album

1st Album『月天心』● '02/12/18 release

デビュー曲「もらい泣き」で一躍、知名度が上昇した裸足の歌姫、一青窈の初オリジナルアルバム。このアルバム、やはり「はじめまして、私が一青窈です」みたいな名刺代わりとなっている感じがするね。 台湾人と日本人の間に生まれた彼女だからこそできる業が、ここで披露されている。句読点が味を出す独特の歌詞は、やはり彼女だからこそかける世界なのでしょう。 しっとりとしたバラードやロックナンバー、台湾民謡など、ヴァラエティ豊かにいろんなジャンルにトライしています。色々なサウンドの中でも、一青窈ワールドが展開している。 ただ、それがちょっと、逆に方向性が見えてこないのが残念だね。手広く手がけたせいで、落ち着きが感じられなくなってしまった。でも、初アルバムということもあって、初々しさでカバー。 初回版のみ、特殊パッケージ仕様となっております。

1. あこるでぃおん

作詞:一青窈 作曲:武部聡志 Produced & Arranged by 武部聡志

武部聡志のピアノの音色が印象的なナンバー。 一青窈の独特の世界が出たバラード。この言葉選びのセンスは、やっぱり彼女ならではだよね。 アルバム「月天心」ではショートバージョンで収録。 後に2nd Single「大家」でロングバージョンを収録しています。

2. もらい泣き

作詞:一青窈 作曲:溝渕大智、マシコタツロウ、武部聡志 Produced & Arranged by 武部聡志

独自の世界が広がる一青窈のデビュー曲。 オリエンタルでエスニックなサウンドが、意外にも癒してくれるような不思議ミディアムナンバー。 歌声も、張りがあるというよりかは、演歌や歌謡曲に近い歌い回しだね。 老若男女問わずして受け入れられるような感じです。そして、歌詞にも注目が集まります。 サビの頭とかもそうなんだけれども、句読点の打ち方が不思議だよね。

3. sunny side up

作詞:一青窈 作曲:富田素弘 Produced & Arranged by 富田素弘 (205 Inc)

チキチキサウンドがスパイスとなるポップチューン。 一青窈の女性面がよく表れたナンバーだね。言葉の響きが新鮮に聞こえる。ここまで打ち込みたっぷりのサウンドにしなくても、よかったんじゃないかなぁ。

4. イマドコ

作詞:一青窈 作曲:富田素弘 Produced & Arranged by 富田素弘

一青窈のもう1つの面というか、ちょっと暗部、闇というような雰囲気が漂うミディアムナンバー。 盛り上がるわけでもなく、低い部分を這いずり回るような、ちょっと怪しいナンバー。打ち込み具合がいい感じに広がっています。よーく詞を読むとちょっと怖いかも。

5.

作詞:一青窈 作曲:森安信夫 Arranged by 根岸孝旨

イントロからかなりハードなギターロックを響かせるナンバー。 さすがは根岸孝旨。犬になりたいという願望を独特の視点から歌う一青窈。でも、あまりこういうハードなロックサウンドが似合っていないような気がする。

6. 月天心

作詞:一青窈 作曲:武部聡志 Produced & Arranged by 武部聡志

アルバムのタイトルチューン。前半は台湾の言葉で歌い、後半からは日本語で。 さすがは一青窈といった感じの、優雅な流れを聞かせてくれるミディアムチューンです。アジアンテイストと和の要素がうまくからみ合っています。最後の転調で、さらに盛り上がる。

7. ジャングルジム

作詞:一青窈 作曲:森安信夫 Produced & Arranged by 森安信夫

アコースティックギターがさらさらと流れるミディアムナンバー。ジャングルジムのような、ちょっと複雑な心模様が描かれています。ダイナミックなサウンドに変身しても、 落ち着いて歌う一青窈のメッセージが伝わってきますね。ストリングスも華やかに彩る。

8. 心変わり

作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ Arranged by 武部聡志

一青窈とマシコタツロウ、武部聡志という黄金トライアングルが\醸す、ゆったりテイストのミディアムチューン。 情緒溢れる和的メロディーが、一青窈の世界を広げる。雄大な世界と独特のセンスが入り混じったナンバーで、味が染み渡ってきます。

9. アリガ十々

作詞:一青窈 作曲:山内薫 Arranged by 富田素弘

両親に対する感謝の気持ちを表したバラードナンバー。 結構、赤裸々に書かれた歌詞に、ちょっと感動させられますね。ねちっこいサウンドなんだけれども、一青窈のヴォーカルが浄化してくれるようだ。

10. 望春風

作詞:李臨秋 作曲:鄧雨賢 Arranged by 武部聡志

台湾民謡を一青窈が歌います。温かみのあるサウンドで、ゆったりと。彼女の故郷や親の血が、ここに来て大いなる力となっています。

2nd Album『一青想』● '04/4/7 release

デビューシングル「もらい泣き」で一躍知名度が上がった、一青窈の2枚目となるオリジナルアルバム。ちなみに、読み方は「ひとおもい」。 このアルバムは、大ヒットバラードナンバー「ハナミズキ」をはじめ、「大家」、「江戸ポルカ」、「金魚すくい」などなど、 シングルナンバー5曲も収録されており、随分と大盤振る舞いで太っ腹な姿勢がうかがえます。半ベストアルバムのような見方もできてしまうね。 ここで、敢えてアナログ・レコードのように見てみると、A面6曲に対し、B面5曲がシングル曲という並びになっていますね。 さて、曲の方は前作同様、作家陣に武部聡志やマシコタツロウ、富田素弘の面々が登場。 さらに今回は、井上陽水までも登場。独特な世界を持つ一青窈とユニークな世界を持つ井上陽水のコラボレーションは、聞き応えがありますよ。 そのほかにも、一青窈の持つ世界観が、いい意味で暴れているところにも注目。この人、やっぱり特殊だね。 ただ、「ハナミズキ」が突出しすぎて、ハナミズキのアルバムになってしまっている感じだね。 初回版は、デビュー曲「もらい泣き」から「ハナミズキ」までのPVを収録したDVD付きで、ギフト仕様の特殊パッケージとなっております。

1. 今日わずらい

作詞:一青窈 作曲:富田素弘 Produced & Arranged by 富田素弘 (205 Inc)

ゆったりと、それでいて広がり感を出したバラードチューン。 富田素弘特有の打ち込みアレンジと、キーボードサウンドが、不思議な一青窈の歌詞を大いに盛り上げる。

2. INTERLUDE

インタルード。一青窈の主演映画「珈琲時光」より、劇中シーンの電話の会話を挿入。

3. 一思案 (ひとしあん)

作詞:一青窈 作曲:井上陽水 Arranged by 星勝

アコースティックギターがサラリと流れるミディアムテンポのバラードチューン。 まさかの井上陽水とのコラボレーションを果たした一青窈。さらには、ポエトリーリーディングのごとく、曲が進行していく。 サビでは、ゆったり流れながら一青窈の持つ力を放出する。こういう作りでも、一青窈のイメージがぴったりとはまってしまう。

4. いろはもみじ

作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ Arranged by 武部聡志

チェンミンによる二胡の音で、より一層アジアンテイストを出してきた、ミディアムナンバー。 打ち込みアレンジでどっぷりとグルーヴを出しては、ちょっと不思議なオリエンタルミュージックの誕生。 マシコタツロウによるメロディも、一青窈の魅力を十二分に出す。ゆったりとした流れを生む旋律に、身を委ねると心地良くなりますね。

5. 面影モダン

作詞:一青窈 作曲:井上陽水 Arranged by 武部聡志

こちらも井上陽水による曲です。しなやかで繊細、それでいてミステリアスな雰囲気をイントロから出しまくっていますな。 歌が入ると、軽やかなトラックでちょっと冷たさが漂う。サビではグッと印象が変わるけれども、なるほど井上陽水なんだよね。恐ろしくも、ものすごい印象を放っています。

6. うやむや

作詞:一青窈 作曲:富田素弘 Produced & Arranged by 富田素弘 (205 Inc)

淡々としたサウンドと冷たい印象を出しては、一青窈のクールな面を出したミディアムスローのトラック。 富田素弘によるどっぷりとした打ち込みが世界を創る。

7. 金魚すくい

作詞:一青窈 作曲:富田素弘 Produced & Arranged by 富田素弘 (205 Inc)

またまた一青窈がとてつもない曲を放ったね。こういう曲をシングルとして世に送り出す姿勢は面白すぎるけれども、ちょっと万人受けはしないタイプだよね。 でも、やりたいことをやっている、彼女の強い思いが込められているんでしょう。実は、一青窈の世界の本性がこういうところで表れるんだよね。縁日でおなじみの金魚すくいを、 一青窈の独創性溢れる歌詞と共に聞かせてくれます。富田素弘の確信犯的な打ち込みアレンジも、この曲の衝撃を物語っています。

8. 江戸ポルカ

作詞:一青窈 作曲:武部聡志 Produced & Arranged by 武部聡志

もう、一青窈は変幻自在に刺激してくる面白さを持っているね。今回のシングルは、歌謡曲テイストをたっぷりと取り入れたポップチューン。 相変わらずな言葉遊びが、この曲でも映えています。さすがは一青窈。BIG HORNES BEEのブラスも華やかに。 まるで花魁のようだね。ちなみに、シングルは両A面でリリースされた強力盤。さらには、ジャケットが横尾忠則と、これまたすごいんだ。

9. 大家 (ダージャー)

作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ Arranged by 武部聡志

デビュー曲「もらい泣き」の大ヒットで、一躍名を広めた一青窈。2枚目のシングルは、より一層、彼女の世界観の出たバラードナンバーです。 アジアンテイストを前面に出したサウンドに乗せて、無き家族のことを綴った歌詞が広がる。命の大切さや生きていく力を、ゆったりとした曲調に乗せて、力強く歌う一青窈であります。 終盤では、北京語を交えて。

アルバムでは、歌詞の「あの遊園地」を「よみうりランド」に変えています。父との思い出の地ということで、より気持ちも込められていますね。

10. 夢なかば

作詞:一青窈 作曲:武部聡志 Produced & Arranged by 武部聡志

ムードたっぷり歌謡曲テイストで聞かせてくれる両A面ナンバー。優雅に流れるサウンドに乗せて、一青窈もたゆたいながら歌います。 サビでもキャッチーながらに、おしゃれテイストを出しまくっている。アコーディオンのようなシンセ音が、華やかに彩る。本物のアコーディオンでやってほしかったね。

11. ハナミズキ

作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ Arranged by 武部聡志

一青窈の最大ヒットナンバーとも言えるバラードナンバー。マシコタツロウの奏でる美しいメロディが、心に訴えかけてくるようで、涙腺を刺激してきます。 そして、やはり魅力的な一青窈ワールド全開の歌詞にやられますね。9・11の衝撃からインスパイアされ、好きな人との出会いと別れを歌います。永遠の愛を信じてもいいような気がした。 武部聡志によるアレンジもまた、やられます。極上ドラマティックに盛り上げてくれるじゃないですか。感動の1曲。 シングルの初回盤は、デジパック仕様。しかもジャケットがモノクロなんだよね。

[DISC 2:DVD]

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2nd Limited Album『一青想 Limited Edition』● '04/12/1 release

大ヒットアルバム「一思案」を、特別限定のリパッケージ版として再リリース。 同時発売となったDVD「一青窈 LIVE TOUR 2004 ~てとしゃん~」から、数曲をチョイスしてDVDに収録した2枚組み仕様でお届け。 でも、それならばDVDを買った方がよくないか?中途半端な収録曲数で収録というのも何だかな。CDの方も、特に変化はないので、なんだかいやらしい商売方法に感じられてしまった。

3rd Album『&』● '05/12/21 release

一青窈の3枚目となるオリジナルアルバムは、前作「一思案」から約1年8ヶ月ぶり。相変わらずマイペースな活動でゆったりしていますね。 今作はさらに一青窈の世界が進化、深化された1枚に仕上がっています。シングルは「影踏み」「かざぐるま」「指切り」の3作を収録。 シングルからだと従来の一青窈らしさが出ているけれども、アルバムではちょっと今までになかったタイプの曲があったりと、いろいろな面を見せてくれる。そう考えると、 ちょっとアルバムの統一感がないような気がして、多種多様な曲の詰め合わせなような気もするね。 一方、参加しているアーティストがこれまた豪華。マシコタツロウや武部聡志、富田素弘といったおなじみの面々に加え、 今回は都志見隆に小林武史といった名前もあり、素敵なコラボレーションを披露。一青窈と曲、一青窈と詞、一青窈とミュージシャン、 一青窈とリスナー。「&」が結びつける音楽の糸を手繰り寄せるかのように、アルバムが幕を開きます。 初回版は、DVDの付いた2枚組み+三方背ボックス仕様。アルバムに収録されているシングル3曲のPVと、名曲「ハナミズキ」のライブ映像を収録しています。 こちらも、一青窈の世界観が表れたビジュアル作品ですね。

1. Banana millefeuille

作詞:一青窈 作曲・編曲:富田素弘

いきなり深くディープなビートで始まった、アルバムのオープニングチューン。 なんだか、歌詞や歌い方に弾けっぷりが見られて、一青窈の新境地か?自分の名前も歌詞の中に登場したり、さすが富田素弘と言わんばかりの不思議な打ち込みトラックワールドに 動じない一青窈だ。自分の世界をさらに引き出し、聞く者を虜にする。ある意味で恐ろしいね。

2. ホチKiss

作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ 編曲:富田素弘

マシコタツロウの叙情深いメロディを、独自のプログラミングで魅了させる富田素弘。 そして、独特な歌詞と温かいヴォーカルが響き渡る一青窈の三位一体なミディアムナンバー。 ホッチキスとキスをかけた、ポップなラブソングを聞かせてくれます。サビのメロディがまた、温かいね。キャッチーなメロディに惹かれます。

3. うれしいこと。

作詞:一青窈 作曲・編曲:武部聡志

イントロから優しいメロディが流れるミディアムバラードナンバー。一青窈の温かさがにじみ出てくる歌詞と、 これまた温もり溢れる武部聡志のメロディが組み合わさって、包み込んでくれるような曲が誕生。あなたが幸せであることを幸せに思う主人公の気持ちがよく表れていますね。

4. かざぐるま

作詞:一青窈 作曲・編曲:武部聡志

和の要素をたっぷり出した一青窈のシングルナンバー。さすがと言わんばかりの世界観が出ていますね。 歌詞はお祭りなどで見かけるかざぐるまをテーマに、さらっと切ないラブソング。歌詞を盛り上げるかのように、武部聡志のメロディとアレンジが胸にグッと来る。 優しくて情緒豊かな曲だよね。そして、ストリングスも美しく響き渡る。これぞ現代の歌謡曲だ。ドラムも打ち込みではなく生音だと味が出たのでは。

5. 影踏み

作詞:一青窈 作曲:都志見隆 編曲:山内薫

シングルとしては、前作から約1年2ヶ月ぶり。「ハナミズキ」の印象が強すぎますが、 こちらも引けをとらないバラードナンバーで聞かせてくれます。今回は、作曲を都志見隆が担当。それでも、一青窈の良い部分が引き立つ優しいメロディで、 グッと曲の世界を味わうことができる。歌詞がこれまた、不思議ワールドだなぁ。タイトルの影踏みと、あまりリンクしていないような気がする。 それでも、メロディと歌詞が合わさると、自然と温かさが出てきますね。一青窈が友達の結婚式で、友達の父親が呼んだ手紙からインスピレーションを受けて書いた歌詞だそうです。

6. 指切り

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

一青窈が、なんと小林武史とタッグを組んだから、驚きだ。 そして、この曲がまた、いままでの一青窈ワールドをちょっと違った雰囲気を醸しているから、きっと刺激されたんでしょう。 エッジの効いたギターがかき鳴るミディアムナンバー。一青窈の曲の中では、結構濃いサウンドの部類だね。ブラスセクションもいい。 アルバム「&」からの先行ナンバーとして、とにかく強烈なインパクトを与えた。強烈なインパクトといえば、このあとの一青窈と小林武史の報道もインパクトを与えたね。

7. アンモナイト

作詞:一青窈 作曲・編曲:金子隆博

ゆったりテンポのロックチューン。印象的なギターは西川進だし、ドラムは沼沢尚だしミックスはなんと渡辺省二郎だ。豪華な面々に囲まれて、 一青窈が歌います。随分と時空を行く歌詞に、壮大なイメージが降りかかる。シャレも加えて、面白いトラックですね。

8. Oh la la

作詞:一青窈 作曲・編曲:森安信夫

アコースティックギターがかき鳴るナンバー。ギターとヴォーカルのみという構成で、より一青窈の声と言葉が伝わってきますね。 これまた、地球規模の壮大な歌詞。大きな愛で包み込んでくる。

9. ピンクフラミンゴ

作詞:一青窈 作曲・編曲:森安信夫

結構ディープな雰囲気のあるミディアムロックナンバー。ただ、全体的に濃いイメージを放ちながらも、とっつきにくいナンバー。 一青窈の新境地ですが、こういうのは合わないのかな?不思議先行型でふらふらデス。

10.

作詞:一青窈 作曲・編曲:森安信夫

アコースティックギターをバックに、口笛が響き渡る、しっとりと染み渡ってくるような小曲です。 ここで一息ついて、次曲へと流れるわけですね。

11. さよならありがと

作詞:一青窈 作曲・編曲:武部聡志

一青窈×武部聡志のコンビネーションで聞かせてくれるミディアムナンバー。 結構ガッツリとバンドサウンドで音が熱いですね。歌詞はこれまた不思議な一青窈ワールド全開。 しかしながら、武部メロディが優しく包み込んでくる。サビの部分が、どこかしら懐かしさを出してきては、グッと訴えかけてくるようだね。 君への気持ちが表れていて、ちょっと切ない仕様です。なんだかキュンと来るよ。

[DISC 2:DVD]

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Best Album『BESTYO』● '06/11/29 release

一青窈、初のベストアルバムがついに登場。その名も「BESTYO」と書いて「べすちょ」と読ませるセンスはさすが。 「もらい泣き」でデビュー曲がいきなりヒットし、さらに「ハナミズキ」でJ-POPを代表する曲にまで持ち上げた一青窈の曲なり人となり、たくさん詰まった作品集。 これまでにリリースしたシングルはもちろんのこと、アルバムの中からも、これぞ一青窈的な曲が選曲されています。 唯一収録された新曲もうれしいところ。近年、タッグを組んでいい反応を示した小林武史プロデュースの「てんとう虫」は、独特の世界を放っています。 一青窈の魅力といえば、その独自センス溢れる言葉遣いや和・歌謡曲テイストのサウンド。それがたくさん詰まっていて、一青窈の表部分を感じられますね。 シングルとして実験的な作品があるのも個性的だし、すべてがハッピーというわけではなく、闇の部分、影の部分があるのもまた不思議な感じで彩を加えています。 初回版は三方背ボックスの特殊パッケージ仕様です。

1. てんとう虫

作詞:一青窈 作曲:小林武史 Produced & Arranged by 小林武史

ベストアルバムに収録された新曲。これまた小林武史プロデュースということもあり、 どこかしら深みのある曲に仕上がっています。どっしりとしたサウンドの中で、映えるコバタケメロディにやられます。 歌詞の方も、これまた随分と広い世界を歌っていますね。世界の中を愛すること、うん、それがいい。

Limited Best Album『BESTYO + CONCERTYO』● '07/4/18 release

大ヒットベストアルバム「BESTYO」のロングセールスを記念したリパッケージ盤の登場。 ベストアルバム発売記念としてよみうりランドで行われたフリーライブから9曲と、さらにバックステージの様子を収録したDVDが 新たに付属された2枚組みでのリリース。もちろん、売り方はちょっとどうかな?と思うところがあるかもしれない。 けれど、ライブの模様が見られるのがうれしいじゃないですか。特に、「ハナミズキ」を歌う場面では、 それまで曇っていた空からパッと光が差したのには感動を覚えます。賛否慮論だけれども、手応えはある作品ということで。

4th Album『Key』● '08/3/5 release

ベストアルバム「BESTYO」の大ヒットも記憶に新しい一青窈が、2年3ヶ月ぶりとなる4作目のオリジナルアルバムをリリース。今作は、いつも以上に多彩な面を見せる楽曲が揃っています。 それもそのはず、多くのミュージシャンが楽曲を提供したり参加していたりしています。おなじみのマシコタツロウや収録シングル3作を手がけた川江美奈子をはじめ、 秦基博やAkeboshi、高野寛にレミオロメンの前田啓介、さらにはCRAZY KEN BANDの横山剣と、豪華なアーティスト達が一青窈へ楽曲提供。 一青窈のパフォーマンスも、その曲ごとにいろいろな面を見せては自由に表情豊かに聞かせてくれる。そして、やはり一青窈の魅力でもある歌詞、言葉1つ1つに込められている思いが伝わってくるね。 曲ごとに色は違うけれども、独自の表現法で包み、壊し、作り、癒してくれる。そして、鍵を使って開ける自身の家へと導いてくれる心温まる作品になっています。 初回版は、環境に配慮したという特殊パッケージ仕様。そして、シングルナンバー「もらい泣き」~「指切り」まではライブ映像を、 今作アルバム収録シングルはPVを収録したDVD付きの2枚組み仕様です。

1. Key

作詞:一青窈 作曲・編曲:武部聡志

アルバムのオープニングを飾るゆったりナンバー。 一青窈、面白い試みなのは、歌う声とポエトリーリーディングのような語りを合わせて聞かせてくれる。ピアノとギターがしっとりと、その後ろで響き渡る。

2. 空中ブランコ

作詞:一青窈 作曲:秦基博 編曲:皆川真人

なんと、秦基博が作曲をしたポップなナンバー。 そして、レミオロメンの前田啓介が参加しています。いかにもな秦メロディといった感じで、あっさりとしていながら新鮮かつ爽やかソングだね。 出逢って別れて、また出逢って。サーカスの空中ブランコのようなあなたと私の世界を歌っています。

3. 宙ぶらりん

作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ 編曲:武部聡志 ホーン・アレンジ:村田陽一

作詞はもちろん一青窈、そして作曲はマシコタツロウで、アレンジは武部聡志という黄金トライアングルで聞かせてくれるミディアムナンバー。 ほのかな温かさが漂うゆったりアレンジ。ホーンもほんわかとしたイメージで、歌詞の世界も、これまた独自路線。一青窈らしさが出ていますね。

4. つないで手

作詞:一青窈 作曲:川江美奈子 編曲:武部聡志

ベストアルバム「BESTYO」発売以来、久々となるシングルナンバーは、一青窈のすべてを凝縮したような魅力がたっぷり詰まったバラードナンバー。 川江美奈子が曲を手がけ、温もりで包み込んでくれるような優しいメロディとアレンジに、一青窈の紡ぐ歌詞がじわじわと染み渡ってきます。 ストリングスも繊細かつダイナミックに響き渡ります。人とのつながり、大事だよなと思わせてくれますね。

5. 幻月

作詞:一青窈 作曲・編曲:武部聡志

これまた一青窈独特の世界が広がるトラック。 ポエトリーリーディングというか、語りというか。言葉を読み上げることで作られる世界が大きく広がってゆく。さすがは一青窈。

6. シャンデリア

作詞:一青窈 作曲・編曲:Akeboshi

一青窈とAkeboshiが見事なコラボレーションを聞かせてくれるミディアムナンバー。もう、Akeboshi直球のアイリッシュ/フォーク要素たっぷりのトラックだね。 めくるめく、代わる代わるの展開に、どんどんと曲の世界へと引き込まれてゆく。Akeboshi自身もピアノとアレンジで参加。 津久場郷史のTin Whistleや、マーティンのヴァイオリンといった、Akeboshiにはおなじみのメンバーも参加しています。一青窈の言葉選びもさすがだね。

7. moonlight

作詞:一青窈 作曲:高野寛 編曲:鈴木正人

高野寛作曲によるポップなミディアムアコースティックチューン。 軽やかに広がるサウンド。ドラムは坂田学で、アコースティックギターは高野寛自身が参加しています。月夜というか、ちょっとみんなのうた的な優しさがある一青窈の歌詞ですね。

8. ひとりでに

作詞:一青窈 作曲:川江美奈子 編曲:武部聡志

川江美奈子作曲のバラードナンバー。武部聡志のピアノとオルガンのみをバックに、一青窈がじっくりと歌い上げます。 しっとりと包み込む夜の雰囲気の出た曲で、なんか落ち着かせてくれるようだね。音とヴォーカルがうまく絡み合っては、強力に聞かせてくれる。

9. doorway

作詞:一青窈 作曲・編曲:武部聡志

チャリンチャリンと鍵が鳴る。ここでも一青窈によるポエトリーリーディング。まさしくアルバムの核を担うようなストーリーを展開する。

10. ドミノ

作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ 編曲:鈴木正人

優しくもあり、ポップに聞かせてくれるミディアムナンバー。人生を一青窈なりの表現で聞かせてくれる。やはりマシコタツロウのメロディセンスが光っていますね。 サビでの叙情深く流れ込むメロディラインに引き込まれます。バタバタと倒れていくドミノではなく、優しく隣の人に寄り添っていくような感じですね。

11. 受け入れて

作詞:一青窈 作曲:川江美奈子 編曲:武部聡志

オリジナルアルバム「Key」からの先行シングルナンバーは、これまた川江美奈子作曲によるバラードナンバー。 四家卯大によるストリングスが美しく彩るサウンドに、優しいメロディラインと一青窈のヴォーカルが優しく温めてくれるような曲だね。 性同一性障害の友人の告白をきっかけに誕生したという歌詞だそうで、確かにそのままのあなたを受け入れる感じだね。一青窈だからこその世界を出した曲です。

12. 茶番劇

作詞:一青窈 作曲:横山剣 編曲:武部聡志、横山剣

ヒットシングル「江戸ポルカ」を彷彿とさせる歌謡曲テイスト満載で聞かせるポップチューン。 って、CRAZY KEN BANDの横山剣が楽曲提供。これならば、なるほど納得の曲だよね。とにかく濃いんだ。 曲中でタイトル通りに茶番劇も繰り広げられたり、剣さんのおなじみフレーズ「いいね!」も飛び出したりと、面白い1曲。こういうタイプの曲が本当にお似合いな一青窈です。

13.

作詞:一青窈 作曲・編曲:武部聡志

武部聡志の曲、アレンジで聞かせるバラードナンバー。シンプルな流れながらも、一青窈の表現力で、見る見るうちにドラマティックに変身してゆく。 美しいメロディラインとしみじみ味わい深いアレンジ、繊細に彩る弦楽と、とにかく聞き入ってしまう。うっとりです。

14. 「ただいま」inside ver.

作詞:一青窈 作曲:川江美奈子 編曲:武部聡志

一青窈、間髪入れずにシングルをいリース。これまた、川江美奈子が作曲を手がけたバラードナンバーです。 ドラマ主題歌ということもあり、結構ドラマティックな展開で包み込んでくれるような1曲ですね。 帰る場所はあなただった。気付きを一青窈が切々と歌います。アレンジもさることながら、情で訴えかけてくるような1曲です。

アルバムでは、なんと武部聡志のピアノと弦一徹ストリングスのみをバックにしたバージョンを収録。 これまた、シンプルかつダイナミックな印象を与えてきます。かっこいいです。

[DISC 2:DVD]

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Live Album『一青窈 CONCERT TOUR 2008 「Key ~Talkie Doorkey」LIVE CD @ NHK hall』● '08/11/19 release

一青窈、4枚目のオリジナルアルバム「Key」を引っ提げて行われたツアーから、最終日となったNHKホールでのライブの模様を収めた初のライブCD。なお、同内容のDVDも同時発売です。 もうね、これぞ一青窈ワールド。始まりのドアの開く音のSEから、途中のポエトリーリーディングから、やっぱりこの人は特異なんだよね。 曲の方は、先のアルバム「Key」を中心に、自身の代表曲も織り交ぜて、たっぷりと聞かせてくれます。アレンジの方も、ライブならではの迫力ある音で楽しませてくれる。 「指きり」のおどろおどろしいイントロや、「かざぐるま」のピアノ1本勝負は、ライブだからこその味わいかな。 一部では、「江戸ポルカ」の振り付けの説明とか、メンバー紹介は要らないという声もあったけれども、まぁ、これも含めてのライブだから、長い目で見ましょうか。 一応、ライブの空気を味わうことができるCDということで、耳から楽しさを堪能。気になるのは、やっぱりジャケットやブックレットが簡素すぎるし、一青窈の姿が無いし。

DISC-1

ドアが開く音で始まったM-1。拍手喝さいの中で、一青窈の語りが始まる。そして、歌と語りが重なっては、不思議な空気を醸し出す。 リズミカルに手拍子が沸き起こるM-2。一青窈も元気に「東京!」と声をかける。鮮やかなまでの武部聡志のピアノが躍る。一青窈のヴォーカルも瑞々しく元気よく。綺麗にまとまっていますね。 ゆったりモードでM-3へ。サビパートではコーラスと重なって美しさを届けてくれる。最後にお礼を言って。 シングルナンバーのM-4。味わいのある一青窈のヴォーカルが会場に響き渡ります。パーカッションがほのかな温かさを出しているね。後半のクライマックスで、音の力を感じる流れ。歌い終わって拍手に包まれて。 「楽しんでください」と軽く挨拶。 語りを聞かせるM-5。喋り方も独特の世界観があって、不思議ですね。 そのまま流れるようにM-6へ。じっくりとした演奏でどっしりと構えて。Bメロからサビへと一緒に入ってくるコーラスがなかなかいいんだよね。大きく盛り上がる。ラストの間が緊張感を生む。

続けてM-7へ。これまた一青窈ワールドが見事に広がるナンバー。分厚いサウンドとともに、一青窈のヴォーカルがどこまでも。高音パートもなかなかいいね。 M-8は、やけに壮大というか、恐ろしい世界観を出してきた。スリリング感たっぷりに重たい演奏で聞かせる。ラストは軽快に変身。 再び語りのM-9。すっかりと一青窈ワールドに楽しませてくれます。 美しく情緒深い世界を聞かせてくれるM-10。さらに世界を広げるがごとく、武部聡志のピアノのみをバックに一青窈が歌います。ちょっとドラマティックですよ。なんだかじわじわ来るね。 続けては、アコギが奏でるM-11。こちらもほのかな温かさで聞かせてくれる1曲。 さらに温かさ溢れるM-12。切ないメロディながらも、胸に訴えかけてくるような一青窈のヴォーカルに耳が行きます。

DISC-2

美しいピアノとキーボードの音が響き渡るM-1。そして、一青窈による語りが世界を構築する。 アイリッシュサウンドが響き渡るM-2。力強い音と一青窈の不思議な世界観が広がってゆくね。 そのまま流れて、伸びやかな始まりのM-3。ものすごい世界を聞かせる始まりだよね。本編に入るとほっこりと温かくなる。そして、次第に力をつけてくる流れで。圧倒的なライブパフォーマンスですね。 こちらも一青窈を代表するナンバーのM-4。説得力のあるヴォーカルが真っ直ぐと伝わってくる。ラストも迫力ありますね。 ここで打って変わって、とっても楽しくM-5。ゴージャスで華やかに。1番を歌い終わってダンスレクチャータイム。なんだか、真剣に教える一青窈もいいね。この上ない盛り上がりだね。

同じテイストのナンバーM-6へと見事につながる。歌謡ロックといわんばかりの雰囲気で、艶かしさとともに聞かせてくれる。 そして、一青窈のデビュー曲M-7。観客の手拍子も温かく。分厚い演奏でガツンと聞かせてくれるバンドをバックに、一青窈も独特のヴォーカルを披露。最後はサービスも。 さらに熱を増してM-8。疾走感たっぷりに、一青窈の気持ちも上がっているね。とても楽しそうに歌っている。最後はドラムが暴れる。かっこよかったね。 拍手で始まるM-9。うっとりじっくり、バラードを聞かせる一青窈が歌います。丁寧なヴォーカル、そして語りも入って。 これまた一青窈の気持ちが込められたM-10。聞かせる仕様でじっくりと。

拍手鳴り響くアンコールM-11。 そして名曲M-12に。武部聡志のピアノがダイナミックでかっこいいね。この曲の持つ力が出て、引き込んできます。一青窈の表現力もさすが。ラストサビの一部をアカペラで聞かせてくれたりもします。 メンバー紹介のM-13。温かい拍手が送られます。 美しいイントロから始まるM-14をじっくりと聞かせてくれる。重厚な音がドラマティックに盛り上げます。 ラストナンバーのM-15。武部聡志のピアノをバックに、一青窈が語りかけてくるように。そしてドアが閉まり、鍵がかかるSEで幕。大きな拍手が送られた。

Best Album『BESTYO + INSTYO』● '09/1/21 release

大ヒットベストアルバム「BESTYO」のリパッケージ版が再登場。前作はライブDVDを付属した「BESTYO + CONCERTYO」だったけれども、今作はカラオケCDを付属した「BESTYO + INSTYO」。 はっきり言って、これにはレコード会社に対して開いた口が塞がらないというか、こういう販売形態に対して嫌悪感を抱くほどだ。 レコード会社としても差別化を図ろうと、未収録シングル4曲を追加してコンプリート化して出したかったんだろうけれども、いかんせん、これでは印象が悪くなるというか、一青窈の安売りだよな。 一青窈に対するイメージも変わっちゃう。

5th Album『花蓮街』● '10/4/21 release

一青窈、オリジナルアルバムとしては「Key」以来、2年ぶりとなる5枚目のオリジナルアルバムをリリース。レコード会社をFOR LIFEに移籍してからは1枚目。 シングル「ユア メディスン ~私があなたの薬になってあげる~」「うんと幸せ」「冬めく」の新歌謡/進化窈3部作を含む内容なだけあって、期待に胸が膨らむ作品となっております。 特に、今作はM-15「うんと幸せ」を除いては、完全なる小林武史に作曲とアレンジを委ねたわけであります。 小林武史の作るメロディもさることながら、アレンジでは一青窈の新たな面を見せているのか、はたまたこういう方向性はどうなの? と賛否を巻き起こしています。「確信犯」やシングルに収録されていた「ウラ・ハラ」「サイコロ」なんかは、高速ビートを巻き起こす打ち込みナンバーで、今までの一青窈のイメージをひっくり返した。 功績か功罪か、実にギリギリなラインだけれども、まさしく進化窈な面と思えば納得。架空の町「花蓮街」を舞台に繰り広げられるコンセプチュアルな面もあり、一青窈の持つ言葉の世界は健在です。 歌謡曲ならではの男と女の世界が、よりリアルに、ちょっとした愛憎劇もあるような一青窈も、いろいろと人生を経験しているな。 初回盤は、「一青窈コンサートwith東京フィルハーモニー交響楽団 at 東京オペラシティ コンサートホール」 「一青窈 premium acoustic tour '09 produced & performed by 武部聡志×小林武史 at 東京厚生年金会館」という2つのライブから、それぞれ3曲ずつ収録。 とはいっても、この2つのライブ、後にフルバージョンでDVD化されるんだよね。いわば、パイロット版ということで、ちょいと楽しめる内容です。

1. ~壁の向こう側~

イントロダクション。一青窈が語って、次曲へとつなぐ。ちょっと時を刻むような雰囲気がかっこいいね。

2. メイク

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

ショーレビュー的な歌謡曲テイスト満載のアップテンポチューン。こういう、ちょっとした懐かしさのある曲調が本当にお似合いな一青窈です。 化粧のメイクと様々な言葉をかけた言葉が踊る。小林武史もこういった曲を作るとは、ちょっと意外性を出してきたね。

3. coup d'etat

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

チェンバロのような音がポイントのミディアムナンバー。それでも柔らかさはあるね。なんか、いかにも小林武史のメロディなんだよね。 サビでちょっとキュンと哀愁を漂わせては、そこに一青窈の一生懸命な感じのヴォーカルが響き渡る。

4. 確信犯

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

ピコピコ系の音をパワフルに入ってきては、一青窈が優雅に歌います。メロディパートはあっさりと。 サビで4つ打ちビートが入ってきては、まさしく確信犯な展開を聞かせる打ち込みナンバー。小林武史がにやりと笑っているような気がするけれども、彼こそが確信犯だな。

5. ウラ・ハラ

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

ハイパーテクノ歌謡みたいなウネウネビートを放出。これが一青窈の進化系。なんだかパンチが効いているよね。 歌詞の世界観は、一青窈なんだけれども、自身のスキャンダルをネタにしているかのようだ。 小林武史が見事なまでに裏切らせた音を聞かせてくれる。このディスコティークは、天晴れ。キーボードの華やかさがとてもキャッチーに攻めてくる。

6. Dolce

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

まったりテイストのミディアムテンポのナンバー。タイトルさながら、甘い世界観が出ています。 サビでは珍しく高音が続いては、一青窈が綺麗なファルセットを聞かせてくれます。一青窈にしては、意外にもストレートなラブソング。

7. ほおずき

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

ミディアムテンポのドラマティックなナンバー。リズミカルな中に、切なさを出した小林武史のメロディが生きるトラックだね。 郷愁というか、懐かしさの出た表現は、さすがな一青窈。

8. 上の空

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

妖しさ放つミディアムチューン。淡々としていながらも、ちょっとクセのあるメロディを作る小林武史の緻密な計算が光る1曲。 サビも深く、コーラスもちょっと深く。曲の持つ味はすごいね。Cメロの広がり具合がいいね。

9. サイコロ

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

畳み掛けてくるビートの波に飲み込まれそうになる高速ポップチューン。なんかもう、音にやられる。それだけ。すごすぎて、一青窈の言葉が入ってこないね。 このメロディラインだったら、別にこんなに高速テクノじゃなくてもよかったんじゃない?敢えて進化する道を選んだのかな?

10. Final Call

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

小林武史のピアノ業が光るバラードナンバー。淡々とするビートに反するように、生を感じさせる一青窈のヴォーカル。 サビに入ると、大きな変化を遂げて、ガツンとしたサウンドをぶつけてくる。ストリングスも大きく広がっては、ちょっと感動的な作品に。

11. 冬めく

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

一青窈の新歌謡/進化窈シングル第3弾は、両A面でのリリース。こちらは一青窈らしさの出たミディアムチューン。 ベストアルバム「BESTYO」発売記念で行われた、あの、よみうりランドのフリーライブで初披露され、新曲としてリリースのアナウンスはあったものの、お蔵入り。 ようやく日の目を見たという作品でもあります。まぁ、特段と代わり映えはない、普通のポップソングなんだよね。 でも、より表現力が豊かになったね、一青窈も。

12. ユア メディスン ~私があなたの薬になってあげる~

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

一青窈、FOR LIFEへの移籍第1弾シングルは、新歌謡/進化窈を掲げたナンバー。 これまでの一青窈のイメージをガラリと変えた、かなりパンチのある曲をぶつけてきた。4つ打ちビート炸裂のディスコ歌謡ナンバーと来たもんだ。懐かしくもあり、新しくもあり。 キャッチーなメロディとポップなサウンドがいい味を出しているね。さすがは小林武史、一青窈を見事に料理しています。 歌詞の世界観は相変わらず独特な雰囲気を漂わせています。

13. 凧揚げ

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史

これぞ一青窈の世界。小林武史がメロディを紡ぐ優しいバラードナンバー。 凧揚げと恋心をうまく絡めた和風な歌詞の世界はさすがです。一途な感じもまた、よろし。ドラマティックな仕上がりで引き込む世界。ピアノの音がいいじゃないですか。

14. ~壁のこちら側~

ちょっとスリリングな感じで、M-1と対を成すインタルード。

15. うんと幸せ

作詞:一青窈 作曲・編曲:小林武史、武部聡志

一青窈の新歌謡/進化窈シリーズ第2弾のシングルナンバーは、これぞ一青窈な味わい深さのあるバラードナンバー。 武部聡志と小林武史がタッグを組んでのプロデュースは、とってもゴージャスに一青窈を盛り上げる。参加ミュージシャンも豪華な面々だし、曲も後半に進むにつれて、段々とパワーアップしていく。 これぞ一青窈の世界なんだよね。味わい深さが出ている。幸せな人がいる、それが幸せ。

[DISC 2:DVD]

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Best Album『ハナミズキ -君と好きな人が 百年続きますように-』● '10/8/10 release

新垣結衣主演の映画「ハナミズキ」公開に合わせてリリースされた、一青窈のベストアルバム。いくら映画の主題歌や挿入歌となっているからと言って、レコード会社主導のアンオフィシャルなものです。 映画主題歌となった「ハナミズキ」をはじめ、「もらい泣き」「影踏み」「受け入れて」「はじめて」「かざぐるま」などの一青窈バラードシングルがてんこ盛り。 そのほか、「さよならありがと」「音木箱」「翡翠」などの、アルバム収録ナンバーやカップリングナンバーなども押さえていて、じっくりと聞かせてくれる感動バラードで取り揃えております。 映画内容に沿っているのかな。あまり激しい曲は収録されていないので、「ザ・一青窈」なベストアルバムだと思います。 まぁ、無難ということで、可もなく不可もなく。アンオフィシャルな部分はあるけれども、一青窈入門編にも適した作品かな。