINORI SUNAHARA
イントロのヴォーカルといい、全体的にアンビエントな心地よさを出したリミックス。さすがはまりんな、そつなくこなしては、巧みに味を加えてくるリミックスだな。 じんわりと染み渡ってくるようなトラックです。
5. CASTALIA
remixed by Motar Headphone (from Dragon Ash)
面白い人選。Dragon Ashのリズム隊、Motar Headphoneが手がけたリミックス。 最初はアンビエントに、そしてバンドならではのガツンとした音をゴリゴリとぶつけてくる、このギャップがいい感じに驚かせてくれるわけだ
6. BEHIND THE MASK
remixed by DJ HASEBE
DJ HASEBEによるチェケラッチョなリミックス。オリジナルの味、例えばヴォコーダーヴォーカルなどは残っているけれども、リミキサー色に染まっているね。 あまり面白さが感じられないところが残念。案外、妥当というかベタというか。
7. PURE JAM / VIGOROUS JAM-TOSHIHIKO MORI REMIX
remixed by TOSHIHIKO MORI FOR SP-1200 PRODUCTIONS
森俊彦によるリミックス。ドラムンベースのような深いトラックが展開。YMOのテクノな味わいを引き出すような感じで。
8. NICE AGE
remixed by tmvg (HIBIKI TOKIWA + AKIRA MIZUMOTO) & ICHIRO SAKAI (from EREKIHACHIMAKI)
アップテンポでボコスカボコスカ。オリジナルのゆったりとした感じに対して、随分と忙しないリミックスだね。
9. BEHIND THE MASK / F.P.M's SWEET SOUL BOSSA NOVA
remixed by FANTASTIC PLASTIC MACHINE
もうイントロはオリジナルのあのピコピコな味ですよ。からの4つ打ちビートで少々のサンバテイスト。この絶妙な味わいがFantastic Plastic Machine。 田中知之の世界が見事なまでに出てきます。
10. FIRECRACKER
remixed by MALAWI ROCKS (EMMA & TARO KAWAUCHI FOR N.M.W.)
なるほど、MALAWI ROCKSなクラブハウス仕様で、もっさりもっさりと。YMOもとより、オリジナルの味わいもあって、なかなか良いではないでしょうか。
11. 東風
remixed by THE MAD CAPSULE MARKETS (TAKESHI / MOTOKATSU) & KEI KUSAMA
いやぁ、まさかこの曲をこのアーティストがという意外な組み合わせ感。ノイジーパンクな味でゴリゴリと攻めてきます。 しかも、イントロパートだけを使ってのリミックスとは、これまた斬新。
12. PERSPECTIVE
remixed by SUGIZO
この人選、この選曲、そしてこのトラック。まさしくSUGIZOな世界だね。アンビエントなトラックが展開します。 奥が深いんだな。ダブテイストで染み渡ってきます。
●Remix Album『YMO REMIXES TECHNOPOLIS 2000-00』● '00/11/22 release
前作「YMO REMIXES TECHNOPOLIS 2000-01」に引き続いてのリミックスシリーズ第2弾が登場。今回も、多彩なリミキサーたちがYMOのあんな曲こんな曲をリミックス。 電気グルーヴがクセを出して「TECHNOPOLIS」をリミックスしたかと思えば、GTSが4つ打ちよろしくなハウスを、DRY & HEAVYがダブテイストで泳がせてくれる。 POLYSICSのハヤシがノイジーに聴かせ、m-floのTakuがピコピコと。そして、知る人ぞ知るPOPがリミックスを披露したりと、本当に面白さたっぷりなんだな。 今回も前作同様に、読めると言えば読めるような展開なんだけれども、期待した以上のものがなくて少々残念。やはりYMOの曲の存在感の大きさよ。 オープニングとエンディングには、松武秀樹のインストナンバーを配する工夫は面白いかな。
1. OPENING FROM THE PAST
作曲:松武秀樹
インストナンバーは松武秀樹によるもの。まるで時空を旅するかのようなワープみたいなサウンドが気持ちいいね。 ただ、もうちょっと短く端的でもいいくらいかな。
2. TECHNOPOLIS (Denki's Techtropolis-RMX)
Remixed by DENKI GROOVE
何と電気グルーヴのリミックスですよ。アグレッシヴな4つ打ちビートでスタート。先へ進まずに繰り返しというところが彼らのセンスですよ。面白い。
3. LA FEMME CHINOISE (Groove That Soul Mix)
Remixed by SATOSHI HIADKA (from GTS)
Avexアーティストのリミックスでお馴染み、GTSの日高智が軽やかに4つ打ちハウスで決めてくるリミックスチューンです。 オリエンタルな部分を残しつつも、見事なクラブアプローチなトラックに仕上がっています。
4. TONG POO (DJ CELORY REMIX)
Remixed by DJ CELORY (from SOUL SCREAM)
Soul ScreamのDJ CELORYによるリミックス。チキチキなクラブテイストで展開。ただ、随分と普通というか、もっと壊してもいいくらいじゃないか? 面白さが足りないな。
5. INSOMNIA (DRY & HEAVY REMIX)
Remixed by DRY & HEAVY
DRY & HEAVYによるリミックス。ダブテイストで、どっぷりどっぷりいい感じだね。妖しさとともに、浮遊感が気持ち良いリミックス。
6. JISEIKI-HIRAKE KOKORO (Good-Bye Bus Mix)
Remixed by HIROYUKI HAYASHI (from POLYSICS)
さすがはPOLYSICSのハヤシだね。この選曲、そしてこのノイジーなリミックスでノックアウト直前なサウンドだ。 ごちゃ混ぜした感覚がなんとも言えないね。
7. RYDEEN (YAMADA MAN Remix)
Remixed by YAMADA MAN (from RAPPAGARIYA)
まさかまさかのラッパ我リヤの山田マンによる有名曲のリミックス。そして、まさかラップを加えてくるとはね。 アングラテイストで、なんか圧倒させられるな。ただ、なぜ幼児虐待をテーマにしたラップなのか。
8. COSMIC SURFIN' (Merry-Go-Round Mix)
Remixed by EYE (from BOREDOMS)
BOREDOMSのEYEによるリミックス。いい塩梅にエスニックな要素を加えてインパクトを出してきました。
9. BEHIND THE MASK (Farewell, Mr. S3000 Remix)
Remixed by TAKU (m-flo)
こちらはm-floのTakuが手がけたリミックス。なるほど、m-floらしいサウンドをボコスカとぶつけてきては、ノリ良い2STEP風味のアプローチ。 こちらもラップを加えては、味を変えてきました。
10. KEY (FOREST 808 MIX)
Remixed by ENML (Sunao Inami from TIME CONTROL with The Other One)
アンビエントなテイストで、聴かせてくれるリミックス。チキチキとピコピコが混じり合う世界が広がる。
11. YOU'VE GOT TO HELP YOURSELF (POP'LaaaasT-C'MIX)
Remixed by POP
よくまぁ、POPにリミックスを依頼したものだ。かなりマニアックだよね。ピコピコな打ち込みを畳み掛けて展開するリミックスです。 ほぼカオス。弄りまくり。まぁ、これがリミキサーのセンスですよね。
12. CLOSING FOR THE FUTURE
作曲:松武秀樹
こちらもインストナンバー。ビートとエレクトロなサウンドがタイトルを示すように、未来へとつなぐかのようだ。そして、見事に締まりました。
●Remix Album『YMO REMIXES 99-00 THE BEST』● '05/3/24 release
YMOのリミックスアルバムを2枚発売したVicotrから、その2枚の作品及びアナログ盤からの選曲で聴かせてくれるベストアルバムの登場。 正直、たった2枚のアルバムでベストアルバムというのがね。一応、アナログ盤のみに収録されていた3曲を初CDかという嬉しい仕様にはなっているけれども。 それで全9曲というのは、もう一体なんなんでしょうか、物足りないでしょう。Victorの戦略がいまいちすぎます。せめて第3弾を作ってからだったかな。
2. TECHNOPOLIS / THE READYMADE-DARLIN' OF DISCOTHEQUE TRACK - DUB VERSION
remixed by YASUHARU KONISHI
12インチ用のダブバージョン。といっても、あのテイストがたんまりと押し寄せてくるわけで。フロア対応型のインストチューンなわけですよ。 アグレッシヴなトラックに惹きつけられ、ラストはきちんと締まったね。
5. FIRECRACKER / EXTRA TRACK
remixed by MALAWI ROCKS (EMMA & TARO KAWAUCHI FOR N.M.W.)
Extra Trackということで、まぁエクステンデッドに近いような感じかな。ただ、Malawi Rocks特有のビートは打ち込まないで展開するところがちょっと大人。
7. ABSOLUTE EGO DANCE / DENKI'S EISA-RMX
remixed by DENKI GROOVE
こちらはCD初収録。電気グルーヴによるリミックストラック。選曲もまた、絶妙だね。ピコピコテクノが陽気に展開。 そこにミックス名にもなっているエイサーを加えてのお祭りトラックです。
●Best Album『UC YMO』● '03/8/6 ('09/8/19) release
YMOのベスト盤なんだけれども、ついに坂本龍一の監修でのリリースとなりました。細野晴臣、高橋幸宏とはまたちょっと違った切り口での、面白い選曲となっています。 「TECHNOPOLIS」「RYDEEN」「東風」「中国女」「NICE AGE」「体操」「音楽」といった代表曲の数々とともに、Tod Jensenによるマスタリングによって最高のサウンドで届けてくれます。 そして、今作でも秘蔵トラックがお目見え。「開け心 -磁性紀-」「M-16」などといった中に、「BEHIND THE MASK」のCMバージョンや、「恋人よ我に帰れ」のパフォーマンスなどはとても貴重だね。 そして、監修を担当した坂本龍一による一言コメントもまた、味わいがあります。時にシニカルに、時に興味なさそうなところがまた、らしさを出しているね。 2枚組で全34曲。なんかまだまだ掘り起こせそうなYMO。限定生産版は、Tシャツも付いたりと、すごいんだ。
1-16. Hirake Kokoro - Jiseiki/開け心 -磁性紀-
Words:Haruomi Hosono Music:Ryuichi Sakamoto, Yukihiro Takahashi Arrange:YMO, Kenji Omura
富士フィルムのカセットブック収録バージョン。これがまた、とっても貴重なトラックらしいです。 ピコピコな音にボコスカドラムが組み合わさって、なんだかカオスな感じもするね。
2-6. Lover Come Back to Me feat. Mari Nakamoto/恋人よ我に帰れ
Words:Sigmund Romberg Music:Oscar Hammerstein II Arrange:YMO
このピコピコな感じ、時代を表していますね。本当に、一瞬で終わってしまうのが勿体無い。ヴォーカルの弄った感じもさすがYMOな世界。
2-16. M-16/エム・ジュウロク
Music:Haruomi Hosono, Ryuichi Sakamoto, Yukihiro Takahashi Arrange:YMO
映画用に作られた16番目の曲。タイトルもそこから。ほんわかと浮遊感を漂わせて展開するポップなインストチューン。なんだか、ファンタジーな世界だ。
2-18. BEHIND THE MASK Bonus Track:SEIKO QUARTZ「品質のブランド」CM Version/ビハインド・ザ・マスク
Arrange:Ryuichi Sakamoto Arrange:Ryuichi Sakamoto
CMバージョン。ものすごくゆったりとしていて、どこかしら別の曲のようにも思えてしまうな。 ホクホクしたこちらももまた、夢の世界へとつれて行ってくれそうだ。
●Best Album『NEUE TANZ』● '18/10/17 release
YMOの40周年を記念して、新たなベストアルバム/コンピレーションアルバムの登場。特徴なのは、TOWA TEIが選曲と監修を行っているところですね。 YMOにとどまらず、メンバー3人のソロナンバーも1曲ずつ収録しており、その時代の最先端音楽を体現していた3人の功績を味わうことができます。 しかも、今回のベストはただならぬ選曲。定番な有名曲「TECHNOPOLIS」「RYDEEN」「君に、胸キュン。」などを収録せずに、YMOらしさを出した選曲はTEI TOWAのなせる業ですね。 そして、リマスタリングを手がけたのが、まりん=砂原良徳というところも、憎いんだな。高橋幸宏、META FIVE繋がりの出来ようなのかな。 今の時代に合ったサウンドに蘇らせてくれます。ジャケットのアートワークもしっかりセンスが出ていてかっこいいね。これが今を表すYMOだ。