album

1st Album『vessel』● '13/1/8 ('12/12/26 on Japan) release

アメリカは、オハイオ出身の2人組、Twenty One Pilotsのメジャーデビューアルバムが堂々の完成。 すでに新ディーズ時代に発表していた楽曲も、再度収録し直して、パワーを見せつけます。 まず、ヴォーカル&ドラムというコンビスタイルも驚きだけれども、楽曲自体も、ポップやロック、HIP-HOPにエレクトロニカ、テクノにハウスにEDMと、 様々なジャンルのサウンドを投入し、これでもか、と攻めてくる。しかも、ほとんどの曲は途中でテンポが変わったりガラリとサウンドが変わったりと、 とってもトリッキーな進行で展開して、先を読ませないつくりは新しさを見せてくれます。 日本ではCMソングにもなった「Guns For Hands」が非常にキャッチーだし、CMソングとして、かなり力がありましたが、 そのほかにも、切ないメロディとコーラスで聞き入ってしまう「Holding on to you」や、バラードからEDMへと華麗な変身を遂げる「Trees」、 しっとりピアノで聞かせてくれる「Truce」などなど、とにかくジャンルレスな曲が目白押し。とことん、楽しむことのできる1枚です。 日本盤は、ボーナストラックとしてライブトラックを6曲も収録と、大盤振る舞い。 会場の熱気や興奮がダイレクトに伝わってくるライブトラックですが、彼らはぜひ、生でのパフォーマンスを味わってほしいですね。

1. ode to sleep

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

イントロからサイバーな雰囲気を醸し出して、緊迫感を漂わせるオープニング。 そのトラックに乗せて、Tylerが口撃を仕掛けてくる。しかし、その後は非常にポップなトラックに変身して、 軽やかに弾んでいます。サビパートは若干テンポを落として、じっくりと聴かせてくれる。ピアノの音も鮮やかに。 キャッチーで、清々しいメロディだね。TOPの両面を味わえます。そして、ラストは少々煌びやかに。

2. holding on to you

written by Tyler Joseph, Maurice Gleaton, Charles Hammond, Robert Hill, Deangelo Hunt, Bernard Leverette, Gerald Tiller and Jamall Willingham Produced & Mixed by Greg Wells

HIP-HOPなテギストでラップを聴かせてくれる始まり。でも、バックのメロディは少々切なさを出して、グッと引き込んでくるミディアムチューン。 De Franchize Boyz“Lean Wit It, Rock Wit It”という曲をサンプリングしているから、HIP-HOP要素は強いね。Cメロの次第に盛り上がって行く展開は、ダイナミズムを感じさせる。 サビのメロディが本当にいいんだ。みんなで大合唱の路線です。

3. migraine

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

デジタル面を出して、オープニングからインパクトを出してきました。でも、本編はHIP-HOPよろしく、Tylerが言葉をたたみかけてくるミディアムチューンです。 歌詞の内容は、あぁ、頭が痛くなる、偏頭痛、どうにかしてよ、というような感じですが、軽やかにトラックは進行。 キーボードが弾んで、サビパートではどっしりじっくりとドラムの音とともに聞かせてくれます。

4. house of gold

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

軽快にウクレレをかき鳴らしながら歌うTyler。2番からはJoshのドラムが入ってきて、どっしり4つ打ちビートとともに、音が広がってゆく。 ラストに向かって音数も増えては、ゴージャスになっていきます。最後はしっとりと。2分半の小曲ながら、TOPの魅力がたっぷり詰まっています。

5. car radio

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

緊迫感の中、Tylerの淡々としたラップで静かに幕開けるナンバー。 静かながらに、何かを秘めたる雰囲気がかっこいいんだ。そして、中盤ではコーラスが広がり、さらにはテンポアップ。 EDMよろしくデジタルビート炸裂のロラックに大変身しては、大盛り上がり。Tylerのシャウトなどもあって、昇天していきました。その後、またゆったりテンポに戻り、幕です。 随分とダイナミックな展開で、楽しませてくれました。

6. semi-automatic

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

ポップに聞かせるミディアムチューン。Joshのドラムビートも親しみがあるね。Tylerも一瞬、激しいラップを聴かせてくれるけれども、 全体的には和み系というかまったりとした感じ。後半はテンポアップして、溜まっていたものが爆発するかのように音をぶつけてきた。

7. screen

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

ピアノのリフが、美しく響き渡るミディアムバラードチューン。 攻撃的なトラックが多い中、この曲は箸休め的な落ち着いた曲です。ウクレレも響いてはリラックスした雰囲気も。 最後は合唱コースかな。自分たちは完璧ではないけれども、素直な気持ちを出しているよ、という感じ。

8. the run and go

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

この曲もポップに進行。スキャットが印象的に響き渡るサビがキャッチーん広がります。みんなで大合唱だね。 中盤では、ガラリと変身して、しっとりバラードを聴かせる展開。そして再びポップなラインに変身。s随分と幅の広いTOPの世界を、じっくりと堪能できるナンバーです。

9. fake you out

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

冒頭からピコピコ音を放ちます。静かな始まりから、見事なまでにEDMへと変身するナンバー。 ゆったりミディアムテンポから、鮮やかなアップテンポエレクトロチューンへの流れは、本当にかっこいいね。 2番では、その間にHIP-HOPな面も挿入して、単純な流れ断ち切り、変化に富んだトラックを生み出す。面白いなぁ。

10. guns for hands

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

日本では、蒼井優が出演するCMソングに起用され、さらにはシングルとしてもリリースされたナンバー。 エレクトロビートを軽快に鳴らして、ポップに進行するデジロックチューン。とってもキャッチーなメロディと、情の入ったヴォーカル、そして勢いあふれるドラムが織りなすナンバーです。 さらに途中からHIP-HOPモードに変わっては、Tylerが言葉をたたみかけてきました。いいねぇ、もう色んな要素が詰め込まれて、濃厚なトラックに仕上がっています。ノックアウト。 ただ、終わり方がふわっとしていて、なんだか物足りないかも。

11. trees

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

しっとりバラード調で始まるナンバー。JoshのダイナミックなドラムとTylerの感情豊かなヴォーカルが響き渡ります。 しかし、1番が終わってからは躍動感をまとった4つ打ちビートへ変身、さらにウネウネビートを携えてのEDMトラックでノックアウト。 みんなで大合唱もできるほどの大盛り上がりな様相を見せる。この流れは本当に最高だね。森の中から、まるで何かを解放するかのような爽快感を放ってきます。

12. truce

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

しっとりとしたピアノをバックに、Tylerが語りかけるように歌うバラードナンバー。 まるで子守唄のように、優しく歌を聴かせてくれます。ちょっと暗い歌詞になっているのも、生きる意味を感じさせますね。アルバム本編を締めるに適したナンバー。

13. holding on to you (Live at The LC Pavilion)

まずはドラマティックなイントロで引き込む。「Swat!」と掛け声も出たね。そして、ラップをカッコよく繰り広げるTylerです。 観客も歌ったりラップをしたりと楽しい雰囲気が伝わってくるライブです。

14. car radio (Live at The LC Pavilion)

拍手喝采で始まるナンバー。こちらもTylerと一緒になってお客さんがラップしていないかい?EDMパートはさすが、大盛り上がりの様子が伝わってきます。 Tylerも煽りまくりですよ。

15. trees (Live at The LC Pavilion)

観客大合唱の始まり。Tylerも気持ち良さそうに歌っていますね。 「Hello~」と声を伸ばして聞かせてくれました。そして、手拍子の嵐。TylerのカウントでEDMパートに突入。会場がとっても盛り上がっているね。いやぁ、熱い熱い。

16. guns for hands (Live at The LC Pavilion)

こちらも歓声上がりまくりの上、手拍子沸き起こる始まりです。 Tylerは軽快に歌っていますね。HIP-HOPパートも、声を出して盛り上がっています。Joshのドラムプレイには観客も見とれているね。

17. ode to sleep (Live at Newport Music Hall)

Tylerが怒涛に言葉をたたみかけてくる始まり。声の調子を変えて、ユニークに聞かせてくれたりも。 とにかく引き出しの多さに魅了されます。サビも爽快に。

18. forest (Live at Newport Music Hall)

歌が始まると大歓声&大合唱のステージ。Tylerは器用に歌いこなしている感じが伝わってきますね。 Joshのドラムはダイナミック。ラストはちょっと切ないヴォーカルで、キュンとさせてくれたりも。

EP『quiet is violent』● '14/8/1 release

大ヒットアルバム「vessel」で勢いを増すTwenty One pilotsが6曲入りのEPを発表。 3曲はライブトラックで、彼らのパフォーマンスを音から味わい、盛り上がりを体験。それにしても、この盛り上がり方はハンパないね。 ライブトラックを聞いてから、実際に足を運びたくなるような熱気を届けてくれます。ただ、SXSWの「Guns For Hands」のトラックは、少々簡素というか、スカスカに聞こえてしまっている点で残念だ。 そして、もう3曲はリミックスチューン。彼らを代表するナンバー「House of Gold」「Car Radio」「Guns For Hands」の3曲をリミックス。 どの曲も想定内の仕上がりで、4つ打ちキックビートをメインに、EDMアプローチで仕上げてきました。 どの曲もフロアにしっかりと対応していて、聞いているだけで体を動かしてリズムを感じたくなるようなアゲアゲモードです。 至極のトラックをとことん味わい尽くせます。EPではなく、フルサイズにして欲しいくらい。

1. Car Radio (Live at Newport Music Hall)

観客一同、手拍子で大盛り上がり。さらに一緒に歌も歌う始まりです。EDMパートでは、いつも以上にJoshのドラムがダイナミックに響き渡ります。 Tylerは、興奮しまくりで歌っていますね。かなり勢いがあるライブトラックです。

2. Holding On To You (Live at Newport Music Hall)

大歓声で始まるナンバー。Tylerのラップも熱を帯びているね。 特に、後半のCメロパートがすごい。そして、終わり方はCDとは違うバージョンで。少々、本編を伸ばした流れだね。

3. Guns For Hands (Live from SXSW)

SXSWでの模様を。Joshのドラムばかりの音が響き、あまり他の音が聞こえてこないせいか、なんかスカスカした感じなのが残念。 それに比べると、ラストのドラムメインパートは、音がダイナミックだね。

4. House Of Gold [Denzel Park Remix]

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

4つ打ちビート炸裂のEDMリミックス。歌が始まると、タメを作ってのトランシーなアプローチで展開。 気持ちがいいほどにどっしりビートが強力で、フロアライクなトラックに仕上がっています。 歌はあまり入ってこないので、トラックだけを思う存分味わえますね。とにかくアゲアゲモードでかっこいい。

5. Car Radio [Great Good Fine OK Remix]

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

グツグツした低音4つ打ちビートで展開するリミックス。エレクトロニカ要素満載で、 若干のアンビエント要素もポイントになっているかな。でも、面白さには欠ける気がする。

6. Guns For Hands [Dzeko & Torres Remix]

written by Tyler Joseph Produced & Mixed by Greg Wells

どぷり力強い4つ打ちビートをまとったリミックスチューン。 低音を強めては、うまい具合にタメを使って興奮をもたらすハイエナジーなトラックで楽しませる。

2nd Album『BLURRYFACE』● '15/5/19 ('15/5/20 on Japan) release

トリッキーな展開で楽しませてくれるユニット、Twenty One Pilots、待望の2枚目となるオリジナルアルバム。 前作「vessel」が大ヒットを記録し、各地でのラブパフォーマンスが話題となっての新作は、実に約2年ぶり。 今作は、リードナンバー「FAIRLY LOCAL」で、思い切りヘビィなHIP-HOPトラックをを投入したことで、ポップで明るいイメージを一気に覆し、TOPの新しさを感じさせることができました。 でも、2曲目のカットナンバー「TEAR IN MY HEART」のポップさや、「STRESSED OUT」のゆったりビート、「RIDE」のレゲエチューンなど、 やっぱりカテゴライズされない自由なサウンドを展開。重かったり軽やかに聴かせてくれるTylerのヴォーカルと、アクティヴでどっしりと聴かせるJoshのドラムが絡み合う。 時にメッセージ性のあるナンバーも登場し、いつも通りのノリの良いナンバーあり、めくるめく展開でコロコロと変化を遂げる曲もあり、まだまだいくつもの可能性を秘めているグループの、 勢いがダイレクトに伝わって来ます。掴み所がなくて、それが逆に面白いんだ。 日本版は、ボーナストラックとして日本でのCMソングに起用された「GUNS FOR HANDS」「LOVELY」を収録。

1. HEAVYDIRTYSOUL

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

攻める攻める、冒頭からTylerが早口ラップでまくし立てるナンバー。バックのトラックも、攻めのスタイルで始まり、Bメロではどっぷり縦ノリHIP-HOP要素を持ってくる。 さらにサビでは躍動感を出して、アグレッシヴに駆け抜けてゆく。これぞTOPな変幻自在な1曲。とにかくHeavyに攻めてくる。ライブでは、Tylerがタンバリンを鳴らしまくります。

2. STRESSED OUT

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Mike Elizondo

だらっとした感じの始まりで、まったりと聴かせるミディアムチューン。 飄々とした雰囲気にさせるのは、淡々としたビートとピアノが絡んでくるし、爪街空気が流れるからかな。 歌詞は意外と、弱さを見せてくるところが意外に思えた。Twenty One Pilots流のバラードなテイストで、包み込んでくれます。 まぁ、何はともあれ、人生教訓、全ては「wake up, need make money」なんだね。アルバムから3枚目のシングルとして大ヒット。見事、グラミー賞も受賞しました。

3. RIDE

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

ゆったりビートが心地よく、レゲエビートを彷彿とさせる音と、電子音を組み合わせては、どっしり聴かせるグルーヴチューン。 その後はTylerのラップが炸裂し、ヒートアップ。TOPの中でも、落ち着いた雰囲気の曲だけれども、 次第にヴォーカルが高ぶっていく様子が伺えますね。アルバムから4枚目のシングルナンバー。

4. FAIRLY LOCAL

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

待望の2枚目となるオリジナルアルバムからのリードナンバー。 こういう曲を持ってくるとは予想だにしなかった。意外だね。前作収録ナンバー「Guns For Hands」や「Car Radio」のようなダンサブルな曲を持ってくるかと思いきや、 ドスドスどっしりHIP-HOPなトラックで、口撃してきます。地元愛を歌っていますが、随分とオラついた雰囲気もするね。 TOPのまた、新たな魅力を聴かせてくれる1曲。最初は戸惑うけれども、じっくり聴きこむことで、なるほど納得な曲です。

5. TEAR IN MY HEART

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

ど直球なポップソング。これぞTOPな弾けるナンバーは、とってもキャッチーに攻めて来ます。 何だ、冒頭から「ア・ニョ・ハセヨ!」と、韓国語をカウント代わりにしては、インパクトをぶつけて来ました。こういうセンスは面白いね。 曲の方は、ピアノ音をベースに展開。途中のファンク感、そしてラストに向かってのEDMなアレンジと、めくるめくサウンドの旅に連れて行ってくれます。 もう、楽しくてしょうがないな。アルバムから2曲目のナンバーとして、カット。

6. LANE BOY

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

HIP-HOPなテイストと、スリリングな雰囲気で始まるナンバー。 これまた、Tylerが言葉を畳み掛けてくると同時に、サウンドも次第にドラムンベースに返信していく、かなりアグレッシヴな姿勢を見せて来ます。 現代のショービジネスや人生を皮肉っているところが、センスを感じさせますね。

7. THE JUDGE

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Mike Elizondo

イントロからかき鳴るウクレレの音が心地よさを出して来ます。ただ、そのバック、風が吹くようなサウンドに、ちょっと怖さも感じるな。 本編は、随分と楽しそうな音をしています。オルガンも響いて、ハートフルな音。そして、レゲエ調のビートにゆったり聴かせてくれたと思っていたら、感想ではさらにスロービートになってどっぷり。 ラストはポップにアップテンポへと様変わり。前作の匂いを醸し出すミディアムチューンに仕上がっています。

8. DOUBT

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

全体的な電子音が、前作の匂いを醸し出すミディアムチューン。ヴォーカルに若干のエフェクトをかけては、さらに緊迫感が増す。 珍しく、お前がいないと俺はダメなんだ、という弱い面を見せる歌詞を聴かせてくれます。

9. POLARIZE

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Mike Elizondo

HIP-HOP/レゲエビートな音を展開させるミディアムナンバー。ベースはとってもゆっくり何だけれども、なんかとてつもない力を感じさせる。 中盤のエスニックな音もインパクトを出すけれども、そこでTylerが叫ぶかのごとく、エフェクト。ここにもインパクトを感じるね。最後のコーラスも、壮大に迎えて来た。

10. WE DON'T BELIEVE WHAT'S ON TV

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

高鳴るドラムビートと、かき鳴るウクレレ。 カントリーロックな疾走感を聴かせて、激しさを出す1曲。「TVでやっていることなんか信じない」と、冒頭から攻めた歌詞で始まる、攻めの1曲。 サビでのトランペット、ライブではJoshが吹いていて、これにはびっくりだった。何はともあれ、ライブではノリノリな1曲ですよ、「Yeah!Yeah!Yeah!」

11. MESSAGE MAN

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Tim Anderson

イントロからテンポを惑わして来ます。さすがはTOP。その後、ゆったりレゲエビートで展開するミディアムチューン。 「この歌詞は万人向けじゃないんだ」というメッセージマン。とにかく音がどっぷりとしていて、強烈なインパクトを放って来ます。

12. HOMETOWN

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Mike Elizondo

イントロなしで美しさ際立つヴォーカルを披露。 その後はエレクトロサウンドをまとって、軽やかに展開。まるで地元オハイオのことを歌っているかのように、結構、悲しいふるさとの状況を歌っている。 サウンドが逆に盛り上げようと、躍起になっていますね。間奏でも、鮮やかな電子音が色をつけて来ます。

13. NOT TODAY

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Mike Elizondo

ベースのブンブンした音がインパクトを出すミディアムナンバー。 軽やかにTylerが歌い上げるメロディパート、そしてみんなで大合唱したく鳴るサビのキャッチーさ、そこからブラスをバックにTylerがシャウト。 この曲も、いろいろな要素盛りだくさん。ラストはまるでマーチングな音から、がっつりポップなサウンドへ。いやぁ、面白い曲だ。

14. GONER

WRITTEN BY TYLER JOSEPH Produced by Ricky Reed

アルバム本編を締めるバラードナンバー。ピアノの寂しい音と、切なく歌い上げるTylerのヴォーカルが響き渡ります。この曲も、珍しく弱さを見せる主人公。 助けれくれと懇願するような思いがひしひしと伝わって来ます。そして、盛り上がったと思ったら、沈んで、そしてシャイとする展開にしびれます。

3rd Album『TRENCH』● '18/10/5 release

TylerとJoshの2人組、Twenty One Pilotsが「BLURRYFACE」に続く、3枚目となるオリジナルアルバムを実に3年半ぶりにリリース。 今作は、今までの彼らを覆すかのような、ちょっとダークで内省的、音の方も重厚、ヘビィで、どっぷりとしているので、あの元気でカッ飛んでいるTOPを期待していると、驚かされた。 第一印象は、やっぱりテンポもゆっくりで、なんだか地味目だなというところ。先行ナンバーとして発表された「JUMPSUIT」のイントロから、ヘビィでダークで、ベースの音もうねります。 ただ、最初は戸惑わせるけれども、次第にはまっていく不思議な感覚。その「JUMPSUIT」はじめ、「NICO AND THE NINERS」「LEVITATE」などは、架空都市DAMAを舞台に、 繰り広げられるストーリー性あるナンバー。とにかくその世界観にも引き込まれる作品です。 正直、とびっきりのキャッチーなナンバーがあるわけではないんだけれども、Tylerのおそるべき才能が爆発した作品であることは間違いないね。 アルバムの中で、雰囲気がちょっと温かさの出たM-13「LEGEND」は、Tylerが亡き祖父に捧げた1曲。一部では某バンドのヴォーカリストに向けられているなどと思わせるなど、 リスペクトを感じさせる作品。Tylerのラップも、実に淡々としていながらも世界を作る。そして、リスナーは見事に、このトレンチにはまってしまうのか。

1. JUMPSUIT

WRITTEN BY TYLER JOSEPH PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

混沌と不安が入り混じるようなトラック。しかも、じっくりとしたミディアムテンポのトラックは、これまでのTOPのアグレッシヴな面を除いて、 奥底に秘めた熱を放ってくる1曲だ。だからこそ、前作「BLURRYFACE」での「Fairylocal」のような印象。「ん?」という第一印象を覆すほどのスルメソング。 聞けば聴くほどにはまっていきます。Tylerの叫びがこだまする。

2. LEVITATE

WRITTEN BY TYLER JOSEPH AND PAUL MEANY PRODUCED BY PAUL MEANY CO-PRODUCED BY TYLER JOSEPH

前曲から流れてはいるミディアムチューン。淡々としたトラックをバックに、Tylerの言葉がこれでもかというくらいに押し寄せてくる。 ブレイクビーツの妖しさで一気に世界を作るトラックだね。たった2分半の楽曲なのに、これほどまでに濃厚な時間が流れる。

3. MORPH

WRITTEN BY TYLER JOSEPH AND PAUL MEANY PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

妖しさとポップさを混ぜたようなトラック。Tylerが落ち着きながら淡々とラップを披露。でもって、まるで忍び寄るような1曲。 隠れながらの移動、防御態勢に入ったり、誰かに変身するかのように。ブレイクビーツよろしく、やったりとしていながらも、ラストはどこかしら瑞々しく煌びやかに広がる。

4. MY BLOOD

WRITTEN BY TYLER JOSEPH PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

アルバムから4曲目のナンバー。「お前と一緒に行く」という頼もしい言葉が何度も届けられるミディアムナンバー。 最初はアンビエントな雰囲気で、どこかしらふわふわと。進行するにつれて、ベースの音やドラムの音がじっくりと頼もしく響き渡るかのようだね。この曲もまたかっこいいんだ。

5. CHLORINE

WRITTEN BY TYLER JOSEPH AND PAUL MEANY PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

どっぷりじっくり、Joshのドラムも軽やかさと重たさをうまく伝えてくる1曲。 Tylerは時に切なく、ファルセットヴォーカルなんかも聞かせてくれる。でも、サビでは煌びやかで眩しく輝くように聞かせてくれる。全体的にはクールな1曲。

6. SMITHEREENS

WRITTEN BY TYLER JOSEPH AND PAUL MEANY PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

ほんわかしたトラックとは対照に、どこかしら寂しさを漂わせるTylerのヴォーカルに吸い込まれていきそうな1曲。 ゆったりまったり、トラック自体はHIP-HOPな雰囲気なんだけれども、影があるというか、作り込まれている感じだね。

7. NEON GRAVESTONES

WRITTEN BY TYLER JOSEPH PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

まるでベートーヴェン「月光」なピアノのイントロに、引き込まれていくトラック。美しさとかっこよさをうまく伝えてくるね。 ただ、「ネオンの墓石」っていうのがまた、すごいタイトルだな。これもTOPらしさですね。 淡々と語るような、ゆったりラップを聞かせてくれるTylerです。

8. THE HYPE

WRITTEN BY TYLER JOSEPH PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

鮮やかなミディアムナンバー。じっくりと聞かせるTOPの腕が光っているね。Tylerの頼もしいヴォーカル、 落ち着いた中にも、どこかしら狂気を感じさせる。中盤ではウクレレの音とドラムがいい具合に前に出てくる。

9. NICO AND THE NINERS

WRITTEN BY TYLER JOSEPH PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

アルバムから2曲目のナンバー。HIP-HOPな面とポップな面をミックスさせたミディアムトラック。 1曲目の「JUMPSUIT」も歌詞に登場するなど、ストーリー性のある歌詞が印象的ですね。Tylerの作り上げる物語が、盛り上がりの様相を見せる。

10. CUT MY LIP

WRITTEN BY TYLER JOSEPH AND PAUL MEANY PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

随分と淡々としたトラック。ゆったり、じっくりと。音に反して、歌詞は結構深いことを歌っているんです。 さすがはTyler。じっくりとぶつけてくるような、1曲だ。そして、どっぷりサウンドにデジタルサウンドをミックスうさせてくる流れもまた、趣深いね。

11. BANDITO

WRITTEN BY TYLER JOSEPH AND PAUL MEANY PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

静かながらに、アンビエントな要素も感じさせる音をバックに、切々と歌うTylerが印象的なミディアムナンバー。 この曲もまた、独特のストーリーを展開させては、新たなTOPの世界を見せつける。後半に溜めて溜めて、盛り上がってゆく流れがまたいいね。 JOSHのドラム、そして久しぶりにEDMテイストを投入。

12. PET CHEETAH

WRITTEN BY TYLER JOSEPH AND PAUL MEANY PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

HIP-HOPなテイストでドカドカと音をぶつけてきたと思ったら、歌のパートではじっくりと聞かせたり、 ヴォーカルにエフェクトをかけてきたり、鋭くデジタルなパートになって聞かせたり。 色々なサウンドで楽しませるTOPならではの世界を表現。どんどんと引き込まれていきます。

13. LEGEND

WRITTEN BY TYLER JOSEPH PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

このアルバムの中では、ちょっと雰囲気が異なる1曲だね。温かなサウンド、ウクレレやトランbペットなどが登場して、 「あなたは伝説」と語りかけるように歌うTylerが印象的。実は、この年に亡くなったTylerの祖父に捧げられた1曲だそうで、なんだか聞いていて救われるような感じでもあるな。

14. LEAVE THE CITY

WRITTEN BY TYLER JOSEPH PRODUCED BY TYLER JOSEPH CO-PRODUCED BY PAUL MEANY

アルバムのラストを飾るナンバーで、この物語も締め。今回のアルバムのストーリーと、Tyler自身が日頃に思っていることが重なるような歌詞に 引き込まれるね。ゆったりサウンドの中で、響き渡るコーラスとデジタルSEが印象的です。

前へ戻る