album

1st Album『Hlwan Paing』● '14 release

ミャンマーの若手ラッパー、Hlwan Paingによるアルバム。最新のブランドを取り入れて、HIP-HOPだけでなく、ロックやポップス、EDMなどを武器に、 これでもかとラップを畳み掛けてきます。 また、歌1本のみをじっくりと聴かせてくれるナンバーもあったり、ラップにとらわれない柔軟な姿勢を見せるHlwan Paingです。 時にEaint ChitやBobby Soxerなどとコラボチューンを聞かせたりしては、ぴったり息のあった様子を見せたり、 ミャンマーの音楽シーンに一石を投じるような作品で、若者のハートをつかんでいるようだね。 これからのミャンマー音楽市場でどのような活躍をするのかが、楽しみなアーティストです。

1. Gi Ta Sar So Hlwan Paing

電子音がフェイドインしてきては、なんとEDMでアゲアゲしまくるトラック。これはフロアが盛り上がるだろうな。 そこに早口ラップが投入されて、ノリノリに攻めてきます。なかなか、かっこいいじゃないですか。 これ、もっと聞きたいな。3分にも満たない長さは、ちょっと勿体無い。

2. Beautiful

これまた、まさかのアコースティックギターが優しい音を添えてくる。 安らぎを与えてくれるかのようなメロディと、うっとりさせてくれるバラードチューン。 そして、ラップが入ってくるんだけれども、やっぱり尖った雰囲気というよりかは、丸まっている印象だね。 まさしくビューティフルな1曲。

3. Kyein Sar

オリエンタルな雰囲気を出して、これぞミャンマーな雰囲気を伝えるようなトラック。 でも、全体的にはどっしりアングラ感を出しては、都会を彷徨うような、クールかつパッション溢れるトラック。 ラップもいつも以上に熱く、吠えているような感じかな。「プリンッ」っていうフレーズが印象的。

4. Ko Ko - Feat. Eaint Chit, Bobby Soxer

ギターの音や笛の音がエスニックな奮起を出すナンバーは、 ゲストにEaint ChitとBobby Soxerを迎えてのコラボチューン。 ヴォーカルに時々エフェクトをかけては、音が広がっていったりと、面白い。サビパートも口笛の音が優しくて温かい。 しかし、女性2人とのコラボとは、Hlwan Paingもなかなかやるね。

5. Min Ye Kyaw Swar Bo Nay Toe

クラブでパーティーしているかのようなトラックに乗せて、ラップが炸裂。 言葉がマシンガンのように弾けまくっています。エレクトロチューンはK-POPやEDMのような雰囲気で、攻めてきます。 語りのパートは、エフェクトをかけたせいで聞きにくいね。

6. Thu Nge Chin Tho Pay Sar

優しいメロディに乗って、まずは歌を聴かせてくる。 ラップもそこまで尖っていない、優等生HIP-HOP。 よく聞くと、Pachelbel「カノン」をベースにしたトラックになっているね。

7. Ah Thet Thwin Pay Par

いきなりピアノの音が入ってきては、ドラマティックに。 今回はラップではなく、歌をたっぷりと聴かせてくれるバラードチューンです。 ラップで見せる熱とは別のアプローチで魅了してきます。

8. Lat Tway Myout - Feat. Bobby Soxer

再びBobby Soxerをフィーチャーしたナンバーは、 どっしりディープに。これぞ王道HIP-HOPと言わんばかりに、アングラなトラックとドスの効いたラップで、 攻めて攻めて攻めてくる。

9. Carbon Dioxide

語りを少々入れて、その後はじっくりヴォーカルパートで熱唱。 デジタルサウンドを取り入れたバラードナンバーで、歌い上げるような流れを聞かせる。 一方で、その後のラップパートはかなり吠えているね。 溜まっていた鬱憤を晴らすかのような力強さが出ています。

10. Kaung Lay Ta Yout Yae Kaung Ma Lay - Feat. Bunny Phyoe

さらっとギターの音が心地よさを奏でるナンバー。 Bunny Phyoeを迎えてのコラボナンバーは、のどかな雰囲気を漂わせて、ほっこりさせるポップなトラックに仕上がっています。 間奏でのおおらかなコーラスに、ちょっと驚いた。さらに結婚行進曲を奏でたりもしています。

11. Disco

タイトルさながら、バッキバキの打ち込みでクラブ仕様なアゲアゲチューン。 4つ打ちEDMに乗せて、言葉が飛び交う。サビはもう、ノリだね。単純だからこそ、みんなで盛り上がることができます。

12. Yote Soe

再びバラードナンバー。 ドラマティックなサウンドに乗せて、じっくりと聴かせてくれるヴォーカルは、まっすぐに。 ただ、サビでバックのHIP-HOP的コーラスは余計だな。 せっかくの感動的な雰囲気が台無しだって。

13. Bor Dar Ma Kaung Thu Kaung Ma Phyit - Feat. Ye Yint Aung

Ye Yint Aungとのコラボナンバー。 ピアノのサンプリング音がループして、インパクトを放つ。 ほどよいオリエンタル感がスパイスになるHIP-HOPチューンだね。軽やかに展開しては楽しさを演出。

14. The whole Burma First - Feat. LiL Z

こちらはLiL Zを迎えてのナンバー。 ハードな音で圧を加えてくるナンバー。お互いのラップがバチバチとぶつかっては、ダークな雰囲気に染めてきます。

15. Mar La Kee Yar

冒頭のアドリブはなんなんだ?そして、ラップが始まると、いかにも東南アジアあたりの声のトーンで展開。 EMINEMあたりの声の位置だね。音は随分とアングラ。間奏では、火をつけてきたりしています。 いろいろと手が込んでいる。

16. Ta Khar Ka Tat Ka Tho

ゆったりバラード調のサウンドに乗せて、じっくりと歌を聴かせてくれる始まり。 そして、ラップも軽さを出しながら、気持ちを込めてじっくりと聴かせてくれます。 優しく包み込んでくれるようなサビパートが温かく流れてきます。

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