album2

Best Album『TIME CAPSULE all the singles』● '96/12/12 release

TM NETWORKおよびTMNが発表した全シングルナンバーを収録したシングルコレクション。収録順もシングルのリリース順だし、どのようにTMのサウンドが変わって行ったのか楽しめる2枚組み。 TMらしさをダンスサウンドで追及した小室哲哉の業が光っていますね。 まぁ、シングルだからこそのキャッチーさを兼ね備えているわけで、どの曲もやっぱり耳に馴染みやすいメロディを聞かせてくれるんです。 特に、ヒットを記録した「Get Wild」辺りからは顕著だよね。TMNに改名してからはロックやプロぐれあたりも意識したりしたけれども、 特に小室哲哉がカラオケを意識して作ったという「Love Train」「Wild Heaven」は、モロにメロディで引き込んでくる作品だよね。 不満を言うなら、両A面扱いだった曲がトコトンカットされている。これは収録時間の問題だからしょうがないけれどもね。その反面、うれしいところはボーナストラックを収録しているところ。 Play Station用ソフト「GABALL SCREEN」への書き下ろしナンバーで、3者の個人名義での収録。 TM NETWORKやTMN名義でないところに注目。シンプルなメロディーと3人のコーラスワークが映える作品です。 初回盤はアルバムタイトル通りのタイムカプセル仕様。時計も付いた豪華ボックス&写真集も付いた特別版で、ファンにはたまらないものです。

2-14. Detour (Bonus track from Gaball Screen)

music by Tetsuya Komuro

活動が終了したTMNの小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の3人が、なんと再び集結。今回のベストアルバムに、その3人が集まったトラックを特別収録。 元々はPS用ソフトのテーマソングとして制作されたもの。シンプルなピアノのメロディと3人のヴォーカル&コーラスで華やかに広がってゆく貴重なナンバーです。 派手に飾らず、ありのままを伝えてくるような楽曲だね。

Best Album『STAR BOX TM NETWORK』● '99/1/30 release

ソニーミュージックが仕掛けるベストアルバム企画にTM NETWORKとTMNもラインナップ。今回は、TM NETWORKとTMN、グループ名で区切っての選曲となっていますが、 一筋縄には行かないんだな、これが。確かにただ単なるシングル集にはなっていないので、これまでリリースされたベスト盤とはちょっと違った雰囲気。 ただ、デビュー曲の「金曜日のライオン」が収録されていなかったり、大ヒットした代表曲「GET WILD」が1989年バージョンで収録されていたりと、本当に不思議なつくりなんだよね。 まぁ、初心者向けではない、難しさがありますね。全体的にコアな仕上がり。まぁ、うれしいところは「ELECTRIC PROPHET」がラストに収録されているということで、 あたかもライブのような配置にFANKSもちょっとピンと来るのではないでしょうか。完全限定生産ということで、要チェックなアイテムですかね。

Best Album『STAR BOX TMN』● '99/1/30 release

ソニーミュージックが仕掛けるベストアルバム企画にTM NETWORKとTMNもラインナップ。今回は、TM NETWORKとTMN、グループ名で区切っての選曲となっていますが、 一筋縄には行かないんだな、これが。確かにただ単なるシングル集にはなっていないので、これまでリリースされたベスト盤とはちょっと違った雰囲気。 そもそも、TMN名義のオリジナルアルバムはたった2枚なので、これだけでベストアルバムを作ってしまうのも随分と無理難題な話だよね。 おまけにTMNプロジェクトのラストシングルでもある「Nights of The Knife」も未収録と来たもんだ。 収録順もそれ故、この2枚のアルバムの塊になっていますね。しかも、曲数のバランスが悪いのも残念だね。「WILD HEAVEN」は元々、アルバム「EXPO」に収録予定だったということもあり、 この位置に来ていても違和感なく、前後とよいつながりを生み出しているところが救いか。まぁ、全曲オリジナルバージョンということで、シンプルな形として聞かせてくれます。 後期TMNのサウンドを端的に味わうことができるアルバム。完全限定生産ということで、要チェックなアイテムですかね。

Best Album『BEST TRACKS ~A message to the next generation~』● '00/3/23 release

TM NETWORKが再始動。さらに、鈴木あみがTM NETWORKの「Be Together」をカバーしては大ヒット。その中での便乗みたいな形で、ベストアルバムが登場。 って、ついこの間、「STAR BOX」って言う企画のベストアルバムが出たばかりだと思うんだけれどな。容赦ないね、ソニーさんも。とことん、手を変え品を変え。 さて、今作は、副題にもあるように、次世代へ残したいTM NETWORKの名曲を網羅。っていうことでいいのかな?ただ単なるシングルコレクションになっていないところや、 全曲オリジナルで、ミックスが施されていない純正トラックで構成されたベストアルバムというところに注目かな。 「LOVE TRAIN」で始まり、「Be Together」「RHYTHM RED BEAT BLACK」「金曜日のライオン」「HUMAN SYSTEM」「SELF CONTROL」 「WILD HEAVEN」と、TM NETWORK/TMNの楽曲がバランスよく収録されています。「GET WILD」をラストに持ってきたところがちょっとにくいね。 おなじみ、藤井徹貫によるライナーノーツも読み応えがあり。ただ、ジャケットおよびブックレットにメンバーの写真がなくてつまらないのが難点。

9th Album『Major Turn-Round』● ’00/12/25 release

再始動を果たしたTM NETWORKが、「EXPO」以来となるオリジナルバムを、実に9年ぶりにリリース。 しかも、インディーレーベル「Rojam」(反対から読んでみると?)からのリリースということで、メジャーレーベルの制約なしに、音を自由に伝えてきます。そして選んだテーマが「プログレ」なわけだ。 TM流プログレを表すアルバム表題曲は、実に32分強の大作。3編からなる組曲形式で、幾重に音の波や展開する豊かな表現に圧倒されます。 小室哲哉の即興ピアノ演奏もあったりしては、すべての意味がこの1曲に集約されているようだね。 先行シングル「MESSAGE」「IGNITION, SEQUENCE, START」「WE ARE STARTING OVER」もアルバムバージョンで収録され、音もガツンとパワーアップ。 ラストを飾る“キネバラ”「CUBE」に至っては、小室哲哉が「名曲」と言ったほどの一品です。 全7曲という曲数だけれども、そこに流れる濃厚な時間は、TM NETWORKの表す新たな世界だね。 後に、メジャーレーベルで再発されたけれども、正直、一般受けしない作品かと思います。が、こだわりをとことん感じさせる作品なわけで、奥が深いよ。

1. WORLDPROOF

Composed & Performed by TETSUYA KOMURO PRODUCED BY TETSUYA KOMURO

アルバムのオープニングを飾るインストチューン。 アンビエントな水の音がサウンドとなって、包み込んで来るかのように。そして、次曲への橋渡しの役目を兼ねています。

2. IGNITION, SEQUENCE, START -ALBUM VERSION-

Composed & Arranged by TETSUYA KOMURO Written by MITSUKO KOMURO PRODUCED BY TETSUYA KOMURO

TM NETWORK、「MESSAGE」に続くインディーズレーベル「Rojam」からの第2弾シングル。 エッジの効いたギターにプログラミングが織りなすデジタルワールド。時にボコスカバンドサウンドになったり、言葉数の多さや展開の複雑さからは大作感が伝わってきます。 6分20秒。止まることのない音の波が押し寄せてきては、かっこいいんだ。

アルバムでは、よりいっそう大作なサウンドに。イントロではステレオサウンドを利用して楽しませる。 そして、ヘビィなバンドサウンドに衣替え。より力を増したTM NETWORKがロックで聞かせてくれる、約7分のナンバー。

3. MAJOR TURN-ROUND

Composed & Arranged by TETSUYA KOMURO Written by MITSUKO KOMURO PRODUCED BY TETSUYA KOMURO

アルバムのタイトルチューンは、なんと3つの曲を組み合わせた組曲。 物語のように静かな幕開け。ゆったりと、そしてどっしりと。歌が始まったと思ったら、今度は力強いサウンドをぶつけてきて、 アップテンポに変身。しかし、歌が再び始まったと思ったら、楽器のみが暴れ出したり。さらに再びゆったり、じっくりと聴かせるナンバーに変身したりと、多様ですね。 バラード調になったり、ダンスチューンになったりと、慌ただしい壮大なストーリー。

ピアノがしっとりと響き渡る第2幕。とにかく繊細で、美しさと儚さが混じります。さすがは小室哲哉。 その後は、まるでジャズ/ビバップのように、セッションを展開し、アグレッシヴなピアノパフォーマンスであっと驚かせる。

23分経っての第3幕。スピーディーなデジロックといった感じで、迫力を感じさせる展開です。 ダイナミックなロックに変身したり、曲をまとめあげます。そして、ゆっくりとスローテンポになっては、じっくりとヴォーカルを聴かせてくれる。32分1本勝負、聞き応えがある壮大な曲です。

4. PALE SHELTER

Composed by NAOTO KINE Written by MITSUKO KOMURO PRODUCED BY TETSUYA KOMURO

数少ないアルバムの曲。鮮やかなギターの音色が滑らかに滑り込んでくるような、味のある1曲。サビに入ってくると、バックの音やコーラスが随分と厚くなってくるね。 この曲は木根尚登作曲のナンバー。どこかしら、フォーキーな雰囲気を感じます。TMらしさがよく出ていて、聴き入ってしまいますね。

5. WE ARE STARTING OVER -ALBUM VERSION-

Composed by NAOTO KINE Written by MITSUKO KOMURO PRODUCED BY TETSUYA KOMURO

TM NETWORK、インディーズからのシングルナンバー第3弾は、キネバラと来たもんだ。 ゆったりビートをベースに、ピコピコSEとエッジの効いたギターも時々入ってくるトラックは、やっぱり木根尚登特有の優しさが伝わるメロディですね。 歌詞も切ないんだ。さぁ、もう一度始めようか。そんな思いが、ストレートに伝わってきます。

アルバムでは、ギターの音は抑えめに。

6. MESSAGE -ALBUM VERSION-

Composed & Arranged by TETSUYA KOMURO Written by MITSUKO KOMURO PRODUCED BY TETSUYA KOMURO

TM NETWORKが、なんとインディーズレーベルへと移り、作品を発表。 その第1弾となるシングルナンバーは、ドラマティックなミドルテンポのグルーヴチューン。ピコピコとプログラミングを多用して、 心地の良いトラックをぶつけてくる。メロディラインもこの時のTK節満載ですね。メジャーコードとマイナーコードが混じり合い、見事に曲を引き立てます。

アルバムでは、どっしりコーラスを聞かせてくれたりと、よりメッセージの力強さを出してきました。

7. CUBE

Composed by NAOTO KINE Written by MITSUKO KOMURO PRODUCED BY TETSUYA KOMURO

小室哲哉が「名曲」と言ったほどに、訴えかけてくるものがあるキネバラ。 ピアノとハモンドオルガンが優しく響き渡る、3拍子のバラードナンバーです。中盤から宇都宮隆が声を張り上げて熱唱すると、 なんだかグッときますね。間奏でギターが入ってきて、ビシッとエッジを効かせます。なるほど、胸に響き渡る楽曲ですね。

Best Album『THE LEGEND』● '03/1/1 release

エピックレコード25周年を記念した企画ベストアルバム。エピックレコードに所属していたアーティスト達の1980年代の楽曲から、選りすぐりのナンバーをパッケージ。 って、ついこの間、ソニーは「STAR BOX」っていう企画ベストを出したばっかりのような。 さらには、「BEST TRACKS ~A message to the next generation~」というベストアルバムもついこの間出ていたよね。 メンバーノータッチのベストアルバムが乱立する中で、今作も一ひねりを加えてのリリースとなりました。 1980年代の楽曲を中心に選曲されているところに注目。「ELECTRIC PROPHET」はじめ、 「8月の長い夜」「FANTASTIC VISON」「HERE, THERE & EVERYWHERE」などのシングル以外からの選曲は面白いね。こういうものを掘り出してくると、まったく飽きが来ないTM NETWORK。 今回も、藤井徹貫のライナーノーツが掲載され、少年が夢見ていた頃へと戻させてくれる。

Compilation Album『キヲクトキロク ~ Major Turn-Round』● ’03/2/5 release

TM NETWORKの蔵出し音源集と、インディーズで発表した「Major Turn-Round」を2枚組にした特別編集盤。 レア音源集というよりかは、こんなものもありました、的な、そこまで貴重度は高くない感じかな。 再始動後の音源が中心のようです。シングルにもなった「GET WILD DECADE RUN」「IT’S GONNA BE ALRIGHT」「Happiness×3 Loneliness×3」「MESSAGE」「We are starting over」 などの別バージョンやリミックスなどが一堂に会します。また、一夜限りのスペシャルライブからの音源や、秘蔵テープに収録されていたナンバーなど、記憶と記録に残っていたナンバーで、 TM NETWORKを保管します。個人的には、「CASTLE IN THE CLOUDS」の別バージョンがなかなかいいと思いますよ、歌詞がクサくて。 DISC-2は、そのまま「Major Turn-Round」をメジャーレーベルからの再発。プログレをテーマに、TM NETWORKがあらゆる可能性を生み出した作品です。 インディーズだからこそ、ここまで自由に音を操っている小室哲哉のその業が光ります。名キネバラ「CUBE」をここでも堪能できますね。 ただ、まだまだ記録が残っているような気もするけれども、どんどんと蔵出しして欲しいですね。

Disc-1 キヲクトキロク

1. CAROL (Unreleased Piano Version)

Composed, Arranged & Performed by Tetsuya Komuro

あの「CAROL」のテーマを、小室哲哉が引き残したという掘り出しトラック。 こんな絶品ナンバーが、これまで埋もれていたとはね。発掘されて、ようやく日の目を見たわけであります。 巧みな指さばきで、ドラマティックで軽快に展開。よりいっそう、キャロルの世界に浸ってしまうね。

2. GET WILD DECADE RUN (’99 Version)

Written by Mitsuko Komuro Composed & Arranged by Tetsuya Komuro

TM NETWORK再始動の初陣を切った、シングルナンバーの1st Mix。 「’99 Version」となっているけれども、シングル自体、1999年のリリースなんだから、もうちょっと工夫したネーミングがあっただろうに。 トラックの方は、やっぱりラフというか、下手に飾っていなくてスッキリしている感じだね。逆に、これくらいあっさりしていいぐらいだと思う。

3. Happiness×3 Loneliness×3 (Club Mix)

Remixed by Bobby D’ Ambrosio

冒頭から4つ打ちビートがもっさりと入ってくるリミックスチューン。 ビートにパンチがあって、かっこいいんだよね、トラックは。ラテン要素も引き立ちます。それに比べると、やっぱり歌詞が弱いというか、浮くというか。

4. IT’S GONNA BE ALRIGHT (TK Vocoder Version)

Composed, Arranged & Performed by Tetsuya Komuro

始まりの小室哲哉のヴォーカルが、ヴォコーダーでエフェクト処理されて聞かせるバージョン。 声をいじくると、さらに不思議な世界へと連れて行ってくれますね。ただ、頭の少しだけで、後は普通に。オリジナルバージョンと、少々展開が違います。

5. 10 YEARS AFTER (Featuring COMMON)

Written & Composed by Tetsuya Komuro Rap Words by COMMON

アメリカで活躍するラッパー、COMMONをフィーチャーしたバージョン。 サビでちょっとTM寄りのコーラスとメロディになるけれども、ほぼCOMMONスタイルで聞かせるトラック。どっしりビートとブレイクビーツで攻めの口撃を伝えてきます。

6. IN THE MOMENT

Composed, Arranged & Performed by Tetsuya Komuro

小室哲哉によるピアノナンバー。M-1と同じテープから出てきたという、お宝ナンバー。 彼のセンスが光る、繊細で優雅な曲を聞かせてくれます。

7. WORLDPROOF (A DEEP REMIX) ~Interlude~

Remixed by Akihisa Murakami

「Major Turn-Round」のオープニングを飾るインストナンバーをリミックス。 水の音をうまく使用しつつ、深く深く沈んでいくような、ディープなトラックに大変身。そして、ボコスカとビートも入ってきては、アグレッシヴに。

8. Get Wild (Live from 2001 RENDEZVOUS IN SPACE)

Recorded on 1.Jan.2001 at Ginowan Tropical Beach, Okinawa

沖縄で行われた一夜限りのライブトラック。 イントロはもう、おなじみですね。そこに宇都宮隆のヴォーカルをサンプリングしたりして。その後はガッツリと音をぶち込んで、楽しませるステージです。 宇都宮隆がサビを全部歌いきっているのも、結構新鮮。最後、一瞬だけ声がかすれたね。アウトロでは、リミックスのごとく、トランシーな音が襲いかかってきた。

9. CASTLE IN THE CLOUDS (YABE VERSION)

Written by Mitsuko Komuro Composed by Tetsuya Komruo Arranged by Tetsuya Komuro & Ken Yoshida

シングル「CASTLE IN THE CLOUD」の別歌詞バージョン。 テレビ番組「電波少年に毛が生えた」のカラテカ矢部に向けられた応援歌。しかも、1日しかO.A.されなかった貴重な音源です。 歌詞はとにかくクサいんです。「笑いで世界を変える」という内容ですよ。トラックの方は、オリジナルよりもラフな感じ。

10. MESSAGE (KIOKU REMIX)

Remixed by Akihisa Murakami

ダークな雰囲気を醸し出すリミックスナンバー。 オリジナルよりもテンポを上げて、冷たさがより一層伝わってくるスタイルです。テクノ要素も少々強いかな。

11. We are starting over ~ずっと好きだった~ (Naoto Kine Piano Instrumental Version)

Composed, Arranged & Performed by Naoto Kine Recorded on 9.Sep.1999 at TRUE KiSS DiSC Studios, Tokyo

木根尚登によるピアノバージョン。 木根のソロ活動時には、すでに作られていたとのことで、TMとしての活動を念頭に作られていたそうです。よりいっそう、木根の優しさや温かさが伝わってきますね。

12. EPILOGUE 1991 ~月とピアノ~ (TM NETWORK名義初トラック)

Composed, Arranged & Performed by Tetsuya Komuro Recorded on 15.Jul.1991 at STUDIO JIVE

ピアノのインストナンバー。小室哲哉がしっとりと奏でては、ドラマティックに。 TMNのアルバム「EXPO」でのコンセプトが「月とピアノ」ということだったんだけれども、今作はTM NETWORK名義で初収録。

10th Album『NETWORK TM -Easy Listening-』● '04/3/31 release

オリジナルアルバムとしては、前作「Major Turn-Round」以来の作品で、デビュー20周年を記念したオリジナルレングスアルバムと銘打たれています。 先行ナンバーだった「NETWORK TM」に収録されている「SCREEN OF LIFE」「風のない十字路」「TAKE IT TO THE LUCKY」の3曲はじめ、 その前にリリースされたシングル「CASTLE IN THE CLOUDS」「君がいる朝」、全てアルバム用にミックスを施して、収録されています。 小室哲哉のかける想い、こだわりを感じることができますね。ズバリ、TM流トランスのアプローチで、ほかにも「LOVE TRAIN」や「TIME TO COUNT DOWN」のリミックスも収録。 なんだけれども、全体的には、新曲が3曲、そのうち2曲はほぼインストなので、そう考えると、他楽曲を使いまわしているようにも思えて、ちょっと残念な感じもしますね。 そしてこのアルバムタイトル、一般的にはヒーリング的な意味合いを持つ癒しの「Easy Listening」というジャンルなんだけれども、 その正反対なトランステイスト溢れるダンストラックでバッキバキに攻めてきます。 小室哲哉の考えることが、だんだんと分からなくなってきたね。それゆえ、3人名義のTM NETWORKとしてリリースするのも、ちょっとどうだろう。 小室哲哉のソロ作品と言っても通じてしまうような気もします。初回盤は、チェンジングジャケット仕様です。

1. SCREEN OF LIFE -EXTENDED MIX-

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

久しぶりとなるTM NETWORKのシングルナンバーは、3曲A面扱いの力作。 こちらの曲は、TM流トランスのアッパービートで攻めてせめて通り抜けてゆく。小室哲哉のキーボードが神秘的な音を放って、ウツが力強いヴォーカルを聴かせてくれます。 「です」「ます」調の歌詞の部分は、TMにとってなんだか意外。40代以上の働く人への応援歌みたいな内容で、トランスサウンドと共に、躍起にさせてくれます。

アルバムでは、エクステンデットミックスで収録。イントロがなくなったりと、アレンジを多少変えて、よりアグレッシヴになってきました。約8分のロングラン。

2. LOVE TRAIN -EXTENDED MIX-

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

大ヒットナンバーのリミックスチューン。トランステイストの味付けにより、よりアグレッシヴなビートが際立つ4つ打ちチューン。 ぐいぐいと攻めてくる姿勢がかっこいいね。でも、あまり曲本来の色が出ていない気がするんだよな。 派手に飾ってはいるけれども、ちょっとまやかしが強いかな。このアレンジじゃなくてもいい部分が、ちょっと見え隠れしています。

3. PRESENCE

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

イントロなしでウツの言葉が入って始まるナンバー。どっしりとした打ち込みビートをベースに、ざっくりギターも味付け程よく聴かせてくれるミディアムナンバー。 独り言のように淡々と語っているようなシチュエーションが、都会の中の孤独を表すようだね。

4. CASTLE IN THE CLOUDS -ALBUM MIX-

Words:Mitsuko Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro & Ken Yoshida Produced by Tetsuya Komuro

TM NETWORKが再びメジャーフィールドにてシングルをリリース。 吉本系のR&Cからの発表は、タイアップも本家絡み。ポップなダンスビートは、これぞTM NETWORKなアレンジ。さすがは小室哲哉だ。 キャッチーさと切なさをうまくミックスさせた曲を放ってきました。 小室みつ子の詞も、「笑い」をうまくアレンジしているね。全体的に懐かしさがあります。アレンジで小室哲哉と吉田健という組み合わせも、なかなか珍しいね。 爽快なスピード感もあって、この曲、好きだな。PVで森三中がTMメンバーの扮していたのには笑った。

アルバムでは、トランステイストの4つ打ちビートをベースに、どっぷりしたトラックに変更。ビートとシンセの音が強調されたので、 ウツのヴォーカルもサウンドの一部に取り込まれている感じかな。オリジナルのような軽やかさがないのが、ちょっと残念だ。

5. 風のない十字路 -ALBUM MIX-

Words:Mitsuko Komuro Music:Naoto Kine Arrangement:Ken Yoshida & Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

木根尚登作曲のバラードナンバー。ちょっと切なく悲しさのでたメロディラインを、どっぷり世界に染めていくように染まってゆく。 ビートのトラックが淡々としているので、余計に寂しさが伝わってきますね。ラストはアンビエントなテイストを前面に出してきては、ドラマティックになる流れです。

アルバムでは、ミックスが施されて、より力強い音が追加。ただ、あまりキネバラ的な印象はないかな。

6. TAKE IT TO THE LUCKY (金曜日のライオン) -ALBUM MIX-

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

20年前のデビュー曲をリミックスしてトランス/ドラムンベースな味付けを施したトラック。 ここまでサウンドが変わっても、しっくりくるのは、曲本来の持ち味かな。20年前なのに全く色褪せない名曲と改めて認識できると共に、 20年前にすでにこういった曲を作っていた小室哲哉の才能はすごいなと感心。アップテンポビートが入ってくると、躍動感を増して、まさしくアフリカの大地を駆け抜けるような雰囲気だね。

アルバムではミックスが施されて、ゴテゴテしていたオリジナルテイクよりも、あっさりとした感じに。それでも、トランステイストをしっかりと押さえていますね。 でも、後半は遊びというか、インストで引っ張っている感じな6分半。

7. 君がいる朝 -ALBUM MIX-

Words:Mitsuko Komuro Music:Naoto Kine Arrangement:Naoto Kine & Ken Yoshida Produced by Tetsuya Komuro

ゆったり聞かせてくれるキネバラ。サウンドは、ピアノメインのアコースティックチューン。コーラスワークはさすがなTMです。 優しく包み込んでくれる、うっとりじっくりバラードですよ。

アルバムでは、どっぷりビートが加わったことで、アルバム色に染まった感じかな。でも、オリジナルの味付けの方が、味わいがあって好きだな。

8. TIME TO COUNT DOWN -LABO MIX-

Words:Mitsuko Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

リミックスのようで、リアレンジのようで、全く別曲のようで。 基本的にはオリジナルのトラックをリミックスしたインストナンバー。ヴォーカルもサンプリングのように、ちょっと入っているんだけれども、 基本的には4つ打ちベースのトランスナンバーだね。

9. nuworld

Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

インストナンバー。デジタルサウンドで味付けされたトラックは、 もはやTMではなく、小室哲哉のソロの世界だね。後半に行くと、ピアノの業も鮮やかになっていきます。濃厚な8分半。

10. COME CLOSER

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

エフェクトのかかったウツのヴォーカルをベースに、聞かせるトランスインストナンバー。これもあまりTM NETWORKの三位一体な感じがしないんだよな。

Best Album『Welcome to the FANKS!』● '04/12/22 release

何作目になるのだろうか、TM NETWORKのベストアルバム、今作は、リクエストを募って、収録曲はTOP20が選ばれました。 1位はやっぱり、「ELECTRIC PROPHET (電気じかけの予言者)」なんだね。FANKSの根強い人気が伺えます。 「Get Wild」「Beyond The Time」「Love Train」「Self Control (方舟に曳かれて)」「Seven Days War」などのシングル曲や、 「Still Love Her (失われた風景)」「Here, There & Everywhere (冬の神話)」「Human System」などのアルバム曲が、結構FANKSから支持されているんだね。 そして、終了ライブで披露された「TIMEMACHINE」は、やっぱりスタジオテイクではなく、ライブバージョンから。これはちょっとスタジオバージョンを期待していた人も多いんじゃないかな。 3枚目は、B面曲を中心に、補完的に、これでもかというくらいに収録して来ましたね。う~ん、そこまで珍しさはないんだよな。 応募特典だったという「LOVE TRAIN (CLUB MIX)」「DIVE INTO YOUR BODY (12” CLUB MIX)」以外は、ちょっと消化不良に感じるな。 オールタイムな選曲だったら、どんな感じになっていたんだろうか。 FANKS向けな内容で、初心者向けでもあるという点では、親しみやすさのあるベストアルバムではあると思います。ただ、ジャケットやブックレットが権利関係なのか、素っ気なさすぎる。

11th Album『SPEEDWAY』● '07/12/5 release

タイトルでピンときてしまうね。TM NETWORK、前作「NETWORK TM -Easy Listening-」から約3年ぶりとなる、アルバム「SPEEDWAY」。 そう、TM NETWORKの前身グループ名ですよ。これをタイトルに持ってくるとは、にくいね。なんでも、小室哲哉が配信サイトでSPEEDWAYのトラックを見つけたことがきっかけだったとか何とか。 そんなSPEEDWAYの“3枚目”をテーマに、色々なサウンドを聴かせてくれる。ただ、先行ナンバー「WELCOME BACK 2」がこの上なく不評だったので、どうなるかと思いきや、 アルバムとしてはまとまりが出た感じかな。ポップな「ACTION」、ざっくりギターがインパクトを出すナンバー「DIVING」やインストナンバー「MALIBU」、 歌詞はおまけだけれども、これまたインストの「YOU CAN FIND」 など、作り込まれているけれど、時折歌詞やサウンドに迷いが見えるかな。

1. ACTION

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

イントロから小室哲哉の業が炸裂するアップチューン。キーボードに4つ打ちビート、そしてギターの音もざっくりと入ってくる。 宇都宮隆のヴォーカルが入ると、随分と淡々とした感じだね。音程が一定で進行していくようだ。その後、サビ前は鮮やかに。

2. DIVING

Words:Tetsuya Komuro Music:Naoto Kine Arrangement:Tetsuya Komuro & Naoto Kine Produced by Tetsuya Komuro

作詞を小室哲哉、作曲を木根尚登という組み合わせ。アレンジも2人が一緒に手がけています。 音もまた斬新に聞こえてしまうね。ざっくりアコギが心地よく染み渡ってくる。そして、サビで3人のヴォーカル&コーラスがTM NETWORKを表してきます。 色彩鮮やかな歌詞も印象的。

3. PRIDE IN THE WIND

Words:Tetsuya Komuro Music:Naoto Kine Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

これぞTM NETWORKな世界を表現するようナンバーだね。独特のリズムながら、爽やかさを伝えてくる。 それでいて、どこかしら切なさも出て、なんかしんみりだね。

4. RED CARPET

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

随分とゴージャスな1曲だね。なんだろうか、メロディはいいのに歌詞がついてこない。ちょっと小室哲哉も、何が言いたいのか。 メロディパートの早口ラップみたいなところも、何だかイマイチだな。

5. TEENAGE

Words:Tetsuya Komuro Music:Naoto Kine Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

どこか懐かしさを感じさせる1曲。オープニングのハーモニカがまた、いい感じだね。音楽の素晴らしさを伝える歌詞がいい。 オン街はいつの時代も連れて行ってくれる、あの頃へ。10代の頃の気持ちへと戻してくれるんだよね。

6. WELCOME BACK 2 -1983 Edit-

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

問題作。よくぞこの曲をシングルとして切ったなぁ、と驚きの1曲。サビから始まるんだけれども、これまでのTM NETWORKのシングルをタイトルを 散りばめては、全く意味不明な歌詞が誕生。なんか、よくわからない気持ち悪さが漂います。 ポイントはそうる透のドラムかな。そして、GAINAX佐々木洋が手がけたジャケットがいい感じ。

7. 夏の終わり

Words:Tetsuya Komuro Music:Naoto Kine Arrangement:Tetsuya Komuro & Naoto Kine Produced by Tetsuya Komuro

イントロは安室奈美恵「NEVER END」入っていません?ということで、じっくりt聞かせてくれるバラードナンバーは、 アコースティックギターの音に懐かしさを感じさせてくれるような1曲。この曲も、小室哲哉と木根尚登の2人でアレンジを手がけています。 打ち込みを抑えて、アコースティックな生音、そしてコーラスで見事に夏の終わり感を伝えてきます。

8. N43 -1983 Edit-

Words:Naoto Kine Music:Naoto Kine Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

イントロの優しさは、やはり木根尚登なトラック。今回はキネバラではなく、キネポップに仕上げてきた。そこを小室哲哉のマジックで仕上げています。 でもてt、まさかのクリスマスソングという歌詞の内容。どこかしら懐かしさを漂わせては、思い出話に花を咲かせるような1曲だね。

9. ELECTRIC MUSIC

Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

タイトル通りにエレクトロな要素を詰め込んだ、インストナンバー。ドラムプログラミングながら、鮮やかな演奏でめくるめく情景を映し出します。

10. YOU CAN FIND

Words:Tetsuya Komuro Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

美しくドラマティックなピアノの音で聞かせるオープニング。うっとりなナンバーだね。 そして、この曲は歌詞があるにもかかわらず、インストナンバーとして収録。それについては、藤井徹貫のライナーノーツを参照のこと。 美しきメロディは、やはり小室哲哉の持つ唯一無二の世界だね。

11. MALIBU

Music:Tetsuya Komuro Arrangement:Tetsuya Komuro Produced by Tetsuya Komuro

アルバムのラストを飾るインストナンバー。小室哲哉のシンセ業が光る作品。途中からアグレッシヴなドラムンベースを投入して、 かなりの熱をぶつけてくる。ただ、この曲で幕というのもなんか物足りなさがあるんだよな。

Best Album『TM NETWORK THE SINGLES 1』● '08/5/28 release

TM NETWORK、デビュー25周年の記念アイテムとして、エピックレコードで発表したシングルナンバーをコンパイルしたベスト盤の登場。でも、こんなの、以前発表した 「TIME CAPSULE」で済むわけで、一体何のためのリリースなのか。差別化を図るためか、ラストは「COME EVERYBODY」から「Be Together」に差し替えられています。 シングルでもないのにね。ここまで鈴木あみ効果を引っ張っているのかな。強いて言えば、初回盤のDISC-2のボーナスディスクがマストですかね。 ライブ音源や別バージョンのトラックを収めているので、シングルのB面でしか聞けなかった曲もここで補充できるというわけですね。それにしても、ジャケットがダサい。

2-1. DRAGON THE FESTIVAL (Live at 日本青年館)

サンプリングからスタート。バンドサウンドとともに、勢いが出まくっています。なぜか象の鳴き声も登場。とにかく迫力たっぷりに攻めてきます。

2-2. カリビアーナ・ハイ (Live at 日本青年館)

前曲から続いて、アップテンポのナンバーをどっしりと。ハイな気分で聞かせてくれる1曲。

2-3. Rainbow Rainbow (Live at 日本青年館)

シンセで会場を包み込むポップなステージ。サビのコーラスも分厚く聞かせてくれます。

2-4. 金曜日のライオン (Live at PARCO SPACE PART 3)

イントロで歓声が上がる。その後は躍動感のあるビートで、盛り上げてくれました。サビなどで低音が効いていてかっこいいんだな。

2-5. 永遠のパスポート (Live at PARCO SPACE PART 3)

瑞々しいサウンドに、なめらかなシンセサウンドが広がるポップなステージ。

2-6. ELECTRIC PROPHET (Live at PARCO SPACE PART 3)

意外とガツガツ激しい音を叩き込んでくる名バラード。歌が始まると、しっとりとギターの音が軽やかに。 でも、これほどまでに世界を作るステージはすごいね。聞き入ってしまいます。

Best Album『TM NETWORK THE SINGLES 2』● '09/9/30 release

TM NETWORKデビュー25周年記念アイテム第2弾。例の事件があったために、発売延期にはなっていましたが、無事に発売にこぎつけました。 前作同様、「TIME CAPSULE」を持っていれば、ほぼ必要のない、コレクターアイテムとなっています。前作から押し出されて、「COME ON EVERYBODY」がここに入ってきています。 うん、お腹いっぱいだね。今回も初回盤はボーナスディスクのついた2枚組で。 前作ベスト「Welcome to the FANKS!」のボーナスディスクに入っていた曲の再収録とか、B面曲とかで、貴重度はそこまで高くはない感じだね。