album

4th Album『NEXT DOOR』● '86/6/28 release

原田知世の4枚目となるオリジナルアルバム。前作から半年ぶりというハイペースでの作品は、全曲の作詞を秋元康が、アレンジを後藤次利が手がけたものです。 原田知世の次なるステージの様な感じで、秋元康の歌詞もちょっと大人びた世界を描いてくる。ただ、ちょっと狙いすぎて逆にしっくりこなかったりもするんだよね。 そんな中での、やっぱり光るシングルナンバー「雨のプラネタリウム」。この曲の力がとにかくハンパないね。こんな感じの路線を行けばよかったけれども、所々でアイドルポップソングな構成のアルバム。 ちょっとこれは残念かな。制作陣には原田真二や吉川晃司などが参加しているところも興味深い。

1. バックギャモンは負けない

作詩:秋元康 作曲:南部昌江 編曲:後藤次利

アルバムのオープニングナンバー。「バックギャモン」というワードだけがものすごく強くて惹きつけられる。 アンニュイで儚げな原田知世のヴォーカルが生きるメロディパート。ただ、歌詞はよくわからんぞ、秋元康。ギターでは北島健司が参加している。

2. 異国の娼婦

作詩:秋元康 作曲:原田真二 編曲:後藤次利

作曲が原田真二というのがまた興味深い。ポップチューン。後藤次利のアレンジで華やかに仕上げてきたね。 そして、随分と楽しそうに原田知世が「娼婦」という言葉を発する。う~ん。

3. 月のリグレット

作詩:秋元康 作曲:松尾清憲 編曲:後藤次利

マイナー調のポップソング。原田知世の歌い方も、少々翳りを加えては、真っ直ぐと届けてくれる。 間奏では優雅にアコーディオンが舞うけれども、ちょっと普通にアイドルポップな感じかなぁ。

4. 落書きだらけの青春時代

作詩:秋元康 作曲:南部昌江 編曲:後藤次利

等身大の女性のヴォーカルといった感じで、はつらつしているね。原田知世としての勢いを感じさせるヴォーカルに、力強いサウンドで、どんどんと引き込んできます。 なかなかかっこいい曲で、秋元康の歌詞もマッチしているかな。

5. イニシャルを探して

作詩:秋元康 作曲:尾関裕司 編曲:後藤次利

ミディアムテンポのバラードナンバー。伸びやかな原田知世のヴォーカルと、瑞々しさが広がる後藤次利のアレンジが心地よさを生み出す。 A-B-サビを繰り返し、最後に大サビを加えては盛り上がりに拍車をかけてくる展開。コーラスもいい感じだね。

6. 雨のプラネタリウム

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

原田知世のヒットシングルナンバー。後藤次利がアレンジだけでなく、作曲も手がけた渾身のアイドルロックチューン。 マイナー調のメロディと雨というシチュエーションがピッタリあって、かっこいいんだ。秋元康の歌詞もまた、原田知世に大人の恋愛を歌わせてくるわけだ。 やっぱりサビの力強さ、キャッチーさはもうハンパないくらいにかっこいいわけだ。

7. 僕達のジングルベル

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

こちらの曲も後藤次利の作曲・アレンジによるポップなナンバー。秋元康が描き出すクリスマス。原田知世のヴォーカルもとことん可愛らしさを生むポップチューンだね。 あまりクリスマスクリスマスしていない。サビの展開もそうくるか、なメロディラインです。

8. アップルティーには早いけど・・・・・・

作詩:秋元康 作曲:岸正之 編曲:後藤次利

タイトルも狙っているな、秋元康。おしゃれに飾ってこようという魂胆は伝わってくる。原田知世のヴォーカルも淡々としていながらも、伸びやか。 サビも瑞々しさと爽やかさを兼ね備えて展開。ただ、やっぱり歌詞の意味がわからないぞ、秋元康。

9. 葡萄畑の走り方

作詩:秋元康 作曲:吉川晃司 編曲:後藤次利

クレジットを見て驚き。吉川晃司が作曲を手がけたポップなナンバー。後藤次利のアレンジが効いてはいるけれども、吉川晃司が歌っていてもなんら違和感がないね。 メロディパートが微妙にテクニカルなラインを辿るから、緊迫感を生み出す音程。一転して、サビでは爽やかさたっぷり。

10. 右手で抱いて

作詩:秋元康 作曲:岸正之 編曲:後藤次利

ゆったりと、アンビエントなテイストで聞かせてくれるバラードナンバー。柔らかい雰囲気のヴォーカルが生きるメロディパート。 そして、サビでは力強く、それでいて儚く、この声のバランスが絶妙な感じだね。

11. 赤いパンプス

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

秋元康が作詞、後藤次利が作曲とアレンジを手がけたキラキラポップなナンバー。 原田知世のヴォーカルの眩しさが、そのまま曲に表れているね。

5th Album『Soshite』● '86/11/28 release

「NEXT DOOR」に続く原田知世の5枚目となるアルバム。今回も、後藤次利のサウンドプロデュースをベースに、いろいろな作家たちが楽曲を作り上げてくる。 秋元康の作詞した「コンセプト」だけは、ちょっと原田知世の色じゃないだろうと。ツッコミを入れたくなりますね。そのほかの楽曲は、湯川れい子が作詞を手がけたり、吉川晃司や小室哲哉が作曲したり。 ところどころでオヤっと思わせてきます。原田知世の持つソフトで柔らかい雰囲気を、ちょっと大人っぽくアップデートしてきた様な感じが、なんともおしゃれだね。 また原田知世自身が作詞・作曲を手がけたりと、かなり力を入れている模様。ヒットシングル「雨のプラネタリウム」も、19歳になってのバージョンで収録。

1. さよならの美術館

作詩:湯川れい子 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利

ダイナミックな音づかいで、どっしりと聞かせてくれるミディアムナンバー。後藤次利のアレンジもさることながら、湯川れい子の歌詞がおしゃれに彩りを加えてくる。 メロディパートは原田知世のヴォーカルにエフェクトをかけているのかな。ちょっと妖しさがポイントになるね。

2. 一幕のComedy

作詩:湯川れい子 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利

前曲に引き続いての湯川玲子の歌詞。後藤次利が作曲とアレンジを手がけたポップなナンバー。 この曲、主人公がまたすごいんだな。シチュエーション、好きな人を奪った女と奪われた女の対峙。ヒリヒリするこの緊迫感をうまくソフトに描いています。

3. Cool

作詩:小倉めぐみ 作曲:南部昌江 編曲:後藤次利

イントロから疾走感がダイレクトに伝わってくるナンバー。タイトルよろしく、クールな雰囲気を振りまいてかっこいいね。 ただ、アレンジが古臭いな。1970年代に戻った感じで、なんだかもったいない。

4. セレブレーション

作詩:湯川れい子 作曲:吉川晃司 編曲:後藤次利

これまたすごいトライアングル。湯川れい子、吉川晃司、そして後藤次利。吉川晃司が作曲したとは思えないほどにポップなナンバー。 イントロでは、優雅にヴァイオリンが踊ってびっくりだ。サビは華やかさを演出。可愛らしいんだ。

5. 土曜の停電

作詩:秋元康 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利

作詞の秋元康、だからなんだよとツッコミを入れたくなるようなタイトルだな。おしゃれさを気取ってクールに展開。 原田知世のヴォーカルも、クールでかっこいいけれども、結局よくわからない歌詞のシチュエーションなんだな。

6. コンセプト

作詩:秋元康 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利

イントロからポップさ爆発。アイドルソングですな。クールな雰囲気から離れて、一気に現実モード。仕事に頑張る女性の生き様を描いています。 32階のオフィスで働くだなんて、結構大手企業にお勤めなんだな、なんて想像したり。しかし、テーマが不倫というのがなぁ。なんだかなぁ。

7. 逆光の中で

作詩:原田知世 作曲:原田知世 編曲:後藤次利

何と原田知世自身が作詞と作曲を手がけた1曲。クールなマイナー調メロディを展開させては、大人っぽく歌い上げる原田知世がかっこいいんだな。 サビはポップさを付け足して、軽やかに展開。後藤次利のアレンジも、いい具合に効いています。

8. 家族の肖像

作詩:秋元康 作曲:小室哲哉 編曲:後藤次利

何と小室哲哉が作曲を手がけた作品。テクニカルなメロディラインが先を読めるというところは、さすが稀代のヒットメーカだね。 アレンジも小室哲哉本人だったらどんなふうになっていただろう。そこに歌詞を載せてきた秋元康なわけですよ。歌詞の世界も歌詞の割り振りも、なんかイマイチなんだよね。

9. 笑っていたナース

作詩:川村真澄 作曲:安川ひろし 編曲:後藤次利

「My Revolution」の作詞でもお馴染み、川村真澄が歌詞を手がけているけれども、このタイトルはなんか、どう捉えればいいのか。 しかも歌詞の中にナースは登場しないというね。曲の方はマイナー調のミディアムナンバー。ゆったりと流れるテンポの中で、原田知世のヴォーカルが物憂げに広がりを加えてくる。 6分をじっくりと聞かせてくれるナンバーです。

10. 空に抱かれながら

作詩:秋元康 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利

秋元康、後藤次利コンビでお送りするアップチューン。チョッパーベースの様な音がブンブンと振動するロックアプローチな曲。 なかなかかっこいい音づかいは、さすがベーシスト後藤次利。メロディパートはクールに。そして、サビはちょっと掴みにくいな。 原田知世というよりかは、おニャン子クラブや工藤静香が歌っている方が似合う感じもするんだよな。

11. 左右のエレベーター

作詩:川村真澄 作曲:CASEY RANKIN 編曲:後藤次利

ポップに弾けるアップチューン。「Come Down, Go Up」と英語詞で一気に引き込んでくるけれども、随分とパンチが効いているなぁ。 いろんな意味で、当時のサウンドをよく表す様なナンバーだね。サビでビートを加えては、印象を変えてくるけれども、時すでに遅しな感じも。

12. 赤いダリア摘まれて

作詩:戸沢暢美 作曲:松尾清憲 編曲:後藤次利

マイナー調のメロデイが妖しさとクールさを出してくるアップチューン。BメロのSEとか、緊迫感というか、おどろおどろしさが出ている。 そこから一転して、ポップでメジャーコードなサビの爽やかさがいいスパイスとなる。

13. 雨のプラネタリウム (Nineteen-Version)

作詩:秋元康 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利

ヒットシングルの新たなバージョン。ストリングスが緊迫感を出す始まり。そして壮大に。 オリジナルよりも厚みを増したアレンジで、原田知世が大人の階段を昇る。力強さを増してはいるけれども、オリジナルの煌めき感が少なくなったのがちょっと残念かな。 2番Aメロはあえてインスト。まるで12インチのような緊迫感を生み出してきて、かっこいいね。

6th Album『Schmatz』● '87/7/29 release

後藤次利プロデュースによる6枚目のアルバム。すっかり時代のシンセポップを操り、歌う原田知世。ただ、まだ幼さが残っているのが少々声とサウンドにギャップが垣間見えてくる。 その歌声を響かせる歌詞は、秋元康がほとんど担当していますが、この世界、なんだか不思議。アイドルとアーティストの狭間を行くようだ。 ダンスポップ/シンセポップをベースに、生き生きしたトラックで仕掛けてくる。シングル「逢えないかもしれない」「彼と彼女のソネット」を含む全11曲。 ジャケットが美しいのなんのって。可愛さも兼ね備えていますね。ちょっとした背伸び感がいいのかな。 なお、この後はFOR LIFEに移籍して、よりアーティスティックな路線へと進行します。

1. 片面だけのラブソング

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

明るさたっぷりのポップなダンスチューン。ウキウキワクワクなサウンドをバックに、ちょっと影のあるヴォーカルで魅了してくる。 とにかくシンセの音の弾み具合がいいね。昔の彼の結婚式に参加した主人公の思いを歌ったナンバーです。

2. 霧雨のステンドグラス

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

シンセポップな音がきらめく1曲。時に儚さを、時に勢いを出してくる展開で、物語が進行してゆくマジック。 間奏がおしゃれで幻想的で、雰囲気が出ていますね。

3. 2人の休止符

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

まろやかな、温かみのある音。原田知世の可愛らしさを注ぎ込み、音にしているかのようだね。 会いたくても会えない今の状況に、耐えきれない主人公が電話をしているシチュエーションです。

4. キスの後の無口が好き

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

ポップに弾けるナンバー。アップテンポチューンで、このまま勢いに乗って通り抜けていきそうだね。 サビのメロディといい、いかにもなアイドルソングに仕上がっています。1980年代風のポップな要素が詰め込まれているね。

5. 逢えるかもしれない

応募詩:澤田直子 作詩:松本隆 作曲・編曲:後藤次利

ドラマティックなバラードナンバー。じっくりと聞かせてくれるんだけれども、原田知世のヴォーカルがまだちょっと若さに溢れて、うまく溶け込んでいないな。 一般公募の歌詞を松本隆が手直しして、なかなかいい感じの仕上がり。でも、曲は普通な感じなんだよね。

6. 螺旋状の涙

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

Let's Danceな勢いでビートを投入してくるアップチューン。マイナー調のメロディならが、掴んで離さないサビパートの勢いがいい感じ。 なかなかかっこいい。影のある原田知世のヴォーカルがクローズアップされているようなトラック。1980年代のダンスポップの王道、そしてアイドルソングながらも、しっかりと伝えてくる。

7. サヨナラのない町

作詩:許瑛子 作曲・編曲:後藤次利

マイナー調のメロディがドラマティックに仕上げるアップチューン。原田知世のヴォーカルがまた、幼さというか、可愛らしさを醸し出してはいるんだけれども、 ちょっとサウンドとはあまりフィットしない雰囲気。サビラストの字余り的な部分もなんかしっくりこないかな。

8. 星屑達の標本

作詩:秋元康 作曲・編曲:後藤次利

随分と派手派手ダンスサウンドを振りまいてきますね。バブルのイケイケな感じがダイレクトに伝わってくるポップなナンバーです。 アグレッシヴなドラムやギター、そして踊るシンセにノックアウトな1曲ですよ。

9. あしたの人魚

作詩:小倉めぐみ 作曲・編曲:後藤次利

ゆったりと聞かせるバラードナンバー。人魚のように、ゆっくりと海を泳ぐようなテイストで、まったりと原田知世のヴォーカルも伸びやかで、 じっくりと広がっていく。まろやかテイストがいい感じだね。

10. 彼と彼女のソネット

日本語詩:大貫妙子 作詞:C. Cohen, Wargnier 作曲:R. Musumarra 編曲:後藤次利

もうこちらは有名曲ですね。フランス語ナンバー「T'EN VA PAS」の日本語カバーを原田知世が聞かせてくれます。 しかも、日本語詩は大貫妙子が手がけているというところにも注目。ソフトで、それでいて個性の出た詩の世界がいいね。アレンジは1980年代テイストで、 ところどころに神秘性を加えて、おしゃれに仕上げてきました。

Best Album『From T』● '87/11/28 release

原田知世、祝20歳の記念アイテムは、これまでの歌手活動の中から選りすぐりの楽曲をチョイスしたベストアルバムです。 「天国にいちばん近い島」「雨のプラネタリウム」「早春物語」「彼と彼女のソネット」はじめ、代表する曲を抑えていますね。 注目すべきは、「時をかける少女」「愛情物語」の2曲が、新バージョンで生まれ変わっているというところ。どちらも、この時期にプロデュースを手掛けていた後藤次利によるものだけれども、 「時かけ」が、なんでこんなダンロックなアレンジを施してきたんだ?これは確かにダメだね。「愛情物語」の方は、オリジナルラインで良いのに。 新曲1曲も収録しており、こちらは原田知世が作曲も手がけている意欲作。さて、このアルバムを経て、原田知世はレコード会社をFOR LIFEへと移籍することとなりました。

1. 時をかける少女

作詩・作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利

原田知世を代表するナンバーをニューアレンジでお届け。後藤次利のアレンジは、なんとダンスロックな方向でグルーヴを放ってきました。 これがとっても斬新に映って、インパクト大です。が、あまりにも変貌を遂げすぎて、一般からは不評の嵐。これは確かに、がっかりなアレンジなんだよね。

3. ブーケの冬

作詩:竹花いち子 作曲:原田知世 編曲:後藤次利

新曲は、なんと原田知世自身が作曲を手がけた優しいバラードチューン。 後藤次利のアレンジもソフトで、ドリーミングなミディアムチューンに仕上がっています。等身大の雰囲気が出ていて、なかなかいい感じ。

10. 愛情物語

作詩:康珍化 作曲:林哲司 編曲:後藤次利

こちらも原田知世を代表するナンバーのニューバージョン。後藤次利のアレンジによって変身してますが、 オリジナルの持つ印象を踏襲して、安心して聞くことができますね。原田知世の持つ優しさが、前面に出ています。

7th Album『Tears of Joy』● '90/5/21 release

原田知世が久しぶりに音楽活動を再開。レコード会社をソニーからFOR LIFEに移籍しての最初のアルバムは、遠影月奈がプロデュースを手掛けています。 実は原田知世の変名ということで、実質のセルフプロデュース作。シングルナンバー「Silvy」をはじめ、エキゾチックなナンバーが揃っているかと思いきや、 アイドルポップなトラック(しかも武部聡志のアレンジ)もあり、ヴァラエティ豊かな1枚。まだ方向性が定まっていないのか、過渡期のような1枚だけれども、 タイトルチューン「Tears of Joy」は、なかなか染み渡る1曲ですね。

1. Silvy

作詞:安藤芳彦 作曲:山口美央子 編曲:杉山卓夫

ドリーミングなイントロとは裏腹に、ちょっと冷めたような落ち着きのある原田知世のヴォーカルが印象的。 どこかしらエキゾチックで軽やかに舞うサウンドは、原田知世の新たな像を作るかのような1曲だ。ラストのジャズがまた、かっこいいね。

2. ひとときの永遠

作詞:安藤芳彦 作曲:柿原朱美 編曲:杉山卓夫

アコースティックテイストでまったりと展開するボッサタッチのナンバー。軽やかなトラックを操っては、原田知世のヴォーカルも伸びやかに広がる。 サビパートはピアノがメインに出てくるね、美しい。バックコーラスで高橋洋子が参加。

3. STEADY BOYS

作詞:遠影月奈 補作詞:安藤芳彦 作曲:柿原朱美 編曲:武部聡志

前2曲に比べると、随分とポップで、またアイドルの色が見え隠れする。しかも、アレンジが武部聡志というのが興味深いな。 ポップでキャッチー、うん、つかみはOKだね。バックコーラスで、こちらは楠瀬誠志郎が参加しています。

4. 二人の陽炎

作詞:安藤芳彦 作曲:渡辺格 編曲:山崎孝

イントロがまた、エキゾチックで夢見心地な世界を作ってきますね。伸びやかにヴォーカルとサウンドが広がるナンバー。 とても爽やかな1曲。サビがまた、オリエンタルなメロディラインで、これまた原田知世の新しい世界といった感じだね。

5. ため息の日曜日

作詞:遠影月奈 作曲:彩恵津子 編曲:杉山卓夫

遠影月奈=原田知世が作詞を手がけた幻想的なナンバー。サウンドもドリーミング。メロディ自体もつかみにくいけれども、 世界を出してくるサビも引き込む力がります。ただ、サビが終わっての一瞬のブレイクがちょっと怖かったかな。

6. 雨の降る夜に

作詞:遠影月奈 作曲:市川祥治、山内薫 編曲:杉山卓夫

いいねぇ、イントロのアコースティックギターのアルペジオが世界を作ってくるじゃないですか。 こちらもエキゾチックな世界を作るバラードチューン。4拍子だったり、3拍子だったり、惑わしてくるトリッキーな1曲。これは歌いこなすには相当難しいだろうな。

7. うたかたの輪舞曲

作詞:安藤芳彦 作曲:弓島小夜 編曲:山崎孝

まさしくロンドな3拍子。マンドリンの音もポイントとなるエキゾチックな1曲。ゆったりテンポにちょっと掠れた原田知世のヴォーカルがいい感じに響き渡る1曲です。 麗しいですねぇ。ため息が出てしまう。

8. バースデイには勇気を出して

作詞:遠影月奈、安藤芳彦 作曲:柿原朱美 編曲:武部聡志

ドラマティックな始まりで、サビから引き込んでくるナンバー。でもって、本編メロディは、ほんわかテイストを放出。 これまた、ポップなんだけれども、随分と可愛くて、武部聡志のアレンジも、しっかりアイドルさせてくるね。原田知世のヴォーカルが、本当に可愛らしい。

9. Tears of Joy

作詞:原田知世 作曲:柿原朱美 編曲:山崎孝

アルバムのタイトルチューン。まったりテイストが光るバラードナンバーで、メロディが本当にいいんだよね。 まろやかにしみ込んでくるようです。作詞も原田知世自身が手がけては、温かさを伝えてくるようです。 この数年後、新たなアレンジでシングルカットもします。

10. Shell Pink ~眠りの国へ~

作詞:安藤芳彦 作曲:武藤祐二 編曲:山崎孝

アルバムのラストを飾るダイナミックなバラードナンバー。どっぷりサウンドとアンビエントな要素を加えて、 なんだかとてつもないことが起きています。エッジの効いたギターと、まろやかな原田知世のヴォーカルが宙を舞う1曲。なんだか不思議な世界を浮遊しているね。

8th Album『Blue in Blue』● '90/11/28 release

原田知世が23歳を迎える日と同じ発表となったミニアルバム。しっとりアンビエントテイストの楽曲をバックに、歌い上げる原田知世が印象的です。 いい意味で淡々としているけれども、悪く言えば感情があまりこもっていないようにも思える。 でも、楽曲自体は原田知世が自ら作曲を務めていたり、透影月奈=原田知世が作詞を手がけていたりと、手広くやっておりますね。 シングル「Tears of Joy」の別バージョンもなかなか麗しくて、心地よいですね。ジャケットの着物が綺麗なんだけれども、髪型はどうしちゃったの?表情も虚ろで、ちょっと心配です。

1. Silence Blue

作詞:原田知世 作曲:大森隆志 編曲:片山敦夫

静かな始まりから、ギターの音がさらっと響き渡るナンバー。なめらかなヴォーカルも、すっきりと美しさを出す。 水の中を泳ぐような爽やかさがあって、心地よさが出ているね。サビのメロディが瑞々しくて、透き通るような原田知世のイメージにぴったり。Bメロラストのファルセットがポイント。

2. Honey Moon

作詞:透影月奈 作曲:原田知世 編曲:片山敦夫

原田知世自身が作曲を手掛けたミディアムナンバー。随分とコンパクトな感じがして、派手さはないんだけれども、じっくりと聴かせてくれます。 月夜のひと時を、まったりと過ごすようななめらかさがあるね。ざっくりとギターの音も、心地よさを演出します。

3. Tears of Joy [Ambiance Version]

作詞:原田知世 作曲:柿原朱美 編曲:片山敦夫

シングルナンバーが、別バージョンで装いも新たな姿で聴かせてくれます。 イントロなしで歌が始まったかと思えば、原田知世のヴォーカルにエフェクトをかけて、浮遊感たっぷりに響き渡る。 いつも以上に幻想的な味付けで、うっとりですね。いっそこのこと、アカペラに近く、音数が少なくてもよかったよね。

4. 白い朝

作詞:透影月奈 作曲:大森隆志 編曲:片山敦夫

シンプルな8ビートなポップチューン。どこかしら、山下達郎「クリスマス・イヴ」な雰囲気が出ていますが、シンプルなラブソングです。 ちょっと儚げな原田知世のヴォーカルに吸い込まれていきそうです。

5. 蒼い夢

作詞:透影月奈 作曲:大森隆志 編曲:片山敦夫

神秘的なメロディが、夢見心地な世界へと連れて行ってくれるゆったりバラードナンバー。 ギターの音が異国情緒な雰囲気を奏でる。原田知世のヴォーカルも、どこかしら不思議なテイストを醸し出し、まったり滑らかに。

6. 冬の妖精

作詞:安藤芳彦 作曲:柿原朱美 編曲:崎谷健次郎

作曲が柿原朱美、アレンジを崎谷健次郎が手掛けたゆったり三連バラードナンバー。 伸びやかながら、可愛らしさを出す原田知世のヴォーカルで、冬の情景を浮かび上がらせるナンバーです。 寂しさや冬の寒さもいい感じに曲を盛り上げて行く流れを聴かせてくれました。

9th Album『彩』● '91/5/21 release

原田知世にとって、9枚目となるオリジナルアルバムは、なんだかジャケットから物悲しさが伝わってきますね。 前作「Blue in Blue」い引き続いて、サザンオールスターズの大森隆志によるプロデュースなんだけれども、あまりプロデューサーとしての手腕が表に出ていないような気がするな。 12弦ギターを使ったエスニック風のナンバーや、アイドル風な歌い方でこのアルバムで浮いているナンバー、SUZANNE VEGAのカバーなど、 いろいろなものを詰め込んで、ちょっと統一感がないような気がします。 原田知世にしては、ちょっと残念な感じの作品になってしまっている。けれども、この後に名盤「GARDEN」が控えていると考えると、かなりアップダウンが激しいな。

1. Breeze

作詞:川田多摩喜 作曲:大森隆志 編曲:原田末秋・大森隆.志

松田弘のシェイカーがリズムをつくるナンバーは、 12弦ギターが神秘的な雰囲気を作るミディアムチューン。どこかしらメランコリックで、不思議な世界観が出ていますね。 心地よい風が吹く。原田知世の儚げなヴォーカルも、曲のイメージを盛り上げてきました。

2. メランコリーの妙薬

作詞:川田多摩喜 作曲・編曲:片山敦夫

まったりテイストで、上品で洗練されたイメージを放つミディアムチューン。 落ち着き感のある原田知世のヴォーカルが浸透してくるように、響き渡る。大人っぽいアレンジが幻想的に曲を盛り上げてくる。

3. MARLENE ON THE WALL (マレーネの肖像)

作詞・作曲:SUZANNE VEGA 訳詞:川田多摩喜 編曲:STEVE ADDABBO

SUZANNE VEGAのカバーチューン。 外の人たちのアレンジが効いているのか、瑞々しいサウンドをバックに、ちょっと陰のある原田知世のヴォーカルに光が当たっているようだ。 原田知世としてのイメージも、しっかりとついた感じで、なかなかいいカバーだな。

4. 永遠の約束

作詞:森雪之丞 作曲:ISABELL POWAGA 編曲:原田末秋

取っ付きにくいメロディで、一体どの方向へと向かおうとしているのか、不可解な1曲。暗くてふわふわした雰囲気に、寒気を覚える。 挑戦的な作品だとは思うけれども、う~ん、いまいちだな。森雪之丞の歌詞も、異次元。ラストはボッサ調の流れとなっています。

5. 午前10時の誘惑

作詞:三浦徳子 作曲・編曲:加藤和彦

ヴォーカルがアイドルですな。淡くてフワフワしていて、 なんだか妙に浮いている。そんな歌い方にしなくても、十分ポップさが出ていて、曲の魅力は伝わって来るんだけれどな。ちょっと方向性を誤った感じです。

6. Jamais-Vu

作詞:椰子の実かちる 作曲:関口和之 編曲:戸田誠司・大森隆志

一番のインパクトは作詞者の名前なんだけれども、それは置いといて、 サザンオールスターズの関口和之が作曲を手掛けたメロディは、妖しさとポップさを重ね合わせて、聞かせてくれます。 12限ギータの音もポイントとなるアレンジが押し上げてくる1曲。

7. 闇の花

作詞・作曲・編曲:コシミハル

作詞・作曲、さらにはアレンジまでをコシミハルが手掛けている、 これまたインパクト大なナンバー。歌詞はルビ地獄だし、作者のセンスも出まくっていますね。原田知世の新しい世界が、今開けてゆく。ゴージャスです。

8. SMALL BLUE THING

作詞・作曲:SUZANNE VEGA 訳詞:川田多摩喜 編曲:STEVE ADDABBO

SUZANNE VEGAのカバーを日本語で聴かせてくれる原田知世です。 12弦ギターの音がメランコリックで、楽曲のイメージを作り上げる。ヴォーカルも陰を出して、薄暗い雰囲気がぴったり似合っていますね。

9. 青空の種子

作詞:康珍化 作曲・編曲:中西俊博

アコースティックギターの優しい音使いに、ストリングスが加わって、温かみを増すバラードナンバー。 美しいサウンドとメロディに乗せて、原田知世のヴォーカルが淡く光り出す。間奏のオーケストラにうっとりだ。ピアノで菅野よう子(洋子名義)が参加しているところにも注目。 このアルバムの中で、うまい具合にハイライトになっている曲です。

10th Album『GARDEN』● '92/8/21 release

いわゆる、鈴木慶一3部作のトップバッターを飾るアルバム。庭師となった鈴木慶一が、うまい具合いに刈り込んで、きれいな原田知世という庭を造り上げた。 異国情緒溢れるサウンド、淡々としていながらもクールに響き渡る音と、原田知世の秘めたるヴォーカルが織り成す魅惑のひと時。 このアルバムで、アイドルからアーティストへ。原田知世の歌手活動最高地点に到達したような気がします。 原田知世自身も作詞だけではなく、作曲や編曲に携わって、こだわりを見せてきましたね。 この後、「カコ」「Egg Shell」と続く鈴木慶一×原田知世なんだけれど、この作品が一番興味深さを覚えますね。 以前発表されていた「夢迷賦」「早春物語」もセルフカバーして、新たな世界をお届け。デビュー10周年を迎えて、よりいっそう、大きく変身した原田知世の世界を味わい尽くせます。

1. 都会の行き先

作詞:原田知世 作曲:原田知世 編曲:鈴木慶一/原田知世

エスニックな雰囲気を放つアルバムのオープニングチューン。 なんと、作詞・作曲は原田知世自身が手がけています。ゆったりミディアムテンポのトラックを、 鈴木慶一がアンビエントに味付け。ギターの音が印象的に響きます。キャッチーに引き込むのではなく、自然と染み渡ってくるような音にうっとりさせられますね。

2. さよならを言いに

作詞:鈴木慶一 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

作詞・作曲・編曲を鈴木慶一が手がけたミディアムチューン。 どこかしらチャイニーズやアジアンな雰囲気をまとって、まったりふわふわ聞かせてくれます。原田知世のヴォーカルも、滑らかで美しいね。不思議な癒しを与えてくれます。

3. アパルトマン

作詞:鈴木慶一 作曲:鈴木さえ子 編曲:鈴木慶一

まるで昔のおしゃれな映画のような、妖しくもポップに響き渡るサウンドがクセになるミディアムチューン。パリやヨーロッパがお似合いだね。 キーボードの音がアコーディオンだったら、もっとおしゃれ要素が上がっていた感じなんだよね。原田知世の淡々とした歌も、曲の雰囲気にマッチしている。

4. Walking

作詞:大貫妙子 作曲:中西俊博 編曲:中西俊博

タイトルのごとく、ゆったりと歩くように。とてもおしゃれなスムースサウンドでまったりと聞かせてくれるミディアムチューン。 作詞を大貫妙子が手がけていて、ちょっと上品な言葉が並んでいますね。 ストリングスも美しく飾り、原田知世のヴォーカルに包まれていくようだ。おしゃれなバーのラウンジに居るみたい。

5. NOCTURNE

作詞:原田知世 作曲:原田知世 編曲:鈴木慶一/原田知世

こちらも原田知世が作詞・作曲を務めた意欲作。 最後、右の方向から音が聞こえてこないので、ちょっとびっくりしたけれども、そういう演出ね。全体的にまったりまったりと進行する一品。

6. 中庭で

作詞:北田かおる 作曲:北田かおる 編曲:棚谷祐一

どっしりドラムが印象づけるポップなミディアムチューン。力強い音なのに、アンビエントなテイストで浮遊感もあるね。 伸びやかな原田知世のヴォーカルも美しい。どこかしら異国の物語を読むかのように、1ページ1ページ、めくられては、美しく広がってゆく。

7. リボン

作詞:北田かおる 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

ザックリギターの音が印象的な、ゆったりミディアムチューン。 鈴木慶一の作曲・編曲ナンバーは、原田知世も美しく咲き誇るヴォーカルが麗しく、うっとりさせられます。コンパクトにまとった1曲です。

8. 夢迷賦

作詞:原田知世 作曲:崎谷健次郎 編曲:崎谷健次郎

シングル「Silvy」のカップリング曲として発表されていたナンバーのリアレンジバージョン。 作詞を手がけた原田知世の言葉が、世界を創り上げる。崎谷健次郎のアレンジは、随分と和の路線に入ったね。 伝統的な雰囲気を漂わせます。ベースで亀田誠治が参加しているところにも注目です。

9. ノア

作詞:鈴木博文 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

おとぎ話のような、神話のような、ドラマティックな世界を聞かせるミディアムナンバー。妖し気でエスニックなコーラスもスパイスに。 鈴木慶一の不思議な世界が広がってゆきます。煌びやかだったり、ポップだったりと、変幻自在な展開で、面白さを生み出す。

10. 夢の砦

作詞:直枝政太郎 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

まったりゆったり、そしてエキゾチックに。ハイトーンヴォーカルを聞かせる原田知世の美しさも際立つミディアムチューン。 この曲も幻想的でストーリーを紡ぐような歌詞が生きてくる1曲。間奏の濃いギターの絡みもなかなか。

11. 早春物語

作詞:康珍化 作曲:中崎英也 編曲:中西俊博

アルバムのラストを締めるのは、原田知世を代表するナンバーのセルフカバー。 中西俊博のアレンジは、弦楽四重奏で、倭文と優雅に。気品漂うサウンドと、ソフトな原田知世のヴォーカルが溶け込んでゆく。 うっとりとした空間に引き込まれてゆきます。

Cover Album『カコ』● '94/2/18 release

原田知世のカバーアルバム。前作「GARDEN」に引き続き、鈴木慶一のプロデュースで聞かせてくれます。 「GARDEN」に植えた種が芽を出したような、かわいらしい内容かと思いきや、選曲がシブ過ぎる。1960~1970年代の歌が中心ということだけれども、センスが光っていますね。 「砂に消えた涙」「青春の光と影」、そして、日本語でカバーした「彼と彼女のソネット」のオリジナルなど、全7曲をじっくりと聞かせてくれます。 原田知世のヴォーカルの瑞々しさはともかく、やっぱり鈴木慶一のアレンジに引き込まれますね。変幻自在といいますか、時代を行き来するような、斬新なものもあれば、ゆったりじっくりと聞かせてくれたり。 このコンビ、やってくれます。人気アイドル/女優が歌っちゃいました、みたいな軽い仕上がりではなく、一線を画しています。 立派なシンガーが、御大プロデューサーとともに、じっくりと作り上げた作品です。1曲1曲、その思いが感じ取られるような1枚ですね。

1. THE END OF THE WORLD

Words by Sylvia Dee Music by Arthur Kent Arranged by Keiichi Suzuki

デジタルサウンドとプログラミングビートに乗せて、いきなり斬新な印象を与えるSkeeter Davisのカバー。原田知世のヴォーカルは、とっても優雅に響き渡ります。 世界の終わりというよりかは、世界の始まりのような雰囲気。まったりテイストで、優しく包み込んでくれるサウンド。鈴木慶一の鮮やかなテクニックだね。

2. UN BUCO NELLA SABBIA

Words by A. Testa Music by P. Soffici

「砂に消えた涙」のカバーは、まったりボッサテイストで。時に軽やかに、原田知世の歌声も実にスムース。 自然に歌が入ってくるね。ザックリギターもいい味を出す。エレキギターの音も特徴的。全体的におしゃれに聞かせます。

3. THE LITTLE BIRD

Words and Music by John D. Loudermilk Arranged by Keiichi Suzuki

鐘の音からスタート。とってもおしゃれな雰囲気です。 しかし、歌が入ると、まったり力を抜いて。原田知世のヴォーカルも、淡々と歌いこなすように。後半では音数も増えて力強くなった。

4. WINCHESTER CATHEDRAL

Words and Music by Geoff Stephens Arranged by Hirofumi Tokutake

アナログノイズが雰囲気を出すね。しばらくはオールディーズな軽快サウンドで、昔を懐かしむような音を聞かせてくれます。 3分経過して、ようやく原田知世のヴォーカルが登場。クリアな音で、軽快なサウンドに乗せて、伸び伸びと歌う原田知世です。

5. BOTH SIDE NOW

Words and Music by Joni Mitchell Arranged by Keiichi Suzuki

アコースティックサウンドでまったりまったり聞かせてくれるカバーナンバー。 伸びやかに広がり、時にファルセットも聞かせてくれる原田知世のヴォーカルにうっとりだね。2本の鮮やかなアコースティックギターに身を委ねているようだ。

6. ELECTRIC MOON

Words and Music by Leitch Donovan Arranged by Keiichi Suzuki

妖しさとおしゃれな雰囲気が絡み合うサウンドに引き込まれるナンバー。異国情緒溢れる音と、まったり歌い上げる原田知世のヴォーカルが見事な化学反応を示す。 鈴木慶一も面白く仕上げてきましたね。さすがですよ。エレキシタールや12弦ギターを使っては、こだわりの音で聞かせてくれる1曲。

7. T'EN VA PAS

Words by Regis Wargnier, Cathrine Cohen Music by Romano Musumarra Arranged by Keiichi Suzuki

以前、日本語詞でカバーしたナンバーを、オリジナルの歌詞で再びカバー。 フランス語の響きとアンニュイな原田知世のヴォーカル、そして鈴木慶一のサウンドの三位一体がたまらない。 どっぷりプログラミングで、アンビエントな要素を醸しながらも、サビでは鮮やか爽やかなアコースティックギターをメインに、清々しく聞かせてくれます。

11th Album『Egg Shell』● '95/1/20 release

前作のカバーアルバム「カコ」を挟んで、オリジナルアルバムとしては、「GARDEN」以来となる作品。今作も鈴木慶一プロデュースで、不思議な世界観を出してきた。 先行ナンバーとなったシングル「Attends ou va-t'en」のカバーがエレクトロな感じだったので、そういう方向へ行くと思いきや、結構アコースティックな感じを出してきた。ストーリー性のある詞が、 より曲を引き出してきては、想像力をかき立てる。そこに原田知世への甘く淡いヴォーカルも手伝っては、唯一無二の世界を出してきた。 さすがは鈴木慶一。さらに、原田知世も作詞だけでなく、作曲や編曲にも参加して、クリエーターな面も見せた意欲作。 ヴォーカリストというよりかは、シンガーソングライターな雰囲気を放ってきました。フレンチのカバーも、このアルバムでは何の違和感もなく溶け込んでいるのもすごい。 さらには、「T'EN VA PAS」のリミックスバージョンで収録。無国籍な雰囲気が、よりこのアルバムの色に染められた感じで伝わってくる。

1. Une bell histoire

Paroles de Pierre DELANOE Musique de Michael FUGAIN Arranger de Keiichi Suzuki

雨のSEからスタート。そして、ちょと冷たさを出したギターがかき鳴る。 さらにどっぷりとしたアレンジに変わっては迫力を増す。鈴木慶一のアレンジで、新たな世界への扉を開けるナンバーは、日本ではサーカス「Mr. サマータイム」でおなじみ、原曲ナンバーのカバーチューン。 どっしりとした音をバックに、原田知世がまったりとフランス語で歌い上げる。さらに鈴木慶一も声を聞かせてくれますよ。

2. 月が横切る十三夜

作詞:原田知世 作曲:原田知世 編曲:原田知世、鈴木慶一

原田知世が作詞と作曲を担当し、編曲にも参加しては、クリエイティヴな面を見せるポップなナンバー。 不思議なメロディラインをたどり、ちょっとおとぎ話チックに展開。アレンジがとにかくポップでドリーミング。 お気楽な雰囲気が出まくっているけれども、きっちりと作りこまれているね。

3. 月とボロ靴とわたし

作詞:鈴木博文 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

まったりテイストのミディアムナンバー。どっぷりどっぷり、鈴木慶一の作る音がのっしりと歩いてくる。 のんびりとした月夜の感じが出ているね。ストーリー性のある歌詞を伸びやかに歌う原田知世も、気持ちよさそうだ。

4. 記憶の翼

作詞:鈴木博文 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

ちょっと西洋的な雰囲気も出ているミディアムチューン。 まったりと歌う原田知世。サビでは、よりポップに。楽しい宴のような彩で、メルヘンの世界みたいに華やかさのある1曲に仕上がっています。

5. 野営 (1912からずっと)

作詞:鈴木慶一 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

エスニック風味で押し寄せる波に呑まれる様なミディアムナンバー。メロディパートは原田知世のヴォーカルが低くて怖い。 鈴木慶一の歌詞が、また想像をかき立てるね。ストーリー性もあるんだけれども、メッセージ性もあるような感じだ。

6. Attends ou va-t'en

Paroles de Serge GAINSBOURG Musique de Serge GAINSBOURG Arranger de Keiichi Suzuki

原田知世、久々のシングルナンバーは、これまた久しぶりにカバー曲。鈴木慶一のアレンジ、プロデュースの下、フランス・ギャルのヒット曲を聞かせてくれます。 ヴォーカルはちょっとコケティッシュに聞こえるね。それ以上に、このエレクトロ要素溢れるアレンジがちょっと斬新。 鈴木慶一も、かなり確信犯だね。いい意味で、いろんなギャップが交差して、原田知世の印象をガラリと変えてきた。なんか、とにかくすごい。

7. のっぽのジャスティス・ちびのギルティ

作詞:鈴木慶一 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

作詞・作曲、そして編曲までも鈴木慶一が手がけたミディアムナンバー。 なんだか、おとぎ話のような世界観が出た歌詞とサウンドだね。ちょっと妖しく忍び寄るような原田知世のヴォーカルも、魅力を出してきます。

8. 夜にはつぐみの口の中で

作詞:鈴木慶一 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

これまた鈴木慶一の世界が出まくった3拍子のナンバー。 妖しさと気品さがから見合い、原田知世もどこかしら高貴な女王のイメージを振りまく。間奏もちょっと童話的。

9. UMA

作詞:原田知世 作曲:原田知世 編曲:原田知世、鈴木慶一

原田知世が作詞・作曲を手がけ、編曲にも参加している意欲作。 しかも、馬の歌。まぁ、原田知世が手がけると、随分とおしゃれになるもんだね。爽やかなサウンドで、軽やかに広がるミディアムチューンです。

10. 空から降ってきた卵色のバカンス

作詞:鈴木慶一 作曲:鈴木慶一 編曲:鈴木慶一

鈴木慶一が作詞、作曲、編曲を手がけたポップナンバー。 所々で妙なファルセットが入ってきたりと、不思議要素満載です。後半では、手拍子が登場して、なんだか楽しげな雰囲気が出ている。

11. T'EN VA PAS (REMIX VERSION)

REMIXED BY Yukio DOKI / Jin TERADA / Keiichi SUZUKI

フレンチポップでおなじみ「T'EN VA PAS」のカバーを、さらにリミックして収録。 幻想的かつ壮大な空気の流れる1曲。砂嵐の中で錆びた風車が回るような雰囲気。でもって、なんだか無国籍な感じも出して、不思議な世界へと誘ってくれる。

12th Album『clover』● '96/5/17 release

ジャケットからさっぱりとした印象が伝わる原田知世のアルバム。今作は、サウンド面で大きな過渡期を迎えた作品とでもいいましょうか。 前半5曲は、この後でさらに名を馳せるスウェーデンポップの名プロデューサー、トーレ・ヨハンソンがバックアップ。 ほんのり温かくも様々な要素が取り込まれ、原田知世に新たな魅力を植え付けた。まったりとしたヴォーカルが、いい感じに伝わってくるね。 後半は前作アルバム「Egg Shell」に引き続いての鈴木慶一プロデュース。不思議ながらに緻密に作りこまれたトラックで、原田知世の違った顔を覗いているような感じになります。 前半5曲と後半5曲で、これほどにサウンドの違いを見せると、まるでレコードのA面B面みたいな扱いだね。紙ジャケ仕様ということもあり、さらにアナログ感を出してきました。 全体的にはおしゃれな都会、前半は午前で後半が午後といったものを感じます。

1. Metro

MUSIC:Tore Johansson, Lynette Koyana LYRICS:Kaoru Kitada MUSIC ARRANGEMENT:Tore Johansson

タイトル通りに地下鉄のSEで始まるポップなトラック。 さすがトーレ・ヨハンソンな、温かさが湧き出てくるアレンジで、原田知世のヴォーカルがさらにおしゃれに聞こえてくる。 特に、ホーンセクションやフルートの音色が抜群。どこかしら、パリの雰囲気が出ている。

2. 1 or 8

MUSIC:Tore Johansson LYRICS:Hiorofumi Suzuki MUSIC ARRANGEMENT:Tore Johansson

淡々としたビートとともに、軽やかに舞うギターとフルートの音色が温かさを生み出すポップチューン。 原田知世も、元気いっぱいというよりかは、まったり語りかけてくれるような歌い方。スーッと染み込んでくるようだね。

3. 20世紀の愛のようなはかないあの歌

MUSIC:Tore Johansson LYRICS:Tomoyo Harada MUSIC ARRANGEMENT:Tore Johansson

原田知世自ら歌詞を書いたミディアムナンバー。なんだか、ドンブラコドンブラコと、どっぷりした印象のあるトラックだね。 キーボードのほんわかした音が、夢見心地のような優しさと柔らかさを生み出す。

4. Happier Than Marmalade

MUSIC:Tore Johansson LYRICS:Lynette Koyana MUSIC ARRANGEMENT:Tore Johansson

ギターがかき鳴るアップテンポのナンバー。ちょっとマイナー調でスリリングな雰囲気漂わせるメロディパートがかっこいい。 コーラスが重なっては、幻想的に。一方で、サビパートは温かく包み込んでくれるように、原田知世のヴォーカルは温かい。

5. 100 LOVE-LETTERS

MUSIC:Hitoshi Haba LYRICS:Keiichi Suzuki MUSIC ARRANGEMENT:Tore Johansson

ポップに弾けるチューン。フルートが鳴り響いて、華やかさが前面に出たシングルナンバーです。 作詞を鈴木慶一、サウンドプロデュースがトーレ・ヨハンソンという組み合わせ。原田知世のサウンド面で大きな変化を迎えた時でしょうか。 ここまで明るく楽しく、スウェディッシュ風味に聞かせてくれるとは。原田知世のヴォーカルもまた、曲調に合っていて、とってもポップ。

6. 世界で一番退屈な日

作詞:北田かおる 作曲:朝井泰生 編曲:鈴木慶一

鈴木慶一によるアレンジが映えるトラック。イントロからテクノ風味のキーボードが入ってきたり、本編でもちょっとオリエンタルな雰囲気を出してきたりと、不思議ワールド全開。 歌詞もメロディも、なかなか普通の路線をたどらないところが面白いね。

7. 戸棚の虹

作詞:鈴木慶一 作曲:朝井泰生 編曲:鈴木慶一

ちょっとオリエンタルというか、エスニックというか、インドな雰囲気も出したポップチューン。 鈴木慶一らしいお仕事だね。原田知世も生き生きとしたヴォーカルを披露。ドリーミングな歌詞の世界観がいいよね。

8. ブーメランのように

作詞:鈴木博文 作曲:羽場仁志 編曲:棚谷祐一

のしのしとゆっくり歩いているような、どっしりとしたイメージのあるミディアムナンバー。 マリンバの軽快なスパイスとともに、原田知世が曲の世界を出すヴォーカルで引き込んでくる。そして、最後はなんと、ポエトリーリーディングも挿入された。

9. 消せない大文字 I LOVE YOU

作詞:鈴木慶一 作曲:坂下正俊 編曲:棚谷祐一

ほんわかドリーミングなイントロで始まるミディアムナンバー。 まったりテイストの原田知世のヴォーカルが、実に愛らしい。それでいて、おしゃれなサウンドでしょ。オルガンやフルートが軽やかさを出してきましたよ。

10. 裸足のマリア

作詞:原田知世 作曲:原田知世 編曲:鈴木慶一

アルバムのラストを飾るナンバーは、なんと原田知世が作詞と作曲を担当。クリエーターとしての力を見せる1曲だね。 鈴木慶一のアレンジが、敢えてストレートなロックサウンドでどっしりと聞かせる。原田知世の声をいい感じに映えさせているね。ちょっとぶっきらぼうな感じも、愛嬌があります。

13th Album『I could be free』● '97/2/21 release

前作アルバム「clover」で半分の曲のプロデュースを手がけたスウェディッシュポップの王、トーレ・ヨハンソンがプロデュースを手がけた1枚。 原田知世がこれほどまでに優しく柔らかく聞かせてくれるとは。特に、先行シングルにもなった「ロマンス」は逸材。原田知世の新たな歌い手としての立ち位置を確立したね。 キラキラでカラフルなスウェーデンの色に見事に染まった感じ。しかも、今作ではインスト曲を除き、すべて原田知世が作詞を手がけている点にも注目。 自分で言葉を綴っては、ホーンやギター溢れるポップなトラックと見事な反応を示す。 原田知世の歌手キャリアの中でも、大きなターニングポイントとなる名盤となりましたね。紙ジャケ仕様で、ジャケット姿からもおしゃれなポップ感が漂います。

1. 愛のロケット

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

これぞトーレ・ヨハンソンのスウェディッシュポップといわんばかりの極上ポップチューン。 小粋な感じに鳴り響くギターがおしゃれだし、間奏のブラスセクションも華やいで飾り立てる。 メロディも超キャッチーだし、原田知世の歌詞もいい感じに飛び立った。アルバムの冒頭から、パンチを効かせてきましたね。

2. I could be free

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

アルバムのタイトルチューンは、ゆったりミディアムバラードナンバー。ザックリとかき鳴るギターと、ほんわか鳴り響くキーボードがまったりと包み込んでくれる1曲。 こういうのんびりテイストのサウンドやメロディが、原田知世の持つ温かさや柔らかさを引き立てているね。

3. 君は君のもの

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

伸びやかなヴォーカルを聞かせてくれるポップチューン。結構、ゴリゴリしているサウンドでもあったりする。 でも、やっぱりギターが鮮やかに映えるよね。ヴォーカルとコーラスが、いい味を出す原田知世の声に引き込まれます。軽やかに舞っていますね。

4. 雨音を聴きながら

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

ポックリポックリと、ビートを効かせるミディアムチューン。 しっとりムードを出してきましたね。ホーンセクションも入ってきたけれども、抑え目気味で。一瞬のファルセットが、何だかセクシーに感じた。

5. ロマンス

Words:Tomoyo Harada Music:Ulf Turesson Produced by Tore Johansson

原田知世×トーレ・ヨハンソンのコンビによる決定版。日本におけるスウェディッシュポップを歌わせた日本人アーティストのお手本みたいな曲だよね。 極上ポップに繰り広げるサウンドに、春を感じさせる暖かさ溢れるナンバー。ホルンとストリングスもバックアップ。軽快にかき鳴るギターが心地よい1曲。コンパクトながらに全てが詰まっています。 でも、曲はトーレじゃなく、ウルフ・トレッソンだったりね。

6. LOVE

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

ザックリギターがかき鳴ったミディアムナンバー。 タイトルのように、愛に満ち溢れた温かさが曲から伝わってくる。サビのハーモニーもいいし、ラストのコーラスや語りも、いい味を出しています。

7. CIRCLE OF FRIENDS

Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

前曲からのクロスフェイドで入ってくるインストナンバー。 かき鳴るギターをバックに、トーレと原田知世のコーラスがおしゃれに響き渡る。インタルード的な小曲で、ほんわかと。

8. Are you happy?

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

珍しくマイナー調のメロディがずっしりと響くミディアムバラードチューン。 1番はグランドピアノの音のみをバックに、2番からはいきなり音を加工してと奥の方から聞こえるような細工を。ちょっと驚かされたね。

9. PARADE

Words:Tomoyo Harada Music:Ulf Tresson Produced by Tore Johansson

ほんわかポップなサウンドを聞かせてくれるナンバー。こちらも、いかにもスウェディッシュな雰囲気で、優しくカラッとしていますね。 トーレ・ヨハンソンのプロデュースだけれども、作曲はウルフなんだね。

10. バカンス

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

イントロ無しで始まるんだけれども、原田知世の歌い方が、このアルバムの中ではちょっと暗めだよな。 ゆったりミディアムナンバーで、ストリングスが繊細感を出してきます。誰もいない、夜のリゾート地といったイメージが浮かぶね。

11. Naby blue

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

まったりどっぷりな雰囲気で聞かせるミディアムナンバー。 原田知世のヴォーカルも、淡々としていながらも、耳元で語りかけてくれるように、サビでも包み込んでくれるように。

12. 燃える太陽を抱いて

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson Produced by Tore Johansson

こちらもまったりテイストで聞かせてくれるミディアムテンポのスウェディッシュポップチューン。 原田知世のまったりヴォーカルが、ふわりと浮かんでは、耳にスーッと入ってくるようだね。この曲、おもしろいのは、段々と転調していくところ。

13. ラクに行こう

Words:Tomoyo Harada Music:Masatoshi Sakashita Produced by Tore Johansson

結構、勢いを出してきたアップテンポナンバー。とってもリズミカルに弾むビートが心をウキウキさせてくれる。 キャッチーな要素が出まくって、とっても楽しいね。演奏しているミュージシャン達自身が楽しそうだ。

Best Album『Flowers』● '97/9/18 release

「clover」「I could be free」とスウェディッシュポップとの相性がこれほどまでにぴったり合った原田知世。 その彼女のスウェディッシュポップの世界をまとめたコンピレーション盤が、このタイミングでリリースされました。淡くポップで、まったりとした世界をとことん堪能できる1枚。 ヒットナンバー「ロマンス」をはじめ、弾けたサウンドで、何だか聞いているこっちまでもがハッピーな気分になるね。 一方、最新シングル「シンシア」では、ほんのり切なく、包み込んでくれるようなヴォーカルで、ちょっと感涙。 さらには、あの「T'EN VA PAS」も、トーレ・ヨハンソンが手がけたミックスにて収録。フレンチポップがスウェディッシュポップへと大変身。 より軽やかに、より爽やかに。タンバリンマジックがかかって、この上ない極上ポップに聞かせてくれます。 全7曲とコンパクトながらに、明るく花が咲いたミニアルバムで原田知世のスウェディッシュポップを堪能できます。初回盤はピクチャーレーベル仕様。

3. T'EN VA PAS (Tambourine Mix Version)

LYRICS:Regis Wargnier / Cathrine Cohen MUSIC:Romano Musumarra MUSIC ARRANGEMENT:Tore Johansson

おなじみ「T'EN VA PAS」のニューミックスは、タンバリンスタジオ産のトラック。フレンチポップがスウェディッシュサウンドをまとって大変身。 結局、どちらもおしゃれなんだけどね。トーレ・ヨハンソンのマジックがかっかって、 より温かさを増したまったりワールドを聞かせてくれます。ちょっとザラツキ感のあるネオアコロックといった感じで、心地よさを届けてくれる。

13th Album『Blue Orange』● '98/8/21 release

原田知世 meets スウェーデンも、これにて3作目となるオリジナルアルバム。ベストアルバム「Flowers」を挟んで、前作「I could be free」からは、約1年半ぶり。 ここでもピュアでキュートなヴォーカルを聞かせてくれる。そして、歌詞が煌いているんだ。伊達にキャリアを積んでいないよね。原田知世の持つ世界がドンドンと広がってゆく。 先行シングル「七色の楽園」は、Ulf Turesson率いるFree Wheelプロデュース。腰を動かしたくなるようなポップでキャッチーなチューンで、 そこからのアルバムへの流れということもあり、期待をまったく裏切らない作品となった。 その「七色の楽園」を除く11曲は、トーレ・ヨハンソンがプロデュースを手がけては、スウェディッシュポップの王道を行く、極上ナンバーに仕上がっています。 特に、オープニングを飾った「自由のドア」は、原田知世とトーレ・ヨハンソンのコラボの最頂点だね。 そのほか、まったりと包み込んでくれるような優しいバラードナンバーなど、めくるめく淡い世界が出まくった。 スウェディッシュサウンドも、ここでホップ・ステップ・ジャンプと行き着いたような気がします。さて、このあとの方向性がまた、楽しみになるよね。

1. 自由のドア

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson 編曲:Tore Johansson

手拍子が心をウキウキワクワクさせるポップチューンで、アルバムの幕開け。そして、サビが極上キャッチーで、ものすごい力を放つ。 いやぁ、これはノックアウトだね。ベースのラインも心地よいし、ブラスもおしゃれに花が咲く。 原田知世のスウェディッシュポップも、ここで最高潮に達した感じが伝わってきます。

2. 青空と白い花

作詞:原田知世 作曲:Jenka 編曲:Tore Johansson

まったりミディアムテンポナンバーを、優しいアレンジで聞かせてくれるトラック。 派手に開けるのではなく、ほんのりジワッと広がってゆく様子が、いかにもトーレ・ヨハンソンのアレンジだよね。ギターも程よい力で添える感じが心地よさを生む。

3. 春のうた

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson 編曲:Tore Johansson

タイトル通りに春らしさ満開で淡さを出してきたミディアムポップ。 原田知世自身の歌詞も、なんだかリラックスムードだね。まったりポップな感じで。

4. TOMORROW

作詞:原田知世 作曲:Tore Johansson 編曲:Tore Johansson

珍しく、アレンジだけでなく作曲もトーレ・ヨハンソンが手がけたバラードナンバー。 優しさがにじみ出ているね。弦が入ってきては、ちょっと上品に聞かせてくれます。でも、ドラムの音が、いかにもタンバリンスタジオだよね。

5. day by day

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson 編曲:Tore Johansson

こもった感じのアレンジが、いかにもタンバリンスタジオ的な、まったりミディアムテンポのバラードナンバー。 まあ、大きく盛り上がるわけでもなく、淡々と進行していく感じだね。コーラスも舞うように華やかさを添える。

6. ひまわりの丘で

作詞:原田知世 作曲:Jenka 編曲:Tore Johansson

ドゥーワップを崩したようなコーラスが響き渡る始まりに、ちょっと驚かされるミディアムポップチューン。 心も弾むように、曲も弾んでいますよ。ウキウキワクワク感が、曲からたっぷり伝わってきます。

7. Blue Moon

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson 編曲:Tore Johansson

フェイドインしてきては、フルートが添えられたイントロでおしゃれに聞かせてくれる。 しかし、歌が入ると、これまた原田知世のヴォーカルが低くて、なんか怖いな。サビでは、ちょっと明るく切な系の味わい深いメロディが包み込んでくれるように。

8. Angel

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson, Johnny Dennis 編曲:Tore Johansson

まったり優しさ溢れるミディアムバラードチューン。天使の原田知世ですよ。語りかけてくるように、温もりのあるナンバーだね。

9. 七色の楽園

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson 編曲:Free Wheel

アルバム「Blue Orange」に先駆けてリリースされたシングルナンバーは、 これぞスウェディッシュポップな軽快チューン。小粋に弾けて、手拍子も躍るキャッチーさを爆発させる。 原田知世もキュートに。ちょっと自身のヒットナンバー「ロマンス」テイストもあって、とにかくみんなで楽しくさせてくれるんだ。トーレ・ヨハンソンがノータッチだけれども、 Ulf Turesson率いるFree Wheelが、見事にタンバリン色を出してきた。極上です。

10. 蜘蛛の糸

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson 編曲:Tore Johansson

この曲もウキウキワクワク感が出ているね。優しく添えるようなブラスセクションや、 グロッケンの音が優しさを響かせる。原田知世のヴォーカルも、温かく柔らかく。耳にスーッと入ってくるね。

11. Dream is over now

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson, Johnny Dennis 編曲:Tore Johansson

弦とアコースティックギターの音が結構前面に出ているミディアムバラードチューン。 大らかに、原田知世のヴォーカルも伸び伸び響き渡る。自身のコーラスと絡み合っては、極上のポップさを出してきたね。 Aメロパートでクロスフェイドするとは、ちょっと驚いた。

12. 恋をしよう

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson, Johnny Dennis 編曲:Tore Johansson

歓声に迎えられて、原田知世が歌います。なんか、ちょっとノスタルジックな雰囲気と、 擬似ライブ感が合わさって、なんだか新しさも覗かせる原田知世のシングルナンバー。 スウェディッシュポップをストレートに運んできては、リリース時期にぴったり春もうごめく。恋をしたくなるね。

14th Album『a day of my life』● '99/9/22 release

お久しぶりとなる原田知世のオリジナルアルバム。前作「Blue Orange」以来、約1年ぶりの作品は、原田知世名義での初のセルフプロデュース。 原田知世の才能が開花する1枚です。これまで聞かせてくれていたスウェディッシュサウンドは小休止。 今作は、まったりとしたアコースティックベースの優しく素朴なサウンドが中心。温かく包み込んでくれるような楽曲を聞かせてくれます。キャッチーとは言い難いサビのメロディが多いけれども、 全体として1つの曲として聞かせるようなスタイルが多いかもね。これまで極上キャッチーなメロディで聞かせてくれていた反動からか、シンプルな楽曲が目立ちます。 ヒットナンバー「ロマンス」の新しいバージョンでは、ボッサタッチの優しいアレンジを聞かせてくれました。 原田知世が作詞のみならず、作曲にも多く携わっていて、プロデューサーの仕事にも力を入れているのが感じられるね。mashによるアレンジも、軽やかに響き渡ります。 今作でちょっと異色に感じるのは、このアルバムと同時発売でシングルカットされた「You can jump into the fire」ですね。 これまでの原田知世のイメージをガラリと変えるようなクールなトラックは、まるでJamiroquai。斬新なサウンドアプローチに挑戦していて、面白いですよ。

1. シンプルラヴ

作詞・作曲:原田知世 Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

ゆったりアコースティックサウンドで、温かさが伝わってくるミディアムチューン。 まさしくシンプルな雰囲気が伝わってきますね。原田知世のヴォーカルも、優しく語りかけるように。 とってもオーガニックなテイストだね。まったりとした雰囲気が、原田知世らしさを生み出しているような。とってもリラックスした1曲です。

2. 君の住む星まで

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

かき鳴るギターと弾むドラムに勢いを感じる1曲。作曲はUlf Turesson。 スウェディッシュの薫りを少々漂わせるメロディに、原田知世の優しくも温かいヴォーカルが広がってゆきます。 いい意味で、音に粗さがあったりして、逆にそういう部分がノリに感じたり。サビも爽快に聞かせてくれますね。

3. Road and Blue Sky

作詞・作曲:原田知世 Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

イントロでフルートが優雅に舞った1曲。原田知世が作詞のみならず作曲も手がけたミディアムチューン。優しさ溢れるアコースティックポップ。 爽快感たっぷりのドライブミュージック。と行きたい所だけれども、原田知世の持つ温かさや優しさが出てきては、上品な雰囲気が漂っています。 サビのメロディも、引き込んでくるかというより、流れて行くようだ。

4. a day of my life

作詞・作曲:原田知世 Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

アコースティックギターが心地よく響き渡るアルバムタイトルチューン。 ネオアコのまったりテイストをふんだんに盛り込んで、原田知世が聞かせてくれます。 作詞・作曲を担当したり、サビでファルセットを披露したりと、面白い展開。サビも、キャッチーな要素があるとはいいがたいけれども、惹きつける力はあるね。

5. LOVE * TEARS

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

原田知世のヴォーカル&コーラスのハーモニーが麗しいミディアムポップチューン。 まったりアコースティックサウンドが心地よいね。フルートも華やかに響いております。 Ulf Turessonによるメロディも哀愁を漂わせます。温かさがありながらも、ちょっとマイナーメロディがスパイシーになっています。

6. 花と人

作詞・作曲:原田知世 Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

しっとりからどっしりへ。世界が広がるように音も広がるナンバー。 アコースティックテイストの柔らかさが心地よいよね。サビも、決して派手ではないけれども、原田知世特有の温かさと清々しさがあります。

7. 秘密のキス

作詞・作曲:原田知世 Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

パーカッションとラテンムードをほんのり醸すサウンドに、おしゃれ感を漂わせるミディアムナンバー。 熱気といいますか、抑え目ながら原田知世の熱を感じさせる。渋さや懐かしさ、古めかしくも新しさを感じさせるナンバー。なかなか味があって面白いね。

8. You can jump into the fire

作詞・作曲:原田知世 Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

まさかまさかのジャズ/ファンクテイストで、あっと驚かされます。原田知世、かき鳴るギターと弾むビートに乗せて聞かせるディスコティークなソフトダンストラック。 合いの手の手拍子とか、なるほどJamiroquaiと言われてもおかしくない雰囲気が伝わってきますね。淡々と歌う原田知世がとってもクール。 しかも、この曲をシングルとして持ってくる時点で、かなり挑戦的。これまでの原田知世のイメージをガラリと変えて、世界を堪能せよ。

9. ロマンス (New Version)

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

大ヒットシングルナンバーをセルフカバー。思い切り弾けていたオリジナルバージョンに比べると、随分と落着いて、ゆったりと聞かせてくれます。 大人の午後のロマンス。アコースティックなボッサタッチのサウンドで、まったりと時間が流れてゆきます。

10. SECRET ADMIRER

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

Ulf Turesson作曲のまったりミディアムバラードナンバー。 メロディからしてスウェディッシュな雰囲気があるけれども、全体的にアコースティックサウンドの優しさと柔らかさが包み込んできます。 マイナー調のメロディがジワリジワリと浸透してきますね。

11. Take me to a place in the sun

作詞・作曲:原田知世 Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

このアルバムの中では、いちばんポップに弾んでいるアップナンバー。スキャット/ハミングもとっても軽やかに、とっても爽快に聞かせてくれます。 後半では、ちょっとゲームのようなファニーなサウンドに変身しました。

12. you & me

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson & Johnny Dennis Arranged by“mash”☆SABBA森秀樹☆星川薫☆青木庸和☆渋谷潔

アコースティックギターがしっとりと奏でられるバラードナンバー。原田知世の言葉とヴォーカルが温かく包み込んでくれるようだね。 あなたと私だけの空間が広がります。優しさが前面に出ていて、とてもうっとり。

Cover Album『Summer breeze』● '01/6/20 release

原田知世の2作目となるカバーアルバム。 前作は鈴木慶一のプロデュースで聞かせてくれましたが、今作では、プロデューサーにGONTITIの2人を迎えて、爽やかな夏ぴったりのアコースティク仕様で聞かせてくれます。 選曲の方は、Patti Austin「Say You Love Me」、Bee Gee's「How Deep Is Your Love」、Simon&Garfunkel「Scarborough Fair」、Carol King「You've Got A Friend」など、 ヴァラエティ豊かな懐かし系を取り揃えています。 ボッサやジャジーなど、アコースティックラインを行くサウンドに乗せて、温かとまったりな気分にさせてくれる原田知世のヴォーカルに癒されます。 全8曲というコンパクトな曲数の中にも、1曲1曲原田知世の思いが詰まっているかのようだね。爽やかでナチュラル、涼しい夏を見事に彩る作品で、心地良い気分にさせてくれます。

1. Say You Love Me

Words & Music:Patti Austin arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

Patti Austinのナンバーをカバー。爽やかなアコースティックサウンドと、原田知世の美しきハイトーンヴォーカルが織り成す、 夢見心地な1曲。優しい音、温かいヴォーカル、心地の良いサウンドで夏を彩ります。ナイロンストリングスのギターも気持ちがいいね。

2. Sunny

Words & Music:Bobby Hebb arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

Bobby Hebbのナンバーを、クールにカバーして聞かせてくれます。ジャジーテイストのアコースティックサウンドをバックに、落ち着いたヴォーカルを聞かせてくれる原田知世。 なかなかかっこいい味が出ています。Cuicaの音が、ラテンテイストを加えているね。

3. Just When I Needed You Most

Words & Music:Randall Edwin Van Warmer arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

Randall Edwin Van Warmerの「アメリカン・モーニング」のカバー。煌びやかな音を加えたアコースティックテイストのサウンドで、あっさりと、まったりと。 コーラスが重なると、爽やかさが一段とアップする。ゴンチチの2本のギターもいい感じに。

4. How Deep Is Your Love

Words & Music:Barry, Robin & Maurice Gibb arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

まったりアコースティックギターをバックに、Bee Gee’sのナンバーを。始まりを低~中音のヴォーカルで聞かせてくれる原田知世です。 サビパートでは、癒しの高音ヴォーカルで、美しいです。Bee Gee’sとはまたひと味違った、甘くスィートな世界が広がる。

5. BOTH SIDE NOW

Words & Music:David Gates arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

まったり優しく広がるカバーに仕上がった、カバーナンバー。 うっとり聞かせてくれるボサノヴァ風味で、心地良さと爽やかさが絡み合う風が吹く、午後の優しいひと時。

6. Scarborough Fair

Words & Music:Paul Simon & Artbur Garfunkel arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

Simon & Garfunkelの代表的なナンバーを聞かせてくれる原田知世。 どこかしらはかな気で物憂げな雰囲気、そしrて冷たさもあって、随分と曲を盛り上げるテイストになっています。 中盤からは、ちょっとテンポがアップして、よりいっそう、メランコリックな雰囲気が出てきたね。

7. You've Got A Friend

Words & Music:Carol King arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

Carol Kingなどで有名な曲に、原田知世が挑戦。ボッサやジャジーなテイストで、温かさを出しているサウンドを聞かせてくれます。 ところどころで原田知世も元気いっぱいに歌を披露。優しく柔らかく、包み込んでくれるようだ。

8. That's The Easy Part

Words & Music:Betn Nielsen Chapman arranged by Takefumi Haketa with Gontiti

Betn Nielsen Chapmanのナンバーを選曲するという、これまたかなり通なところ見せる原田知世です。 しっとりとジャジーやアコースティックなラインを行くサウンドで優しく聞かせてくれる。 仮歌 1stテイクを使用しているので、緊張感が出ているとは本人談。鋭さがあっていいね。

Best Album『Best Harvest』● '01/11/21 release

原田知世、FOR LIFEでの活動をまとめたベストアルバムの登場です。 移籍第一弾となったアルバム「Tears of Joy」のタイトルナンバーをセルフカバーしたリードトラックを冒頭に配して、これまでとこれからを結びつける。 また、鈴木慶一三部作やTore Johanssonとのスウェーデンテイスト溢れるサウンドを経て、セルフプロデュースを行うなど、随分とアーティスト活動が盛んになったと感じられる時期だよね。 よりどりみどりな楽曲を詰め込んで、華やかな原田知世の歌手活動をコンパイル。どちらかと言えば、ポップなイメージのあるスウェディッシュサウンドのイメージが強い彼女。 「ロマンス」「100 LOVE-LETTERS」「七色の楽園」など、弾けているが曲を聞かせ楽しませるけれど、バラードもいい味を出すんだ。 冒頭の「Tears of Joy」や「シンシア」「早春物語」で、じっくりと歌声を聞かせてくれては、その世界へと引き込んできます。 「Say You Love Me」「T’EN VA PAS」などカバーナンバーも収録され、温かくおしゃれな気分にさせてくれるアルバムとなりました。 やはり、もはやアイドルではなく、そしてシンガーでもなくて、立派なアーティスト。この10年の活動をたっぷりと収穫して聞かせてくれました。

16th Album『My Pieces』● '02/11/20 release

お久しぶりとなる原田知世のオリジナルアルバムは、「a day of my life」から3年ぶり。今作は鬼束ちひろでおなじみ羽毛田丈史を迎えてのコラボレーションで聴かせてくれます。 先行シングル「空と糸 -talking on air-」は鈴木慶一プロデュースだったけれども、それ以外の楽曲は、いつも以上にロックなアプローチで弾ける原田知世を聴かせてくれます。 オーガニックなアコースティックサウンド然り、ギターもがっつりと入ってきて、ロックな強さを出してきたり、かなり面白いアレンジで楽しませてくれます。 また、羽毛田丈史の真骨頂でもあるピアノサウンドを生かしたバラードチューンなどもあり、原田知世の声が見事にフィーチャーされているね。 優しく柔らかく、従来の原田知世のイメージに、さらに磨きをかけて魅力を放った1枚です。

1. Let's fly away

作詞:原田知世 作曲:TANATONOTE 編曲:羽毛田丈史

イントロからギターが響き渡っては、渋さと重さをバランスよく聴かせてくれる。原田知世にしては、なかなか力強いロックサウンドを聴かせてくれるね。 カントリーテイストのあるメロディラインは、しみじみ染め上げられるような新鮮さを感じさせます。伸びのあるヴォーカルは、彼女自身が書き上げた歌詞を気持ちよく響かせる。

2. As I like

作詞:原田知世 作曲:marinate o'neil 編曲:羽毛田丈史

イントロのギターがインパクトを放つ音をしているね。がっつりとした音を聴かせてくれるけれども、原田知世のヴォーカルが温かさを加えて、まろやかに仕上げてくる。 そして、アコーディオンも優雅に舞います。自然体でシンプルな感じ、リラックスな気分に浸れますね。

3. 空と糸 -talking on air-

作詞:LINDA HENNRICK 作曲・編曲:鈴木慶一

「Tears of Joy」以来となるシングルナンバーは、お久しぶりの鈴木慶一プロデュースによるアコースティックチューン。 アコースティックギターやアコーディオン、チェロの音などがポイントとなる心地よい1曲。しかも、全編英語詞と来たもんだ。 サビの「fly away」で、まさしく飛び立ちたくなるような雰囲気。うっとりさせられますね。キャチーなメロディとともに、心をつかんできました。

4. Tell me why

作詞:原田知世 作曲:T. Eriksson / M. Eriksson 編曲:羽毛田丈史

ゆったりモードで聴かせてくれる心地よいアコースティックチューン。爽やかなアコースティックギターと、華麗に舞うアコーディオンに癒されます。 悲しい歌詞なんだけれども、まったくそんな雰囲気を匂わせない原田知世のヴォーカルに包まれるね。

5. A Summers Story

作詞:原田知世 作曲・編曲:羽毛田丈史

アコースティックギターの音色が軽やかで爽やかな雰囲気を奏でるミディアムチューン。 原田知世の描く情景と合わさって、昔懐かしの叙情深い海岸が浮かんでくる。Cメロでのヴォーカル&コーラスでの重厚感にやられますね。

6. Lullaby

作詞:原田知世 作曲・編曲:羽毛田丈史

羽毛田丈史本領発揮のピアノバラードチューン。 まさしくララバイな優しさとともに奏でられるメロディをバックに、原田知世が浸透していくような瑞々しいヴォーカルで聴かせてくれます。Cメロが特に心に響いてきますね。

7. 砂の旅人

作詞:原田知世 作曲・編曲:羽毛田丈史

がっつりと力強く、アコースティックサウンドを奏でた上で、Tin Whistleが入ってくると、一気にアイリッシュの風が吹いてくる。心地よいミディアムナンバーです。 いいね、タイトル通りにさすらい感も出てきている。間奏でもTin Whistleが見せ場を作ります。そして、サビではファルセットをふわっと加えて、原田知世が優雅に歌います。

8. Ready to leave?

作詞:原田知世 作曲:A. Sandlund 編曲:羽毛田丈史

アコースティックギターのざっくり感と、12弦ギターのスタイリッシュな音が重なっては、有機的でオーガニックな雰囲気を伝えてくるナンバー。 ただ、リズムトラックが打ち込みなので、淡々とした雰囲気かな。この部分が無機的だけれども、他の部分が生の音で包み込んでくれるね。温かい1曲になりました。

9. LOVE-HOLIC

作詞:原田知世 作曲:marinate o'neil 編曲:羽毛田丈史

こちらは12弦ギターがざらりと響き渡るミディアムスローチューン。どっぷりとした音が、まるでエスニックでインディアンな音を届けてくる。 小宇宙だ、カルマだ、なんだかそんな雰囲気がお似合いの世界観だよね。原田知世自身のコーラスが、魅惑のひと時を奏でてきます。

10. Sigh of Now

作詞:原田知世 作曲:羽毛田丈史 / 原田知世 編曲:羽毛田丈史

ゆったり心地よいテンポで聴かせてくれるバラードナンバー。アコースティックギターの優しさと、ピアノの繊細な音がゆっくりとしみ込んでくるように、染み渡ってきます。 サビの高音パートで、なんだか切なさがアップ。涙が出てくるような優しいメロディに寄り添いたくなりますね。

11. 恋の法則

作詞:原田知世 作曲:TANATONOTE 編曲:羽毛田丈史

アコースティックギターの巧みな音色に呑み込まれてゆくような軽やかアコースティックチューン。 優しさいっぱいに、原田知世のヴォーカルが癒してくれる温かさを伝えてきます。愛くるしさが出ていて、なんだか微笑んでしまうね。

12. Angels song

作詞・作曲:原田知世 編曲:羽毛田丈史

原田知世自身が作詞・作曲を手掛けた3拍子ナンバー。原田知世がパーカッションも叩いているところに注目です。 ゆったりまったり、心地よさで包み込んでくれる軽やかな歌声が、時にファルセットを利かせて高音パートで魅了してきます。 ウンパッパと、手拍子をみんなで叩く間奏から、大きく盛り上がっていきますよ。

17th Album『music & me』● '07/11/28 release

原田知世、お久しぶりとなるオリジナルアルバムは、伊藤ゴローとのコラボで聴かせてくれるアコ-スティックテイストの作品。 ゲストも豪華で、伊藤ゴローはじめ、高橋幸宏や権藤知彦、キセルの2人や徳澤青弦などが参加。 楽曲も、各アーティストへの提供曲やカバーなど、目白押し。先行ナンバーとしてキセルの曲のカバー「くちなしの丘」のオーガニックテイストが、まさしくこのアルバムを表しているようだね。 ただ、やっぱり一番の目玉は大ヒットナンバー「時をかける少女」のセルフカバー。 実に25年ぶりということもあり、この曲に今だからこそ向き合うことのできた原田知世の思いが、ヴォーカルに込められています。 アコースティックスタイルが、とっても心地の良い作品だ。タイトルそのまま、原田知世自身が改めて音楽と向き合った作品です。 初回盤はDVD付きの2枚組仕様。先行ナンバー「くちなしの丘」のPVを見せてくれます。温かいテイストで、見ていてほっこりしますね。

DVD

1.

くちなしの丘

1. Cruel Park

作詞・作曲・編曲:伊藤ゴロー

アコースティックテイストのまったりゆったりソング。 伊藤ゴローの優しさが前面に出ているね。原田知世のヴォーカルも、優しく柔らかく。全編英語詩だからこそ、伝わってくる温かさがそこにあります。

2. 色彩都市

作詞・作曲:大貫妙子 編曲:.伊藤ゴロー

大貫妙子のナンバーをカバー。弦楽+アイリッシュハープというバックサウンドの美しさが、曲の持つ繊細さをさらに引き立たせる。 そこに、まろやかな原田知世のヴォーカルが加わって、ふんわり温かさが出てきたね。チェロで徳澤青弦が参加しています。

3. きみとぼく

作詞:原田知世 作曲:伊藤ゴロー 編曲:.伊藤ゴロー

アコースティックテイストのサウンドで、しなやかに聞かせてくれるナンバー。各楽器の音からも、優しさが伝わってくる。 ストリングスの繊細な音が美しく色付けてゆく。そして何より、原田知世の歌詞がとっても優しくて愛らしいね。

4. Are You There?

作詞:Hal David 作曲:Burt Bacharach 編曲:.高橋幸宏

Burt Bacharachのナンバーのカバーなんだけれども、なんと高橋幸宏のアレンジでエレクトロニカな原田知世を聴かせてくれます。とても斬新なイメージで、 ちょっと一歩先を行くようなサウンドをまろやかに届けてくれました。権藤知彦や高田漣も参加と、豪華ですね。このコラボレーションが、のちにpupaへとつながるわけですね。

5. I Will

作詞・作曲:John Lennon / Paul McCartney 編曲:伊藤ゴロー

The Beatlesのナンバーをカバー。伊藤ゴローのアレンジで、ほんわか温かいアコースティックサウンドに乗せて、キセルの辻村豪文とのデュエットで聴かせてくれます。 ハーモニーが美しいね。随分とコンパクトな仕上がりなんだけれども、なんだか聞いていて心地よいです。

6. Wonderful Life

作詞・作曲・編曲:.Yuji Oniki

ざっくりギターが少々スパイスとなって、温かさを出してきました。オニキ・ユウジとのコラボナンバーで、全編英語詩の歌詞がおしゃれに仕上げてきます。 新鮮な気持ちにさせてくれるのは、やっぱりこのヴォーカルに癒されるからですね。

7. 菩提樹の家

作詞・作曲・編曲:.鈴木慶一

イントロからオーガニックテイスト溢れる、光りまぶしいアコースティックナンバー。鈴木慶一による曲は、彼のセンスが出まくっています。 「 Egg Shell」あたりの頃を思い出させるサビで、3拍子を取り入れて変化させては、不思議な魅力で楽しませてくれます。心地よさは相変わらず。

8. シンシア

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson / Johnny Dennis 編曲:伊藤ゴロー

原田知世自身のヒットナンバーをセルフカバー。さすがと言わんばかりに、伊藤ゴローのアレンジで、ボッサ調の心地良いサウンドで聴かせてくれます。 オーガニックな雰囲気で優しく包み込んでくれるようだ。うっとりとさせてくれるね。タンバリンスタジオの頃のアレンジとはまた一味違った魅力で、味わい深さが出てきます。

9. Aie

作詞:田口晴香 作曲・編曲:.高木正勝

こちらは高木正勝によるナンバー。ヴォーカルがやけに生々しさがあるね。全編英語詩だからこその、おしゃれな雰囲気がたまらない。 なんだかアンニュイなテイストが、とってもいい感じ。

10. ノスタルジア

作詞:樽湖夫 作曲・編曲:.伊藤ゴロー

優しく聴かせてくれる3拍子のアコースティックナンバー。まさしくノスタルジックな歌詞の世界観が、温かさを生み出す。歌詞が全部カタカナ表記というのも面白いね。 ゆったりまったりしていながらも、力強さのあるサウンド。ヴァイオリンと弦が、しなやかさをさらに加えて、優しい1曲の誕生。

11. くちなしの丘

作詞・作曲:辻村豪文 編曲:.伊藤ゴロー、キセル

アルバムからのリード曲は、キセルのナンバーをカバー。 キセルの2人もバックで参加。原田知世の持つ柔らかさや温かさを引き出したアコースティックなアレンジが、まったりゆったりと包み込んでくれる。心地良い時間が流れる。

12. 時をかける少女

作詞・作曲:松任谷由実 編曲:.伊藤ゴロー

原田知世自身の大ヒットナンバーを、25年ぶりに披露ということで、話題となりました。 それほどこの曲の大きさがわかります。今回は、伊藤ゴローのギターをバックに、ゆったりボッサタッチの味付けで聴かせてくれます。 25年の時が、少女から大人へと変身させ、より味わい深さを増した曲となりました。うん、しみじみするね。

[DISC 2:DVD]

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18th Album『eyja』● '09/10/21 release

原田知世のひさしるにとなるオリジナルアルバム。前作「music & me」から2年。 これまでの北欧のイメージが抜けていったけれども、今回はなんと北欧の北、アイスランドでレコーディングというから驚きじゃないですか。 アルバムタイトル「eyja」は、アイスランドの言葉で「島」という意味だそうで、日本との共通点でもありますね。 ベースとなる楽曲は、実は前作に引き続いて伊藤ゴローとのタッグですが、時にアイスランドのミュージシャンとのコラボを果たしたり、なかなか日本では聞きなれないようなメロディだったり、 サウンドだったり、楽しませてくれます。原田知世のヴォーカルも、これまでとはちょっと違い、囁くような、語りかけてくるような感じですね。 サウンドスケープを描くようなアルバム。初回盤は特殊パッケージ&CD-EXTRA仕様で「FINE」のPVを収録。

1. ハーモニー

作詞:原田知世 作曲・編曲:梅林太郎

ゆったりアコースティックギターの音をバックに、囁くような歌を聴かせてくれる原田知世。全体的にソフトな雰囲気で、 ぬくもりが伝わってくるような感じだね。ほっこりと染めてきます。原田知世の世界がまろやかに広がる。

2. Giving Tree

作詞:いしわたり淳治 作曲・編曲:伊藤ゴロー

どっしりと壮大なサウンドをバックに、語りかけてくるような原田知世のヴォーカルが伝わってくる1曲。ストリングスの鋭さと、 原田知世のソフトなテイストがいいギャップを生み出す。もうね、どんどんと世界に引き込まれていくんですよ。何気に作詞がいしわたり淳治じゃないですか。独特の世界観もまた良い。

3. us

作詞:原田知世、天辰京子 作曲・編曲:mum

mumとのコラボナンバーです。3人のヴォーカルが合わさっては、こだまするように広がっては、幻想的に。 柔らかく、時にソリッドに聴かせるギター。さらには原田知世のファルセットヴォーカルも聞くことができる1曲です。

4. FINE

作詞:原田知世 作曲・編曲:伊藤ゴロー

こちらもイントロから幻想的。そして、アコースティックテイストの音で温かく、優しく柔らかく聴かせてくれるミディアムチューン。タイトル通り、心地よさが伝わってきますね。 原田知世自身が手がけた歌詞も生きる。伊藤ゴローの曲とアレンジ、ベースでmitoが参加しているところにも注目かな。アルバムの核を担うような1曲。

5. 黒い犬

作詞:樽湖夫 作曲・編曲:伊藤ゴロー、梅林太郎

ポコポコとしたプログラミングビートが優しくほっこりと聴かせてくれる1曲。 どこかしらウキウキワクワクしたナンバーだね。音も温かさを出したアレンジで、聞いていて安心する。アットホームな、身近な感じがいいじゃないですか。

6. 夢のゆりかご

作詞・作曲:大貫妙子 編曲:伊藤ゴロー

オルゴールのようなネジまわしからスタート。そして、アイリッシュハープが、これまた美しさを出して響いてきます。もう、とろけてしまうね。 タイトルにぴったり合ったナンバー。大貫妙子が作詞・作曲を手がけていて、とにかく麗しいんです。原田知世のヴォーカルも暖かく響き渡ります。

7. 予感

作詞:原田知世、天辰京子 作曲・編曲:mum

これまた不思議なナンバーだ。mumとのコラボチューンで、なかなか日本で聞くことのないメロディやアレンジで、とにかく不思議不思議。 妖しくもあり、独創的でもあり、それを歌ってしまう原田知世も、ある意味挑戦的です。

8. voice

作詞:原田知世、天辰京子 作曲・編曲:伊藤ゴロー

アコースティックサウンド、そしてチキチキのプログラミングトラックがまったりと響き渡る3拍子のナンバー。 水の流れる音など、SEも加えて、時にドラマティックだったり。どこかしら、おとぎ話のようなまろやかな雰囲気です。

9. ソバカス

作詞:樽湖夫 作曲:細野晴臣 編曲:伊藤ゴロー

なんと細野晴臣が作曲を手がけたナンバー。まっりギターの音とどっしりベースの音が頼もしい。って、ベースも細野晴臣が弾いているじゃないですか。 まったりゆったり。原田知世のヴォーカルも、心地よさを前面に出してきては、いい感じ。

10. marmalade

作詞:原田知世、天辰京子 作曲・編曲:Valgeir Sigurosson

どっしりと淡々と、鋭さと。ちょっと混沌とした音がこれでもかというくらいに交差するミディアムナンバー。 時に静かに美しく、時に激しく音をぶつけてきながらも、原田知世のヴォーカルは終始まろやかに。幻想的で、しかもアイスランディックです。

11. 青い鳥

作詞:原田知世 作曲・編曲:伊藤ゴロー

アルバムのラストを締めるアコースティックチューン。伊藤ゴローの優しさ流れるギターの音が心地よく、さらにピアノやストリングスも加わって、 麗しさが増してきます。2番からはバンドの音になりつつも、原田知世の温かさが出たナンバーに仕上がっていますね。いい感じに、まったりまったり。

CD-EXTRA. FINE Music VIdeo

Directed and Edited by Ed TSUWAKI

フィルムのような淡さを出したPV。アイスランドの土地で、原田知世の美しさが際立つ。ギターを弾いたり、地元の人たちと交流したり。

Best Album『ゴールデン☆ベスト 原田知世 ~As Time Goes On~』● '11/5/25 release

ゴールデン☆ベストシリーズ。原田知世のFOR LIFE時代を総括する作品となりました。ただ、ベストと言うとなんかちょっと違うような感じもするんだよな。 どちらかと言うと、セレクションアルバムといった方が、しっくりくる内容。これまでFOR LIFEで発表した作品の中から、まんべんなくチョイスされている。 「ロマンス」や「シンシア」などのスウェディッシュ作品が収録されていながら、「T'EN VA PAS」や「You can jump into the fire」などのコアなシングルは無し。 ラストはオリジナルアルバム未収録だった「あした」で締めてくるひねり。でも、ジャケットも素っ気なくてなんだかな。

19th Album『noon moon』● '14/5/7 release

前作「eyja」から4年半。再び音楽活動を再開させた原田知世の作品は、これまたおなじみ伊藤ゴローとのタッグで聞かせてくれる大人な作品。 ジャジーなトラックやポップなトラック、歌謡曲テイストの曲などがあり、それでいて上品な仕上がりなのは、やはり原田知世の持つ世界観がしっかりと出ているからかな。 坂本龍一も1曲参加しているところにも注目。ここからのリードナンバー「うたかたの恋」や「Double Rainbow」などキャッチーな曲もあるけれども、 全体的には落ち着いたトーンで。スウェディッシュポップ時代の曲のセルフカバーや、伊藤ゴローのナンバーのカバーなど、色々な要素もあって、聞き応えがありますね。

1. 青空の月

Words:Tomoyo Harada Music:Goro Ito

夜を彩るジャズの雰囲気で、おしゃれに聞かせてくれるナンバー。原田知世のヴォーカルも滑らかに、まろやかに広がる。 独特の温度の中で、繰り広げられるミディアムチューン。原田知世自身が手がけた歌詞も、情景が浮かび上がってきますね。坂本龍一もRhodes Pianoで参加し、随分と豪華な仕様です。

2. うたかたの恋

Words:Tomoyo Harada Music:Goro Ito

マイナー調のメロディラインが妙に癖になるミディアムチューン。まろやかながら、曲の独特の雰囲気が表れていますね。 儚げで、うたかたの恋、見事に表している感じですよ。ギターの音もポイントになるね。

3. Double Rainbow

Words:Tomoyo Harada Music:Goro Ito

爽やか極まりないイントロからして、もうやられますね。でもって、ポップでしなやか、懐かしさも漂わせる1曲。 シンプルなメロディが活きてくる1曲です。キャッチーさと、語りかけてくるような親しみある原田知世のヴォーカルに引き込まれます。

4. A Moment Of Clarity

Words:Tomoyo Hrada, Eiichi Sawado Music:Goro Ito

英語詞ナンバー。とってもおしゃれに響き渡る原田知世のヴォーカルが、麗しくて温かいね。 全編英語詞だからか、ちょっと洋楽のテイストも感じられて、なかなかおしゃれです。

5. 走る人

Words:Tomoyo Harada Music:Goro Ito

ほんわかポップに聞かせてくれるナンバー。アコースティックギター、弾むピアノ、そしてブラスが響き渡っては、 楽しく展開。タイトルはなかなか珍しいけれども、音がちょっと懐かしい。スウェディッシュポップ時代を彷彿とさせて、心地よいね。

6. My Dear

Words:Tomoyo Hrada, Eiichi Sawado Music:Goro Ito

こちらも全編英語詞で聞かせてくれるナンバーです。どこかしら「Don't Know Why」のような、まろやかな音使いのジャジーなトラック。 原田知世のヴォーカルも、おしゃれな雰囲気を振りまいて展開。心地よいサウンド、この上ないね。サックスもおしゃれに響き渡っては、ムードを出してくるぞ。

7. LOVE

Words:Tomoyo Harada Music:Tore Johansson

Tore Johanssonプロデュースで聞かせてくれたナンバーのセルフカバー。ボッサタッチで、アコースティックギターをベースに聞かせてくれるまったりチューン。 軽やかで、心地よい。より熟した1曲に仕上がっていますね。

8. レモン

Words:Goro Ito Music:Goro Ito

伊藤ゴローのナンバーを、原田知世が器用に歌います。イントロなしで、結構力強さを伝えてくるサウンドだね。 でも、全体的にはまろやか。やっぱり原田知世のヴォーカルがいい味を出しています。

9. 名前が知りたい

Words:Natsuki Ikezawa 作曲Goro Ito

池澤夏樹が作詞を担当している部分に、興味がさらに湧いてきますね。まったり深めのジャジーなサウンドをベースに、 ゆったりと聞かせてくれるナンバーです。途中で入ってくるサックスの音も、まったりと。サビのファルセットも、いい感じ。そこがポイントになるね。

10. Brand New Day

Words:Tomoyo Harada Music:Goro Ito

イントロのピアノがまた、おしゃれに響き渡ります。歌が始まると、アコースティックな音使いで、まったりまったりと展開。 伊藤ゴローらしい、リラックスしたムードがいいんだよ。ものすごく身近にいるような原田知世のヴォーカルがまた、いい感じに聞かせてくれるんだ。

Cover Album『恋愛小説』● '15/3/18 release

原田知世、「Summer Breeze」以来となるカバーアルバム。今回は、ここ最近タッグを組んでいる伊藤ゴローのプロデュースで、アコースティックタッチのサウンドに仕上がっています。 ジャズやボッサタッチの音をバックに、原田知世が優しく柔らかく歌い上げる名曲の数々。テーマが「大人のラブ・ソング」ということもあり、選曲もなかなかですね。 The Beatles「夢の人 / I've Just Seen a Face」の瑞々しいアコースティック加減、Melody GardotやMarcos Valleなどといった人選も面白いね。 お馴染みスタンダードナンバー「Fly Me to the Moon」や「Love Me Tender」なども、原田知世のまろやかテイストで聞かせてくれます。 その中でも、Norah Jonesの大ヒット曲「Don't Know Why」を、作者でもあるJesse Harrisとデュエットするだなんて、豪華だな。

1. I've Just Seen a Face

Words & Music by John Lennon & Paul McCartney

イントロからもう瑞々しいアコースティックサウンドで彩ってくる。この音に原田知世の温かく柔らかい歌声にもう、うっとりときめくカバー曲。 ストリングスもさらっと心地よい風の如く、靡かせては、とっても優雅で気持ち良いカバーとなりましたね。

2. Don't Know Why

Words & Music by Jesse Harris

オリジナルはジャジーでスローだったのに対して、こちらのカバーは8ビートを軸としたアコースティックロックといった感じかな。 そして、なんと作者でもあるJesse Harrisとのデュエットを聞かせてくれるわけですよ。なんとも豪華な1曲に仕上がっています。

3. In My Secret Life

Words & Music by Leonard Cohen & Sharon Robinson

瑞々しくて湿り気のあるヴォーカルが癒しの如く、まったりと響き渡るカバー。どの音も温もりのこもった音色で、温かく包み込んでくれるよう。 ソプラノサックスがいい具合にスパイスとなる。とにかくまろやかなひとときにうっとりだね。

4. Baby I'm a Fool

Words & Music by Melody Gardot

ひだまりの様な温かさ。ほっこりサウンドと、原田知世のまろやかなヴォーカルが折り重なるカバー。 ちょっと淡々としては、クールな味を出すヴォーカルも、じんわりと染み込んでくるかの様だね。Fender Rhodesの音がまろやかさを加えてくる。

5. Night and Day

Words & Music by Cole Porter

ピアノの躍る音がポイントとなるカバー。ボッサアプローチのまったりジャジーで大人の味わい。 原田知世のヴォーカルも、瑞々しく、吸い込まれる様な心地よさを放ってくる。とにかくおしゃれなんだな。

6. Blue Moon

Words by Lorenz Hart Music by Richard Rodgers

これまた、まったりと。ゆったり進行する音と、まろやかな原田知世のヴォーカル。まさしく夜空に浮かぶ月の如く。 鮮やかながらに、心地よいジャズサウンドが、染み渡ってきます。

7. If You Went Away

Words & Music by Marcos Valle & Paul Sergio Valle

とってもとっても心地よいひととき。アコースティックなサウンドに加えて、ストリングスも挿入されては、おしゃれな時間が流れる。 原田知世のソフトなヴォーカルとともに、ピアノの音色がとにかく麗しく響き渡るわけですよ。間奏でのクラリネットもポイント。

8. Fly Me to the Moon

Words & Music by Bart Howard

あの有名曲に原田知世が挑戦。まったりアコースティックボッサなテイストに、軽やかに歌い上げるひととき。 エンディングを飾るミュージシャンたちの演奏が意外とアグレッシヴで、いい感じだったね。

9. The Look of Love

Words by Hal David Music by Burt Bacharach

Burt Bacharachのナンバーを、淡々とした演奏でお届け。どこかしら妖しさ、妖艶さを出して歌う原田知世が、かっこよさを出す。 どんよりダークな中で、輝きを届ける知世ヴォーカルに、うっとりさせられるな。

10. Love Me Tender

Words & Music by Public Domain Arranged by Vera Matson & Elvis Presley

ポロンポロンとオルゴールの様な優しさを放つアレンジは、まるで木漏れ日がさしているかの様な温かさ。 原田知世のヴォーカルと、これまたピッタリ合って、とっても麗しいひとときなんですね。スーッと染み込んでは夢見心地に。

Cover Album『恋愛小説2 ~若葉のころ』● '16/5/11 release

好評カバーアルバム「恋愛小説」の第2弾が登場。今作は、原田知世自身が思い入れのある曲を、少女時代に戻ったかの様な淡い若葉の頃をテーマに選曲。 竹内まりや「September」や松田聖子「秘密の花園」「SWEET MEMORIES」、荒井由実「やさしさに包まれたなら」、キャンディーズ「年下の男の子」、原田真二「キャンディ」などなど。 彼女ならではの青春時代を彩ってきたナンバーを、盟友伊藤ゴローのアレンジで、しっとりと聞かせてくれます。 ヴォーカルの柔らかさ、、温かさがじんわりと染み渡る様に響いているね。心地よさたっぷりで、ある種、1つのジャンルを確立したかのようだ。 初回盤は、「September」と、前作収録の「I've Just Seen a Face」のPVを収録したDVD付きです。また、小沢健二の「いちょう並木のセレナーデ」のカバーもボーナストラックとして収録。

DVD

1.

2.

September <Music Video>

I've Just Seen a Face 夢の人 <Music Video>

1. September

作詞:松本隆 作曲:林哲司 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

竹内まりやのナンバーを、シティポップなアレンジで軽やかに聞かせてくれるカバー。原田知世のヴォーカルは落ち着いていながら、瑞々しさを出してくる。 サビではホーン部隊も加わって、淡く盛り上げてくる。そして、Cメロパートでは、ビッグバンド風なアレンジで華やかに決めてくる流れがいいじゃないですか。

2. やさしさに包まれたなら

作詞・作曲:荒井由実 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

これまた名曲、ユーミンナンバーをまったりまろやかカバー。ボッサタッチのアコースティックアレンジで、しっとり展開。 サビでは音が厚くなってきて、力強さとともに優しさを添えてくる。アレンジでメジャーコードとマイナーコードをうまくスパイスにしているかな。

3. 秘密の花園

作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

聖子ちゃんですか。どっしりと音を注ぎ込んで始まるインパクト。思い切りのアイドルソングを大人になった原田知世が歌うと、また新鮮なんだな。 雰囲気がガラッと変わった世界を演出。温かさが出ていながらも、芯の強い音が響き渡ります。一方で、原田知世のヴォーカルは随分と落ち着いているな。

4. 木綿のハンカチーフ

作詞:松本隆 作曲:筒美京平 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

これまた名曲、太田裕美のナンバーを、原田知世が瑞々しく、それでいて優しく柔らかいヴォーカルで包み込んでくれます。 おしゃれジャズの味わいで、ゆったりと心地よく響き渡ります。このテイストでより言葉も染み込んでくるね。

5. キャンディ

作詞:松本隆 作曲:原田真二 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

冒頭からひねくれた感じの音でびっくり。そして、ちょっと悪そうな原田知世のヴォーカルがまたいい味を出してくるんだな。 ホーンの力、ストリングスの力をまじまじと見せつけるかの様な感じ。ちょっとこっちの音の方が目立っちゃったかな。

6. 年下の男の子

作詞:千家和也 作曲:穂口雄右 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

のっしりとしてながら、どこかほっこりとさせてくれる音で、キャンディーズのナンバーをカバー。 ここでは伊藤ゴローのギターがエッジを効かせては、インパクトを出してくる。がっつりガツガツとした音と、原田知世のソフトなヴォーカルが重なり合います。

7. 異邦人

作詞・作曲:久保田早紀 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

ベタなんだけれども、ちょっと驚きな感じだね。原田知世のヴォーカルも、意外とエスニックというか、エレガントな感じで軽やかに舞います。 ボッサジャズの様なアダルトフレーバーで聞かせてくれる。ヴォーカル特有の歪みがいい感じ。

8. 夏に恋する女たち

作詞・作曲:大貫妙子 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

イントロでは、ストリングスが華麗に彩ります。大貫妙子のナンバーのカバー。オリジナルの、あの独特の歌声とはまた違って、原田知世のソフトなヴォーカルもまた心地よい。 弦の音がとにかく美しさを出してくるね。

9. 夢先案内人

作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

山内百恵を代表するバラードナンバー。あの当時の山口百恵の大人っぽさ、今歌う原田知世の少女らしさがすごくわかるような1曲だね。 ジャジーなアレンジで、夢見心地に仕上げてきます。

10. SWEET MEMORIES

作詞:松本隆 作曲:大村雅朗 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

松田聖子の大ヒットナンバーを、まろやかまったりアレンジのバラードで聞かせてくれます。ジャズベースの音で、ハープがとにかく夢を見させてくれる。 そして、サックスでは大人っぽさを演出してきますね。

11. いちょう並木のセレナーデ

作詞・作曲:小沢健二 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

この選曲にはちょっと驚いたね。原田知世と小沢健二。あまり結び付かなそうな感じ。そんな中でのこの曲の選も、これまた通な感じで。 伊藤ゴローのギターのみをバックに、まったりと歌い上げる原田知世です。オリジナルよりも、若干テンポが早い分、カラッとした温かさが出ているかな。

[DISC 2:DVD]

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Self Cover Album『音楽と私』● '17/7/5 release

原田知世デビュー35周年を記念して、セルフカバーアルバムを発表。今回も、伊藤ゴローのプロデュースの元、優しく柔らかいアコースティックなサウンドをベースにして、心地よいアルバムとなっています。 また、選曲がいいわけだ。お馴染み「時をかける少女」「ロマンス」「くちなしの丘」はじめ、「天国にいちばん近い島」「ときめきのアクシデント」「ダンデライオン ~ 遅咲きのタンポポ」「空と糸 -talking on air-」などなど、オールタイムな曲から厳選した10曲。これはね、本当に意外だったなと思う曲もあるんだけれども、やっぱり10曲じゃ物足りないんだよな。 原田知世のヴォーカルは、少女っぽさも残しつつ、大人の魅力もたっぷりと伝えてくる。もうね、満足のいく作品ですよ。 初回盤はボーナストラックとして、あの「雨のプラネタリウム」のセルフカバーを追加。さらに「ロマンス」「時をかける少女」のPVを収録したDVD付きの2枚組仕様です。

DVD

1.

2.

ロマンス (Music Video)

時をかける少女 (Music Video)

1. 時をかける少女

作詞・作曲:松任谷由実 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

原田知世といえば、やっぱりこの曲を外せませんよね。伊藤ゴローのプロデュースにより、ゴージャスなストリングスアレンジを施してきました。 エレガントなサウンドと、大人になった原田知世のヴォーカルがまた、」まろやかに交差する。どこかしら少女の面影を残しては、華麗で可憐な世界が広がります。

2. ロマンス

作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

中期ヒットチューンのスウェディッシュなナンバーを、改めてセルフカバー。 イントロのガツガツした音が年季を感じさせますが、原田知世のヴォーカルはあの頃と変わらないほど温かいね。とっても心地よく聞かせてくれるナンバーです。 口笛やホーンもあの頃を蘇らせてくれる。

3. 地下鉄のザジ (Zazie dans le metro)

作詞・作曲:大貫妙子 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

大貫妙子提供ナンバー。この編成により味わいが出たという感じですね。より一層、おしゃれでキラキラしたバンドの音。 原田知世のヴォーカルも、幼さをのぞかせながら心地よく響き渡る。

4. ダンデライオン ~ 遅咲きのタンポポ

作詞・作曲:松任谷由実 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

これまた、原田知世の初期ヒットナンバーを、大人の味わいで聞かせてくれます。アコーしティックに彩った優しい音と優しいヴォーカルがまろやかな仕上がり。 ジャズ風味もあるし、フルートがおしゃれ。スローテンポがより染み渡るね。歌詞の通り、素敵なレディが聞かせてくれた。

5. 天国にいちばん近い島

作詞:康珍化 作曲:林哲司 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

この曲もまた、極上のセルフカバーとなりました。坪口昌恭のピアノのみをバックに聞かせてくれる名曲。 しっとり優しいサウンドとヴォーカルが、まさしく天国にいる様な気分にさせてくれる。子守唄の様な味わいがいいね。

6. ときめきのアクシデント

作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

この曲の選曲チョイスがまた、実に香ばしいね。デビュー35周年を迎えたからこそなんだろうな。伊藤ゴローのアコギ1本をバックに、歌声を聞かせてくれる原田知世。 まったりまろやかな音と優しく柔らかいヴォーカルに包み込まれます。

7. 愛のロケット

作詞:原田知世 作曲:Tore Johansson Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

「ロマンス」同様に、中期スウェディッシュサウンドのナンバーを見事に再現してくれる。ロックなアレンジがかっこいい。 それでいて、オリジナルの要素もしっかりと出している。なかなか熟したセルフカバーだね。原田知世のヴォーカルも、あの頃と変わらずに元気いっぱいだ。

8. 空と糸 -talking on air-

作詞:Linda Hennrick 作曲:鈴木慶一 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

忘れちゃいけない鈴木慶一。彼のプロデュースナンバーからは、CMソングにもなった心地よいナンバーのセルフカバー。 今回は、しなやかさと音の厚みが年月の魅力を加えてくるサウンドに仕上がっています。原田知世のヴォーカルも麗しく。

9. うたかたの恋

作詞:原田知世 作曲:伊藤ゴロー Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

さらに深い味わいを出してくるスローチューン。オリジナルの持つ陰りな雰囲気がより一層、濃く熟成されている。 それでいて、ソフトな味わいもあり、この絶妙なバランスでうまく伝えてくるセルフカバーになったね。

10. くちなしの丘

作詞・作曲:辻村豪文 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

印象的なキセル提供曲をセルフカバー。なんと、このギターを原田知世自らが奏でていると知ったら、またほっこりとさせてくれるじゃないですか。 このギターと、伊藤ゴローのプログラミングで淡く広がります。優しくエバーグリーンな味わいがじわっと広がっていきます。心地よいですね。

11. 雨のプラネタリウム

作詞:秋元康 作曲:後藤次利 Produced by 伊藤ゴロー Arranged by 伊藤ゴロー

初期のヒット曲がガラッと印象を変えてのセルフカバーとして登場。深いジャズの味わい、雨、そして都会、夜の雰囲気を伝えてくるアダルトチューン。 アレンジが変わり、ものすごく大人な世界ですよ。ビータな感じがとても緊迫感を伝えてきて、とんでもないくらいにかっこいいね。

[DISC 2:DVD]

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