album

1st Album『君なら大丈夫だよ』● '92/6/21 release

シンガーソングライター、橘いずみの記念すべき1枚目のオリジナルアルバム。 プロデューサー須藤晃に見出されてのデビューということもあり、どこかしら陰を感じさせるけれども、この1枚目はタイトル通りに、応援歌の詰まった作品集になっています。 フォーキーなテイストがあるのは、アレンジに杉真理が参加しているからかな。語りかけてくれるように背中を押してくれる、なんとも温かい曲の数々。 橘いずみというシンガーの気持ちが素直に現れているような感じだね。枚数を重ねるごとに、言葉の鋭さが出てくるけれど、このデビュー盤は、まっさらな気持ちがそのまま伝わってくるような作品だ。

1. 君なら大丈夫だよ You Can Do It!

作詞:橘いずみ 作曲、編曲:杉真理

伸びやかなヴォーカルとフォーキーなサウンドで聞かせてくれる応援歌。 吉川忠英と鈴木茂がギターで参加していたりと、ベテランに囲まれながら、語りかけるように歌う橘いずみのヴォーカルが印象的。 優しく柔らかで、伸びやか。杉真理の作るメロディがしみじみと伝わってくるようなデビュー曲。

2. うまくやろうよ Let's Get Along Well

作詞・作曲:橘いずみ 編曲:嶋田陽一 コーラスアレンジ:杉真理

シンセサウンド大爆発のポップなナンバー。 アコースティックギターがお似合いなイメージの橘いずみからは、かけ離れているけれども、歌詞はまさしく彼女の世界。ストレートに言葉をぶつけてくる応援歌です。

3. 今日を抱きしめよう Live For Today

作詞:橘いずみ 作曲・編曲:MARK GOLDENBERG

なんと、イントロからヴァイオリンが登場するという、趣向を凝らした1曲。全体としては、どっしり力強さの出たロックアプローチの楽曲。 メロディパートトサビパートの繰り返しで構成。全体的に舞うヴァイオリンに全てを持って行かれる感じだね。

4. Highschool Band Highschool Band

作詞:橘いずみ 作曲:中野督夫、橘いずみ 編曲:難波正司、TRUNKS コーラスアレンジ:中野督夫

タイトルそのまま、学校生活を歌ったナンバー。意外と高音ヴォーカルで魅了してくる橘いずみ。 ポップに富んだミディアムチューンは、バンドサウンドよりも、ブルースハープやシンセの音で飾ってきます。若干、ブルースが入っているね。最後のふふんコーラスが楽しそう。

5. 街を歩こう Walking On The Street

作詞・作曲:橘いずみ 編曲:武澤豊 コーラスアレンジ:川上進一郎

橘いずみが作詞・作曲を手掛けたミディアムナンバー。 しっとりとしたオープニングから、気持ちのこもったヴォーカルが展開。サビパートのファルセットで、心を鷲掴みにさせる切なさを放出。うん、街を歩きたくなるね。

6. のぞみ My Desire

作詞:橘いずみ 作曲:間瀬憲治 編曲:武澤豊

ストレーtなアップテンポのロックチューン。 スリリングな雰囲気が出ていて、これぞ橘いずみな鋭い歌詞が飛び交う。クールでかっこいいんだけれども、もう1つ、何かが欲しいところ。

7. ジェットコースターの夢 Jet Coaster

作詞:橘いずみ 作曲:中野督夫 編曲:難波正司、TRUNKS コーラスアレンジ:中野督夫

ゆったりアコースティックバラードチューン。冒頭歌詞のごとく、 春らしい優しさや柔らかさの出た音作りに、まったり。ノルタルジックな世界観は、あのころに戻りたい、そんな気分を出した1曲。アコーディオンがいい味を出している。

8. 空色のカーテン Sky Colour

作詞・作曲:橘いずみ 編曲:岩崎琢

引越しの情景を瑞々しく描き出すポップチューン。爽やかさを出して、新しい土地の新しい気分を出させるサウンドが、広がっていきます。

9. 学校なんてやめてしまった College Days

作詞・作曲:橘いずみ 編曲:MARK GOLDENBERG

タイトルが結構衝撃的だね。フォーキーなバラードです。 状況からして、大学なんだろうな、仲間は就職して社会人になったものの、自分はまだ学生。留年したのかな? そして、歌詞の中では「やめてやる」と未来形だけれども、タイトルは過去形。この辺もなんかあるのかな、気になる1曲。

10. はじめの一歩 First Step

作詞・作曲:橘いずみ 編曲:岩崎琢

アルバムのラストを飾るナンバー。ゆったり3拍子のバラードナンバー。 好きな人に言いたいんだけれども、言えない気持ち。1歩踏み出す勇気を歌ったナンバーです。橘いずみはハーモニカも吹いています。

2nd Album『どんなに打ちのめされても』● '93/4/1 release

シンガーソングライター、橘いずみの2枚目となるオリジナルアルバム。今回も、須藤晃のプロデュースのもと、全曲作詞・作曲を手掛けている橘いずみの世界が広がる1枚。 武澤豊と星勝という2人のアレンジャーによって、フォークよりのロックチューンやバラードなど、いろいろなタイプの楽曲を聞かせてくれます。 その中でも、やっぱり衝撃的なのは、3枚目のシングルとなった「失格」の存在でしょう。女・尾崎豊と称されるほどに言葉に込めた思いをぶつけてくる、訴えるような歌唱スタイルは、かなり強烈です。 ただ、今回も前作のラインをたどるような、応援歌的なものが多くて、今回も橘いずみの言葉に惹かれるんです。

1. 打ちのめされて

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:武澤豊

いきなり「カモン!」とシャウトできたもんだ。その後はじっくり演奏とともに、芯の太いヴォーカルで訴えるように歌う橘いずみが印象的です。 歌詞もダイレクトにぶつけてくるようだね。挫折を味わってもいきて行けるんだ。キーボードの音が印象的です。そして、橘いずみのシャウトがやっぱりインパクトあるよね。

2. 東京発

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

はじけまくりのポップなロックチューン。イントロには、本田雅人のサックスも入ってきます。 ガツガツと音をぶつけてくると同時に、橘いずみのヴォーカル&コーラスがどんどんと押し寄せてくる。「東京」という街で、新たな人生を歩み始めるようなナンバーです。

3. 失格

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

橘いずみの名を一躍広めた、3枚目のシングルナンバー。鋭い音で突き刺して、さらには多くの言葉を畳み掛けてくる橘いずみのヴォーカルに圧倒される。 次世代フォークロックのようなスタイルで、かっこいいんだな、これが。 バシッと頬をひっぱたいて、目覚めさせてくれるような曲。とにかくインパクトがあって、後世に語り継がれるような曲にもなりました。

4. 富良野

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

しっとりテイストの出たミディアムナンバー。 寂しげな雰囲気が伝わってくるんだけれども、富良野感は全くないね。Bメロの哀愁漂わせるメロディラインがいい味を出す。まったりテイストで進行。

5. 愛してる

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

シンプルかつストレートなタイトルだからこそ映える1曲。 好きな人に対して「愛してる」と思う主人公の気持ちを歌っています。ただ、一方的に思いを寄せているようにも思えるな。実りそうで実らない、悲しい恋なのかな。

6. また かけるから

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

イントロのギターの音がいい感じ。橘いずみの2枚目となるシングルナンバーは、 電話での会話をテーマにしたポップチューン。話し言葉で相手に語りかけるような雰囲気をダイレクトに伝えてきます。 電話でのひと時が見事に歌になると、結構この曲、すごいな。ただ、シングルとしては、あまり派手さはないので影が薄い印象です。

7. オールファイト

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

思い出が蘇るスクールデイズ。あの頃を思い出しながらも、今の自分や友人たちへの応援歌。 シンプルな音使いながら、気持ちや言葉が詰まっています。「明日はきっと勝てる」。いい言葉だ。

8. ごみ

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

タイトルがまずストレートすぎて、衝撃を受けますね。アコースティックギターからの始まりも、フォークソングでしんみりと。 自分自身をゴミに例えて、あなたに気づいて拾ってほしいという内容も、かなりぐさりときますね。これが橘いずみの世界だ。

9. ジュエル

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

ゆったりと聞かせるミディアムナンバー。消費社会や高値なアイテムを斬る橘いずみです。 派手さは曲にはないけれども、言葉は派手な歌詞だったりもします。

10. がんばれ、なまけもの

Written by Izumi Tachibana Produced by Akira Sudoh Arrangement:星勝

冒頭から、「がんばれ、なまけもの!」と声を上げる橘いずみがかっこいいぞ。アップテンポなロックサウンドに乗せて、橘いずみが応援してくれる1曲。 一か八か、試してみてもいい。とにかく突っ走ってみようよ。負けたっていい。やってみようよ。橘いずみの言葉が奮い立たせます。

3rd Album『太陽が見てるから』● '94/1/12 release

シングル「失格」がスマッシュヒットを記録して、勢いに乗る橘いずみ。「バニラ」「サルの歌」の2曲のシングルを収録した3枚目のアルバムが登場です。 今作も、須藤晃との共同プロデュースで、勢いあるロックやフォーク、はたまたラップ調のナンバーなど、様々なスタイルで聴かせてくれます。 それ以上に、橘いずみの言葉の力、鋭く突き刺してきたり、弱いものの目線に立って背中を押してくれるような言葉だったりと、いろいろな表現で魅了してきます。 この人は「太陽」のような明るさではなく、むしろジリジリと照りつけるような印象もあり、太陽のような存在の大きさだったりと、聞き応えのある作品です。

1. 1982年の缶コーラ

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始まりからドカンと一発。そしてシャウト。かなりロックしていますね。2人でドライブ。年季の入った車の描写がいい感じ。 そして、13歳の描写もみずみずしく、勢いがあるんだけれども、爽やかさも伝わってくる。「愛されたいけれども、人を傷つけてうなだれて」。ここに共感する人もいるんだろうな。

2. 可愛い女

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タイトルとは裏腹に、エッジを効かせて、鋭く攻める1曲。いきなり語りのように表現力を駆使しては聞かせる台詞。 これぞ橘いずみの世界。一気に引き込まれるぞ。アコギとエレキ、2本のギターがいい味を出しています。

3. ピストル

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ピアノが軽やかに舞う、どこかしらカントリーテイストな軽やかチューン。でもって、橘いずみは歌というか、ラップというか、語りというか。 言葉を一気に畳み掛けてくる。この表現もまた、彼女だからこそだね。結局サビの部分の「ピストルが欲しい」というインパクトだけが残る。

4. ゼッケン5

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フォークソングテイストで、まるで流しのような橘いずみ。ストーリー性のある人生模様。リアルなようでフィクションのようで、 橘いずみが生き生きと描き出す。暗さがまたいい味わいを出してくるね。

5. 太陽

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いきなり「どうかあなた死なないで」と衝撃的な言葉をぶつけてくるナンバー。タイトルの「太陽」は「あなた」の例えだろうか。 ハーモニカやギター、そこにビートを加えて、物語がどんどんと展開してゆく。サビのパートがまるでミュージカルのような壮大感があってかっこいいね。

6. バニラ

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「失格」がヒットした橘いずみ。その路線をいくシングルナンバーをリリース。アコギをジャカジャカとかき鳴らして、言葉を畳み掛けてくるスタイルで、鋭く刺してくる。 所々、言葉にインパクトを持たせながら、やはりサビ最後の「本当にごめんなさい」に全てもっていかれるね。3番のシャウトも衝撃的だ。

7. ハムレット

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タイトルのように、歌の中で劇が繰り広げられるようなナンバー。今までにない感じの曲で、面白さがあるね。 ギターも爽やかにかき鳴らしては、ポップに展開。「カモン!」が飛び出しては、ハーモニカも響き渡ります。

8. ひとでなし

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バラードナンバー。タイトルにも直球で批判していますが、人出なしでろくでなしなのは、自分なんだよね。「お前なんか死んじまえ」と、 あの人に言われる私。一体何があったのか。とにかく自分を卑下して、否定する歌。痛いです。

9. サルの歌

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「バニラ」に続く橘いずみのシングルナンバー。シンプルな音使いで始まるバラードで橘いずみが切々と語るように歌います。 愛されたいと思う主人公のいろいろな振る舞いを、見事に表現して聞かせてくれますね。メロディもしみじみ染み渡るような1曲だ。派手さはないけれども、シングルとしての魅力はたっぷり。

10. 空になりたい

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アルバムのラストを飾るナンバー。ずいぶんと音が弾んでいるね。女の生き方を描く、この表現。 21世紀だと、色々と突っ込みどころが満載だけれども、結局、ここでのメッセージは「自分らしく生きていこう」。そう、女も男も、こうあるべきとか関係ないんだよね。

4th Album『こぼれおちるもの』● '94/6/22 release

橘いずみ、4枚目となるオリジナルアルバムは、やはりドラマ主題歌として起用された「永遠のパズル」の存在の大きさがダイレクトに映し出されています。 もちろん、そのほか、珍しく明るさを出した「リフレッシュ・ホリデー」、ダークな「DARK ZOO」、語るように聞かせてくれる「アドバイス」、タイトルチューン「こぼれおちるもの」など、 様々なスタイルの楽曲で楽しませてくれます。でも、軸にあるのは、やっぱり橘いずみのスタイル、言葉の力ですよ。この言葉のチョイスと、押し寄せてくる勢いにドンドンと呑み込まれていきます。 何はともあれ、「永遠のパズル」の印象そのまま、夢と希望を持って、突き進んでいくようなアルバムですね。

1. 上海バンドネオン

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アルバムのオープニングナンバーは、チャイナテイストの音を使いつつ、ギターをかき鳴らして、言葉を畳み掛けてくるアップチューン。 橘いずみの歌詞も、見事なまでに韻を踏んでラップ要素たっぷりに。サビパートは爽やかさや清々しさも伝わってきます。 まさか、この曲がアルバムからシングルカットされるとは驚きですね。

2. DARK ZOO

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これまた、ハードなロックナンバーだね。そこに鋭い叫びのごとく、橘いずみの言葉が突き刺してくる。 生き抜きにくい人間関係を、うまく皮肉る歌詞が光ります。そんな夜の動物園。

3. 永遠のパズル

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橘いずみの名を一気に広めたドラマ主題歌。ファンキーだけれども、ポップに、言いたいことをギュッと凝縮して、ぶつけてきます。 誰しも思っていることを、こんなにストレートに歌にしてくれるなんて、実に気持ちが良い。 そして、Cメロパートの雄叫びの如く、シャウトするメッセージに、もうノックアウトなんだな。とにかく名曲。

4. 砂場の太平洋

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

渋さたっぷりのミディアムロッカバラード。こちらも橘いずみの世界が出まくった1曲だね。 ファンキーなサウンドに乗せては、ストーリーを紡いで、じっくりと聞かせてくれます。夢見る若者の憧れと葛藤を、瑞々しく描き出す。

5. 指定席

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

バラードナンバー。もう、どんよりダークな印象が漂います。真っ暗、とにかく暗い。まるで部屋の中に蝋燭を立てて歌っているかのようだ。 それくらいに暗い歌。好きな相手のことを思う歌なんだけれども、なんか怖い人だよね。

6. リフレッシュ・ホリデー

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

ずいぶんと軽やかで爽やか、ポップに弾ける。まさしくリフレッシュな1曲。とにかく何も考えないで、休みましょうという橘いずみからのメッセージ。 この頃の日本は、忙しすぎですからね。橘いずみの歌い方も、どこか力が抜けていて面白い。

7. ズレテル

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

この曲もまた、インパクト大。ハードなロックサウンドをバックに、これでもかと言葉を畳み掛けてくる橘いずみ。 ズレてることをストレートに指摘する。橘いずみのヴォーカルにエフェクトをかける部分がまた、怖いんだな。

8. アドバイス

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

爽やかさで聞かせてくれるミディアムナンバー。それでいて、橘いずみの持つメッセージを、じっくりと聞かせてくれる。 あなたが周りの人たちを助ける姿を、私は見ていた。そのまま行くの。私からのアドバイス。いつでも見ているよということで、頼もしいね。

9. ボタン

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

しっとりバラードナンバー。シンプルにメッセージを伝えてきます。お願いだから、置いていかないで、と言いつつも、切なくも別れてしまったわけですね。 そして、夢から醒めた。残された、大好きなあなたのシャツを見ながら思う。

10. こぼれおちるもの

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

アルバムのラストを飾るバラードナンバー。誰かに手紙を出すような歌詞をじっくりと聞かせてくれます。 私は叶わぬ夢を見つつ、ひとり生きていますという、現状を歌っています。壮大なサウンドをバックに、ドラマティックな仕上がりで、ちょっと感動してしまいますね。

5th Album『十字架とコイン』● '95/2/22 release

橘いずみの5枚目となるオリジナルアルバム。前作「こぼれおちるもの」や、その収録シングル「永遠のパズル」が大ヒット。 その「永遠のパズル」路線をいくシングル「GOLD」を軸に、橘いずみの光と影をうまく操る歌詞が縦横無尽に広がります。 何はともあれ、タイトル曲「十字架とコイン」の壮大なストーリーにノックアウトだね。言葉1つ1つにドンドンと引き込まれていきます。 そのほか、ダーク化tシニカルな言葉が進む曲など、これぞ橘いずみな痛快ロックナンバーあり。 「平成時代」をうまく表現するオープニングチューンのフォークナンバーあり、今回もじっくりと楽しませてくれます。アルバムジャケットもなんだかんだ、楽しそうで印象的。

1. 平成

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

アルバムのオープニングは、その名も「平成」。アコギをかき鳴らしては、フォークソングのように言葉の数々が押し寄せてくる。 時にユニークに、時にシンプルに。センスを出す橘いずみの言葉のチョイスがいいんだな。嘘も誠も一緒くた。それが平成時代。

2. SHANK BANK JAPAN

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

どっしりとしたドラムの音と、エッジの効かせたギターの音に迫力を感じさせる1曲。そこに、ヒソヒソ声のような橘いずみのヴォーカルが印象的だね。 メロディラインはJ-POPな親しみあるものだけれども、言葉や歌い方で、ずいぶんと変わってくるんだな。

3. エナメル・ブラック

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

弾けるロックチューン。勢いに任せて、言葉をドンドンと畳み掛けてくる。バンと言葉に力を入れては、目立たせる構成がいいね。 派手さもあるし、インパクトを出してきた。「愛がすべて」という歌ですよ。

4. スパイシー・レッド

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

バリバリなハードロックサウンドをお見舞い。疾走感も手伝って、かなりかっこいいんだ。 ただ、ヴォーカルはまるで念仏のように、畳み掛けてくる。緊迫感が漂うね。構成もメロディパートの繰り返しでほぼ成り立っているけれども、この曲wシングルカットする勇気に拍手。

5. スキンケア

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

ラップで勝負を仕掛けてくる1曲。この衝撃はすごいぞ。一気に叩き込まれてノックアウトだ。何がどうスキンケアだ。 サウンドの方は、意外にも爽やかに広がって、希望にあふれているような曲です。とにかく、何かすごい1曲だな。

6. にらめっこしましょ

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

フォーキーなバラード。渋い始まりですね。ギターの弾き語りで、そこからどっしりとロックな音に変身。 なんだろう、イメージ的には甲斐バンド的な昭和ロックかな。これまた、かっこいいんだな。タイトルのような楽しさはないけれども、さすがは橘いずみな世界を表現。

7. ウソだよ

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

ずいぶんと軽やかに音を聞かせてくれるね。この曲もフォークソングテイストのある言葉をドンドンと畳み掛けてくるナンバー。 この世界観は、やっぱり橘いずみだよね。アルジェリアに行った友達の話が面白いな。こういうチョイスも、やっぱり彼女の味だよね。

8. ドッグレース・ブルー

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

ハーモニカを吹いては、ガッツリとフォークロックで展開するラップチューン。サビパートのコールアンドレスポンス的なやりとりは面白いね。 橘いずみの世界を明るく聞かせてくれるナンバー。タイトルのチョイスはなかなかだね。

9. GOLD

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

「こぼれおちるもの」「上海バンドネオン」に続いては、橘いずみ流の応援歌。ギターの音も軽やかながら、全体的にはどっしりとした音をぶつけてくる。 「強くなれ」「負けるなよ」「夢を持て」と、くさいんだけれども、ストレートに背中を押してくれるこの言葉たちが力になるんだな。メロディもキャッチーな仕上がり。 そして、最後は突き抜けるようなシャウトを元気いっぱいに聞かせてくれる。名曲です。

10. かじりかけの林檎

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

シンプルなアコースティックバラードナンバー。優しく語りかけるような橘いずみのヴォーカル。 どこかしら、はかなく、今にも消えてしまいそうな脆さがあるね。都会で生きる孤独な人生を描いているようで、なかなか突き刺してきます。

11. 十字架とコイン

Produced by Akira Sudoh & Izumi Tachibana Written by Izumi Tachibana Arranged and Played by Akira Sudoh & Izumi

アルバムのラストを飾るタイトルチューンは、壮大なナンバー。「ユキ」と「カズ」の物語を中心に、歌で聞かせてくれます。 それぞれの生まれや人生模様がま壮絶で、いくらフィクションでも、なかなか刺激がありますな。 そして、中盤で登場する語りがまた、物語を大きくするんだ。このセリフの表現がリアルでねぇ。かっこいいんだ。7分、まるで青春劇のようだ。

6th Album『ごらん、あれがオリオン座だよ』● '94/6/22 release

橘いずみの通算6枚目となるオリジナルアルバム。 シングル「真空パック嬢」で攻めに攻めてきたと思ったら、「アマリリス」で優しく寄り添うように歌を聴かせてくれたりして、実に表現力も豊かに広がってきます。 もちろん、従来のダークで鋭い部分も研ぎ澄まされては、ヘビィな音とともにぶつけてきたり、フォークソングのように言葉をこれでもかと畳み掛けてきたりと、勢いに溢れています。 これまでの橘いずみのアルバムの中では、言葉の数が一番多いんじゃないかというくらいに、押し寄せてくる。ジャケットのボケッとしていてちょっと懐かしい感じもまたおしゃれで。

1. Hello, Hello

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

イントロなしで始まるアルバムのオープニングチューン。アコギをジャカジャカかき鳴らして、ハーモニカも華麗に舞うフォークソングだね。 言葉の量も半端ない。これぞ橘いずみの世界だ。とにかく話がしたいんだという気持ちが出ています。

2. 深夜急行 Midnight Express

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

がっつりとした濃ゆい音を、じっくりと聴かせてくれるミディアムチューン。 湿り気のあるサウンド、まさしく小説「深夜急行」のような世界だね。異国感、といかく妖しく猥雑な世界を描き出す。かっこいいな。

3. アマリリス Amaryllis

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

誰もが耳にしたことのある、あの「アマリリス」が、橘いずみの手によってじっくりと聴かせてくれるバラードになりました。 もちろんリコーダーであのメロディが登場すると、どこか懐かしさを覚えるね。でもって、この曲をシングル化しては、訴えかけてくるようだね。 あなたを知らずに愛する歌。後にアルバムのタイトルにも使われた歌詞がいいね。

4. 自分 Self

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

どっしり聴かせるメロディが、どこか懐かしくてしみ込んでくるようなミディアムバラードナンバー。 とにかく自分のことしか考えていない人に対して、思って忠告するような歌詞。橘いずみが説いています。伸びやかにヴォーカルを響かせては、心に突き刺してくる。

5. ウサギとベルベット Rabbit and Velvet Dress

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

ドラマティックなイントロの後は、打ち込みを珍しく使用して、その音をバックに、言葉をこれでもかと詰め込んで聴かせる橘いずみ。 そして、中盤からはヘビィなロックサウンドに変身して、サビパートは突き抜けるような爽やかさを加えて聴かせてくれる。壮大な雰囲気を放っていますね。

6. ハヤリスタリ Ups and Downs

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

いきなり片言の日本語。さらに、ビートよろしく打ち込みを加えてたトラックと、高速ラップのような言葉を畳み掛けてくるナンバー。 随分と皮肉めいた歌詞がインパクトあります。「ハナコ」や「anan」といった雑誌を揶揄するような歌詞もなんのその。

7. 退屈 Don't Leave Me

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

ジャカジャカとギターをかき鳴らして歌を聴かせてくれるフォークロックナンバー。部屋の中でだらだら退屈している様子をリアルに描き出す1曲。 すると、いきなりハードロックよろしく、激しい音でガツンと攻めてきた。すごい展開だ。

8. 真空パック嬢 Vacuum Pack Girl

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

橘いずみの本領発揮なタイトルだね。ギターをかき鳴らしながら、ガツンと音をぶつけてくるミディアムチューン。 いい子に育てられた箱入り娘を皮肉るように、鋭く聴かせる歌詞が痛快だ。メロディの構成が単純で繰り返し。これで勝負を仕掛けてくるところのすごさ。 さらにこの曲をシングルとしてリリースする勇気、自信の表れ、かっこいいんだな。そして、妙にこの世界にはまっていく。

9. 赤鉛筆は葡萄酒の香り Naples

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

イントロからまんま、ヘドバとダビデ「ナオミの夢」なメロディパート。これは、いいのか?でも惹きつける力があるね。 フォークソングテイストのトラックで、語りが入って、さらに引きつけてくる。イタリアへの憧れが伝わってきます。

10. 26 - Dec. 11th, 1968 Twenty Six

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

こちらもある種、アルバムのタイトルチューンだね。この日付、そう、橘いずみの誕生日です。 今思う自分の人生を切々と語るように聴かせてくれます。アコースティックサウンドをしみじみと響かせては、染み込んでくるね。 ちなみに、このメロディが後に「冬ソナ」のテーマソングと酷似と、騒動になったとかならなかったとか。

11. Dudada

PRODUCED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA WRITTEN BY IZUMI TACHIBANA ARRANGED & PLAYED BY AKIRA SUDOH & IZUMI TACHIBANA

アルバムのラストを飾る、アンセム的な1曲。爽やかに広がるアコースティックギターをベースにして、 どっしりと構えたロックサウンドと、橘いずみのヴォーカルが広がります。そして、言葉が背中を押してくれるんだな。

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