album

Mini Album『TWINKLE NIGHT』● '85/11/28 ('00/3/23、'07/3/21、'13/2/20) release

TM NETWORK、初となるミニアルバム。シングル「YOUR SONG」で初めてのタイアップがついた、OVA「吸血鬼(ヴァンパイア)ハンターD」の世界を表現したような作品。 そのシングルは、新たなミックスが施されては、コンパクトで聴きやすくなっています。タイトルチューンはポップに弾けるし、小室哲哉によるインスト組曲も、その世界をじっくりと表現してきます。 でも、このアルバムでは、やっぱり「ELECTRIC PROPHET」の存在の大きさだよね。後にも先にも、ファンからの支持を一番集める名バラードが、ここに誕生しているわけで、聞き逃せない1枚です。

1. YOUR SONG (TWINKLE MIX)

作詩:小室哲哉、木根尚登 作曲:小室哲哉、木根尚登 Arrangements by Tetsuya Komuro

TM NETWORK、初のタイアップシングルナンバー。ピコピコシンセポップにどっしりバンドサウンドも加わって、なかなかかっこいい曲ですね。 メロディアスなサビパート、とってもドラマティックなところは、タイアップの世界を意識しているのかな。 シングルでは間奏で力を発揮させてくるような展開です。

アルバムでは、F.O.の約4分。間奏での延ばしはなく、すっきりコンパクトな仕上がりで。

2. 組曲 VAMPIRE HUNTER D

魔物たちの夜 ~Dのテーマ (登場)~吸血鬼リイ伯爵 ~Dのテーマ (別れ)~約束 (パート II)

作曲:小室哲哉 Arrangements by Tetsuya Komuro

「VAMPIRE HUNTER D」の世界を組曲にした、小室哲哉マジック。しなやかな始まりから、戦いのような勇ましさ、優しさなど、 色々なシチュエーションを呼び起こすかのような世界で、迫力があります。聞き応えもあります。

3. TWINKLE NIGHT (あるひとりのロマンティストの生誕)

作詩:西門加里 作曲:小室哲哉 Arrangements by Tetsuya Komuro

アルバムのタイトルチューンは、ポップに弾けるナンバー。でもって、ドラマティックな世界を描き出す西門加里の歌詞もまた、乙だね。 キラキラ煌めく雰囲気が眩しいです。間奏の音使いがまた、いいんだ。特にブンブン唸るベースの音が胸を打つ。

4. ELECTRIC PROPHET (電気じかけの予言者)

作詩:小室哲哉 作曲:小室哲哉、木根尚登 Arrangements by Tetsuya Komuro

TM NETWORKと言えば、この曲というくらいにファンからの支持が高いバラードチューン。 ストーリー性のある歌詞は、この後に発表される「Carol」に通じつものがある、ドラマティックなものだし、アンビエントテイストのトラックは、しんみりほっこりと、じっくり聴かせてくれる。 涙を誘ってくるじゃないですか。宇都宮隆のヴォーカルが切々と響いてきますね。語りのように、まるでフォークソングのようなインパクトもあります。

3rd Album『GORILLA』● '86/6/4 ('00/3/23、'07/3/21、'13/2/20) release

TM NETWORKの通算3作目となるオリジナルアルバム。暴れるアルバムを目指し、シンセやドラム、サックスなどを投入し、がっつり聴かせてくれるような仕上がり。 また、「FANKS」という言葉がここに初めて登場しては、今後のTM NETWORKのスタイルの礎を築くような作品です。 シングル「Come on Let's Dance」の勢いそのままに、「NERVOUS」や「You can Dance」「雨に誓って ~SAINT RAIN~」など、弾んだ楽曲で引き込んできます。 一方で、「Confession ~告白~」や「SAD EMOTION」など、しっかりとキネバラで訴えかけてくるところもあります。 何はともあれ、このタイトル「GORILLA」のインパクトだよね。ジャケットも合わせて、かなり強烈な作品です。

1. GIVE YOU A BEAT

作詞:小室哲哉、木根尚登 作曲:小室哲哉、木根尚登 編曲:小室哲哉

シンセサウンドによるゴージャズな幕開け。「FANKS」を迎えるためのイントロダクションで、ヴォーカルをループさせては、サンプリングのごとく、 次曲へとつなげてゆく。

2. NERVOUS

作詞:川村真澄 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉

サックスの音やコーラスの暑さにゴージャス感を漂わせるポップな1曲。サビのキャッチーで一気にノックアウトなトラックです。 激しくもメロディアスな部分が染み込んでくるよう。宇都宮隆もノリを出しながら歌っていますね。あ・うん。ギターも何気にジャカジャカと響いています。

3. PASSENGER ~a train named Big City~

作詞:西門加里 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉

冒頭からラップ炸裂で、驚かされる1曲。ビートもアグレッシヴに、グルーヴを感じさせた後に、サックスでお見舞いだ。 踊る1曲。ファンクでグルーヴィーで、かなりのはじけっぷりだね。コーラスも前に出してきては、盛り上げてきます。ここだけニューヨークだね。

4. Confession ~告白~

作詞:西門加里 作曲:木根尚登 編曲:小室哲哉

濃さたっぷりのオープニング。さすがは木根尚登が手がけたバラード=キネバラ。そこにドラマティックな西門加里の歌詞が魅力を増してゆく。 構成もちょっと単純ではないから、より一層訴えかけてくるものがあるね。

5. You can Dance

作詞:西門加里 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉

冒頭からも派手派手な攻勢を仕掛けてきては、もろにノックアウト。シンセだほーんだと、とにかくこの勢いにやられます。 そのままアップテンポの波を泳いでいく。この曲で踊らないわけにはいかないね。

6. I WANT TV

作詞:竹花いち子 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉

この曲も、なかなかダンサブルな1曲。ポップに弾けるビートと、スパイスを入れるギターの音がポイントになるアップチューン。 サビは一転してドリーミングなテイストもあって、聞き入る1曲だね。

7. Come on Let's Dance

作詞:神沢礼江 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉

TM NETWORKのダンスポップがうまく構築されているナンバー。勢いがありながらも、キャッチーに仕上げて聞かせる。 そして、ノリを出して引き込んでくるメロディラインでノックアウトだ。印象的な女性コーラスは、なんと渡辺美里。当事両者がコーラスしあっていたなんて、いい話だよね。 とにかく踊るための1曲だ。サックスも印象的に響き渡ります。

アルバムでは、コンパクトなサイズになって、フェイドアウトしていった。

8. GIRL

作詞:神沢礼江 作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉

イントロからしてクールで、とってもドラマティクな感じを出すミディアムチューン。じっくりと聞かせてくれるように歌う宇都宮隆のヴォーカルも、落ち着き感たっぷり。 ストレートなラブソングをじっくりと聞かせてくれます。アルバムリリース後にシングルカットされた1曲です。

9. 雨に誓って ~SAINT RAIN~

作詞:西門加里 作曲:小室哲哉、木根尚登 編曲:小室哲哉

なんか、イントロからして勢いを出しまくっているな。華やかに弾けるシンセの音に、ウキウキワクワクさせてくれるアップチューン。 その勢いのままに、サビに突入すると、メロディアスなラインも生きてくるね。ポップでキャッチーなTM NETWORKをうまく体現する1曲だね。

10. SAD EMOTION

作詞:神沢礼江 作曲:木根尚登 編曲:小室哲哉

アルバムのラストを締めるのは、バラード。もちろん、木根尚登が手がけるキネバラですよ。静かに、しっとりと響き渡るサウンドをバックに、 切々と語りかけてくるような宇都宮隆のヴォーカルが染み渡ります。とにかく切なく悲しみのあるナンバーです。

4th Album『Self Control』● '87/2/26 ('00/3/23、'07/3/21、'13/2/20) release

前作「GORILLA」でFANKSを確立させたTM NETWORKが、約9ヶ月ぶりに放つ4枚目のオリジナルアルバム。前作をさらに進化させ、 3人の役割を前面に出して来た力作。全10曲という曲数に物足りなさはあるけれども、1曲1曲に副題が付いていて、曲の世界をよりディープに味わうことができます。 オープニングを飾るインストナンバー「Bang The Gong」から、一気にTMの世界に引き込まれます。 シングル「Self Control」「All-Right All-Night」のキャッチーさで引き込み、「Spanish Blue」で情熱的に躍らせて、 「Time Passed Me By」「Fool On The Planet」で、じっくりキネバラの世界に浸る。そして、ラストの「Here, There & Everywhere」がロマンティックすぎて涙です。 コンセプチュアルというわけではないけれども、まとまりのある作品だね。これがまだ4作目のオリジナルアルバムというのも、意外なくらいに素晴らしい作品です。 名盤。ジャケットの木根尚登が、サングラスを外しているという点もポイントだね。

1. Bang The Gong (Fanks Bang The Gongのテーマ)

作曲・編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

オープニングを飾るインストナンバー。きらめくサウンドと力強いビートをまとって、アルバムの世界を導き出す1曲。 インストなのに、歌が入ってもいいくらいにかっこいいです。

2. Maria Club (百億の夜とクレオパトラの孤独)

作詩:小室哲哉 作曲:小室哲哉、木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

福岡のディスコにちなんだ1曲だそうで。イントロはマイナー長だけれども、本編のメロディはとってもポップ。 シンセサウンドの味付けに親しみやすさを感じるナンバーだね。キャッチーなメロディとフレーズを畳み掛けて来て、引き込んで来ます。 間奏から入ってくるアグレッシヴなギターの音もポイントですね。

3. Don't Let Me Cry (一千一秒物語)

作詩:神沢礼江 作曲・編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

アップテンポのナンバー。イントロは煌めいて始まります。本編は緊迫感と疾走感を伴って、クールに展開していきます。 サビでのスピーディーなメロディと、畳み掛けてくる歌詞にグイグイと引き込まれていきますね。歌詞、メロディ、サウンドで一気に曲の世界を放出する。

4. Self Control (方舟に曳かれて)

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

「All-Right All-Night」に続くシングルナンバー。もともと、シングルとしてカット候補ではなかったものの、今ではすっかりTMになくてはならない曲となっています。 イントロのシンセの和音といい、メロディパートの畳み掛けてくるウツのヴォーカルや、Bメロの「アダムとイヴ」と「ボニー&クライド」の登場もポイントとなるね。 そして、サビでの「Self Control」のフレーズとキャッチーなメロディ、ポジティヴな歌詞が胸に響いて来ます。

5. All-Right All-Night (No Tears No Blood)

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

アルバム「GORILLA」後のシングルとしてカットされたナンバーは、ブラスのようなシンセの音とカッティングギター、 そして早口のヴォーカルで歌詞を畳み掛けてくるスタイルで聞かせてくれるアップテンポチューン。 めまぐるしい流れの中でも、キャッチーな要素はきちんと押さえていますね。勢いはあるんだけれども、もう少し、何かスパイスが欲しいかな。

6. Fighting (君のファイティング)

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

どっしりと聞かせるバラードナンバー。緊迫感やクールな雰囲気を出し、ウツの力強いヴォーカルが、まさしく何かと戦っているかのような感じだね。 サビ前に出てくる躍動感に、聞いているこっちも鼓舞されるようだ。間奏でのサックスもかっこいいぞ。

7. Time Passed Me By (夜の芝生)

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

これぞキネバラな、安らぎを与えてくれるような優しいメロディに、小室みつ子の幻想的な歌詞が躍るバラードチューン。 何よりも、サビのコーラスワークにうっとりさせられるんだよね。涙が出てくるような感動のナンバーです。

8. Spanish Blue (遥か君を離れて)

作詩:小室みつ子 作曲:小室哲哉、木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

タイトルさながら、ラテン要素を盛り込んで来たアップチューン。 イントロの手拍子も情熱的に。歌詞もスペインが舞台になっていて、コルドバやセビリア、バルセロナなどが登場して来ます。 サビのリズミカルで響き渡るところも、ノリがあってかっこいいんだ。間奏明けの一瞬のブレイクポイントがたまらないね。

9. Fool On The Planet (青く揺れる惑星に立って)

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

こちらもキネバラ。イントロのピコピコした感じは宇宙的な雰囲気が出ていますね。 周りからどう言われようとも、夢に向かってひた走る様子は、背中を押してくれるような力強さが伝わって来ます。間奏、そしてアウトロでサックスが響き渡って、大きく盛り上がりますね。

10. Here, There & Everywhere (冬の神話)

作詩・作曲・編曲:小室哲哉 Produced, Arranged and All Keyboards Performed by Tetsuya Komuro Co-produced by Yohji Kosaka

アルバムのラストナンバーは、作詞・作曲・編曲全てを小室哲哉が手がけた名曲ミディアムバラードチューン。 この曲をすでに10代のことに制作されていたというから驚きだよね。冬の神話、星座の物語を下地に、ロマンティックな歌詞が広がって展開するお話です。 1番Bメロからサックスが入って来ては、最後まで盛り上げてくれるんです。離れていても、同じ星座を見ているというこの感じ、いいですね。

Best Album『Gift for Fanks』● '87/7/1 ('91/9/5、'07/11/21) release

TM NETWORK初となるベストアルバムが登場。アルバム「Self Control」、シングル「Get Wild」と、立て続けにヒットを記録したタイミングでの登場は、 いい流れとなりましたね。デビューからこれまでリリースした曲からの選曲は、シングル、アルバム曲、それぞれを代表するナンバー。 これでもかというくらいに、TM NETWORKを体現するダンスポップチューンのオンパレードで、あらためて小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の3人のバランスが保たれていますね。 おなじみ「Get Wild」「Come on Let's Dance」「1974 (16光年の訪問者)」「Self Control (方舟に曳かれて)」 や、 キネバラ「1/2の助走」「Confession」なども収録。初期TM NETWORKを振り返るにぴったりな1枚となりました。

2007年には、DVDを付けて2枚組で再登場。ただ、「Self Control」と「Get Wild」2曲のPVを収録しただけという、お粗末な内容。 なぜこのタイミングでのリリース?ということも疑問だし。中途半端な形となっている印象です。

1.

2.

DVD (2007年リリース盤)

Self Control

Get Wild

1. Self Control

廃工場にたむろする子供達。そこにウツが登場。そして、自分の描いた絵を見る子供達の合間を縫って、歌って踊るウツ。 小室哲哉もクールに登場。ただし、木根尚登は最後にちょろっとだけの出演。

2. Get Wild

ライブ映像と、香港の映像を組み合わせてみせるPV。 街中で静止して、周りの人の邪魔になっているね。3人で話したり船に乗ったりと、色々とやっています。

5th Album『humansystem』● '87/11/11 ('00/3/23、'07/3/21、'13/2/20) release

前作オリジナルアルバム「Self Control」、そしてシングル「Get Wild」、初のベストアルバム「Gift for Fanks」が立て続けにヒットを記録した TM NETWORK。前作からも、たったの9ヶ月で届けられた5作目は、やっぱりTM節満載のダンスポップを中心に聞かせてくれます。 これまでのTMらしさを見事に裏切った「Kiss You」は、“more rock”で新たなバージョンで。 また、このアルバム発表後には「Resistance」がシングルでカットされました。タイトルチューン「Humansystem」に至っては、 ピアノ曲「トルコ行進曲」を組み込んだり。オープニングを飾る「Children of the New Century」、そして「Be Together」は、のちにカバーされたりと、 なかなかツワモノ揃いの楽曲で構成されています。全体的な世界観もTM NETWORKの持つ近未来な部分、少年少女の物語みたいで、かっこいいね。 クリスマスソングあり、キネバラあり、インストあり、とにかくヴァラエティ豊か。木根作曲なのに、ポップなアレンジで聞かせてくれる曲もあって、楽しめます。 東京、そしてロサンゼルでのレコーディングを経て完成した秀作ですね。 ただ、M-10「Dawn Valley」からM-11「This Night」の流れ、曲名的には夜明けの後にまた夜が来るってなんか変だよね。そこが突っ込みどころ。

1. Children of the New Century

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

アルバムのオープニングを飾る、サイバーでスペイシーながら、ロックテイスト溢れるナンバー。 エッジの効いたギターがうねりを上げる。そしてサビが始まると、ポップビートが弾んで、TMの新しい世紀が始まる。 Aメロはしっとりサウンドで聞かせる仕様。随分とダイナミックなサビの展開に、グイグイと惹かれるね。しかも、とってもキャッチーなメロディ。

この何年か後には、小室哲哉がプロデュースを手掛けた女性シンガー、tohkoがカバーしています。

2. Kiss You (More Rock)

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

「Self Control」「Get Wild」と立て続けにヒットさせたTM NETWORKが、次の展開へ。 なんとラップを取り入れたファンキーポップチューン。ホーンの勢いも良くて、まさかこういうトラックをこの流れでシングルにするとは。 うまい具合に裏切った感じで、面白いです。HIP-HOPなトラックと、かき鳴るギターがクールだ。 それでいて、キャッチーナンバー。デジタルな世界を切り取る小室みつ子の詩の世界も、TM NETWORKらしさを出しています。

アルバムでは、“more rock”ということで、どっしりドラムが迫力を感じさせる。パンチが効いていて力強さがアップ。でもって、カットアウトバージョンです。

3. Be Together

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

実はシングルナンバーではないんだけれども、有名なのはやっぱりのちに鈴木あみがカバーしたからかな。 オリジナルでは、F.I.でドラマティックに。スペイシーで、とってもスタイリッシュなポップアレンジ。それでいてキャッチーなメロディなのは、 さすが小室哲哉だね。オリジナルの方が疾走感があって、かっこいいんです。ライブでは、サビ前のブレイクでクルッと回る姿をよく目にします。これもまた、かっこいい。

4. Human System

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

アルバムのタイトルチューン。あれ、どこかで聞いたことのあるメロディかと思ったら、モーツァルトの「トルコ行進曲」を組み込んできました。 これは面白いね。切ないメロディに乗せて、少年少女を主人公とした歌詞がまた、いいんだよ。さすがはTM NETWORKの世界。 煌びやかでメロディアスな中、宇都宮隆の切々と歌いあげるヴォーカルにグッと惹かれます。サックスの音も味が出ているね。

5. Telephone Line

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

来ました、キネバラ。小室みつ子のストーリー性溢れる歌詞を盛り上げるバラードチューン。 どっしりと構築するサウンドをバックに、切ないメロディを聴かせるんだな。 それを宇都宮隆がさらに切なく歌い上げる。なかなか相手に伝えられない、というお話です。ダイヤルを回すという表現が、時代を表しています。

6. Leprechaun Christmas

作詩:小室哲哉・小室みつ子 作曲:小室哲哉・木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

随分とポップに弾けたナンバーで、ウキウキノリノリなミドルテンポのナンバー。 こんなに陽気なクリスマスソングを投入するとはTM NETWORKの幅の広さがうかがえるね。ダンスビートとエッジの効いたギターの音が、 逆に斬新に思える。それこそ、そこまでクリスマスしていないところがいいのかもね。

7. Fallin' Angel

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

オープニングから、アップテンポのビートでポップに展開するナンバー。歌が入ってきても、かなり突っ走るね。 木根尚登の作曲だけれども、疾走感のあるアレンジで、かっこ良く聞かせてくれます。サビもキャッチーで、天使が歌詞に出てくるだけあって、どこかしら幻想的な雰囲気もありますね。

8. Resistance

作詩:小室みつ子 作曲・編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

「Kiss You」と、どちらがアルバムの先行シングルにするか迷った挙句、シングルとして見送られたけれども、 ドラマ主題歌として、アルバムからリカットされるという流れとなった強力ナンバー。これぞTM NETWORKなダンスポップで、ちょっとグツグツ煮込んだようなビートが、逆に緊迫感を生む。 そこにどっしりドラムが入ってきて、力強さがどんどんと出てくる。これぞレジスタンス。元々バラードを想定していたらしいけれども、アップテンポバージョンで届けられました。 ちなみに、バラードバージョンは、のちに小室哲哉がソロアルバムにて披露しております。

9. Come Back to Asia

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

木根尚登が作曲を手掛けたミドルチューン。アジアの壮大な大地をテーマに描く小室みつ子の歌詞から醸し出す大作感。かっこいいね。 小室哲哉のアレンジも、シンプルなパートから、ダイナミックへ移っては、力強さを出す。かっこいいナンバーだ。しかし、落ち着いた感じがハンパないね。

10. Dawn Valley (Instrumental)

作曲・編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

インストナンバー。小室哲哉のピアノ業をじっくりと堪能できる。 優しいメロディラインが時に力強さを交えて。途中から入ってくるFlugelhornが、淡く優しく鳴り響きます。それにしても、夜が明けたのに、次の曲でまた夜になるとはね。

11. This Night

作詩・作曲・編曲:小室哲哉 Produced & Arranged by Tetsuya Komuro

アルバムのラストを飾るミディアムチューン。小室哲哉が作詞・作曲・編曲を担当。クリスマスや冬の情景を出しつつ、切なさや寂しさを出してきました。 宇都宮隆のヴォーカルも、どこかしら儚さがあるね。夜というシチュエーションが、ドラマティックに味付けしています。 コーラスやサックスの演出もまた、うっとりとさせてくれますね。

6th Album『CAROL ~A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991~』● '88/12/9 ('00/3/23、'07/3/21、'13/2/20) release

TM NETWORKにとって、1番の名盤と呼び声高いアルバム。こちらはオリジナルとしては6枚目。壮大なストーリーを組み込んで、音から歌詞から物語が進行していく。 ライブや小説と合わせて、メディアミックスの先駆け的な作品なのですよ。イギリス・ロンドンで録音されたこだわりの音で、TM NETWORKの物語も流れる。 アニメ映画の主題歌「Beyond The Time」や映画主題歌「Seven Days War」など、先に発表されたシングルも、このアルバムでミックスが施されて見事にCarolの物語の一部と化しているわけですよ。 先行ナンバー「Come On Everybody」は、まんまTM NETWORKなダンスポップで、アルバムの中で浮くんじゃないかと思いきや、見事に染まったわけですよ。 「Just One Victory」には「Chase In Labyrinth」を組み込んだりと、面白い構成になっていたり。最後の最後で名バラード「Still Love Her」が来る流れは、感動そのもの。 CD盤とLP盤では曲順も違うというこだわりを見せた、まさしくTM NETWORK最高到達地点な作品なんじゃないかな。

1. A Day In The Girl's Life (永遠の一瞬)

作詩:小室哲哉 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

ナレーションで幕開けるオープニングチューン。 そして、宇都宮隆のヴォーカルが入ってくると、ドラマティックなメロディで聞かせてくれます。1人の少女の人生が今、幕を開ける。

2. Carol (Carol's Theme I)

作詩:小室哲哉 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

テーマソングその1。ゆったりミディアムナンバーを、どっしりと聞かせてくれます。 小室哲哉のドラマティックなピアノの音が盛り上げる。松本孝弘のギターも、いい音を出していますね。いよいよ始まるCarolの物語。まさしくその世界が変わりそうなナンバーだ。

3. Chase In Labyrinth (闇のラビリンス)

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

アップテンポのポップチューン。程よい疾走感が心地よいね。キーが上がったり下がったりと、複雑な構成だけれども、 難なく宇都宮隆が歌い上げています。さすがです。とにかく「Carol」という歌詞が印象的。M-12「Just One Victory」の中でもリプライズ的に登場してくるつくりは、面白いね。

4. Gia Corm Fillippo Dia (Devil's Carnival)

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

副題通りに、カーニヴァルな雰囲気が出ていますね。 ポップに弾けるナンバーです。真っ直ぐ歌う宇都宮隆のヴォーカルも、発音が少しよかったり。物語の一篇を彩るような曲だね。

5. Come On Everybody

作詩:小室哲哉 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

イントロからダイナミックに。シンセの音がこれでどうだと言わんばかりに堂々とした音を届けてくれるシングルナンバー。 久しぶりに小室哲哉作詞のナンバーがA面に来ましたね。サビなんかは、とってもキャッチーで、踊りだしたくなりますね。 ギターが結構、音を効かせて聞かせてくれるけれども、ダンサブルなトラックに仕上がっています。サビ最後のキーボード滑らかな音階にうっとりさせられます。

アルバムでは表記はないけれどもバージョン違い。キーボードの音が柔らかくなっています。

6. Beyond The Time (Expanded Version)

作詩:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

アルバム「Humansystem」から次なる世界へ。TM NETWORKが放つシングルナンバーは、 劇場版ガンダムの主題歌。なるほど、宇宙的な空間が出ている、クールな雰囲気がかっこいいミディアムナンバーだね。 後半ではサックスも響いては、かっこいいんだ。アウトロで、さらに世界を作る1曲。最後まできっちりと聞かせてくれます。

アルバムでは新たなバージョンで収録。音が整った感じもする。フェイドアウト仕様です。

7. Seven Days War (Four Pieces Band Mix)

作詩:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

映画主題歌としてリリースされたシングルナンバー。見事なまでに映画の世界が出た歌詞が印象的なバラードに仕上がっています。 力強くもあり、思いを伝えるような宇都宮隆のヴォーカルがまたいいんだ。中盤でのコーラス、そこからの転調という流れで大きく盛り上がりますね。前をただ向いて生きていきたい。

アルバムでは、より音の厚みが加わったミックスになっている。コーラスもなくなっているね。これはちょっと残念かな。でも、アルバムの世界観に合わせたんだろうね。

8. You're The Best

作詩:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

ポップにコーラスとシンセの音が弾むナンバー。なんだか、まろやかな雰囲気が伝わってきますね。約5分半、じっくりと聞かせてくれます。 キャッチーなメロディで印象的なフレーズもあるのに、アルバムもとよりTM NETWORKの楽曲の中でもマイナーというか、埋もれてしまっている感があるな。

9. Winter Comes Around (冬の一日)

作詩:小室みつ子 作曲:木根尚登 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

イントロ無しで始まるバラードナンバー。さすがは木根尚登のメロディ。 “キネバラ”の決定版だね。じっくりと奏でられる小室哲哉のピアノからも、情が伝わってくるようで、間奏のコーラスやストリングスが曲を大きく盛り上げてくる。

10. In The Forest (君の声が聞こえる)

作詩:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

ピコピコポップな音と、キュイーンと響き渡るギターの絡みで聞かせるアップテンポチューン。 この曲も、サビでのコーラスが光る1曲だね。森の中から抜け出すような、走り抜けるような曲だね。

11. Carol (Carol's Theme II)

作詩:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

前曲から流れて入ってくるテーマソングその2。よりダイナミズムを含んだ、壮大な曲に仕上がっています。 間奏のストリングスの緊迫感が、ハンパなくかっこいいね。

12. Just One Victory (たったひとつの勝利)

作詩:小室哲哉 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

瑞々しさを届けてくれるナンバーは、小室哲哉が作詞・作曲を担当。ちょっとくさい歌詞は、よりTM NETWORKを輝かせる。宇都宮隆の歌声も、真っ直ぐ伝わってきますね。 サビも爽やかに響き渡ります。この曲、途中で「Cahse In Labyrinth」を挿入するという展開が、斬新なんだよね。ラストのサビでは、ビートも変わって疾走してゆく。

アルバムからリカットされた際は、リミックスを施してのリリース。オリジナルよりも約2分ほど短く、アウトロのピアノパートもカット。イントロでは左右のステレオをうまく使って、インパクトを与える。 ヴォーカルも伸びを出したエフェクトをかけています。挿入された「Chase In Labyrinth」も、後半がまどろんでいますね。

13. Still Love Her (失われた風景)

作詩:小室哲哉 作曲:小室哲哉、木根尚登 Produced and Arranged by Tetsuya Komuro

「Carol」よりも「シティーハンター」のイメージが強いほど、TM NETWORKを代表するナンバー。優しく流れるメロディは、小室哲哉×木根尚登コンビによるもの。 派手に飾ることなく、染み込んでくるような曲ですね。イントロの柔らかなキーボードの音で、キュンとさせられます。後半、コーラスが入ってくるとさらに盛り上がりますね。 作詞が小室哲哉。冬のロンドンの情景が浮かんでくるようだ。

Reproduction Album『DRESS』● '90/10/25 ('91/9/5、'07/3/21) release

TM NETWORK、初のリミックスアルバムは、これまで放った曲を再構築、再構成という、「リプロダクション」という形のもと、様々なプロデューサーの手によって、新たなるサウンドをお届け。 ガラッと曲を変えた1作です。 先行シングルとして、3枚同時にリリースし、その3枚すべてがTOP10にチャートインするという輝かしい記録を打ち立てたとともに、その勢いでこのアルバムも力を出してきました。 やっぱり、オリジナルにこだわって聞くと、結構、様変わりの具合に戸惑ってしまう部分もあるよね。 「Get Wild」なんか、いきなり「ゲッゲゲゲッゲ」って、ヴォーカルをサンプリングして入れてくるし、ノックダウン。 さすがはPete Hammondなユーロビートで、オリジナルよりもパワーアップしていますよ。また、キネバラも、よりバラードの味を引き立たせるようなトラックに仕上がっていて、面白さが広がったね。 1枚のオリジナルアルバムとしても、十分に力を出しているほどの出来。相当、制作費がかかっていたようで。でも、当時としては、随分と画期的なことをやってるよね。 まさしくTM NETWORKが新たに着飾った作品です。

1. COME ON EVERYBODY (with NILE RODGERS)

作詞・作曲:小室哲哉 Produced and Mixed by Nile Rodgers and Andres Levin

リプロダクションと銘打って、新たに構築しなおした楽曲で勝負を仕掛けてきたTM NETWORK。 3枚同時でシングルリリースっていうのもすごいよね。こちらの曲は、オリジナルよりダンサブルに。4つ打ちビートが頭から登場するトラックです。 しばらくはピコピコ感と、奇妙なボンボンコーラスにやられますね。意外とあっさりしているかも。

2. BE TOGETHER

作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Mixed by Jonathan Elias

オリジナルはとってもポップに弾けていたけれども、リプロダクションも負けじと、ポップな雰囲気を出してきたね。 プログラミングビートの心地よさを前面に、若干ユーロビートの雰囲気も出ている。間奏でのサックスが生らしさを存分に出しているね。

3. KISS YOU (KISS JAPAN)

作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Arranged by Bernard Edwards

リプロダクションシングルを3枚同時リリースという、とんでもないことで驚かす TM NETWORK。こちらはラップが印象的だったミディアムチューンを、Bernard Edwardsがリプロダクション。生音に仕上がったその音は、とってもパンチが効いている。かっこいいね。 サックスやトランペットも登場して、華やかに盛り上がる。力強さが出ていて、とにかくかっこいい仕上がりになりましたね。

4. DON'T LET ME CRY

作詞:神沢礼江 作曲:小室哲哉 Additional Production and Remix by Jellybean for Jellybean Production, Inc.

やけにクラブテイストが加わったアップチューン。Jellybeanがアグレッシヴに仕上げたりプロダクショントラックは、 疾走感に力強さも加わって、とっても楽しさが出てきましたね。

5. COME ON LET'S DANCE (DANCE SUPREME)

作詞:神沢礼江 作曲:小室哲哉 Produced and Mixed by Nile Rodgers and Greg Smith

初期のナンバーをNile RodgersとGreg Smithがリプロダクション。 16ビートの低音ベースの音が効いていて、ダンサブルな雰囲気も出ているね。ピコピコ感も弾けた音も登場して、曲の勢いが出ています。その中での間奏がシブい事シブい事。

6. SPANISH BLUE

作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉、木根尚登 Additional Production and Remix by Jellybean for Jellybean Production, Inc.

Jellybeanがリミックスを担当。そこまでオリジナルと変わった印象はないかな。 ドラムのプログラミングビートにパンチがあって、より弾ませてきた印象はする。スパニッシュならではの手拍子も、いい味を出しているね。

7. GET WILD '89

作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Additional Production and Mix by Pete Hammond for PWL

TM NETWORKがリプロダクションシングルを3枚同時リリースと、すごいことをやってのけたね。 こちらはTM NETWORKを代表するナンバーのリプロダクショントラック。ユーロビートバリバリのPWLから、Pete Hammondが担当。時代を表すサウンドで、ディスコロックに仕上がっていますね。 心地の良い4つ打ちビートが体を動かします。オリジナルを大きく変えたわけではないので、聞きやすいし、楽しめます。

8. RAINBOW RAINBOW

作詞:西門加里 作曲:小室哲哉 Additional Production and Remix by Jellybean for Jellybean Production, Inc.

Jellybeanがリプロダクションを手がけたトラックは、オリジナルよりも落ち着いた雰囲気になりましたね。 派手に飾ることなく、丁寧に聞かせてくれます。間奏が長いので、キーボードの音がほんのり煌びやかさを加えて届けてくれる。

9. RESISTANCE

作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉 Produced and Mixed by Jonathan Elias

幻想的で深い音を聞かせてくれるナンバー。随分と世界が大きくなっていきますね。Jonathan Eliasによるトラックは、 キーボードの音を巧みに操って聞かせています。ただ、ヴォーカルが随分遠くに引っ込んだ感じかな。全体的にこもって聞こえるのがちょっと残念。

10. MARIA CLUB

作詞:小室哲哉 作曲:小室哲哉、木根尚登 Additional Production and Mix by Christopher Currell

よりダンサブルなテイストに変わったリプロダクションチューン。 1つ1つの音にパンチが効いたような感じだね。これぞTM NETWORKな面が出てきた。ただ、物足りなさもあるんだよね。

11. CONFESSION

作詞:西門加里 作曲:木根尚登 Produced by Jimmy Bralower and Peter Wood

ゆったりキネバラも、新たなる解釈で大変身。イントロからメロディパートまでは、フワフワした感じでまったりと。 サビではドラムがガッツリ入ってきて、より深みが出てきたね。さらに間奏では、ギターが華麗に響きまくっています。

7th Album『RHYTHM RED』● '90/10/25 ('00/3/23) release

TM NETWORKからTMNへ。名前改称を経てたどり着いたサウンドが、ヘビィメタルを彷彿とさせるロックだから、本当に驚いたよね。ここまでハードな音を聞かせてくれるとは、どうしたんだTMN。 シングル「THE POINT OF LOVERS' NIGHT」「TIME TO COUNT DOWN」、そして後にリカットされる「RHYTHM RED BEAT BLACK」を含む全11曲。 これまでダンスサウンドを得意としていたTMNが、名前もサウンドもガッツリ変えて来ての大勝負。 ゴリゴリバリバリかと思えば、キネバラは健在で、しかも木根尚登自身が初めてヴォーカルを務める「LOOKING AT YOU」もあったり。 坂元裕二、小室みつ子、小室哲哉の歌詞の世界も三者三様で、それをうまくミックスさせてのアルバムは、ある意味コンセプチュアル場面もある。 赤い血潮をたぎらせて、燃えるリズムを放つオリジナルアルバム。

1. TIME TO COUNT DOWN

words:Mitsuko Komuro music:Tetsuya Komuro

TM NETWORKからTMNへと変わってからの、初のシングルナンバーは、イントロから鮮やかでダイナミックな小室哲哉のキーボードが踊る、麗しい展開を見せる。 しかし、幕が開くと、何だこれは?TMNがヘビメタ?ロックサウンドへとシフトして、とにかくすべての力をぶつけてきては、攻める攻める。圧倒的なパワーを見せ付ける。 しかし、サビのメロディなどからは、これまでのTMNらしさ、小室哲哉らしさを覗かせるね。メロディは覚えやすく、キャッチーです。

アルバムでは、イントロを延ばし、小室哲哉のピアノ捌きを思う存分に味わえます。本当にゴージャス。

2. 69/99

words:Yuji Sakamoto music:Tetsuya Komuro

ドラムとキーボードの融合で始まるイントロ。疾走感をともなって、ハードなロックサウンドが加速してゆく。 メロディもなかなかいいね。坂元裕二の歌詞もストーリー性があって、想像力を掻き立てる。間奏じゃ、もうギターがバリバリとうねっています。

3. RHYTHM RED BEAT BLACK

words:Yuji Sakamoto music:Tetsuya Komuro

ファンクやロックな要素をたっぷり詰め込んだミディアムナンバー。アルバムのタイトルを含んだ曲名からも、アルバムの核を担うかのような力を放っているね。 力強さの中にもメロディアスに聞かせる部分もある。さすがは小室哲哉だ。後にシングルとしてリカット。さらには、新たなバージョンに変えてもシングルでリリースされました。

4. GOOD MORNING YESTERDAY

words:Mitsuko Komuro music:Tetsuya Komuro

アコースティックギターが鳴り響くミディアムチューン。冒頭3曲の力強さを少々冷ますかのように、 ここで落ち着く感じかな。でも、ドラムの音は結構、強力だね。小室みつ子のストーリー性ある歌詞と、 小室哲哉の優しさ溢れるメロディが紡ぐ1篇のストーリー。が、途中でヘビメタ風サウンドに大変身しては、ちょっとびっくりした。

5. SECRET RHYTHM

words & music:Tetsuya Komuro

ドスの効いたヴォーカルで聞かせるナンバー。メタメタなヘビメタサウンドとともに、力強い演奏で圧倒させられる。 でも、ほとんどインストだよね。逆に、音のみで勝負している部分では、TMNの意気込みが感じられるかも。

6. WORLD'S END

words:Yuji Sakamoto music:Tetsuya Komuro

ちょっとファンクな感じで音が弾むイントロ。そこからテンポがスピードアップして、力強いロックナンバーに大変身。 疾走感もあり、TMNの一体感を出しているね。「世界の終わり」というタイトルながら、結構ポップな感じもする。でも、ギターのうねりはハンパないね。

7. BURNIN' STREET

words & music:Tetsuya Komuro

「DIVE INTO YOUR BODY」並みのコーラスで幕開けるロックチューン。小室哲哉が作詞と作曲を担当し、熱く勢いよく音がぶつかってきます。 宇都宮隆のヴォーカルパートと、小室哲哉らのコーラスパートと、大きく2つに分かれる。間奏では、ブルージーに激しくギターが踊る。ハードなんだけれども、味わい深いんだよね。

8. REASONLESS

words:Mitsuko Komuro music:Naoto Kineo

ここから木根ナンバー3連続。まずは、じっくりと作りこまれた感じのメロディに、バリバリハードなロックサウンドで聞かせてくれるつくりのミディアムナンバーなんだよね。 メロディパートは、これまた聞かせるんだ。力強さ溢れるサビからは、本当に新たなTMNの面しか見えない。

9. TENDER IS THE NIGHT

words:Yuji Sakamoto music:Naoto Kine

いきなりハワイアン?ブルース?な感じで、響き渡ってきた音にびっくりだ。 中身を開けると、ストレートなバラードチューン。これぞ“キネバラ”だね。力強さと優しさの間を行くサウンドに包まれるように。こちらは、従来のTMNらしさがあるようだ。

10. LOOKING AT YOU

words:Mitsuko Komuro music:Naoto Kine

木根節炸裂のアコースティックバラードチューン。しかも、木根尚登が初のメインヴォーカルに挑んだ。 派手に展開するわけでもなく、じっくりと聞かせてくれる曲。メロディも、ちょっと切なさを出したBメロに引き込まれます。 アルバム全体がヘビィメタルロックの勢いが合った分、この曲の存在感もより引き立った感じがします。木根尚登のキャラクターが十分に出たバラードは、さすがです。

11. THE POINT OF LOVERS' NIGHT

words & music:Tetsuya Komuro

TM NETWORK名義では最後となったシングルナンバー。プロジェクト名を変更する意味合いがあるサウンドアプローチ。 これまではキーボードをベースとしたダンストラックから、ギターをメインとしたバリバリとうなるロックチューンへ。 これがTM NETWORKなのか?小室哲哉が作詞・作曲のみならず、アレンジも手がけたということで、意気込みが感じられる。 これからのTM NETWORKが進む道に驚くこと間違いなしかな。メロディもなかなか聞かせては、ちょっとポップなんだけれども、歌詞の意味はあまりよくわからないんだよな。

アルバムでは、よりアルバムの音に染まったサウンドで。生音のアレンジに変わったことで、パンチを効かせて来ました。

8th Album『EXPO』● '91/9/5 ('00/3/23) release

前作アルバム「RHYTHM RED」から1年。TMNに改名して2作目の、通算8枚目となるオリジナルアルバムです。 前作からサウンドのシフトチェンジを図り、今回はハウスサウンドをベースに、ポップな打ち込みトラックを中心に聞かせてくれます。 その象徴が、先行シングルでもある「Love Train」と、その両A面扱いで発表され、アルバムではミックスが施された「We Love The Earth」でしょう。 4つ打ちビートやキーボードの弾むサウンドとともに、キャッチーなメロディで仕上げてきた小室マジックなトラックを中心に、 とにもかくにもヴァラエティ豊かな、個性豊かな作品群で楽しませてくれる。 オープニングナンバー「EXPO」がいきなり逆再生のトラックだったり、笑い声のサンプリング主が伊集院光な「Crazy For You」も衝撃だし、 木根、小室両者もリードヴォーカルを務めていたりと、「博覧会」にふさわしい、楽しさ溢れるアルバムです。 同時に、TMNのラストオリジナルアルバムになってしまったんだよね。それでも、万国共通、いや全宇宙共通なアルバムが誕生したわけですよ。

1. EXPO

music by Tetsuya Komuro

TMN博覧会の開幕。不思議な歪んだサウンドと、なにやらモゴモゴ喋っている。 その正体は逆再生。まぁ、随分と斬新ですね。実際はメンバーのピアノ談義が収録されているようです。機会があればぜひとも聞きたいね。

2. We Love The Earth (Ooh, Ah, Ah, Mix)

words and music by Tetsuya Komuro

シングル「Love Train」と両A面扱いでリリースされたナンバー。軽快な4つ打ちのビートがポップに弾けて、ギターも軽やかにうねりを加える。 なおかつ、とってもキャッチーなメロディで耳に馴染みやすい曲だね。この後に発売されたアルバム「EXPO」を意識してか、宇宙をテーマに恋愛模様を描いています。

アルバムでは、ミックスが施されています。ミックス名も何だかすごいね。ちょっとクラブミックス的な感じで、エクステンデッド。

3. Love Train

words and music by Tetsuya Komuro

オリジナルアルバム「EXPO」からの先行ナンバーは、両A面扱いでリリースという強力作。 小室哲哉が初めてカラオケを意識して作ったという曲。そんな感じで変なひねりを入れずに、 覚えやすいメロディラインかつキャッチーなサビで仕掛けてくる。前作アルバム「RHYTHM RED」よりも柔らかい、 ロックとダンスの中間を行くポップなチューンに仕上がりました。なんだかんだでTMNの代表曲にもなったし、すごいよね。

4. Just Like Paradise

words and music by Tetsuya Komuro

打ち込みビートが鮮やかに踊るアップテンポナンバー。大きなつくりではないけれども、英語詞が滑らかに艶やかに広がる。 歌詞よりも曲やサウンド、メロディやアレンジにこだわりを感じさせる曲だね。サビパートは耳に残りやすい、味のあるメロディで。

5. Jean Was Lonely

words by Yuji Sakamoto music by Tetsuya Komuro

イントロは、何だかカリビアンのような弾け具合を感じる。 ハウスベースの軽やかなビート、キーボードの音が明るく響くナンバーです。メロディパートも、実に滑らかなラインをたどる。サビでは力強さと勢いを出して。

6. Crazy For You

words by Yuji Sakamoto music by Tetsuya Komuro

いきなり笑い声からスタートのトラック。しかも、その笑い声の主が伊集院光るっていうのも興味深いところ。 この組み合わせはハンパないね。曲の方は、ポップなビートで進行するダンスチューン。しかも、電話や会話をベースに物語が展開するナンバー。なんだか生々しいんだけれども。 会話抜きでも十分に曲で聞かせてくれるトラックだね。小室哲哉らしいメロディでじっくりと引き込んでくる。

7. 月の河/I Hate Folk

words and music by Naoto Kine/words and music by Takashi Utsunomiya

アコースティックベースのナンバーは、軽やかにギターが鳴り響く木根によるトラック「月の河」。 しかし、そこからドアが閉まってはハードなサウンドが展開。こちらは宇都宮のトラック「I Hate Folk」。 再びドアが閉まっては「月の河」、でまたまたハードなメタルの「I Hate Folk」にと、交互に聞かせる実験的ナンバー。時代を先取りしたようなつくりだね。

8. あの夏を忘れない

words by Yuji Sakamoto music by Tetsuya Komuro

ポップなビートとエッジの効いたビートが織り成すミディアムチューン。 歌詞を担当した坂本裕二の世界が出ている。壮大で野性溢れる1曲。サビもキャッチーで、マイナー調ながらに訴えかけてくるようだね。 ダンスポップの極地。ただ、個人的には後に発売される「CLASSIX」に収録されているバラードバージョンが好き。

9. 大地の物語

words by Tetsuya Komuro music by Naoto Kine

バラードナンバー。これまたメロディアスに訴えかけてくるようなラインで、切なさを出してきます。 なにせ“キネバラ”ですから。木根尚登らしい優しさと切なさを織り交ぜて聞かせてくれます。小室哲哉の歌詞も壮大かと思えば、意外とシンプルで。 ただ、やっぱりアレンジでガツンと聞かせてくれるから曲の力が大きく出てきてくるんだろうね。

10. 月はピアノに誘われて

words by Yuji sakamoto music by Naoto Kine

いかにもTMNというよりかは、いかにも小室哲哉のようなつくりの曲なんだけれども、作詞は坂本裕二で作曲とヴォーカルは木根尚登です。 このアルバム「EXPO」の裏テーマが「月とピアノ」ということで、ある意味、核を担う1曲でもありますね。シンプルなメロディラインと淡く幻想的なアレンジが優しく聞かせてくれます。 木根尚登のキャラクターも前面によく出ているね。

11. Tomorrow Made New

words by Yuji Sakamoto music by Tetsuya Komuro

前作アルバム「RHYTHM RED」時には製作されていたという楽曲。そのためか、サウンドのほうは前作アルバム色が濃く出たハードなロックナンバーに仕上がっているね。 歌詞の方は、書き換えられたそうで、今作アルバムの裏テーマでもある「月とピアノ」なんていう言葉が出てきます。

12. Think Of Earth

words and music by Tetsuya Komuro

アルバムのラストを飾るバラードナンバー。しっとりとしなやかながら、爽快なSEが広がる。どこかしら宇宙的。月、そしてピアノも似合う曲ながら、 重たく力強い曲へと流れが変わる。そして、ヴォーカルを勤めるのは小室哲哉なんだよね。歌が始まるまで随分とためてきましたが、歌が始まると、それはもう壮大な世界が広がる。 アルバムのラストにふさわしい大作ナンバーです。

Live Album『TMN COLOSSEUM I』● '92/8/21 ('14/9/24) release

TMが、これまで行ってきたライブを編集して、まるで1つのライブ公演のようにしてしまった、疑似ライブアルバム。しかも「I」「II」の2枚同時発売ですよ。 「I」は、主に「CAROL」のライブや「EXPO ARENA」、「FUNKS CRY-MAX」などから抜粋。その「CAROL組曲」の中では、ライブ用のインストナンバー「Gigantica」や同名異曲「Fighting」 などが初収録されており、なかなか聞き応えがありますね。そして、ラストを「Get Wild」を締めるわけですよ。

歓声が飛び交う中、M-1からスタート。ヴォーカルサウンプリングからの、ガツンと始まるロックスタイルで、いきなりノックアウトですよ。そして、宇都宮隆の語りも臨場感を呼び起こす。 ポップに弾けるM-2。2本のギター、それぞれの音に味が出ていますね。そして、間奏でもそれぞれが音を主張してくる。ギタープレイが圧巻だ。 イントロがまた、サンプリングを施して新たな世界を開くM-3。ドラムのパンチある音がいいね。そこから小室哲哉の鮮やかなキーボード演奏に、とろけそう。 さて、ここから「CAROL組曲」ということで、まずはM-4から。ドラマティックに盛り上げてくるオープニングです。 しっとりバラードテイストのM-5。宇都宮隆のヴォーカルから物語の盛り上がりが伝わってくる。 ポップに弾むM-6。ガツンとした音をバックに、じっくりと聞かせてくれる世界です。 ゆったりじっくりと聞かせてくれるM-7。ゆっくりになったり、アップテンポになったり。 そのままラテンなテイストでM-8へ、鮮やかに展開。キャロルの世界観をうまく出してきましたね。 M-9で、さらに物語の世界へと入り込む。ギターの音、キーボードの音が鮮やか。 そして、M-10へと流れては、物語はクライマックスへ。 インストのM-11。ギュインギュイとギターが鳴り響いたり、SEを加えて、ドカドカ聞かせたり。既存曲「Fighting」とは違ったもの。 シングルナンバーM-12。やっぱり爽やかだね。ギターの音も明るく、そしてキャッチーに。「Chase In Labyrinth」パートは抜きです。 イントロで一気に煽ってくるM-13。ゲゲゲゲゲゲワイ。ベースは「'89」で、ダンサブルに攻めてきます。よりアグレッシヴで、よりパンチの効いたライブステージに感じられました。

Live Album『TMN COLOSSEUM II』● '92/8/21 ('14/9/24) release

TMが、これまで行ってきたライブを編集して、まるで1つのライブ公演のようにしてしまった、疑似ライブアルバム。しかも「I」「II」の2枚同時発売ですよ。 「II」は、「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」や「RHYTHM RED TOUR」「EXPO ARENA」などから抜粋。 こちらはとにかく代表曲、ヒット曲の目白押しですよ。ベストなライブで魅了してくるステージを体感できます。 これがTMNと言わんばかりに、どしどしと展開していき、とっても楽しい疑似ライブに引き込まれていきます。

「Welcome to the FANKS!」で始まるM-1。いい具合にポップに弾けては、会場を熱くさせる。 力強さを感じさせるM-2は、どっしりとした演奏と宇都宮隆のヴォーカルをガツンとぶつけて聞かせるステージ。迫力があるね。 ヴォーカルをサンプリングして遊ぶ小室哲哉が印象的なM-3。もちろん、本編に入るとよりファンクでグルーヴィーに聞かせてくれます。中盤ではドラマティックになってムードを作ってきた。面白い展開だね。 冒頭のヴォーカルサンプリングでこれまた小室哲哉のテクニックが光るM-4。若干のテンポスローになったことと、バンドサウンドとしての迫力がダイナミックに伝わってくるアレンジが、とにかくかっこいい。 電話のSEで始まる、しっとりバラードM-5。世界が広がり、ドラマティックに会場を包み込む。 がっつりどっしりと聞かせるM-6。サビパートのシンセの鮮やかさに引き込まれますな。そこにギターも鋭さを加えてくる。 レイヴ感出しまくりで、冒頭からシンセ業が爆発しまくっているM-7。ボコスカかつアグレッシヴに攻めてくる最強ナンバーだね。特にドラムの迫力が違うね。バチコンバチコン、叩き込んでくる。 ヘビィながら、メロディアスに聴かせてくれるM-8。ドラマティックなサウンドアプローチ。力強くもあり、鮮やかに聴かせる。そして、小室哲哉のシンセ業もほとばしっていますね。 大歓声を浴びてのM-9。ただ、ライブにしては随分と音が軽く聞こえなくもない。 ドラマティックに聴かせるM-10。どっしりバンドサウンドで聞かせてくれたと思ったら、静かになって雰囲気を作り出したりも。

Remix Album『TMN CLASSIX 1』● '93/8/21 ('14/9/24) release

「RHYTHM RED」以降、しばらく新曲から遠ざかっているTMN。ここに来て、リミックスアルバムを2作同時にリリースという業で、驚かせてくれました。 リミックスといえば、前作「DRESS」は海外の人たちとのコラボで新たな魅力を届けてくれたんだけれども、今作は、小室哲哉が自らリミックスを担当。 原曲のトラックに音を追加するという、オーバーダビングという手法で、1993年スタイルのTMNを聞かせるというコンセプトのもと、盛りだくさんに手がけています。 インストやインターバルなどでクッションなどを置き、オリジナルアルバムとしての流れも作って来ましたね。 こちらの「1」は、非常にポップな作品を中心に、リミックス。「Get Wild」はじめ、「Dive Into Your Body」「We Love The Earth」などが、より濃く味付けされています。 ただ、悪くいえば、ゴテゴテした雰囲気があるんだよな。 初回盤は三方背ボックス仕様。穴が空いていて、箱を外すと本当にジャケットの絵柄が表れるというギミックです。

1. Channel '93

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

アルバムのオープニングに放たれたインストナンバー。ウネウネしたSEが、まるで未来を旅するかのように、 じわりじわりと差し迫ってきます。

2. Dive Into Your Body (extended 12' version mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

ユーロビートピコピコな楽曲に、さらに音を重ねてポップに仕上がったリミックスチューン。 派手に攻めてくるし、ノリノリにさせてくれるし、濃さが出て来たトラックになったね。ドカドカ打ち込みビートは、やっぱり興奮します。

3. Get Wild (techno overdub mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

「Get Wild」なんだけれども、詳しくいうと「GET WILD '89」のテイクをオーバーダビングしたリミックス。 かなりどっぷりとしたビートを付け足して、胸にどしどしぶつかってくる。さらには、ピコピコ音を注入しては、重低音メインになったようなリミックスかな。

4. We Love The Earth (single overdub mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

4つ打ちが軽やかだったナンバーが、ギターのエッジを効かせて前に出て来て、 グルーヴィーナビートを加えてより力強さを増しました。「We Love The Earth」な思いがより強まって、伝わってきますね。間奏でのピアノの音も、弾けまくっています。

5. Rhythm Red Beat Black (house sample foods mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

ロックなアプローチだったサウンドに、ハウステイストなビートを付け足して、少々ダンサブルに聞こえてくるリミックストラック。 さびパートよりも、メロディパートの方が変化を感じやすいかな。

6. Just Like Paradise (expo overdub mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

ピコピコ感を増したトラック。オリジナルがより鮮やかに色が映えて、聞こえてきます。眩しくて、ノリのあるナンバーです。

7. Interval

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

前曲からの流れでのそまま入ってくるインタルード。 ピコピコ音を響かせながら、次第に静かになってゆく。前後の曲を見事に繋ぐインストですね。

8. Ano Natsu o Wasurenai (motion picture mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

オリジナルはがっつり4つ打ちビートで決めていたけれども、 ビートは一気に影を潜めて、ミックス名通りに、映画のサウンドトラックのようなドラマティックな雰囲気を出してきました。静かながら、曲の魅力がどっと押し寄せてきます。

9. Human System (cafe de paris mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

ふわっとしたキーボードの音をかぶせて、まろやかな味わいになったリミックストラック。タイトルのようなカフェ的雰囲気は全く出ていないね。

10. Confession (promotion mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

まろやかさをより感じるようなリミックス。でも、大きくそこまで変化していないと思うな。

11. Telephone Line (lover's mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

キーボードの味付けが温かさを生み出す。ミックス名を表すようなトラックだね。愛らしさが滲み出ています。

12. The Point of Lovers' Night (rhythm red version)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

Remix Album『TMN CLASSIX 2』● '93/8/21 ('14/9/24) release

「RHYTHM RED」以降、しばらく新曲から遠ざかっているTMN。ここに来て、リミックスアルバムを2作同時にリリースという業で、驚かせてくれました。 リミックスといえば、前作「DRESS」は海外の人たちとのコラボで新たな魅力を届けてくれたんだけれども、今作は、小室哲哉が自らリミックスを担当。 原曲のトラックに音を追加するという、オーバーダビングという手法で、1993年スタイルのTMNを聞かせるというコンセプトのもと、盛りだくさんに手がけています。 インストやインターバルなどでクッションなどを置き、オリジナルアルバムとしての流れも作って来ましたね。 こちらの「2」は、ミディアム~スロー系のナンバーを中心に選曲。「あの夏を忘れない」「7 Days War」などは、よりドラマティックな雰囲気が出ているんだけれども、 「Sad Emotion」や「大地の物語」などはオリジナルのままで収録。なんでも、色々と重ねたりはしたものの、結局オリジナルのトラックで1993年を表せる音だったので、そのままの収録になったとのこと。 う~ん、リミックストラックで統一して欲しかったのが正直なところだね。 初回盤は三方背ボックス仕様。穴が空いていて、箱を外すと本当にジャケットの絵柄が表れるというギミックです。

1. Channel '93 Part 2

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

オープニングのインストチューン。左右のチャンネルをうまく使って、ぐいぐいと世界に引き込んだところで、次へと繋ぐ。

2. Wild Heaven (extended hard core mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

前曲インストからスムーズに入るトラックは、テクノ要素を出したリミックスチューン。弾むキーボードの音がアグレッシヴに響き渡る。 勢いがさらに加わって、ぐいぐいと音が押し寄せてきます。後半はインストで余韻を残す。

3. Love Train (extended euro mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

いわゆるユーロビートではないので、ちょっと損した気分。どっぷりビートを重ねて、どっしりと展開するリミックスチューン。 その後はエナジー注入で、どんどんとアグレッシヴになっていく。ピコピコSEも加わって、濃厚ナンバーです。

4. Come On Everybody (garage mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

どっぷりビートと軽やかキーボードの弾んだ音がうまい具合に絡み合うリミックス。 ただ、音が幾重にもなって、ちょっとゴテゴテした感じもするかな。重量感はあるんだけれども、飾り過ぎなような気も。

5. U.K. Passenger (u.k. lap techno mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

ラップが縦横無尽に飛び交うテクノリミックス。この曲が一番変わった気もするな。軽やかビートと合わせて、踊るように展開しています。

6. 69/99 (rhythm red version)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

7. Interval

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

インストナンバー。スペイシーに、音が響いています。同時に安らぎも覚える1曲。

8. Time Passed Me By (moonlight mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

ウツのコーラスにエフェクトをかけて、ダブっぽく浮遊するリミックスチューン。 この様変わり具合は、リミックスとしての姿を感じさせます。本編には入らずに終了だ。

9. Daichi no Monogatari (expo version)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

10. 7 Days War (album overdub mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

アルバム収録の「Four Piece Version」をベースに、オーバーダビングしたミックス。 なんか、よりドラマティックな感じなって、すっきりと聞けますね。いいバランスです。

11. Girlfriend (motion picture version)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

12. Sad Emotion (album version)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

13. Time Passed Me By (zurich mix)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

オリジナルをベースに、華やぐシンセサウンドをスライドさせるように挿入。原曲の良さを生かして、少々新たな魅力を付け足して聞かせてくれます。 小室哲哉のさじ加減で、魅力が少々増しているけれども、まあ、オリジナルに近い形かな。

14. Just One Victory (single 7' version)

PRODUCED & REMIXED BY TETSUYA KOMURO

Best Album『TETSUYA KOMURO PRESENTS TMN BLACK』● '94/6/22 release

TMN終了宣言を受けて、ベストアルバムを3枚同時リリース。 こちらの黒盤は、小室哲哉が選曲を担当。何はともあれ、これ1枚でサラッとTMの活動を再確認できるシングルコレクションになっています。 しかも、全曲オリジナルバージョンということで、素材を十分に生かした味を楽しめます。デビュー曲「金曜日のライオン」から、ラストシングル「Nights of the Knife」まで、バランス良く14曲を収録。 もちろん、「SEVEN DAYS WAR」や「JUST ONE VICTORY」など、外されてしまったシングルもあるけれども、 それを言ったらキリがない。まぁ、押さえているところは押さえているので、大丈夫ということでしょう。デビューして10年のTM NETWORKならびにTMNの活動をギュッと凝縮。 同時発売となった赤盤、青盤とともに、3人の個性を味わえるベストアルバムとなりました。

Best Album『TAKASHI UTSUNOMIYA PRESENTS TMN RED』● '94/6/22 release

TMN終了宣言を受けて、ベストアルバムを3枚同時リリース。こちらの赤盤は、宇都宮隆が選曲を担当。 一応、ダンスナンバーを中心に選曲したとのことなんだけれども、シングルナンバーもリミックスされたものを収録するなど、TMを別角度から楽しめるアルバムとなったかな。 でも、なんで「LOVE TRAIN」が、黒盤とかぶっているのか。どうしても2人が譲らなかったのかな。 全体をよく見ると、なんか選曲基準が曖昧なようにも感じるんだよな。中途半端感も否めません。唯一の救いは、未発表曲が収録されているということかな。 もともとデビューアルバムに収録する予定だったものの、収録見送りでそのままお蔵入りになったものが、ここでようやく陽の目を見たというわけです。 ポップでダンサブルだし、なかなかいい曲なんだけれどね。TMはいくつもリミックスや別バージョンもあることだし、このダンサブル曲を集めたというテーマが難しいようにも思える。 ならば、未発表バージョンで1枚仕上げて欲しかったような気もするけれども。 デビューして10年のTM NETWORKならびにTMNの活動をギュッと凝縮。同時発売となった黒盤、青盤とともに、3人の個性を味わえるベストアルバムとなりました。

9. OPEN YOUR HEART

words:Kotaro Asou music・arrangement:Tetsuya Komuro

未発表曲。ポップなダンスチューンとマイナー調のメロディが切なく響き渡ります。 意外とどっしりとしたバンドサウンドといった感じでいいね。1984年次に完成されていたものの、収録を見合わせてはお蔵入り。 十分世に出してもいいくらいにキャッチーさをぶつけてきた良曲だね。後に小室哲哉が「OPERA NIGHT」ととしてカバーして発表した曲。

Best Album『NAOTO KINE PRESENTS TMN BLUE』● '94/6/22 release

TMN終了宣言を受けて、ベストアルバムを3枚同時リリース。こちらの青盤は、木根尚登が選曲を担当。 さすが“キネバラ”と名を浸透させただけあって、バラードを中心としたベストな選曲で楽しませてくれます。 地味ながらも、やっぱりじっくりと聞き応えのある作品なんだよね。なんせ、ド頭から「TIME PASSED ME BY」で来るものだから。 「GIRL」や「HERE, THERE & EVERYWHERE」など、ポップな楽曲もあるけれども、比較的落ち着いたナンバーで揃っています。そして、青盤にも未発表曲を収録。 こちらは、作詞を木根、作曲を宇都宮が手がけるという、珍しいコンビのバラードチューン。全体的に、まさしく青色で染めてくる“The other side of TMN”なアルバムとなりました。 デビューして10年のTM NETWORKならびにTMNの活動をギュッと凝縮。同時発売となった黒盤、赤盤とともに、3人の個性を味わえるベストアルバムとなりました。

14. ANOTHER MEETING

words:Naoto Kine music:Takashi Utsunomiya

未発表曲は、作詞を木根尚登、作曲を宇都宮隆という、非常に珍しいコンビがお送りするバラードナンバー。 元々、ラストシングル「Nights of the Knife」のc/wとして収録される予定だったものの、宇都宮隆の喉の調子が悪くて見送られていたそうで。 アコースティックギターを軸に、しっとりテイストで優しく包み込んでくれるようなナンバー。彼らの持つ柔らかさが伝わってきて、心が温まる曲ですね。

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