album
●１ｓｔ Ａｌｂｕｍ『META』● '16/1/13 release
高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI ×ゴンドウトモヒコ×LEO今井。6人揃って初となるアルバムは、テクノアプローチなテイストだね。 正直、6人集まってこのサウンドなの？と思ってみたのものの、やはり一番の共通があるようなジャンルだし、実際に聞いてみると面白いね。 6人のクリエーターが集結しているだけあって、色々なテイストの歌詞やメロディが並びます。LEO今井が全体を引っ張って聴かせるヴォーカルで、より攻撃を仕掛けてくるようだ。 それに比べると、高橋幸宏のヴォーカルからは安心感を覚えます。「META!」から始まる冒頭のアグレッシヴチューン「Don’t Move」から、ポップでエレクトロな「Luv U Tokio」のピコピコ感、 メロディアスだったりニューウェーブだったり、めくるめくサウンドの波に呑み込まれて行きます。いい大人たちが、いくつになっても音を楽しんでいる様子がダイレクトに伝わってきます。 6人のパワーバランスも意外と平均的分散されていますね。ジャケットもオシャレだし、もう言うことなしですよ。サマソニで見たライブは大いに盛り上がりました。
１． Don’t Move
Lyrics：Leo Imai, Towa Tei Music：Keigo Oyamada, leo Imai, Towa Tei
「META!」から始まるオープニングチューン。かっちりと音をぶつけてきては、エッジを聴かせてきます。 打ち込み音と、所々で入ってくるトランペットの音がいい味を出す。LEO今井のヴォーカルも、とにかくアグレッシヴだね。型にはまらない感じで、なかなかかっこいい。これは、動きたくなりますよ。 途中、ソーラン節みたいな部分も気になる。ドカドカと音が襲いかかってきますが、これがMETA FIVE。
２． Luv U Tokio
Lyrics：Towa Tei, Leo Imai Music：Yoshinori Sunahara, Towa Tei
いいねぇ、イントロからピコピコかましてきます。なるほど、曲はTEI TOWAと砂原良徳なんだね。しかも、ヴォーカルは高橋幸宏で、全体的にYMOな感じが出ています。 さらには、挿入されるナレーションが、LEO今井の実母。さすがはインターナショナルなTokioだ。ポップもポップ、さらにキャッチーで、最先端を行きます。
３． Maisie’s Avenue
Lyrics ＆ Music：Leo Imai
なんとLEO今井が作詞・作曲を手掛けたニューウェーブナンバー。鮮やかなデジタルサウンドが舞う、この音を、この豪華面子が奏でていると思うと、かなりかっこいいね。 そして、ドラムもガツガツと入ってくるのに、独特の浮遊感が気持ちいい。でも、よく聞くと、確かにLEOメロディだな。
４． Albore
Lyrics：Leo Imai Music：Towa Tei, Yoshinori Sunahara, Leo Imai
アカペラで始まったかと思えば、ピコピコ打ち込み投入で、心地よいエレクトロニカな世界を聴かせてくれます。 さらに、途中パートでは、さらにピコピコ感が増したりと、META FIVE、ずるいなぁ、と思わせる１曲。 曲はTEI TOWA、砂原良徳、LEO今井の共作というのも、興味深いね。LEO今井の歌詞は、サウンドの一部として捉えたほうがいいみたい。
５． Gravetrippin’
Lyrics：Leo Imai Music：Tomohiko Gondo
シンセサンドがポップに広がるから、とっても気持ちいいんだけれども、 いきなり「墓を掘れ」って、LEO今井よ。作曲はゴンドウトモヒコなんだけれども、随分とスタイリッシュなメロディでクールです。その味付けも、とってもかっこいい。さすがはMETA FIVE。
６． Anodyne
Lyrics：Leo Imai, Yukihiro Takahashi Music：Yukihiro Takahashi
結構ロック寄りのサウンドを投入。ギターの音がいい味を出しています。 そこにピコピコ浮遊感。さらには甘い高橋幸宏のヴォーカルが泳いでいます。なんだか心地よいね。ゴンドウトモヒコのブラスがいい感じに響いておりますな。
７． Disaster Baby
Lyrics ＆ Music：Leo Imai
ガツンと音を投入。完全LEO今井モードなナンバーは、テクノ／ニューウェーブなデジタルサウンドでかっこいいんだ。サビパートで「Yeah」をここまで伸ばしてくるとはね。 さらに、その後のキーボードとギターの暴れっぷりはさすがです。やっぱりシティポップ／アーバンポップなオシャレさが漂ってくるんだよね。
８． Radio （META Version）
Lyrics ＆ Music：Towa Tei
ピコピコチューンは、TEI TOWA作。とにかくどっぷりビートとピコピコサウンドをクールに届けてくれる。 META FIVEバージョンで、ちょっと大人っぽく聞こえてくるのは、やっぱり高橋幸宏のヴォーカルの力かな。締め方もいい感じに打ち込んできた。
９． W.G.S.F.
Lyrics ＆ Music：Tomohiko Gondo
メロディアスなイントロにうっとりな１曲。本編はこれまた、ピコピコだったり、ゴリゴリだったりと、随分とトリッキーな展開を見せます。 ひねりを加えるのがうまいね、ゴンドウトモヒコ。高橋幸宏とLEO今井のWヴォーカルで、音の味付けも変化させて、随分と香ばしい１曲に仕上がっています。
10． Split Spirit （META Version）
Lyrics：Leo Imai, Yukihiro Takahashi Music：Keigo Oyamada
テクノポップなナンバー。小山田圭吾の作り出したメロディが複雑なんだけれども、それを器用に演奏し、歌いこなしてしまうMETA FIVE。 ゆったりグルーヴから、次第にアグレッシヴになっていき、低温やけどするような勢いで聴かせてくれます。さすが、この音、6人ならでは。
11． Whiteout
Lyrics：Leo Imai Music：Yoshinori Sunahara
ゆったりビートで落ち着かせるグルーヴチューン。砂原良徳の手がけたミディアムナンバーです。 山あり谷ありなアルバムの流れを、一度ここでフラットにするかのような、聞き入ってしまうトラックだね。 LEO今井のヴォーカルも抑えめで、淡々とした感じ。うまく曲の世界を表現しているかのようだ。
12． Threads
Lyrics：Leo Imai Music：Yukihiro Takahashi
アルバムのラストは、LEO今井が作詞、作曲を高橋幸宏が手がけたトラック。 優しく進行するメロディを昇華させるような淡いエレクトロサウンド。しかし、中盤はガツンとドラムが入ってきて、パワーアップ。 そこから、よりビートを打ち込んできて躍動感を増してきます。ラストはこれぞMETA FIVEな音で、綺麗にまとめてきましたね。
●Ｍｉｎｉ Ａｌｂｕｍ『METAHALF』● '16/11/19 release
高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI ×ゴンドウトモヒコ×LEO今井。大所帯バンド、META FIVE、フルアルバム、ライブ映像作品で、まだ終わらなかった。 今回は、それぞれが楽曲を持ち寄り合いながら製作された延長戦だ。フルアルバム級の力を持っていて、どの曲もインパクトがあります。 ゴリゴリロックやエレクトロニカな要素もあり、YMOを彷彿とさせる曲や、ニューウェーブっぽかったりと、とにかくアクが強いね。 LEO今井、高橋幸宏のヴォーカルもさすがです。これで終わりになってしまうのかな、まだまだ楽しませて欲しい。
１． Musical Chairs
Lyrics ＆ Music：Yoshinori Sunahara, Leo Imai
イントロから、どっぷりビートにピコピコサウンドで、鮮やかに展開。それでいて、オシャレな雰囲気が漂っています。メロディアスでキャッチーな展開ですね。 音楽シーンも椅子取りゲーム。でも、この6人は席をしっかりと確保しているわけで。ラストのフレーズはLEO節といった感じ。
２． Chemical
Lyrics ＆ Music：Keigo Oyamada, Leo Imai
ベースの音が濃さを出す、ネオロックな1曲。ニューウェーブかな、ガツガツした音をバックに、LEO今井の濃い、攻めたヴォーカルをバシッと決めてくる。 いい感じに吹っ切れているね。すごい。
３． Egochin
Lyrics ＆ Music：Yukihiro Takahashi, Tomohiko Gondo, Towa Tei, Leo Imai
ゆったりまったりした、サウンドが展開する1曲。あちこちに飛び交うサウンドが、自由気ままさを出す。 エゴサーチングを略しての「エゴチン」。時にフォーキーなメロディで染み込んでくる。抜かりないな。
４． Peach Pie
Lyrics ＆ Music：Towa Tei, Leo Imai, Yoshinori Sunahara
ピコピコ音とガツガツドラムが組み合わさった1曲。なるほど、YMOらしさをうまく引き出してきたね。 まぁ、この6人だからこその音になるよね。LEO今井のヴォーカルもまた、濃くてかっこいい。最後のギターの音がまたいい味。
５． Submarine
Lyrics ＆ Music：Yukihiro Takahashi, Leo Imai, Tomohiko Gondo
まったりテイストのロックチューン。いい感じにピコピコな音も加えては、緻密な作りの1曲。 サビに入ると、ギターの音が飛び出てきては、鮮やかに。そして、爽快感もたっぷりに聞かせてくれました。