album
●1st Album『Clover』● '97/9/3 release
シンガーソングライター、スガシカオのデビューアルバム。 これまで発表してきたシングルナンバー「ヒットチャートをかけぬけろ」「黄金の月」「ドキドキしちゃう」で聞かせてくれたファンキーグルーヴなサウンドと毒気のある歌詞が詰まった全10曲。 アグレッシヴな音からゆったりと聴かせてくれる音まで、自在に操るギターを中心に、ほとんど自分で演奏していて器用ですね。 そして、ヴォーカルの方も、ハスキーでセクシーで魅力ある声を届けてくれる。下地となるファンクの要素を盛り込んで、うまい具合にJ-POPフィールドへと流れを汲む。 キャッチーに決めるとともに、センスを出し過ぎて、どこかしら引き付けないような、どこかしらドロドロとした部分を平然と曝け出すところが、逆にかっこいいんだ。 とにかく、スガシカオの魅力が思う存分に詰まった、癖になるアルバムですね。
1. 前人未到のハイジャンプ
written & produced by スガシカオ
アルバムのオープニングを飾るチューンは、どっしりビートに力強さを感じ、1歩1歩踏みしめて歩くような1曲。そして、歌詞も随分とドロドロとした感じだね。 このうねりがスガシカオなんだよね。そして、この先に待ち受けるものを覚悟して、ハイジャンプ。ここからスガシカオが始まる。
2. ドキドキしちゃう
written & produced by スガシカオ
ド頭からドカンと音をぶつけてくる3枚目のシングルナンバー。歌が入ってきて、濃厚なロックチューンが炸裂。ドラムが宮田繁男ですよ、かっこいいね。 そして、ギターが軽やかに飛び交いまくっては、クールに。サビがまた、キャッチーに仕上がったね。何かを暗喩するかのような歌詞がまた、スガ節満載ということで。
3. SWEET BABY (Full Size)
written & produced by スガシカオ
イントロからどっしりと濃いギターが響き渡ります。そして、淡々とメロディパートでヴォーカルが入ってくる。まるでお経のようにね。 随分と感情が伝わらないような感じだね。でもって、歌詞は危険水域に入っています。妄想が膨らんで、ちょっと危ない。 シングルでは半分サイズ、アルバムではたっぷりフルサイズで聞かせてくれます。
4. 月とナイフ
written & produced by スガシカオ
アコースティックギターの音が滑らかで心地良いミディアムバラードチューン。 どこまでも生々しく、言葉が突き刺してくるようだ。ストレートな歌詞とヴォーカル、切ないメロディにハスキーなヴォーカルがダイレクトに伝わってきます。
5. In My Life
written & produced by スガシカオ
ファンキーグルーヴ感が出まくった、濃いナンバー。ベースのうねる音がセクシーです。どっしりと音をぶつけてきては、スガシカオがしゃがれたヴォーカルで味を出す。 また、歌詞の世界も随分と、ドロドロとした生活感。サラリーマン経験のあるスガシカオだからこそ、描ける世界だね。
6. ヒットチャートをかけぬけろ (Album Version)
written & produced by スガシカオ
スガシカオ、記念すべきデビューシングルは、ジャカジャカとギターをかき鳴らしては、少々クセを出して、ナンパな雰囲気を醸し出すアップテンポのロックチューン。 タイトルから、歌詞から、スガシカオらしさが出ているね。なんとギターで山崎まさよし、そしてサックスで菊地成孔が参加しているところにも注目。 売れ線というには難しいけれども、十分、玄人には受け入れられそうなナンバーです。
アルバムでは、山崎まさよし、菊地成孔両者がいないバージョンです。ファンキーグルーヴなブラスのアレンジを森俊彦が担当しています。
7. ドキュメント'97
written & produced by スガシカオ
会話のやり取りで聞かせるメロディパート。淡々としたリズムに乗せてアグレッシヴな歌い方で魅了するスガシカオです。 これまた、ファンキーに熱くほとばしるヴォーカルパフォーマンス。歌とバックの音との間に温度差みたいなものを感じるかな。これは生音で聞きたいな。
8. サービス・クーポン
written & produced by スガシカオ
冒頭からファンキーグルーヴで熱いね。おまけに歌詞がまた、ひねりがあって、かっこいいです。窓を開けて寝たら、不幸がついた、とかね。 この曲では菊地成孔がサックスソロをセクシーに聞かせてくれるんです。スガシカオとのタッグで、より妖しく艶めかしく。
9. イジメテミタイ
written & produced by スガシカオ
初めのヴォーカルでやられたね。かすれたスガシカオのヴォーカルにセクシーを漂わせるミディアムテンポのファンクチューン。 淡々と響くプログラミングビートが冷たくも、他の生音とのギャップをいい感じに生み出す。 事務所の先輩でもある杏子もゲストヴォーカルとして参加しています。それにしても、S気たっぷりの曲ですね。
10. 黄金の月
written & produced by スガシカオ
打ち込みのビートが無機質なのに、歌が入ってくるととっても有機的に。スガシカオのヴォーカルがいい具合にグルーヴを生み出すミディアムチューンは、 その歌詞から名曲感が漂う。ひねくれていても、どこかしら癸卯を込めた歌詞が、泥臭くも美しい。 そして、やっぱりしゃがれたスガシカオのヴォーカルから、ファンクでブルージーナテイストが滲みでいて、かっこいいね。2枚目のシングルです。
●2nd Album『FAMILY』● '98/6/24 release
シンガ-ソングライター、スガシカオの2作目となるオリジナルアルバムは、前作「Clover」から1年も経たないでのリリース。 シングル「愛について」「ストーリー」と発表し、SMAP「夜空ノムコウ」の歌詞を担当したということから、次第にお茶の間にも浸透してきたかなという印象。 このタイミング、またどっぷりと深くアングラ感も漂うアルバムとなりました。 シニカルなナンバーがとても軽く感じるくらいに、収録曲は重たく、そして濃い。特に、スガシカオの世界観を構築する歌詞がすごいんだよ。 時にシニカルに、時にエロティックに、時に皮肉めいていて、痛いと同時に面白い。ゆったりと聴かせてくれる「Happy Birthday」という曲もあるけれども、 やっぱり「たいくつ/ゆううつ」や「バクダンジュース」みたいな、スガシカオをさらけ出すような楽曲が色濃く伝わってくるよね。 J-POPを下地にしたファンクを味わえます。ポップな雰囲気かつ、ダークな仕上がりは面白すぎですね。
1. 日曜日の午後
written & produced by スガシカオ
アルバムのオープニングチューンから、スガ節炸裂のファンクロックチューン。かき鳴るギターとうねるベースの音にそそられます。 それにしても、歌詞が暗くて、皮肉が出まくっていますね。ほとんどの人が休息している日曜日を、ダークに塗りつぶす。悪いことばかりが頭に浮かぶ主人公の思考が、逆にすごい。
2. ストーリー
written & produced by スガシカオ
好調スガシカオ、「愛について」に続くシングルは、彼の持つファンク魂を体現したかっこいいロックチューン。 イントロからざっくりギターにパーカッション、キーボードが独特の空気感を作って、かっこいいね。ポップでキャッチーなんだけれども、クセがある、このバランスがいいんだ。
3. 愛について
written & produced by スガシカオ
アルバム「Clover」から次なるステージへと行くスガシカオ。4枚目のシングルは、これぞスガシカオ節満載なミディアムスローのグルーヴチューン。 冒頭のヴォーカルの入りから、一気に引き込まれるスガシカオワールド。ファンキーグルーヴを取り入れては、とってもクールに。愛とはなんだ。深く深く、探りながら、2人の生活が続く。
4. ひとりごと
written & produced by スガシカオ
重く湿った、それでいて何故か爽やかさも放出する滑らかなギターの音色にうっとり。 でも、歌詞がまた、ダメな主人公だね。君の前でしっかりやると言っておきながら、虚勢だったとは。なるほど、独り言に近い、自己完結のお話だね。
5. たいくつ/ゆううつ
written & produced by スガシカオ
どっぷりどっぷり、イントロからドロドロとしたディープなミディアムチューン。 歌詞もドロドロ。女を取っ替え引っ換え?サビのメロディからは、底力を感じるね。いかにもスガシカオな1曲。
6. リンゴ・ジュース
written & produced by スガシカオ
冒頭から躍動感たっぷりの4つ打ちビートで、雰囲気を変えてきたスガシカオ。 ジャカジャカ鳴るギターや、ハスキーなヴォーカルに加えて、サビではブラスが華やかに響き渡って、かっこいいね。 無機質なトラックと有機的な声の反応がいいです。SMAPへの提供曲でもあります。
7. Happy Birthday
written & produced by スガシカオ
ゆったりバラードナンバー。アコースティックサウンドを基調にしたトラック。スガシカオにしては、とっても優しさを出しているヴォーカルだね。 一方で、歌詞はちょっと切ない感じ。この曲はその後、スペシャルユニットの福耳として、セルフカバーしましたね。
8. このところ ちょっと
written & produced by スガシカオ
冒頭からガツンと、ファンキーグルーヴ炸裂のポップなロックチューン。スガシカオのヴォーカルにエフェクトをかけて、これまたいつもと違った雰囲気を放ってきます。 とんとご無沙汰な人間関係をユニークに聞かせてくれる。2番は金返せ、ということで。ノリもあって、楽しい1曲ですね。
9. バクダン・ジュース (生タイプ)
written & produced by スガシカオ
淡々と響くプログラミングビートをバックに、スガシカオのヴォーカルが響き渡った。毒を以て毒を制する。歌詞に毒気たっぷり。 いいね、どんどんとドロドロとした深みにはまってゆくようだ。アルバムでは生ドラムに変更したバージョンで、よりアグレシッヴに。かっこよく聴かせてくれます。
10. お別れにむけて
written & produced by スガシカオ
アルバムのラストを渋くブルース調に、がっつりと聴かせてくれる1曲。 まったり気分も心地よく、キュイーンと鳴り響くギターの音もポイントに。ディープでドライで、2人の関係性も色々とある歌詞もいいね。
●3rd Album『Sweet』● '98/6/24 release
スガシカオ、待望の3rd albumは、「Sweet」。タイトルとは裏腹に、とっても濃厚で、ディープなファンクチューンやロックナンバー、バラードなどを取り揃えております。 アコースティックな「ぼくたちの日々」や、クールに聞かせてくれた「夜明けまえ」などのシングルの存在感がありながら、 先行ナンバー「あまい果実」で示したドロドロとした雰囲気で、スガシカオのテイストが際立つアルバムとなりましたね。 全体的に打ち込み音を加えていながら、スタイリッシュに仕上げて作り込まれたサウンドにはうっとり引き込まれます。そこに広がるスガシカオの歌詞の世界。 純なテイストのあるラブソングを聞かせてくれたと思ったら、無造作にSEXする男女の描写があったりと、やってくれます。粘り気がありながら、どっぷりと浸れるアルバムで、いやぁ、強烈ですよ。
1. あまい果実
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
3枚目のオリジナルアルバム「Sweet」からの先行ナンバーとしてリリースされたシングルは、これぞスガシカオな濃厚ねっとりバラードナンバー。 歌詞もエロティシズムに溢れているんだ。君のことが好きで、相手のことを束縛している主人公が、彼女への愛がこれだけすごいんだよと話す歌。 音の重厚感が、それ以上に曲を盛り上げてくれる。
2. 正義の味方
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
デジタルなサウンドを匂わせながらも、スガシカオ節炸裂のファンクロックチューン。 歌詞がまた、シュールだな。働かない一家を見て、昔正義の味方だったけれども、今は出番がないんだ、という観点。 ストーリー性のある歌詞が、面白いね。ブラスの音もポイントとなっています。アウトロのセッションもかっこいいね。
3. 夕立ち
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
イントロがかっこいいね。日本だとICE、洋楽だとSwing Out Sisterな味わい、鋭さを出すファンクロックチューン。 ミディアムテンポのグルーヴで、のっしりどっしりと聞かせてくれます。夕立後の車の中の2人の関係サイア、これまた濃厚に広がって行きます。
4. ふたりのかげ
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
アコースティックをベースに聞かせてくれるバラードナンバー。そこにストリングスが加わって、よりドラマティックになってうっとりと。 2人で君の家へ行き、終電前に“ぼく”が帰るというお話。色々と読み取ることのできる内容を、まったりと聞かせてくれるスガシカオです。
5. 310
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
クールでポップで、ファンクなミディアムチューン。濃いのなんのって。 3月10日に転勤を命じられた男の物語。そして、女とSEXしては、ちょっと冷めた感じが展開してゆく。音がとにかくいいんだよね。
6. 夜明けまえ
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
「ぼくたちの日々」に続くスガシカオのシングルナンバーは、イントロから打ち込みビートを放ち、そしてクールな雰囲気を出してくるポップチューン。 淡々と無機的なメロディパートから、サビでパッと明かりが美しくなるかのような展開がおしゃれ。鮮やかな変身にうっとりさせられますね。キャッチーで瑞々しいメロディセンスに脱帽な1曲。
7. 師走
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
イントロからウキウキワクワクな雰囲気が漂うトラック。打ち込みビートとかき鳴るギター、メロディを生み出すベースのラインが心地良さを出すナンバーで、 とってもグルーヴィーです。レーベルメイトの山崎まさよしも歌詞に登場するなど、面白さも出たナンバー。ごくごく身近な12月のシチュエーションを歌います。
8. グッド・バイ
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
うねるように、どっぷり粘り気を出すように、ものすごくファンクでグルーヴィーなミディアムチューン。 海外に旅立つ相手を見送りに来た主人公のお話です。よく練りこんで作り込まれた楽曲で、スガシカオのセンスがギュッと詰まっています。サビのファルセットも効果的ですね。
9. いいなり
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
スピーディーに展開する濃厚ロックチューン。セクシーでファンキーなアグレッシヴな音を、どっしりとぶつけて来ては、暑く焦がして来ます。 歌詞は意味深というか、エロティシズムに溢れているというか。クールに歌いこなしてしまうスガシカオはさすがだね。
10. ぼくたちの日々
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
アルバム「Family」以後に発売したシングルナンバーは、どっしりとじっくりと聞かせてくれる、味わい深い3連バラード。 2人だけの世界を楽しく過ごす、僕たちの日々。いい加減な態度や言葉遣いで、過ぎてゆく僕たちの日々。そんな世界を繰り返すんだよね。じわじわと染み込んでくる1曲です。
●4th Album『4 Flusher』● '00/10/25 release
スガシカオ、4枚目となるアルバムは、前作をより一層深みと味わいで濃くした1枚。打ち込みトラックも器用に操ったアレンジで、デジタルファンクな世界を聞かせてくれます。 シングル「SPIRIT」で極上なポップを聞かせ、「AFFAIR」でじっくり耽美な世界を聞かせて、色々な面をのぞかせたスガシカオの世界がさらに広がっていきます。 特に冒頭2曲、繋がっている構成が挑戦的で面白いし、コミカルな「ドキュメンタリー」や美しい「波光」など、 何気に1曲1曲が濃く丁寧な作りなんだよね。ただ、面白いのに、ちょっと地味目。そこがスガシカオならではの部分でもあるのかな。
1. かわりになってよ
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
冒頭からギターがかき鳴っては、躍動感を出しまくって展開。そして、高らかに響き渡るしゃがれたスガシカオのヴォーカルが突き刺して来ます。 彼女と別れた主人公が、女友達に彼女の代わりに相手をしてくれよ、という内容なんだけれども、その世界がすごいな。冒頭ナンバーから、スガシカオ節が炸裂です。
2. 性的敗北
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
前曲から間髪入れずに、流れるように入ってくるナンバー。軽快な音に乗せて、エロティシズム溢れる歌詞を歌い上げるスガシカオにあっぱれ。 「性的敗北」という言葉のチョイスも、なかなか面白いね。
3. ミートソース
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
タイトルから想像できないほどに濃厚ファンクチューン。ギュインギュインとギターが響き渡って、かなりグルーヴも溢れる。 なるほど、シアターブルックの佐藤タイジがギターで参加しているのか。これはかっこいいな。歌詞もかなりドロドロしていて、スガシカオらしいね。
4. AFFAIR
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
4枚目のアルバムからの先行ナンバー。イントロのキーボードの淡さから一転、どっぷりバンドサウンドで引き込むミディアムチューン。 どっしりと濃厚なメロディに、どれだけの深い愛があるのかを歌う1曲。そして、これ以上にスガシカオのしゃがれた声が似合う曲があるだろうか。 渋いのに、かっこよく。セクシーでクールな1曲。ブラスの効果も大きいね。
5. 波光
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
美しさが光るバラードナンバー。ストリングスがバックを鮮やかに仕上げ、スガシカオのしゃがれたヴォーカルがまろやかに響き渡る。 歌詞もいつも以上にあっさりめ。濃さで聴かせるのではなく、じっくりと聴かせる。スガシカオのもう一面をのぞかせてくれるような曲ですね。
6. ドキュメント2000 ~the sweetest day of my life~
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
これまた、スガシカオらしいユニークな歌詞が踊る1曲。友人の結婚式に招待された主人公が、披露宴で歌を披露するまでの“ドキュメント”を 歌にしたポップなファンクチューン。甘い歌を作ったことがないからこそ、苦労がそのまま曲に表れていて、面白いね。
7. SPIRIT
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
こんなに明るくポップに聞かせてくれるスガシカオも珍しい。カッティングなギターがイントロから舞い、 とにかく弾けんばかりに音が花開く。ソウルフルでファンキーで、どっしり4つ打ちビートが彩るナンバー。随分と空が青いなと思ってしいまう。 いやぁ、爽快爽快。Bメロパーとのコーラスの厚みも加わって、とってもゴージャスに聞かせてくれるシングルナンバーです。
8. そろそろいかなくちゃ
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
瑞々しく響き渡るギターの音色に委ねてしまうようなバラードナンバー。 ゆっくりと染み込んでくる、派手さはないけれども。演奏でじっくりと聞かせてくれる麗しの1曲。美しく、じっくりと堪能させてくれるね。
9. たとえば朝のバス停で
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
ゆったりまったり、年が明けて新年を迎えたある男のストーリー。淡々としたメロディパートと対比するように、 メロディアスに広がるサビがいい感じ。そして、間奏でガッツリと聞かせてくれます。「君に会えるかな」「あなたに会えるかな」の歌詞の違いもきになる1曲。
10. 青白い男
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
淡々とした展開で始まるナンバー。とっても無機的で、クールなんだけれども、それはメロディパートまでのお話。 サビに入ると、ガッツリと打ち込みが加わって、デジタルファンクよろしく、濃く音が攻めてくる。青白い男が自宅の前に来ては、ドアをガチャガチャして、ちょっと怖い歌なんだな。
11. 木曜日、見舞いにいく (Album Mix)
Written & Produced by Suga Shikao Co-sound Produced by 中村文俊、森俊之
イントロのオルガンがふわっとまろやかに聞かせる、ゆったりアコースティックチューン。あなたを見舞いに来た僕のお話。 死という避けられない厳しい現実を、スガシカオなりに抑えて表現。限りある時間をどう過ごすかを、考えさせられてしまうね。バックで彩るブラスも効果的。
アルバムでは、ミックスを施して、よりゆったり感が出ています。
●Compilation Album『Sugarless』● '01/10/3 release
スガシカオがこれまでに発表したシングルのカップリング曲や、提供曲のセルフカバー、新曲などで構成された変則アルバム。 やっぱり目玉は、SMAPに歌詞を提供した「夜空ノムコウ」のセルフカバーでしょうね。よりしみじみ深い味わいを聴かせてくれるスガシカオバージョン。 歌詞が染み込んで来ます。そのほか、森高千里に提供した「まひるの月」のセルフカバー「ゆびきり」も、どっぷりじっくり味わい深く聴かせてくれます。 新曲「マーメイド」も独自の世界観で聴かせてくれるし、なかなか面白いね。ただ、やっぱり他の曲はカップリングだったことを考えると、全体的に地味目なのは否めない。 ただ、メイン曲とは違って、スガシカオの深い部分が現れているので、アコギの優しいナンバーやドス黒いナンバーなと、振り幅が広く感じられるね。
1. マーメイド
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
どっぷり濃厚サウンドで聴かせるミディアムナンバーは、伝説の人魚をテーマに、スガシカオ独自の世界観が広がる歌詞が印象的。 いつまでも大人にならないままでいたいという思う人に向けられた歌。年を取らなくていい人魚姫にだって、苦労はあるということで。幻想的な音とともに聴かせてくれます。
2. ユビキリ
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
森高千里「まひるの月」のセルフカバーナンバー。タイトルも変えて、スガシカオの織りなす切ない楽曲に仕上がっています。 ゆったりまったりのアコースティックテイストのバラードナンバー。スガシカオのしゃがれたヴォーカルもさることながら、 森俊之のオルガンの音が温かく淡く包み込んでくれます。なんか、夢見心地にさせてくれますね。
3. 夜空ノムコウ
Written & Produced by スガシカオ music by 川村結花 Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
国民的大ヒットにまでなったSMAP「夜空ノムコウ」。歌詞を手がけたスガシカオのセルフカバーバージョンは、 どっぷりプログラミングを投入し、より孤独感や虚無感、寂しさが溢れる。ただ、スガシカオのヴォーカルも自問自答しながらも答えが見つかったような、 小さな希望みたいな歌い方に感じるね。ストリングスのほのかな音使いもいい感じ。
4. ぬれた靴
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
淡々と響き渡るプログラミングビート。そこに味のあるキーボードとギターの音が加わって、さらっと展開。 サビでも軽く、フッくん模様に加えてくるのに、サビ後の音がじっくりどっしりと。2番からはガッツリと聴かせてくれます。
5. 夏祭り
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
ゆったりまったり聞かせるアコースティックナンバー。軽やかながらに力をギュッと詰めて、 遠くで聞こえる夏祭りの情景を歌っています。夕方ごろに起きて、ぼちぼち行ってみるかな、なんて雰囲気を鮮やかに描き出す。スガシカオの歌詞の世界が染み込んできます。
6. ココニイルコト
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
SMAPに提供した楽曲のセルフカバーチューン。まったりテイストのアコースティックチューンで、リラックスした雰囲気が出ています。 フィンガースナップの温かさが曲を盛り上げる。キーボードやアコースティックギターの音に包まれて、スガシカオのしゃがれ声も、味わい深さを出してきます。
7. バクダン・ジュース (original)
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
淡々と響くプログラミングビートをバックに、スガシカオのヴォーカルが響き渡った。毒を以て毒を制する。歌詞に毒気たっぷり。 いいね、どんどんとドロドロとした深みにはまってゆくようだ。
8. ひとりぼっち
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
アコースティックテイストを醸し出すまったりバラードナンバー。スガシカオのヴォーカルもゆったりと。パーカッションの音が温かさを出していますね。 歌詞がまた、想いをかみしめるように、じわじわと広がって行きますね。ラストでのアフレッシヴな変身ぶりには驚かされます。
9. うきぶくろをもって
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
のんびりといたテンポと軽やかギターが心地よさを生むミディアムチューン。いつもとは違ったヴォーカルは、どこかしら大瀧詠一のようなおしゃれテイスト。 ただ、歌詞は随分と毒気があるね。本人曰く、ほぼデモテープのままだそうで。そして、0:55に霊の声が?!と話題になりましたが、真相はいかに。
10. これから むかえにいくよ
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
イントロからファンクでアグレッシヴな音をぶつけてくるミディアムチューン。ファルセットヴォーカルも登場する熱いナンバー。 歌詞は、とにかく相手を追い求めている主人公。相手の家に上がりこんで待っているという状況がすごいな。どこまでも追いかけている感じが、逆に怖い。
11. 8月のセレナーデ
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
シングルとしては約10ヶ月ぶりのナンバー。 タイトル通り、夏にぴったりな、涼しいミディアムチューン。心地の良いギターの音と、リズムカルなビートを絡ませて聴かせてくれます。 スガシカオ、ギターだけでなく、この曲ではベースも弾いているんだね。歌詞はいつも以上に増してくせがあるというか、結構酷くない?なんて思ったり。 主人公の上からの態度が表れていますね。それなのに、間奏のキーボードが美しいんだな。
12. Room201
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
ゆったりと聞かせてくれるアコースティックバラード。3連のリズムが心地よく、まったり気分に浸れます。 真夜中に会う君とのお話。哀愁漂う切ないナンバーを、じっくり、じっくりと。
13. 坂の途中
Written & Produced by スガシカオ Co-sound Produced, recorded & mixed by 中村文俊 Co-sound Produced by 森俊之
ゆったりアコースティックサウンドで聞かせてくれるバラードナンバー。力を抜いて気張らずに、なんとなく、のほほんとした雰囲気。リラックスな気分を注ぎ込む曲だね。 淡々とした中にも、温かさを感じさせます。ストリングスがいい味を引き立たせているね。
●5th Album『SMILE』● '03/5/7 release
レコード会社を移籍して、アルバムは通算5枚目。「SMILE」なんてタイトルをつけていながらも、あまりパッと笑顔になるような曲じゃないよな。 その正反対な、濃いナンバーが揃っていて、さすがスガシカオなファンクロックをお見舞いだ。 「青空」「アシンメトリー」「サヨナラ」「気まぐれ」と4曲のシングルトラックでも様々な表情を見せてくれたけれども、時にポップ、時にエロく、時に渋くと面白さが出まくっています。 アップテンポのナンバーや、まったりテイストのバラードなど、スガシカオの進化を思う存分に味わえる作品になっているね。多分、この作品を聴き終わって、ニヤリと微笑みたくなるんだろうな。 初回盤は、ライブツアーより2曲を収録したディスク付きの2枚組仕様。これまた、渋いんだ。SHIKAO AND THE FAMILY SUGARとして、巧みな演奏で引き込んできます。
1.
2.
SHIKAO AND THE FAMILY SUGAR SPECIAL LIVE DISC
ぼくたちの日々
THEME OF FAMILY SUGAR
1. Thank you
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
どっぷりどっぷりと聞かせてくれるアルバムのオープニングチューン。いきなり冒頭の歌詞が「明日死んでしまおう」って、衝撃ですね。 濃厚なファンクに酔いしれる1曲。歌詞もずいぶんと濃い仕上がりになっていますね。
2. アシンメトリー
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
スガシカオの楽曲が、ドラマ主題歌に起用されました。これまた、スガ流ファンクを見事にポップに仕上げてきたクールなアップチューンなんだ。 打ち込みグルーヴを携えて、色気のあるギターが映える映える。そして、渋いスガシカオのヴォーカルでもう、ノックアウトだね。サビもキャッチーなラインを辿ります。 非線対称=アシンメトリーな歌詞もいいね。
3. 優等生
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
美しさを出したと思ったら、ファンクな路線へと走るロックチューン。優等生は白がお似合いで。僕が汚しても許してね、という話。 ずるいなぁ。さらに汚い言葉を吐くところが見てみたいという、変態的な部分も覗かせる曲ですよ。スガシカオ節が満載ですね。松原秀樹のベースにも注目。
4. 桜並木
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
まったりバラードナンバー。優しく染み込んでくるようなサウンドがいい感じだね。 森俊之のキーボードも鮮やかに広がっていきます。歌詞もまた、いろいろな意味を持ち合わせているようで。
5. 青空 (album version)
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
ドラマティックなオープニングで始まるナンバー。打ち込みの淡々とした雰囲気に対して、スガシカオのヴォーカルが生を感じさせるミディアムバラード。 瑞々しくて濃厚なギターの音がいい味を出してくるね。タイトル「青空」のように、まさしく青々とした曲だね。どこまでも広がっていきそうに響かせる。
アルバムでは、ちょっとライトなアレンジになったかな。サビもだいぶ印象が変わるね。そして、20秒ほど長くなっています。
6. Go! Go!
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
スキャットの軽快なイントロ。そして、ゆったりまったりと聞かせる小粋なファンクチューン。 歌詞もまた絶妙なんだな。この関係性はどうなの?Go! Go!というタイトルの如く、イケイケという勢いが出そうで、まだ出ないんだな。
7. サヨナラ (album version)
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
スガシカオ、レコード会社移籍第1弾シングルは、これぞスガシカオな1曲。ファンクでグルーヴィーで、ねっとりまとわりついてくるようなサウンド。 逆に気持ち良さを届けてくれる。セクシーなギターの音といい、熱くぶつけてくる。ブラスの濃くて熱い音といい、とにかく味がこぼれ落ちてくる。大人な別れの歌を聞かせてくれます。
8. あだゆめ
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
小粋なビートを携えて展開するポップなグルーヴチューン。随分と歌詞が暗くて、いつものスガシカオのエグい部分が出ていますね。 それでいて、サビはキャッチーで爽やかさを放ってくるんだ。程よくグルーヴィーでかっこいいね。
9. はじめての気持ち
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
友達の妹を好きになってしまう主人公の気持ちを清々しく歌うサビが印象的なファンクチューン。メロディパートとサビパートのギャップがいい味を生み出します。 COILの岡本定義がギターで参加しているところにも注目の1曲。
10. 気まぐれ (album version)
written & produced by スガシカオ co-sound produced by 森俊之
しっとりアコースティックギターでの弾き語りのように聞かせてくれるバラードナンバー。 静かの中のギターの音使い、そしてスガシカオのハスキーなヴォーカルが夜を染めてくる。2番からはノイズのような音が加わっては、希望と不安が入り乱れるかのような印象かな。 「サヨナラ」と両A面扱いでのシングルリリース。アルバムでは生のストリングスが加わって、より壮大で味わいが出てきましたね。
2-1. ぼくたちの日々
頭から渋さが大爆発。ブルースだねぇ。その後は味わい深い演奏とヴォーカルで、じっくりと聞かせてくれます。 ラストでのスガシカオのシャウトのようなヴォーカルに、味を感じますね。
2-2. THEME OF FAMILY SUGAR
バンドのテーマソングということで、これまた玄人な味わいの演奏を聞かせるパフォーマンス。 バンドの一体感もよく出てきて伝わってくる。お客さんたちも、その音に呑み込まれているようだ。
●Live Album『THE BEST HITS OF LIVE RECORDINGS -THANK YOU-』● '03/11/5 release
スガシカオ、初となるライブアルバム。まさしくベストなパフォーマンスで、お客さんたちも大いに盛り上がっている様子が窺えるね。 最新アルバム「SMILE」からのナンバーもあり、デビュー曲もあり、とにかくバンドとの一体感で脂の乗ったスガシカオのパフォーマンスがとことん楽しめます。 時に「Thank you」での「ファンクが好きなんじゃないの?」なんて挑発、さすがだね。お客さんの楽しさも伝わってきますよ。 全13曲をCDに詰め込んで聞かせてくれるんだけれども、これは是非とも生で聴きたくなる、ライブに行きたくなる、そんな作品です。 初回盤には、ライブパフォーマンスを収録したDVD付きの2枚組仕様。CDとかぶるナンバーも数曲あるけれども、なかなか見応えのあるライブパフォーマンス。 楽しいんだ。見て良し、聴いて良しな作品ですね。
イントロから大歓声のM-1。「お待たせ」なんて声もかけては、濃厚な時間が流れる。サビでは重たくパンチの効いた演奏でヴォーカルをぶつけてくるぞ。 弾けるM-2。リズミカルなビートが色気を出しては、クールに聞かせてくれる。そして、サビではパッと明るくなるのが好き。爽やかさがあるね。 ヒットシングルM-3。より熟しては、メロウなパフォーマンスを聞かせてくれる。とろけそうだね。ラストまで聞き入ってしまいますよ。ラスト、歌い終わって拍手が響き渡る。 シングルナンバーM-4。これまた濃厚で、ねっとりとした曲に世界へ連れて行ってくれるパフォーマンス。ムードたっぷりで、スガシカオのヴォーカルもセクシーに響き渡る。 「次の曲も暗いよ」と自虐を言ってM-5。歌が入ると大盛り上がりじゃないですか。
ポップに聞かせる弾けるロックチューンM-6。バンド1つ1つの音も前に出てきてアピール。これがまた、それぞれ魅力を放出しては熱を出してくるね。 代表曲M-7も、渋さ全開に聞かせてくれるパフォーマンス。染み渡るグルーヴに惚れ惚れさせてくれるね。瑞々しく引き込んでくるんだな。 SMAP提供曲のセルフカバーM-8。これまた、スガシカオな味わい、ムードが漂うね。いいね、魅力的。染め込んでくる。まったりと心地よく展開。 しっとりテイストで聞かせてくれるM-9。こちらもギターの音がゆっくりまったりと広がりを聞かせてくれる。そして、このスガシカオのヴォーカルに吸い込まれていくんだな。 シングルナンバーM-10。語りかけてくるようなヴォーカルで始まり、しゃがれたヴォーカルも広がりを見せる。サビの広がったサウンド、力強いのに繊細さも感じられて、かっこいいんだな。壮大ですね。
手拍子も沸き起こってM-11。ノリノリなテンポで楽しく聞かせてくれます。間奏での手拍子の嵐がいい感じだね。ラストもかなり勢いが押し寄せてくるね。 さらにファンクでポップにM-12。スガシカオ本人もとにかくノリまくっているね。熱が伝わってきます。 これまた、ゴリゴリな音で魅了してくるM-13。これぞスガシカオな音をストレートにぶつけてくる。ヘビィで濃い音に吸い込まれていくね。そして、かっこいいパフォーマンスにのめり込む。間奏では「ファンクが好きなんじゃないの?」なんて挑発も。ラストの演奏はすごいことになっているぞ。
[DISC 2:DVD]
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●6th Album『TIME』● '04/11/17 release
6枚目のオリジナルアルバム。前作「SMILE」でも聞かせてくれた濃厚ファンクとポップの融合をさらに進化、深化させるような作品で、じっくりとスガシカオの時間を味わうことができる作品です。 「秘密」「クライマックス」「光の川」と、タイプもバラバラなシングルを筆頭に、じっくりバラード、軽やかロックチューンなど、いい濃さ、いい演奏で魅了してくるんだな。 時に変態チックだったりも。ただ、ラスト「風なぎ」だけはちょっと重たい雰囲気を出してきますね。遠回しに「死」を扱っているようで、今までのスガシカオとはちょっと違う切り口かな。 さて、今回は初回盤として、DVDを付属。アルバム「TIME」の世界を味わえる内容は、シングルのビデオクリップなどを中心に見せてくれます。
“TIME”~History of SUGA SHIKAO 2004~
1. サナギ
written and produced by スガシカオ
どっしり演奏とクールなプログラミングが交差するミディアムチューン。ギターの瑞々しい音に呑み込まれては、スガシカオのヴォーカルがこれまた濃厚に広がる。 そして、この歌詞がまた絶妙だな。美しい蝶になるのを夢見る、蝶になる手前の状態をうまく表現するスガシカオの世界に浸れます。
2. カラッポ
written and produced by スガシカオ
カラッとしているサウンドと軽やかなスガシカオのヴォーカル。しかし、曲の世界は随分と濃ゆいぞ。 ボインのピンナップ、死んでしまった友達の写真、やけくそで寝たバイト先の女店長などなど、カラッポなことなんだとか。 なんだかんだの歌をじっくりと、演奏がいい味を出しているよね。ドラムは沼澤尚だ。
3. 光の川
written and produced by スガシカオ
コンスタントにシングルリリースを続けるスガシカオ。こちらはプログラミングビートをうまく活かして、クールな味を出すミディアムチューン。 小粋なギターも鳴らしては、独特のグルーヴを放ってきます。そして、スガシカオのハスキーなヴォーカルも包み込んでくる。 思いの残る君の姿を追いかける主人公です。片想いなのか、別れてしまった相手なのか、独特の表現をしてきます。
4. アーケード
written and produced by スガシカオ
しみじみしたミディアムチューン。日常を切り取るようなスガシカオの歌詞が、淡々としたトラックに載せて届いてきます。 意外にもギターの音が濃ゆいな。そして、ハスキーヴォーカルも味を出す。君と僕。もう、誰にも邪魔されない関係で夜に堕ちてゆく。
5. クライマックス (album version)
written and produced by スガシカオ
スガシカオ流サマーソング。ファンクをベースに、スタイリッシュで爽やかなサウンドを届けてくれるロックチューンです。 そこにブラスも加わっては、熱く盛り上げてきます。ヴォーカルは比較的落ち着いている感じかな。歌詞がまた切ないな。でも、全くそんな感じをさせないポップチューンだ。 アルバムバージョンでは、ラストでブラスが物を言うんだ。
6. June
written and produced by スガシカオ
軽やかテンポで聞かせてくれるポップなロックチューン。味を出すキーボードの湿り気がポイントになる。 一転して、サビでは清々しさを出してくる。梅雨の6月なのか、梅雨は明けているのか、独特の歌詞の世界とともに新しい世界を綴るスガシカオの歌詞が染み込んできます。
7. あくび
written and produced by スガシカオ
ゆったりテンポのナンバーは、どこかしらレゲエ調の雰囲気を出しては、随分とリラックスした味わいで聞かせてくれます。 歌詞がまた不思議。リアリティもあるし、非日常感もあるし。夜中にミカン売りって?隣に住む女の笑い声が聞こえるほどの壁の薄さ?そんな寝不足な主人公の物語です。
8. 魔法
written and produced by スガシカオ
濃厚どっぷりビートをベースに、聞かせるファンクロックチューン。いいね、この粘度。右の手から消えない女の匂い。腐った魚の匂いという表現もすごいな。 そして、魔法の薬が登場。危ない歌なんだな。
9. 秘密
written and produced by スガシカオ
濃いイントロをガツンと聞かせてくれるスガシカオ。何かひねっていて、何かこねくり回して、引きずり込んでくるような歌。 僕と君の秘密の関係。こういう妖しさを出してくる歌詞は、さすがスガシカオだね。サビは意外にキャッチーさや爽やかさを感じさせるマジック。
10. 風なぎ
written and produced by スガシカオ
アルバムのラストを飾るアコースティックバラードナンバー。しっとりと深みのあるギターの音と、しみじみ語るように歌うスガシカオのヴォーカルが印象的です。 歌詞が重いね。突然の別れ、そして残された方の気持ちを代弁するかのように、いや残された方の気持ちそのままに、歌詞に乗せて届けてきます。グッとくるね。
[DISC 2:DVD]
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●7th Album『PARADE』● '06/9/6 release
7枚目となるスガシカオのアルバムは、シングル「午後のパレード」と同時発売。今回のアルバムの印象は、もうタイトルの如く、お祭りだね。 ポップでロックでファンクで、いろいろなスガシカオの音も楽しむことができます。「奇跡」「夏陰 ~なつかげ~」「19才」「真夏の夜のユメ」「午後のパレード」と、5曲もシングルナンバーを収録。 さらに、追加でkokua名義で発表した「Progress」も収録と、とにかく大盤振る舞いです。 爽やかに「奇跡」で聞かせてくれると思ったら、濃厚でちょっと妖しい「19才」「38分15秒」と言う流れから、もうノックアウト。お馴染みファンクチューンもアグレッシヴにぶつけてきて、とにかく強力。 全体的にはキャッチーさをベースにしているので、初期のようなドロドロでディープな味わいが好きな人には、ちょと物足りなさはあるのかな。 初回盤は、PVなどを秋露k空いたDVD付きの2枚組仕様と豪華な内容になっています。
1. 奇跡
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
何と3曲A面と言う、超強力なシングルをぶつけてきたスガシカオ。かなり勢いが出ていますね。 こちらの曲は、ドラムンベースを思わせるようなプログラミングビートが印象的。スガシカオ史上、最速BPMだそうで、かつ夏の爽やかさを思う存分に味わうことができるナンバーでもあります。 本当に奇跡が起こりそうな予感。キャッチーさもぶつけてきては、スタイリッシュでかっこいいね。
2. 19才
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
重たくもビートが軽やかで、無機的に放たれるこのトラック。妖しくもスガシカオらしさ満載の1曲。 ジャカジャカとギターも加わったり、キーボードの音も加わって、まろやかに仕上げてくるかと思いきや、濃さがますます出てくる。「サナギ」からの「クロアゲハチョウ」になって、愛されたい。 主人公の思いが色濃く出ています。それでいて、キャッチーさもしっかりと届けてくる。
3. 38分15秒
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
これまた濃いトラック。ドラムンベースを感じさせるようなビートとエッジの効いたギターがほとばしる。 通話時間38分15秒の物語。この間のやりとりが濃いね。その中の20秒はキスの時間。久しぶりにセクシーな歌詞が踊り狂う1曲です。
4. 斜陽
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
リズミカルなビートでファンクな音とポップに聞かせてくれるロックチューン。 僕と君の物語なんだけれども、どこかポツリと切なさを感じさせてくれます。
5. 夏陰 ~なつかげ~
written by スガシカオ sound produced by 亀田誠治
切ないメロディと美しきサウンドにうっとりさせられるバラードナンバー。 もうストリングスがずるいんだ。涙を誘ってくる。そして、いつもよりも切なさを含むスガシカオのヴォーカルに、さらに痺れる1曲。 シングルとしてカットされるほどに、惹きつける力のある1曲。そして、亀田師匠の音なわけですよ。
6. タイムマシーン
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
これぞスガシカオのファンクポップチューン。この勢いのある沼澤尚のドラムがかっこいいんだな。 ふとしたことで過去のことを思い出しては、後悔していたということで。やり直しが効く将来は望まない、1日の人生をしっかりと生きてみようというスガシカオが説いています。
7. Rush
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
さらに濃い味を出してくるファンクチューンをお見舞いだ。この歌詞もまた、独特。「不幸の手紙」が歌舞伎町で帰るっていうお話ですよ。 サビはキャッチーに。ブラスの勢いも出まくってクールだね。
8. Hop Step Dive
written by スガシカオ sound produced by 亀田誠治
突き抜けるような爽やかさと、濃い演奏が絡み合うロックチューンです。でも、歌詞がまた濃いね。 悲しみが巨大化したり、死んでしまった奴よりも生きたいと願えと歌ったり。とにかく前へ進め。今を生きろと背中を押してくれるようなスガシカオです。
9. 真夏の夜のユメ
written by スガシカオ sound produced by 亀田誠治
イントロで美しいストリングスが飾っては、ドラマティックに。しかし、ギターがざらりと入ってくると、ちょっと物悲しさが漂ってくる。 スガシカオのヴォーカルも、どこか暗くて、語るようにじっくりと聞かせてくれます。真夜中、何も見えないところで浮かぶ君の存在が鮮やかに映えるラブソング。 ストリングスがとにかく美しい。今回は亀田師匠によるプロデュースですよ。
10. 7月7日
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
七夕みたいな内容の歌だそうで。ただ、作ったのは6月6日と、本人談。アコースティックギターを奏でて、じっくりと聞かせてくれます。 デモテープを使用していることもあり、生を感じさせるし、ヴォーカルもちょっといつもと違う感じで。
11. 午後のパレード
written by スガシカオ sound produced by 屋敷豪太
これまでのスガシカオの中でも、一番ポップでキャッチーで曲のあるトラックだね。ストリングスが優雅に踊り、ビートが弾みまくるんだな。 この陽気なメロディ、ファンク要素もあって、突き抜けてゆくポップなディスコチューン。さすがは屋敷豪太のプロデュース。 ホノルルで見た謎のパレードをモチーフにしているとのこと。なぜに午後なのか。今日は僕のところで、明日は君の街で行われるそうだ。 謎が謎を呼ぶ歌詞に呑み込まれます。まぁ、それ以上に謎ダンスのPVにも呑み込まれるんだな。
12. Progress <Family Sugar Version>
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
NHKの番組テーマソングとして、kokua名義で発表したナンバーのセルフカバー。 オリジナルは結構ロックな音でどっしりと聞かせてくれたけれども、こちらのバージョンは、まったり温かさが漂うね。言葉を語るかのような、届けるようなそんな雰囲気。
[DISC 2:DVD]
こちらへ→☆☆☆
●Best Album『ALL SINGLES BEST』● '07/1/24 release
スガシカオ、デビュー10周年を記念しての初となるベストアルバム。リリースした逆の順で2枚組みのCDにシングルナンバーを収録。 時代を遡っては、スガシカオの歴史を紐解いていきます。オープニング「午後のパレード」から始まっては、いきなりポップでキャッチーな音を聞かせてくれるけれども、 その後は濃厚ファンクナンバーなども登場しては、玄人な曲をたっぷりと聞かせてくれます。2枚目のディスクのオープニングは、SMAPに提供した「夜空ノムコウ」。 やっぱりこの曲の存在は大きいね。スガシカオの歌詞がしみじみ伝わってきます。そんな歴史を遡りながら、デビュー曲「ヒットチャートをかけぬけろ」の後には、 嬉しい新曲「春夏秋冬」を収録。ニュース番組のテーマ曲ということで、ごく日常のシンプルさを前面に出したバラード。これまた、スガシカオの味わいが出ているんだ。 これで10周年を祝ったスガシカオの次なる一手は、どういう風に出てくるのか。期待してしまうね。 初回盤は、デジパック仕様&本人によるライナーノーツを付属。楽曲に対する思いを、いろいろと知ることができます。
2-13. 春夏秋冬 (additional track)
written by スガシカオ sound produced by 森俊之
ニュース番組のテーマ曲として書き下ろしたナンバー。切ないメロディがしみじみと染み渡る始まりと、スガシカオの渋いヴォーカルに包み込まれる1曲。 ピアノの音といい、ストリングスといい、島田昌典のアレンジがうまく効いていますね。シンプルだけれども、リアルな歌詞だからこそ、響いてくるものがあります。いい曲だ。