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11th Album『innocents』● '13/10/1 ('13/10/2 on Japan) release

「moby史上、最も美しいアルバム」。そんな形で称されるほどに、じっくりと染み渡る楽曲が揃った11枚目のアルバム。 とにかく静かで、安らぎを与えてくれるかのよう。ヴォーカルトラックも、本人が歌ったり、ゲストを迎えたりと、様々だけれども、どの曲も味わいがあって、スーッと染み込んでゆくようだね。 インストも合わせて、シンセの業がこれでもかというくらいに鮮やかに広がります。「Wait for me」「Destroyed」と続き、この作品でもmobyの持つべき力が思う存分に発揮されています。 こういうトラックの数々を難なく発表してしまうmobyに拍手です。初回盤は2枚組仕様となっていて、EPを付属。さらにイノセントな世界を味わうことができます。

1. everything that rises

written by moby

アルバムのオープニングを飾るインストナンバー。ダイナミックかつ繊細なトラックは、これまでの「Wait for me」「Destroyed」の流れをうまく汲み込んでいるね。 とにかく美しい。これぞmobyの世界。

2. a case for shame

written by moby, Cold Specks & Jim Anderson

優雅なトラックに乗せて、ソウルフルなヴォーカルが響きわたる。濃いのに美しく、清々しい1曲に仕上がっています。 シンセの音がまた神々しくて、うっとりさせてくれるんです。

3. almost home

written by moby & Damien Jurado

味わい深さのでたミディアムスローのトラック。どこか懐かしく、心が洗われるようなテイストを持つ1曲だね。 Damien Juradoのヴォーカルも、温かくて染み込んでくるように響いています。

4. going wrong

written by moby

こちらもうっとりとさせてくれる美しきインストナンバー。ゆったりリズムとシンセの華麗なサウンドが響き渡り、夢見心地にさせてくれます。

5. the perfect life

written by moby

ザックリギターと力強いビートが融合するミディアムチューン。 タイトルがまたいいね。mobyとFlaming LipsのWayne Coyneがヴォーカルとコラボするというところがまた、注目な1曲です。

6. the last day

written by moby & Skylar Grey

無機的に淡々と響き渡るドラムトラック。そこに添える形で、ヴォーカルがまったりと進行。始まりはそれこそ、あっさり目だけれども、 進行するに連れて、シンセの音も厚く、ドラマティックに響き渡る。

7. don't love me

written by moby

この曲も濃い目のゆったりビート。そこにソウルフルなヴォーカルがクールに乗っかってくる。 ギターの音もスリリング感を出してかっこいいね。

8. a long time

written by moby

冒頭はグルーヴィーに。深めのビートを繰り出しては、いきなり引き込んできます。 ヴォイスサンプリングもそこそこに、力強さを加えて魅了してくるインストチューンです。

9. saints

written by moby

魅惑のサウンドで始まるインストチューン。シンセマジックで、美しさが際立ちます。 そこからバンドサウンドのようにじっくりどっしりと音を響かせてきました。迫力もあって、なかなかダイナミックな1曲だね。

10. tell me

written by moby & Cold Specks

どっしりのっしりと音をぶつけてくるけれども、SEやらヴォーカルにエフェクトをかけたりしているので、不安感が漂う。 妖しさや寂しさと一緒に巻き込まれそうだ。

11. the lonely night

written by moby & Mark Lanegan

渋さ全開の男性ヴォーカルが入ってきては、妖しさも一緒に提供してくれるミディアムチューン。 詩のように語られた後は、シンセの壮大な音とともに、より濃いヴォーカルを聞かせてくれる。

12. the dogs

written by moby

アルバムのラストを飾るミディアムナンバー。ゆったりと流れるサウンドに乗せて、mobyが淡々と語るように歌を聞かせてくれます。 その音は次第に力をつけてダイナミックに変身してゆく。とても美しいメロディに、どんどんと惹かれていきますね。ラストもとてもロマンティックだ。

13. the perfect life / moby's m-90 edit

written and produced by Moby

ゴスペル風コーラスがフィーチャーされた始まりで、聞かせるトラック。オリジナルにピコピコ要素のSEを加えて、なんだか不思議な世界へ。 でも、サビコーラスが前面に出てきて、圧倒されるトラックだね。

1. i tried

written by moby Produced & mixed by moby

静かながらに4つ打ちビートがトランシーに繰り広げられるアップテンポチューン。 ほのかに加わるヴォーカルも、癒しな効果を発揮しているね。美しい1曲。

2. illot mollo

written by moby Produced & mixed by moby

ピコピコポコポコな音とギターの鮮やかな音が交差するミディアムチューン。 次第にいろいろな音が加わっては、ダイナミックに片子音。これぞmobyな世界で変身してゆく。神秘的な音が壮大に広がっていくね。

3. miss lantern

written by moby Produced & mixed by moby

ゆったりまったり、ピアノの音が奏でられてはしっとりしなやかに。 淡々としている中にも美しさがあるね。

4. blindness

written by moby & Joy Malcolm Produced & mixed by moby

ブルースな雰囲気も加えつつ、じっくりと聞かせてくれるトラック。シンセの音もゴージャスに飾ってきます。 それ以上に、ヴォーカルに力が入っているね。「PLAY」のころを思い出させてくれるかのようだ。

5. everyone is gone

written by moby Produced & mixed by moby

静かなピアノの音色。そこに挿入されるエフェクトのかかったヴォイス。さらにシンセの音もダイナミックかつゴージャスに響き渡る。 この空気がやっぱりmobyなんだよね。

6. my machines

written by moby Produced & mixed by moby

アコースティックな雰囲気の中、ヴォーカルも静かに加わる。語りかけるように、じっくりと伝えてきます。 味わいがあるmobyのヴォーカルですね。さらにシンセの神秘的な音を加えて広がっていきます。

Compilation Album『music from porcelain』● '16/5/27 release

mobyがなんと自伝を発表。激動の1990年代のmobyを回顧する内容で、その中に登場する楽曲を中心に、CDもリリース。コンピレーション盤として、2枚組でリリース。 DISC1は、1990年代のmobyソングをコンパイル。代表曲てんこ盛りで、「Go」はじめ、「Next Is The E」「Feeling So Real」「Come On Baby」「Honey」「Natural Blues」 「Why does my heart feel so bad?」「Bodyrock」などなど、アルバムとしては「Play」までの作品の中から、15曲を寄せ集めては聴かせてくれます。 初期ベスト「mobysongs」よりも幅広い選曲で、ツボを押さえた選曲は、やっぱりmoby自身の監修だからだよね。 一方、DISC2は、mobyが影響を受けた楽曲をコンパイル。これまた、やっぱりコアというか、かなり通な選曲で、mobyのセンスが出ています。 Raze「Break 4 Luv」、Precious「Definition Of A Track」、Run DMC「Pause」、Jay Dee「Plastic Dreams」など、一堂を会して聞くことができます。 1990年代というと、音楽界も様々な変化の波があったと思うけれども、moby自身、かなり影響を受けていると同時に、発信しているんだろうな。2枚を聞いて、思うわけです。

Album『these systems are failing / Moby & The Void Pacific Choir』● '16/10/14 ('16/10/28 on Japan) release

mobyの新プロジェクトが発動。「Moby & The Void Pacific Choir」名義による初のアルバムは、これまでのアンビエント路線とは正反対な位置で展開。 エレクトロなパンクをベースに、レイブやロックなど、これまた攻撃的な音をぶつけてくる。過去の「Animal Rights」的なテイストを感じさせるね。 とにかく攻めてくる。音しかり、mobyのヴォーカルしかり、メッセージしかり。mobyの湧き上がる「怒り」がダイレクトにぶつかってくるんだな。 これほどまでに激しい展開になったのも、いろいろなことがあったのでしょう。ただただ、この音に耳を傾けては、mobyの音を汲み取る。これらのシステムは破綻していると。

1. hey! hey!

written, produced, engineered by moby

冒頭から激しいデジタルサウンド。そして、勢いあふれるロックサウンドを投入。久しぶりに勢いにまみれたmobyを堪能することができますよ。 音の暴れっぷりがたまらない、そして呑み込まれる。

2. break.doubt

written, produced, engineered by moby

ギュインギュインとうねりを上げ、バッキバキの音をぶつけてくるアップチューン。 まさしく怒りがダイレクトにぶつかってくるナンバーだね。メッセージも強烈だね。

3. i wait for you

written, produced, engineered by moby

ハイパーに攻めてくるアップテンポチューン。mobyの叫びのようなヴォーカルも、ギュッと固まってぶつかってくる。 あっという間に駆け抜けては、圧倒してくる。

4. don't leave me

written, produced, engineered by moby

じっくりと忍び寄るような始まりは、妖しさたっぷり。そして、どっぷりどっぷりと打ち放ってきます。 ヴォーカルも鋭く、音は激しく、mobyが全てをぶつけてきます。最後の畳みかけもすごいな。

5. erupt & matter

written, produced, engineered by moby

ボコスカとアグレッシヴなビートに乗せて始まり始まり。静と動の鮮やかな切り替えに拍手なトラック。 mobyのヴォーカルも、メロディパートは淡々としているけれども、サビは激しく、怒りに満ち溢れているようだ。

6. are you lost i the world like me?

written, produced, engineered by moby

アグレッシヴなビートに呑み込まれそうな激しいナンバー。とにかく4つ打ちビートの勢いがすごいね。 それに合わせて、mobyのヴォーカルも激しく打ち放ってきます。

7. a simple love

written, produced, engineered by moby

ピコピコな雰囲気を漂わせながら進行すると、激しい音を振りまいて、アグレッシヴに輝きだす。 mobyのヴォーカルはしっとりと伝えてくるように。

8. the light is clear in my eyes

written, produced, engineered by moby

アラブのようなサウンドで始まり、ゴリゴリバリバリにmobyが怒りを届けるナンバー。 とにかく言葉が押し寄せてくるようだ。特に、後半の畳みかけ。もう呆気にとられるね。

9. and it hurts

written, produced, engineered by moby

ヴォーカルにエフェクトをかけては、パンクな勢いをダイレクトに届ける激しいナンバー。 グイグイと押し寄せてくる音の渦に呑み込まれる。さらにmobyが言葉をぶつけてくる。

10. almost loved

written, produced, engineered by moby

テクノポップ風味のデジタルサウンドを纏って展開。さらには、シャカリキビートを加えて、アグレッシヴに変身。 これはすごい勢いだな。サビに差し掛かると、コーラスと合体しては、壮大な雰囲気を出してきた。

11. the nighttime

written, produced, engineered by moby

ノイジーなギターと、ピコピコな打ち込みが絡み合うミディアムチューン。mobyのヴォーカルも深いラインを行く。 激しさたっぷりに、重たくのしかかってくるように歌を届けてくれます。mobyのヴォーカルとメッセージがそれによって、重みを増す。

12. dark star

written, produced, engineered by moby

アップテンポのナンバー。ビートとロックなサウンドがグイグイと攻めてくる。mobyのヴォーカルも、コーラスと合わさっては、かなり勢いを感じさせる。 サビでの激しさがとにかくすごいんだ。mobyの叫び、響き渡る。

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