album
●８ｔｈ Ａｌｂｕｍ『幸福の場所 ～しあわせのありか～』● '94/12/1 release
全曲作詞・作曲を谷村有美自身が手がけ、シンガーソングライターとしての力を発揮させるオリジナルアルバムベスト盤「With II」で区切りをつけて、 新たなステージへ。ポップなサウンドは清水信之はじめアレンジャーの手腕が光っています。とにかくウキウキワクワクなポップチューンが揃っています。 アルバムタイトルよろしくな感じだね。シングル曲はまさかのマイナー調のクールポップ「あしたの私に会いたくて」のみだけれども、 「恋に落ちた」なんて名曲もあるし、意外といい曲が揃っています。いろんな恋愛風景を覗かせてくれます。 仕事に頑張る女性を応援する元気な面も見せます。 ジャケットがまた狙っているというか、微笑ましいね。
１． 甘いWAVE
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
イントロから華やいでいますね。これがアレンジャーの力。それに比べると、メロディパートの旋律がちょっと妖しさも漂わせる。 そして、Bメロラストの大きな変身。サビも随分と読めないくらいにメロディがあっちに行って、びっくり。逆に、面白いけれどね。 髪型を変えて、あなたを虜にしようとする物語。
２． 彼女のフィアンセ
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
こちらも華やかなポップなイントロ。まるで槇原敬之や平松愛理のような、 身近な生活を明るく仕上げるアレンジマジック。彼女と、自分の男友達が婚約していたことに、とってもショックを受けるお話。
３． 恋に落ちた
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
イントロなしでサビからスタートし、しかも随分と高音で引きが強いね。 さらには切ないメロディが突き刺して、もうノックアウト。恋知る気持ちの自分の驚きが表れた歌詞。 ヴォーカルがとにかくいいんだ。サビパート、アレンジも、もう気持ちが弾けんばかりに。。とにかくいいね。 ただ、この曲の誕生秘話がまた切なくて。１人のリスナーの話をもとに、歌にしたそうです。
４． あしたの私に会いたくて
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
元気はつらつ、ポップなイメージが強いけれども、直球でマイナー調のナンバーをぶつけてくるとは、びっくり。逆にカッコ良くて、 クールでリズミカルに。そして、ホーンセクションが吹き立てては、キリッとさせてくれるナンバーの誕生です。 歌詞は曲調同様に、暗めだな。でも、なんか引っかかるものがあって気になってしょうがなくなる曲です。
５． 雪の扉
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
まったり温かさの出たボッサテイストのバラードナンバー。ギターやキーボードの音を加えつつ、伸び伸びとヴォーカルが響き渡ります。 冬の情景、恋する気持ち、温かい気持ちにさせてくれるナンバーだね。まろやかです。間奏でのサックスがいい味を出す。
６． あなたに愛を
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
ボッサ調のナンバーを聞かせてくれるとはね。しかも、マイナー調でクールに。 まろやか温かいけれども、サビはあまり盛り上がる感じではないね。
７． 瞬きの数ほどの偶然
作詞・作曲：谷村有美 編曲：佐藤準
いきなり、ど頭からギターが暴れています。かなりロックなアプローチで、エッジが効いていますね。 アグレッシヴな谷村有美はいかがでしょう。メロディはとても歌謡曲。シンセの音使いも、懐かしさを生み出して面白いね。
８． はじめの一歩
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
４つ打ちビートをポップに聞かせる弾けたナンバー。会社で働く女性の苦労を歌っています。さすがは谷村有美な世界だね。 1980年代後半のハウステイストがクール。でも、メロディがあまり盛り上がらないサビだなぁ。
９． 午前０時のオアシス
作詞・作曲：谷村有美 編曲：小林信吾
シュビドゥビコーラスとホーンセクションで盛り上がるミディアムチューン。 A.O.R.風味の瑞々しいサウンドと、クリアでハイトーンな谷村有美のヴォーカルが広がります。働く女子への恋の応援歌です。「テレホンカード」が時代を表すね。
10． ずっと忘れない
作詞・作曲：谷村有美 編曲：小林信吾
アルバムのラストを飾るピアノバラード。味わい深いメロディに乗せて、切々と歌い上げる谷村有美のヴォーカルが伸びやかに広がります。 片思いのまま、自分が別の人と結婚するという複雑な心境を歌っています。う～ん、このシチュエーションはどうなんだろう。まだ、振り切れていないのかな。
●９ｔｈ Ａｌｂｕｍ『圧倒的に片想い』● '95/10/21 release
「幸福の場所」に続く谷村有美のオリジナルアルバム。この作品がまた、インパクトが強いのは、結構テーマが重たいからかな。 とことん片思いの歌をぶつけてくる谷村有美。一体何があった？インストで幕開けて、「逆ふたまた」「何も聞かないで」と、結構、心をえぐってくる重たい恋愛模様が展開。 男女に友情はあるのか「愛情と友情」なども、突いてくる。シングルナンバー「信じるものに救われる」で救いを求めるけれども、「MOON」もまた重たい世界観。 ボッサはオシャレなんだけれどもね。ということで、タイトルチューンも「信じるものに救われる」を下地にした工夫は見られるけれどもね。 ジャケットやブックレットの写真で見せる笑顔とは裏腹な内容ですね。 セルフプロデュースで、自分の世界を出してくる谷村有美。このあと、さらに重たくなるんだよね。 v
１． Instrumental I
作曲：谷村有美
アルバムのオープニングを飾るインストナンバー。谷村有美自ら奏でるピアノの美しくもアグレッシヴな音使い、 そこにオーケストラが加わって、大いに盛り上がります。
２． 逆ふたまた
作詞・作曲：谷村有美
タイトルから、もう悲しいね。ふたまたされる側の女性の気持ちを歌っています。 大事な記念日のことも忘れる彼氏を怪しく思い、気づいてしまった。そこからどうするのか、だんだんと冷めてゆく気持ちを描き出す。
３． 何も聞かないで
作詞・作曲：谷村有美
ほっこりサウンドのミディアムナンバーなのに、突き刺して来ます。 前曲とはまた逆のパターンなんだな。一瞬心を奪われてしまったことへの後悔。そして、彼氏にただただ何も聞かず抱きしめて欲しいというナンバー。
４． 優しいのにも程がある
作詞・作曲：谷村有美
バラード２曲の流れから、このポップサウンド。別れた主人公の目の前に現れた男性に恋をしてしまうラブソング。う～ん、メロディパートはよかったんだけれども、 サビのラストがイマイチだな。
５． 愛情と友情
作詞・作曲：谷村有美
よくある論争。男女の間に友情はあるのか、それとも愛情になるのか、谷村有美が歌います。 ピアノベースに、じっくりと聞かせてくれるバラード。ストーリーは友達と思っていた男性から告白された女性の心境。そして、戸惑い。でも、彼女は本気になれないんだね。
６． もうすぐあなたが帰ってくる
作詞・作曲：谷村有美
サンバよろしく、ウキウキワクワク少々のラテンモードで心の躍動感を出して来ました。 遠距離恋愛中の２人の物語。そして、あなたが帰ってくる喜びを爆発させています。幸せそうだなぁ。
７． MOON
作詞・作曲：谷村有美
この曲をシングルで聞かせてくれることは、谷村有美にとっても挑戦なんじゃないかな。 まったりテイストのボッサチューン。クールなじっくりと、落ち着いた雰囲気が染み渡るように、聞かせてくれます。 もう関係が終わっているような２人の状況を、月の光とともにドラマティックに聞かせてくれるんですが、結構辛いね。
８． 愛しているのに
作詞・作曲：谷村有美
イントロのシンセがまた、力を抜けさせる。なんだ、音頭か？ 私もあなたも仕事が好きで、そっちへ向いてしまってはすれ違いの日々。会いたいけれども、どうすればいいの？という、それだけの歌。
９． 圧倒的に片想い
作詞・作曲：谷村有美
まったりゆったりのボッサベースで聞かせてくれるアルバムのタイトルチューン。 微妙な関係の中、好きだけれども、なかなか思いを伝えられない主人公の気持ちを歌う谷村有美。この曲のポイントは、大サビのメロディが「信じるものに救われる」を 下地にしているところ。その曲が次に配されているので、セットにするのがいのかな。
10． 信じるものに救われる
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
ストレートなポップサウンドで聞かせてくれる谷村有美のシングルナンバー。みずみずしいサウンドは、ドラマ主題歌でもいいような、 元気を与えてくれる。清水信之の業ですね。恋愛だけでなく、夢を信じ続けていようという前向きソング。 サビが極上にキャッチーです。
11． あなたに出逢えて
作詞・作曲：谷村有美
アルバムのラストを飾るバラードナンバー。とにかくあなたに絵会えて、２人でいることの喜び、感情の共有など、 とにあっく良かったことを述べています。愛すること、愛されること、おう、あなたがすべての歌です。存在感が大きいね。
●１０ｔｈ Ａｌｂｕｍ『Daybreak』● '97/10/1 release
「圧倒的に片想い」に続く谷村有美のアルバム。「しあわせのかたち」「せめてもの I LOVE YOU」「FACE UP」と２枚のシングルを中心に、 またもや様々な恋愛シチュエーションを歌っています。サウンド面では、Swing Out SisterプロデュースでおなじみPaul O'duffyをむ開けて、洗練されたポップサウンドを聴かせてくれたり、 じっくりバラードを聴かせてくれたりと、実に面白いアレンジで面白さを感じる。 そのほか、ポップソングやピアノバラード、クールなトラックなど音の幅が広くて楽しいね。 しかし、歌詞の世界が辛いぞ。どうした、谷村有美。失恋系の曲が多いけれども、当時の心境がそのまま映し出されているのかな。 そして、儚げなジャケットの写真も、心配したくなるほど。
１． FACE UP
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura PRODUCED AND MIXED BY paul sraveley o'duffy STRINGS, HORN ARRANGED AND CONDUCTED BY robyn smith
なんと、プロデューサーにSwing Out Sisterでおなじみ、Paul O'duffyを迎えて聴かせてくれる意欲作。 スタイリッシュなサウンドとコーラスは、まさしくS.O.S.な世界観が出ています。谷村有美のクリアなヴォーカルと、キャッチーなメロデイが生きてきますね。 自分磨きの歌です。
２． ずっと
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura PRODUCED AND MIXED BY paul sraveley o'duffy
イントロなしで始まるバラードナンバー。最初はピアノをバックに、そしてどっしりと打ち込みを加えて、ドラマティックに展開するミディアムチューンです。 瑞々しいサウンドがきらびやかに広がりますね。いつまでも一緒にいようという歌。
３． 雪の朝
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura ARRANGED BY yasuaki maejima
まろやかボッサタッチのミディアムチューン。丁寧な演奏と、丁寧なヴォーカルで、じっくりと聴かせてくれます。 暖かな、雪の朝のシチュエーション。サビでの高音がキュンとさせてくれます。人を好きになったとの喜びを歌っています。
４． しあわせのかたち
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura ARRANGED BY yasuaki maejima
極上ポップなサウンドを振りまくシングルナンバー。もう、ウキウキワクワクな弾けるサウンドにびっくりだね。 キーボードの派手な音使いが気持ちを上げてくる。ただ、歌詞は別れああとの前向きソング。 だからか、どこかしら谷村有美のヴォーカルも空元気な印象。
５． LOVE IS OVER
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura STRINGS ARRANGED BY yasuaki maejima
ピアノバラード。とにかくしっとりとした音とヴォーカル。これがまた、タイトル直球の失恋ソング。このリアルなシチュエーションがまた、痛くて悲しいね。 歌詞の一部が後日リリースされるセレクションアルバムのタイトルになっているところに注目。
６． Stay with me
WORDS BY yumi tanimura AND keiko maruyama MUSIC BY yumi tanimura ARRANGED BY shingo kobayashi
「どうぞこのまま」の丸山圭子と歌詞を共作したナンバー。クールでマイナー調のポップチューン。 ファンクベースでアダルトフレーバーもあって、なかなかかっこいいね。
７． 二人旅
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura PRODUCED BY tetsurtaro sakurai
軽やかなサウンドで聞かせてくれるのと、言葉数が多い歌詞が押し寄せてくるミディアムチューン。 結婚して名字が変わって。これから２人で一緒に生きてゆこうという、歌詞からしあわせモード全開な雰囲気です。
８． 3Call
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura
谷村有美本人がピアノを弾いて聞かせるバラードナンバー。 あなたのことが知りたいという欲から、かけたことなかった電話をかけて、繋がったお話。
９． せめてもの I LOVE YOU
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura PRODUCED BY tetsurtaro sakurai HORNS ARRANGED BY shin kohno
この曲が本当にいい曲なんだ。桜井鉄太郎のアレンジも効いて、切なく聞かせてくれます。好きな女性がいるという男性を好きになった主人公のお話。 タイトル通りに、とにかく切ないんだ、このストーリーが。あなたが私のこと、優しくしてくれるから、ますます好きになっちゃうじゃん。 友達以上、恋人未満の辛い立場を歌っています。
10． 逢いたくて
WORDS AND MUSIC BY yumi tanimura PRODUCED AND MIXED BY paul sraveley o'duffy
タイトルそのまま、会いたくて、逢いたくて、切なくて、辛くて。夜中、１人、電話を持ったまま、過ぎてゆく時間。 しんみりアレンジがクールで、かっこいいね。
●Ｂｅｓｔ Ａｌｂｕｍ『この愛の始まりも 恋の終わりも』● '98/5/20 release
谷村有美のベストアルバム。「With」シリーズとはまた違い、今作はラブソングベストアルバムとなっています。 ただ、全てが幸せな内容っていうわけではないんだよね。失恋ソングだったり、二股だったり、その逆だったり。いろいろな恋愛シチュエーションを歌っている谷村有美です。 のっけっから「恋に落ちた」が鋭く突き刺さってきますね。そして、今回は「LOVE IS OVER」の別バージョン、さらに新曲「フリージア」を収録と、 ただ単なる寄せ集めには終わらないアルバムになっています。 それにしても、タイトルがインパクトあるよね。実は、「LOVE IS OVER」の歌詞で出てくるんです。失恋ソングの歌詞をタイトルに持ってきましたか。 ただ、このアルバムはコンセプトもしっかりしているし、ベスト盤として非常に出来もいいんじゃないかな。虚ろな表情の谷村有美が印象的ですが、大丈夫でしょうか。 ブックレットの中の写真も、ちょっと心配してしまう。
６． FU・TA・MA・TA
作詞・作曲：谷村有美 編曲：佐藤準
タイトルそのまま、二股の歌。罪悪感がありながらも、どっちの男性がいいかなと、天秤にかけている主人公です。 しかも、向こうの男性に大事な人がいるという、なんとも罪な内諭おです。 ただ、曲の方はもう切なさいっぱい。サビのメロディなんてキュンとくる。サックスもいい感じに飾っています。
７． それでもあなたを愛してる
作詞・作曲：谷村有美 編曲：佐藤準
ピアノがドラマティックに奏でるバラードナンバー。幻想的なサウンドを加えて、透き通るような曲になっています。 ２番からはストリングスがゴージャスに飾ってきます。かなり強力なドラマティックソングだ。ただ、恋人がいる人を好きになるという、シチュエーションが痛いんだな。
９． LOVE IS OVER (piano forte version)
作詞・作曲：谷村有美
ピアノを強めたバージョン。ピアノの音色に谷村有美の思いがどっしりと詰め込まれたようで、 気持ちの抑揚とともに、ダイレクトに届けられてきます。
10． フリージア
作詞・作曲：谷村有美 編曲：前嶋康明
セレクションアルバム用の新曲。ゴージャスかつ滑らかなサウンドが、ムードを出すミディアムチューン。 マイナー調のメロデイが、意味深な世界観をドラマティックに盛り上げる。サビは高音ラインを行き、キュンとさせてくれます。ロマンティックな１曲だね。
●Ｂｅｓｔ Ａｌｂｕｍ『with III』● '98/12/12 release
谷村有美のベストアルバム「With」シリーズの第３弾。これまでの元気なイメージから一転、暗く落ち着いた感じは、一体どうしたんだ？ 歌の内容も、一筋縄にいかない、つらい恋愛の歌が多くなってきた印象。ヒットシングル「せめてもの I LOVE YOU」や「FACE UP」「あしたの私に会いたくて」や、 アルバムナンバー「恋に落ちた」「圧倒的に片想い」など、バランス良く収録。さらには新曲「Our days」も収録と、随分と豪華なベスト盤にはなっています。 ただ、ついこの間にラブソングセレクション「この愛の始まりも 恋の終わりも」をリリースしたばかりで、曲もかぶっている印象で、消化不良な思いもあるといった感じは否めない。 そして、ここでちょっとお休みとなりました。
12． 虹のふもとで
作詞：井上睦都実 作曲：谷村有美 編曲：鈴木俊介
アルバム「Daybreak」ごとなるシングルナンバー。ギターの音をざっくりと聞かせるバラードです。 久しぶりに歌詞は他人、しかも、シンガーソングライターの井上睦都実じゃないですか。遠距離な関係を歌っています。 サウンドはポップさとロックを混ぜた感じ。さらにボッサテイストを加えて、じっくり聞かせてくれます。
13． Our days
作詞・作曲：谷村有美 編曲：清水信之
ベスト盤用の新曲。ボッサナンバーです。しかも、マイナー調のメロデイが生きる内容。切なさと。どこかしらフォーキーな雰囲気が。 曲を盛り上げてきます。あなたの思い出を振り返る歌。パーカッションチームが、大活躍なアレンジです。