album

1st Album『Bingo!』● '92/7/22 release

シンガーソングライター、広瀬香美のデビューアルバム。彼女の本領発揮と言わんばかりの、独特の視点が咲き乱れたナンバーが目白押し。 こういうところが、やっぱり広瀬香美の魅力なんだろうね。同性だけでなく、男性からも支持を受けそうな歌詞の世界は、1990年代初頭の華やかさからの転落模様を笑い飛ばすかのようだ。 ポップで弾ける楽曲と得意のハイトーンヴォーカルが響きまくる全10曲。何気にゲストミュージシャンが豪華なので、そこにも注目したいところ。 藤原ヒロシにD・M・X、朝本浩文に福富幸宏といったクラブ系のアーティスト達が、広瀬香美を支えている点が面白すぎるぞ。

1. I DON'T WANNA WORK ~働きたくなんかない~

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:藤原ヒロシ、宮崎泉 Strings Arranged by 服部隆之

ポップなビートとストリングスが絡み合うナンバー。 OLの働く様を描いた、広瀬香美らしい歌詞で楽しませてくれるが、曲の方はイマイチかな。アレンジがその分、がんばっています。

2. 幸せのリズム

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:OTO Brass Arranged by 萩田光男

ブラスも華やぐポップチューン。ラテン的軽快なノリもあって、楽しい曲だね。 恋人に夢中な女性の気持ちを歌ったナンバー。気持ちが曲に表れているんだよね。とにかく弾んで弾けています。

3. DON'T GO AWAY

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:山川恵津子

バラードナンバー。シチュエーションが雨ということで、しっとりとしたアレンジで曲を盛り上げる。 海外へ行ってしまう彼氏を見送る彼女の気持ちを歌った歌。1人になるのが淋しい彼女の心情が良く表れている。

4. 言えない気持ち

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:藤原ヒロシ、宮崎泉

ダブ要素のあるレゲエ調ビートが繰り出すミディアムチューン。 編曲の2人がいい仕事をしています。内容は、なかなか両想いになれない2人の気持ちを歌っています。

5. ぜったい信じない

作詞:川村真澄 作曲:広瀬香美 編曲:山川恵津子

広瀬香美にしては珍しく、歌詞を他人が担当しています。 ミディアムテンポのグルーヴィーなナンバー。やっぱり、他の曲と違った印象がありますね。なんか弱く感じるんだよね。

6. 13日の金曜日

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:OTO

なんだか斬新なタイトルで驚きです。随分と弾けたポップビートが織り成すアップテンポの曲。 サビのインパクトが、もう一歩なんだよね。結構、いい線をいっているだけに惜しい。仕事模様をコミカルに描いています。

7. We'll be together

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:藤原ヒロシ、宮崎泉 Strings Arranged by 服部隆之

ストリングスが優雅にイントロで舞うミディアムナンバー。 ポップなトラックに乗せて、恋に走る女性を歌う広瀬香美です。主人公は、随分と自意識過剰?

8. MY HOME ALONE

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:山川恵津子 Brass Arranged by 服部隆之

ブラスが華やぐイントロ。ちょっとソウルフルやファンキーな印象を与えているけれども、 本編はポップなミディアムチューンです。1人暮らしの女性の気持ちを歌っています。やっぱり、病気になった時ほど、孤独を感じるものなんだね。

9. HOW MUCH I NEED YOU

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:OTO Strings Arranged by 萩田光男

全編英語詞のバラードナンバー。やることが違います、さすがは広瀬香美。 彼女の武器でもあるヴォーカルが、生き生きしながら響き渡ります。

10. YOU'RE MY LIFE

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:平野“T.J.”ヨーイチ Strings Arranged by 萩田光男

アルバムのラストは、しっとり系のバラードチューン。 アコースティックサウンドをバックに、広瀬香美のヴォーカルを前面に押し出したトラック。聞かせてくれます。

2nd Album『“good luck!”』● '93/3/24 release

シンガーソングライターの広瀬香美によるセカンドアルバム。全10曲というコンパクトな曲数ながら、彼女の才能が溢れるように出た作品たちで構築されています。 特に、彼女の知名度を上げたシングルナンバー「愛があれば大丈夫」は、アルバム用のバージョンを収録し、バージョンアップして聞かせてくれます。 ロサンゼルスと東京という、2つの場所でのレコーディングも、彼女の魅力を増幅させていますね。アレンジャー陣も、今回は小西貴雄に鷺巣詩郎、小西康陽と、ポップな職人をそろえております。 同世代の女性の心もつかみながら、キャッチーに仕上げたポップスを連ねたアルバムです。

1. Good Luck!

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西貴雄 コーラスアレンジ:広瀬香美

アルバムタイトルチューンがオープニングを飾ります。 コーラスワークの冴えるイントロダクションを経て、弾ける様なポップチューンが展開。もうね、ここまで前向きになれるのが不思議。とっても晴れた気分です。

2. 愛があれば大丈夫 -GOOD LUCK! Version-

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鷺巣詩郎 コーラスアレンジ:広瀬香美

広瀬香美にとって、初のシングルナンバーは、なんと映画のテーマソングとして抜擢され、この曲で知名度が上がりました。 広瀬香美直球のポップソングで、とってもキャッチーな仕上がりで聞かせてくれる。 さすが職人、ツボを押さえるところを見事に抑えていますね。カラオケ受けする覚えやすいメロディは、とってもなじみやすいです。

アルバムでは、イントロに特別なコーラス付け足されたバージョンで、パワーアップ。

3. 幸せのはじまり

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鷺巣詩郎 コーラスアレンジ:広瀬香美

美しいストリングスのイントロからスタート。何気に川井郁子が参加している。ホーンもいい味を出して、曲をポップに演出。 本編は、幸せの始まりを広瀬香美なりの視点で描いたラブソングに仕上がっています。 Cメロでの掛け合いが聞き所かな。その後の間奏では、島健が美しいピアノで腕を披露しています。

4. I Wanna Be Your Love

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

作詞・作曲にとどまらず、編曲までしてしまう広瀬香美。 多彩な持ち主で、能力を発揮しまくっていますね。ミディアムチューンのポップソングで、片思いの女性の気持ちを歌にしています。高音ヴォーカルもサビで聞けますよ。

5. 結婚のススメ

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

続けても、編曲までも担当したナンバー。弾むピアノが印象的なトラックは、 結婚の道のりをコミカルな視点で描くナンバー。まるで、何かの劇中かのようなドリーミングな雰囲気が出ていますね。

6. Still

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鷺巣詩郎 コーラスアレンジ:広瀬香美

美しくストリングスがイントロを彩るナンバー。バラードチューンで、しっとり。それでいて、しっとりヴォーカルを披露する広瀬香美。 別れた相手をまだ思い続けている主人公。盛り上げるように、土岐英史のサックスが響き渡る。

7. もう一度 もう一度

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鷺巣詩郎 コーラスアレンジ:広瀬香美

軽めの打ち込みビートがポップに弾けるアップテンポナンバー。 それなりに満喫しているけれども、もっと楽しい人生を過ごしたいと思う主人公ですね。全体的に、曲から1990年代前半らしさが漂ってくる。

8. あたしの財産

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西康陽 コーラスアレンジ:広瀬香美

ピチカート・ファイブでおなじみの小西康陽が編曲に登場。 広瀬香美とタッグを組むとはね。本編は、ミディアムテンポのポップチューン。歌で財産、っていうのもなんだかね。うまく例えたラブソングということで。

9. 左手

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西康陽 コーラスアレンジ:広瀬香美

続けても小西康陽アレンジという曲。広瀬香美の英語での語りからスタート。 ゆったりテイストのバラードチューンです。ジャジーテイストで、かっこよく決めてくれるけれども、歌詞が重たいね。離婚ソングです。

10. No World Without You

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西貴雄 コーラスアレンジ:広瀬香美

アルバムのラストナンバーもバラードチューン。ストレートなラブソングです。しっとりと聞かせてくれる広瀬香美。 後半に行くにつれて、盛り上がるアレンジ。コーラスも間奏でゴスペル並みにゴージャスに聞かせてくれます。サックスとコーラス、ヴォーカルがいい感じにかっこいいです。

3rd Album『SUCCESS STORY』● '93/12/16 release

オリジナルアルバムとしては3枚目となる広瀬香美の作品。 何はともあれ、シングル「ロマンスの神様」がとてつもなく大ヒットして、広瀬香美が一躍、シンガーソングライターとして名を馳せましたね。 前述シングル以外にも、「二人のBirthday」のL.A.ミックスを含む全11曲を聞かせてくれるアルバム。とにかく、広瀬香美のヴォーカルが響きまくっています。 とにかく弾けたポップチューンあり、じっくり聞かせてくれるバラードあり、こぶしを効かせた極上ナンバーまで、この人の高音ヴォーカルの計り知れなさを感じることができます。 歌詞の方も、OLや働く女性視点を独特に捉え、日常の一コマを切り抜いているようで、親近感を沸かせます。 後に、続編としてシングルリリースされる「Dear」にも注目。アルバムタイトル通りに「サクセス・ストーリー」を刻んだ1枚です。

1. Introduction - Make me smile

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:広瀬香美・小西貴雄

アルバムのオープニングを飾るイントロダクション。広瀬香美のヴォーカルと、子供達のコーラスが織り成す魅惑のチューン。 夢見心地にさせてくれます。

2. ロマンスの神様

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西貴雄・広瀬香美

冬の女王の名をものにした大ヒットナンバー。シングルとしては3枚目ながら、これでもかというくらいに極上ポップな弾けたラブソングに仕上がっています。 この曲を超える冬のナンバーがないくらいに、広瀬香美の印象を決定づけていますね。ポップビートとハイトーンヴォーカル、さらにはキャッチーなメロディと、三位一体の業が光る究極ナンバー。 なんか、この歌詞の中も、随分と弾けているよね。みんな、カラオケでこの曲に挑戦していました。

3. SUCCESS STORY

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西貴雄 コーラスアレンジ:広瀬香美

アルバムのタイトルトラックは、オープニングからクールな打ち込みのビートとサックスの味付けがかっこいいポップチューン。 作りこんだ感のは伝わってくるけれども、どうもピンとこないのが残念。サビのメロディもフワフワ浮いた感じで、惹きつけられないかな。

4. How To Love

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西貴雄・広瀬香美

これぞ広瀬香美といわんばかりのポップチューン。何気に冬ウタ。 アルペンのタイアップが付いてもいいんじゃない?ストリングスとサックスは、華やかに躍ってるんだけれども、不倫という言葉をサラリと歌い上げてしまう広瀬香美。呆気に取られてしまうね。

5. Dear

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:服部隆之 コーラスアレンジ:広瀬香美 ゴスペルコーラスアレンジ:平野T.J.ヨーイチ

後に続編がシングルとしてリリースされるナンバーの、オリジナルがこちらであります。 メロディが温かさを生むバラードトラック。ハープやストリングスなどが飾り、ゴージャスに変身。そしてドラマティックに聞かせてくれるんです。 遠距離恋愛の歌です。ラストのゴスペル風コーラスにやられますな。

6. Make me smile (reprise)

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:広瀬香美・小西貴雄

repriseといっても、こっちが本編。イントロで子供達とやりとりを。 マーチングのようなサウンドと、子供達のコーラス。そして、広瀬香美のヴォーカルが響きます。じっくりと聞かせてくれるバラードナンバーですよ。

7. 生きがい

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西貴雄・広瀬香美

広瀬香美流の切り口で、仕事に対するスタンスを見せるポップチューン。 もしくは、広瀬香美的生き方を示すハウトゥソング。ユニークです。サウンドから、随分とお気楽な雰囲気が出まくっていますね。こんなふうに生きてみたいと感じさせるナンバーです。

8. 二人のBirthday (LA. Mix)

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鷺巣詩郎 コーラスアレンジ:広瀬香美

広瀬香美のセカンドシングル。随分とポップなナンバーです。歌詞からは、ラブラブなカップルの様子が伝わってきます。 それ以上に、コーラスが多いに盛り上がるんだ。曲の楽しさを見事に表現している広瀬香美でした。

アルバムでは、ロスでミックス作業を行ったトラックを収録。音がクリアになり、ちょっと軽めに仕上がっていますね。

9. 恋人募集中

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:小西貴雄 コーラスアレンジ:広瀬香美

いきなり「フーッ!」って、ノリが出まくっていますね。タイトルが全てを物語っています。恋人を募集している女性が主人公。 それでいて、随分とお気楽なメロディラインに陽気な広瀬香美のキャラクターが出ています。サビの歌い方も、かなりインパクトがあるね。

10. Tomorrow

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

ピアノ1つをバックに広瀬香美が歌う極上バラードナンバー。音数が少ない分、広瀬香美のハイトーンヴォーカルが、どこまでも響き渡る。 かなり力が入っていていますね。こぶしも効いている感じです。ここまで歌い上げるだなんて、圧倒されますよ。ダイナミックな1曲。

11. お引っ越し

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

アコースティックギターがゆったりとリラックスさせてくれるような、ミディアムナンバー。ボッサタッチのサウンドが、温かく包み込んでくれます。 フルートだったり、cobaのアコーディオンだったり、優雅な雰囲気も出ているね。広瀬香美が次なるステップへと導いてくれるナンバーだ。

4th Album『Harvest』● '94/12/16 release

広瀬香美、通算4枚目となるオリジナルアルバム。 前年の「ロマンスの神様」の大ヒットを受けて、この年も「アルペン」のCMソングとしてタイアップがついた「幸せをつかみたい」のアルバムバージョンをはじめ、 ドラマ主題歌にもなった「ドラマティックに恋して」のロスミックス、森口博子に提供した「LUCKY GIRL」のセルフカバーを収録した全10曲。 シングル等のナンバーは、超が付くほどのキャッチーなメロディと、超が付くほどのハイトーンヴォーカルを聞かせてくれているけれども、 アルバムの中に収録されているほかの楽曲は、シンガーソングライターとしての腕が光る作品が揃っていますよ。 特に、アルバムのタイトルチューンでもある「Harvest」は、なかなか味わい深い良曲だと思いますね。全10曲の作詞・作曲、さらにはアレンジまでを手がけた意欲作。これがまた、大ヒットするわけですね。

1. Beginning

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

アルバムのオープニングを飾るインストナンバー。広瀬香美によるハミングが踊る。 ショーレビューのようなトラックで、華やかです。さて、ここからアルバムの始まり始まり。

2. 素敵なタイミング

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

4つ打ちビートを刻む、ポップでダンサブルなナンバー。「結婚」というイベントを、広瀬香美なりの切り口で聞かせてくれます。 サビのメロディだけでなく、全てがキャッチーに仕上がっていますね。すごいな、このクリエーター魂。間奏では、サックスが聞かせてくれますよ。 何はともあれ、広瀬香美が楽しそうに歌っているんだな。

3. フォーチュンクッキー

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

オリエンタルというか、アジアンなイントロでスタートするミディアムナンバー。横浜でのデートを題材に、女性視点で描くラブソング。 落ち着き感がありながらも、サビでハイトーンのヴォーカルが響き渡る。さすがは広瀬香美の持つ武器であります。

4. 幸せをつかみたい [ALBUM VERSION]

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

またも前年同様の構成で切られたシングルナンバー。冬を彩るハイパーポップチューンです。しかも極上キャッチーなメロディに、広瀬香美の言葉がほとばしる。 ヴォーカルも伸びに伸びまくって、かなりアゲアゲモードですね。恋愛の始まりから結婚へと流れる人生模様を歌っています。「結婚」イコール「幸せ」という構図も、時代だな。

アルバムでは、オープニングに歌が追加されて、ちょっと盛り上がる幕開けです。

5. 愛の力

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

頭からフランス語の会話。なんともおしゃれな演出を聞かせてくれるバラードナンバー。 結構、絶望感の出たマイナーメロディで、突き刺してくるようだ。サビではこぶしを効かせるかのごとく、伸び伸びのヴォーカルが響きまくっていますよ。 ムードたっぷりに間奏から入ってくるサックスが、吹き付けます。愛の力の大きさ感じさせる1曲だ。

6. MONEY

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

ほんわかムードたっぷりに聞かせてくれるミディアムナンバー。タイトルが表すように、お金の歌です。広瀬香美流お金の使い方?人生の教え?を説いています。 こういうユニークな歌詞とメロディを作ってくるところが面白いね。随分と気楽な雰囲気があるけれども、結構大きなことを歌っていますよ。 コーラスがこれまた分厚く広がる。

7. LUCKY GIRL ~信じるものは救われる~ [OTANOSHIMI VERSION]

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

森口博子に提供したナンバーを広瀬香美がセルフカバー。モロに広瀬香美のキャラクターが出まくっている、ポップな楽曲ですね。 とにかく叶えたい夢を持ち、信じ続けるのが一番だという教えですよ。でも、ちょっと軽いテイストが上っ面感もあるよね。こういうキャラなんでしょうかね、やっぱり。

アルバムでは、森口博子が祈り人としてナレーションに参加しています。

8. 春よ来い

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

おっと、広瀬香美がHIP-HOPか?なんて思わせる。イントロでまさかのスクラッチ登場だもんね。ポップなんだけれどもクールに聞かせてくれるグルーヴチューンです。 歌詞がこれまた、広瀬香美らしさの出た視点で恋愛模様を描いています。メロディだけであれば、どっぷりバラードバージョンもお似合いだろうね。

9. ドラマティックに恋して [LA. MIX]

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

「ロマンスの神様」が大ヒットを記録した広瀬香美が次に仕掛けるシングルナンバー。ドラマの主題歌として大きく盛り上げてくれるポップチューンです。 曲の構成といい、メロディといい、ちょっと一癖をつけて、シンガーソングライターの腕が発揮されているね。 それにしても、ハイトーンのヴォーカルは顕在で、かなりパワフルですね。コーラスの合いの手がまた、いいじゃないですか。 歌詞の方も、広瀬香美の切り口で、OLの恋愛模様を描いています。

アルバムでは、ロサンゼルスでミックスされたトラックを収録。音に厚みが出ていますね。

10. Harvest

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

アルバムのラストを飾るタイトルチューン。ミディアムテンポのバラードで、温かいメロディとアレンジが、しっとりと広がります。 歌詞は甘くて酸っぱい2人のラブソングです。間奏のハモンドがまた、包み込んでくれるかのようですね。

5th Album『Love Together』● '95/12/16 release

もはや冬の女王の名を冠したシンガーソングライター、広瀬香美の5枚目となるオリジナルアルバム。 シングル「愛はバラード」「ゲレンデがとけるほど恋したい」の2枚を含む全12曲。 1曲目の「PRELUDE」から2曲目の「ゲレンデがとけるほど恋したい」の流れからもわかるように、とにかく極上ポップの世界を聞かせてくれます。 と思ったら、M-6の「A・Q ROCK」では、広瀬香美流のロックサウンドを聞かせてくれる。そして、持ち味というか、広瀬香美の武器でもある高音ヴォーカルが、アルバムの中で舞いまくる。 今作も、全曲で作詞・作曲。編曲を担当するなど、とにかく才能溢れる1枚となっております。 とにかくヴァラエティ豊かな楽曲のオンパレード。広瀬香美の進化が思う存分に発揮されています。もう、なんだかすごいね。 初回版は、三方背ボックス仕様となっております。

1. PRELUDE

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

軽快なアップテンポの打ち込みトラックでスタートするアルバムのオープニング。 イントロダクションから盛り上がりますね。ストリングスも響いて、とにかくゴージャスに華開く。そのまま見事な流れで次曲へ。

2. ゲレンデがとけるほど恋したい (WHAT AN EXCITING MIX!)

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

アルペンのタイアップも3年目。とにかく勢いの乗りまくった広瀬香美です。その高音ヴォーカルは、どこまでも高く突き抜ける。 サビでは、絶好調といわんばかりに昇天してしまうね。もう、誰の手にも負えやしない極上のキャッチーなメロディを聞かせてくれる ハープもドリーミングに飾っては、この年の冬の恋物語を暑く盛り上げる。

アルバムでは、さらに力を増したミックスが施されていて、まさしくエキサイティングに繰り広げられていますよ。

3. 恋するギャンブラー

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

歪んだイントロを経て、ポップに聞かせてくれるナンバー。「恋はギャンブル」みたいなことをテーマに、広瀬香美がコミカルな歌詞を歌っています。 相変わらず、サビが極上にポップだね。一瞬だけのマイナーメロディがスパイスに感じる。間奏のサックスがクールですね。Cメロの掛け合いコーラスはなんなんだ。

4. Love Together

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

ちょっとドリーミングなオープニングで始まるアルバムのタイトルチューン。 ゆったりミディアムテンポのナンバーは、ちょっと元気一杯の広瀬香美のイメージを抑えて、クールに。 仕事と恋と。どっちが大事なのか迷う主人公です。メロディの方は、歌謡曲に通じるような純ポップスだね。

5. HOME

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

ドストレートなバラードナンバー。しっとりとピアノのみをバックに、広瀬香美のヴォーカルも、際立って聞こえますね。 歌詞の方は新婚カップルなのか?この情景は。相手よりも遅く帰宅することを肯定し、ドラマティックに仕上げてしまったナンバーです。サイズは小ぶりに。

6. A・Q ROCK

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

ギターが勢いよくかき鳴っては、広瀬香美もドスを効かせたヴォーカルで圧倒してくる。 珍しく、激しさ溢れるロックチューンを聞かせてくれます。ちなみに、ギターで佐橋佳幸が参加。 タイトルの「A・Q」とは、もちろん「永久」とかけているわけであって、でも、歌詞の方はがんばっている人へ向けられた応援歌。 全体的に、広瀬香美のヴォーカルをかぶせているような感じで、なんだかすっきりしないんだよなぁ。

7. 組曲「人間ドック」

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

ゲームに興じる小芝居を演じるオープニング。そして、朝が来ては目が覚めて。 広瀬香美のキャラクターを思う存分に出した、超ポップワールド。「人間ドック」をテーマに、随分楽しく聞かせてくれるナンバーです。 途中でコーラスが入ったり、なぜか歯医者が出てきたりと、とにかく体が大事という教えです。

8. DESTINY

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

ソウルテイストで派手に聞かせてくれるポップチューン。 コーラスといい、ブラスの華やかさといい、なんかエンターテイナーの本領発揮といわんばかりに展開。広瀬香美のヴォーカルも、とにかく飛び交っています。

9. 悲しい季節

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

タイトル通りに悲しみのバラードナンバー。ミディアムテンポのトラックに、洋モノコーラスがサビで大きくドラマティックに盛り上げる。 それ以上に、広瀬香美のヴォーカルが、どこまでも高く突き抜けているね。恐るべし、ハイトーンヴォーカル。

10. 愛はバラード (MIX IN HARMONY)

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

もはや冬の女王として君臨した広瀬香美。はっきり言って、アルペンのタイアップや冬にリリースしたシングル以外がパッとしないという感じも否めないよね。 こちらのバラードナンバーも、シングルとしてリリースされたものの、セールス的にはあまり振るいませんでした。保険会社のCMタイアップが付いたナンバーで、心温まるバラードに仕上がっています。 急がなくていい、ゆっくりでも2人でいられるという、幸せを歌っています。

11. 幸せのおすそわけ (BREAKIN' VERSION)

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

これまたポップに富んだナンバーだね。友人の結婚を祝う曲なんだけれども、視点がやっぱり広瀬香美だ。その独特さが面白いね。 なんか、ここまで結婚式前の様子を歌うと、この曲の主人公が結婚するみたいだ。

12. SWEET LOVE SONG

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

アルバムのラストを飾るバラードナンバー。タイトル通りに、甘いラブソング。ゆったりとした流れの中で、広瀬香美のハイトーンヴォーカルが響きまくる。 そして、大きく盛り上がりますよ。やっぱりドラマティックに仕上がっているね。

6th Album『welcome-muzik』● '97/2/5 release

広瀬香美の6枚目となるオリジナルアルバムは、前作「LOVE TOGETHER」から約1年ぶり。 年をまたいでリリースされたアルペンタイアップの2枚のシングル「DEAR...again」「真冬の帰り道」を含む全12曲。 先述シングルに見るように、じっくり聞かせるバラードあり、ハイトーンヴォーカルが飛び交う極上キャッチなナンバーだったりと、 相変わらずシンガーソングライターとしての幅の広さを見せ付ける広瀬香美であります。 ロサンゼルス、ニューヨーク、東京という3都市でレコーディングされただけあって、かなりの力が入っていますね。ただ、力が入りすぎて、少々高カロリー気味にも思える。 なんか、お気楽なトラックが揃っていて楽しそうなんだけれども、ちょっとかなり走りすぎ? ひねりにひねった広瀬香美的歌詞は今作でも健在。エンタテインメント性溢れるアルバムは、ひとまずここで終了かな。この作品以降、よりシンガーソングライターとして深みを増す作品を放ちます。 ちなみに、広瀬香美のアルバムの中で、唯一チャート1位に輝いた作品だそうです。 初回版は、三方背ボックス仕様となっております。

1. Show Time!

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

エンタテインメント性溢れるイントロ。アルバムのオープニングを華やかに彩るポップチューンです。 広瀬香美のハイトーンヴォーカルも、躍る躍る。まさしくタイトルを表しているナンバーです。 こういうテイストを出した曲が、本当に似合うんだ。ブラスが吹き荒れギターがうねり、It's Show Time!!!!

2. 真冬の帰り道

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

元日リリースのおめでたいシングルナンバーは、年をまたいでのキャンペーンソングとなったアルペンのタイアップつき。 前作「DEAR...again」のしっとりした反動なのか、極上ポップで極上キャッチーの弾けたナンバーに仕上がっています。 これぞ広瀬香美といわんばかりの1曲。歌詞の方も、当時の世相をよく映しているよね。時代の切り口をうまく捉えている。とにかく広瀬香美が弾けまくりだ。

3. ふつうのラブソング

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

広瀬香美の切ない思いとサウンドがリンクしたバラードナンバー。 正直、プログラミングよりも、生音の方がもっと雰囲気が出ていたかな。生音ストリングスがいい味を出しています。主人公の真っ直ぐな気持ちはよく表れていますね。

4. Photograph

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

シャッターの音で幕開ける超アッパーなポップチューン。前曲とのギャップに驚きだね。とにかく疾走、突き抜けてゆきます。 カメラ1つでここまで広がるとは、シンガーソングライター・広瀬香美の力、恐るべし。ただ、勢いで突き抜けているような気もする。このハイテンションについていくのは大変かな。

5. 秘密

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

淡々としたプログラミングビートに乗せて、広瀬香美が淡々と歌うミディアムチューン。 ヴォーカルにエフェクトがかかっていて、曲の雰囲気を出す。歌い方も、なんだか気持ちをあえて込めていないような感じが曲にぴったりだね。

6. DEAR...again (Ver.2.05)

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

冬の女王、この冬も始動。というわけで、4シーズン目となったアルペンのCMソングは、1st Album「Bingo!」で発表していたバラードナンバー「DEAR」をリメイク、 セルフカバーしてシングルリリース。オリジナルの歌詞を書き換え、ちょっと切なさもアップした。曲本来の持ち味は前作同様、キャッチーなメロディで引き込む職人魂を感じさせます。 クリスマスシーズンに、本当に彩を加えるナンバーだね。

アルバムでは、さらに新バージョンで収録。イントロや間奏でコーラスが加わり、曲の輝きが増しています。

7. たまにはこんなあなたでいい

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

少年の歌から始まった、ちょっと趣向を凝らした形でスタート。曲の方は、 ほんわかムード漂うポップチューン。ハーモニカの音が、よりいっそう温かくなるね。悩んでいるあなたを慰める歌。 なんだか広瀬香美のヴォーカル、無理に抑えていない。それとも、こういう表現方法?

8. ロンリー渡り鳥 (19XX Live in Tokyo)

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

擬似ライブのごとく盛り上がっている、弾けたナンバー。なんだか、ふざけているのか真剣なのか、広瀬香美のキャラクターに合っているね。 随分とお気楽な感じで、演歌やGS、歌謡曲テイストを前面に出したメロディも、どこか懐かしさを感じさせる。ギターでは、なんと野村義男が参加しているぞ。

9. Partyはつづく

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

この曲も、随分とポップに弾けているね。クリスマステイストを出して、楽しく聞かせてくれるウィンターソング。 広瀬香美、歌詞がいつも以上にぶっ飛んでいるね。一転、間奏で聞かせるところはじっくりと聞かせる。ハイトーンヴォーカルも、もちろん健在。

10. バカンスの女神

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

イントロでは、OL3人旅のノリで、コーラスみたいにワイワイと。その後は打ち込みベースのトラックで、ポップなノリで聞かせてくれる。 内容はそのまんま、女友達との旅行を歌ったもの。時代を表しているというか、広瀬香美特有の視点で描かれていますね。

11. 愛してた

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

美しいイントロを聞かせてくれるスローバラードチューン。これまでのハイテンションのノリを一気に落とし、じっくりと聞かせてくれるしっとりナンバー。 別れた相手のことを思い続ける切ない曲です。ジャジーなテイストで、よりしんみりと伝わってきます。

12. おやすみのうた

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

前曲に続いてバラードナンバー。こちらはギターをバックに。 眠る前にあなたのことを思う歌です。愛に溢れている。こちらもしっとりとしていて、アルバムが綺麗に締められていますね。

Cover Album『Thousands of Covers Disc.1』● '97/8/21 ('08/3/25) release

広瀬香美、キャリア初となるカバーアルバムを発表。このアルバムを前にリリースされたシングル「夏だモン」のc/wに「カリフォルニアの青い空」を収録していましたが、 今作はその曲を筆頭に、和洋折衷より取り見取りな全11曲を見事な歌声で披露。選曲が本当にヴァラエティ豊かなんだ。 「シーズン・イン・ザ・サン」に「真夜中のドア」、「いとしのエリー」に「大都会」って。そして、それぞれの曲を多彩なミュージシャン達とコラボレートしているところにも注目。 ランキンタクシーに屋敷豪太、cobaに近田春夫、東京スカパラダイスオーケストラなどなど、バリエーション豊かなサウンドに乗せて、広瀬香美のハイトーンヴォーカルが躍っています。 もはや広瀬香美のワンマンショー。好きな歌を自由気ままに披露しては、とっても楽しそうなんだ。 初回盤は3Dチェンジングジャケット仕様で豪華に。

1. シーズン・イン・ザ・サン

作詞:亜蘭知子 作曲:織田哲郎 編曲:中シゲヲ+Sanoponn

TUBEの大ヒットナンバーを、サーフコースターズプロデュースの元、カバー。まさしくサーフミュージックに仕上がって、カラッと爽やかに。 広瀬香美の夏がギラギラと照らしてくれる。間奏の悲鳴みたいのは何?ちょっと不思議テイストもあるけれども、楽しい曲だね。

2. カリフォルニアの青い空 (It Never Rains In Southern California)

作詞・作曲:Albert Hammond, Mike Hazlewood 編曲:白井良明

広瀬香美、初のカバーソング。アルバム「Thousands Of Covers Disc.1」から先駆けて、アルバート・ハモンドのナンバーを歌っています。 リリース時期の夏にとっても合う、爽やかソングを広瀬香美が色づける。結構、力強いバンドサウンドに弾けっぷりもたまらないね。まさしく夏、青い空が広がるトラックです。

3. いとしのエリー

作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:屋敷豪太

サザンオールスターズの大ヒットナンバーを、広瀬香美がカバー。しかも、プロデュースが屋敷豪太と来たもんだ。 でも、ふたを開けてみたら、とってもムードたっぷりのA.O.R.的な感じで、まったりと聞かせてくれます。間奏のサックスがいいじゃないですか。 広瀬香美も優しく、ところどころ伸びやかなヴォーカルを披露。

4. う・ふ・ふ・ふ

作詞・作曲:EPO 編曲:近田春夫

まさかまさかの近田春夫プロデュース。しかも、EPOのナンバーをカバー。って、この打ち込み炸裂、煌くビートにやられます。 しかも、近田春夫自ら「う・ふ・ふ・ふ」とコーラスを担当。濃い、濃過ぎです。オリジナルの持つ楽しさ以上に愉快痛快なトラック。

5. Cruising for Bruising

作詞・作曲:Basia Trzetrzelewska, Danny White 編曲:高木完

どっぷりビートでダークな雰囲気を醸すBasiaのカバーチューン。 暗いんだけれども、広瀬香美のヴォーカルが際立つトラックにはなっているね。ただ、物足りなさは生じる。

6. 星影の小径

作詞:矢野亮 作曲:利根一郎 編曲:coba

フワフワとした気持ちの悪いコーラスが宙を舞うオープニングにノックアウト。 前衛的過ぎる。アコーディオン奏者のcobaプロデュースナンバーは、イントロで示したような不思議さを漂わせるトラック。

7. 天空

作詞:横桂蘭 作曲:楊明煌 編曲:斉藤恒芳

中国語の歌まで歌ってしまうとは、広瀬香美、かなりすごいですね。優雅なバラードチューンで、とっても壮大な雰囲気が伝わってきます。 そして、ドラマティックに聞かせてくれる。途中で展開する弦の刻みがかっこいいね。

8. 大都会

作詞:田中昌之、山下三智雄、友永ゆかり 作曲:山下三智雄 編曲:東京スカパラダイスオーケストラ

なんと、東京スカパラダイスオーケストラによるプロデュースで、これまたクリスタルキングの「大都会」を広瀬香美がカバー。ハイトーンヴォーカルの対決ですね。 例の高音ヴォーカルは後半で登場。前半部はムードたっぷりに。アレンジもちょっと抑え目に。そして高音が来て、やっぱり広瀬香美のすごさを感じる。

9. ここに幸あり

作詞:高橋掬太郎 作曲:飯田三郎 編曲:ASA-CHANG&ホーカーズ

ASA-CHANGプロデュースで、随分とエスニックな雰囲気で聞かせてくれるトラックに。 もうね、なんかごった煮状態なんだよね。民族も人種も忘れさせてくれるサウンドに乗せて、広瀬香美が淡々と歌い上げる。この差がなんともいえない。

10. 真夜中のドア ~stay with me (Duv Vox)

作詞:三浦徳子 作曲:林哲司 編曲:ランキンタクシー

これまた、珍しいコラボレーションとでもいいましょうか、広瀬香美とランキンタクシーという組み合わせもめったにないよね。 しかも、カバーしたのが「真夜中のドア」だもんね。ムードたっぷりに。ダブミックスで心地よいビートを繰り出すサウンドに乗せて、 広瀬香美が歌い上げます。どっぷりと、どっぷりとビートを伴って浸っていきいますよ。

11. さよなら夏の日

作詞・作曲:山下達郎 編曲:朝川朋之

オープニングがまた、ゴージャスなオーケストレーションでド派手に決めてくれました。でもって、曲は山下達郎の夏の曲。 ドラマティックに聞かせる広瀬香美のヴォーカルも大らか。こんな夏を包み込むようなアレンジもなかなかないよね。アレンジがダイナミックで、圧倒されます。

7th Album『rhapsody』● '98/1/15 release

広瀬香美の7枚目となるオリジナルアルバム。間にカバーアルバムを挟んでいますが、オリジナルとしては約1年ぶりです。 前作「welcome-muzik」までは、随分とポップで元気いっぱいだった広瀬香美ですが、このアルバムでは、ジャケットやブックレットからも随分と落ち着いた、 シックでクールな印象が伝わってきますね。 特に、収録シングル「promise」のメランコリックで切ない面が染み渡っているようにも思える。 同じくシングルの「ピアニシモ」やアルバム曲「くちづけ」なども、じっくりと聞かせるバラーぢに仕上がっています。 一方で、従来の広瀬香美も健在。珍しい夏のシングル「夏だモン」も装いも新たに冬バージョンで聞かせてくれたり、「迷えるBOY ミラクルGIRL」で弾けまくったりと、極上ポップチューンで畳み掛けてくる。 どこまでも巧みな業を駆使しては、いろいろな表情を見せては楽しませてくれる冬の女王、ここにあり。何気に、米倉利紀や亀田誠治など、多彩なミュージシャン達も参加していますよ。

1. love link life

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

アルバムのオープニングを飾るイントロダクション。ドップリビートとともに、コーラスがF.I.して、F.O.していく流れ。本編はラストで。

2. Digital Rhapsody

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

デジタルビートを携えて、ポップでアッパーなポップチューンを広瀬香美が披露。 この弾けっぷり、さすがです。ちょっと歪みのあるBメロの感じが、世相を表しているようだね。 サビはキャッチーに突き抜ける。もう、広瀬香美の技量がすごすぎるよ。コーラスでは米倉利紀が参加しています。

3. promise [conversion]

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

またまた広瀬香美の季節がやってきた。イレギュラーに思える夏のシングル、カバーアルバムを挟んで、秋の終わりにリリースされたこのシングル。 これまた、せつなさたっぷりのアップテンポナンバーに仕上がっています。メランコリックなギターをかき鳴らしては、フォルクローレのような、 ちょっとフラメンコチックなメロディで、どんどんと攻めてくる。早口のヴォーカルも、曲の勢いに乗って、どんどんと耳に突き刺してきます。何はともあれ、サビ前のフレーズがポイントですね。

アルバムでは、コーラスで始まる仕様。オリジナルはF.O.だったけれども、こちらのテイクはきっちりと締めてくれます。サウンドの方も、若干、ビートを強めているような感じ。

4. 地図を広げよう

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

しっとりとしたイントロから始まり始まり。広瀬香美がヴォーカルを伸びやかに披露したら、アップテンポに変身。 キャッチーなポップチューンがここで広がり始める。サビではとにかく突き抜けるヴォーカルで、どこまでも行けそうだ。 ところどころで入る会話やサビ前の語り掛けのようなフレーズもポイントだね。亀田誠治がベースで参加しているところも興味深い。

5. ピアニシモ [Mix on Basis]

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

引き続き、このシーズンのアルペンCMソングを担当した広瀬香美が放つバラードナンバー。タイトルを表すような小さな音から、次第に広がってゆくような温かい1曲。 サビではハイトーンヴォーカルとともに、伸びのある声でじっくりと聞かせてくれます。味わい深い広瀬香美も、なかなか趣がありますね。

アルバムでは、生音ドラムから打ち込みビートに差し替え。ちょっとあっさりしすぎに感じるかな。

6. 僕がそばに...

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

カントリー調のゆったりナンバー。牧歌的要素たっぷりのギターと、広瀬香美の抑え目のヴォーカルが、 不思議な反応を示す1曲。広瀬香美には珍しく、男性が主人公の歌詞で、その視点から歌ったラブソング。あっさりでもポップな面の出た曲に仕上がっています。

7. くちづけ

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

しっとりテイストで聞かせてくれるバラードナンバー。広瀬香美がいい塩梅でヴォーカルに抑揚をつけて、時に優しく柔らかく、ときに張って力強さを演出。 サビでの高音ヴォーカルでグッと引き込むところはさすがだね。これまた、歌詞の描く内容が切ないんですよ。

8. So Far So Good

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

全編英語詞で、曲全体からも洋楽テイストを出してきた曲。 バンドの生音サウンドがポップに弾けては、広瀬香美も楽しく歌い上げる。しかも、カズーのプレイも披露だ。

9. 迷えるBOY ミラクルGIRL

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

ロケット発射のSEの後は、随分とナンパなピコピコ打ち込みトラックが繰り広げるアップテンポナンバー。 とにかく弾けまくりの広瀬香美。これが本来の姿か?困惑しているBOYのために奮闘するGIRLの勇気あるナンバー。 まるでRPGの世界?こういう切り口をさらっと歌い上げてしまう広瀬香美はさすがですよ。

10. 夏だモン [ヤッパ…冬だモンVer.]

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

広瀬香美が、まさか夏に活動するとはね。タイトルもそのまんま、「夏だモン」と来たもんだ。しかし、アルバムでは、収録にあたって、冬バージョンで収録。 まぁ、歌詞のシチュエーションが夏から冬に変わっただけなんですがね。ペペロンチーノが寄せ鍋に変わったり。 夏でも冬でも、弾けっぷりは変わらない。さすがは広瀬香美。オリジナルよりも、若干長めですよ。

11. YOYO

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

なんだかおしゃれテイストで溢れるミディアムナンバー。pizzicato fiveにありそうな雰囲気を放っているね。 安定した曲なんだけれども、ちょっと前曲、前々曲におされ気味で、地味に映ってしまう。それでも、丁寧に作られた、落ち着き感を出してじっくりと聞かせてくれます。

12. 恋なんてしたくない(ウソ)

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

広瀬香美が、ボサノヴァ風サウンドで、しっとり仕上げるミディアムナンバー。 ヴォーカルの勢いはそのままなので、若干温度差を感じてしまう。それでも、まったりテイストで進行していきます。失恋しても、また恋に情熱を注ごうとする主人公の物語。

13. LOVE LINK LIFE

written & composed by Kohmi Hirose arranged by Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

アルバムのラストナンバーは、オープニングを飾ったイントロダクションのフルバージョン。 淡々と響き渡るビートに乗せて、広瀬香美もちょっと落ち着いたトーンで。しかし、サビからは次第に盛り上がって。 繰り返しの展開ながら、ちょっとドラマティックに聞かせてくれます。アルバムのフィナーレを飾るにふさわしい曲となりました。

Best Album『THE BEST“Love Winters”』● '98/11/11 ('04/9/22) release

「冬が来るたび好きになる」というキャッチフレーズがすっかり板に付いた広瀬香美が、ついに初となるベストアルバムをリリース。 今作は、主に冬の曲を中心に収録し、また、新曲や提供曲のセルフカバーなどもあり、十分に楽しませてくれる内容となっております。 何はともあれ、やっぱり「Alpen」CMソングのオンパレードだよね。これでもかというくらいに冬を彩っています。 「ロマンスの神様」をはじめ、「ゲレンデがとけるほど恋したい」、「promise」など、キラーチューン満載。 ポップに弾けているだけでなく、「Dear...again」や「ピアニシモ」、さらには新曲「Always I Need」などで、しっとりと聞かせてくれたりもします。 そして、目玉かな。内田有紀へ提供した「幸せになりたい」をセルフカバーして収録。やはり、アイドルに提供しても、シンガーソングライターとしての表現で聞かせてくれますね。 天性のハイトーンヴォーカルで雪崩を起こしては、聞く者を見事に巻き込んでゆく広瀬香美。一家に1枚の勢いで、冬のマストアイテムとなりましたね。 初回版は、温もりが伝わってくるようなフワフワ特殊パッケージ仕様となっております。

11. 幸せになりたい

writen and composed by kohmi hirose Arrange:AKIMITSU HONMA

内田有紀へ提供したナンバーを、広瀬香美がセルフカバー。これまた、内田有紀に負けじと、切なさを振りまくミディアムナンバーに仕上がっていますね。 さらりと歌いこなしてしまうところが、やっぱり作り手の業なんでしょう。そこがちょっと残念。もう少し、不器用さを出していてもよかった。広瀬香美、うまいんだよヴォーカルが。

12. Always I Need

writen and composed by kohmi hirose Arrange:AKIMITSU HONMA

ベストアルバム用に書き下ろされた新曲。ミディアムテンポの打ち込みトラックが、さらりと流れ込むグルーヴチューン。 落ち着いた雰囲気、全体的に抑え目のヴォーカルなんだけれども、張り過ぎず、伸ばすヴォーカルで聞かせてくれます。広瀬香美の職人業が光っていますね。 実に丁寧なつくりの1曲です。

8th Album『Music D』● '99/12/16 release

冬の女王、健在です。広瀬香美、ベストアルバムを挟んで、オリジナルアルバムをリリース。前作「rhapsody」から約2年ぶりとなる8枚目のオリジナルアルバムは、 シングル「ストロボ」「I wish」「恋のベスト10」、さらに翌月にシングルカットされ発売される「BEGIN」の1999年バージョンと、強力シングル4曲をすべて別バージョンで収録した全13曲。 本当にパンチが効いています。さらに、サウンドプロデュースは本間昭光から離れ、井上ヨシマサと野崎貴朗が参加。これまでとは違った広瀬香美を聞かせてくれます。 ちなみに、広瀬香美自身も、久しぶりに単独でアレンジを手がけたりと、より熟した大人サウンドながらに、楽しさ全開の雰囲気を出してきましたね。 冬のイメージはシングルが強いんだけれども、全体的にはヴァラエティに富んだ楽曲が勢ぞろい。バラードやアップチューン、シャンソンっぽい曲まで登場。 やはりシンガーソングライターとしての幅の広さが合って、器用にこなしています。初回版はデジパック仕様です。

1. Love Communication

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 井上ヨシマサ

カッティングギターがかっこよくかき鳴っては、ブラスセクションも華やかに開花するアップテンポチューン。 結構ファンキーで、グルーヴィー、サウンドの勢いに負けじと、広瀬香美もマシンガン並みに言葉をぶつけてくる。 さらに背中を押しまくる恋愛応援歌。もうね、アルバムのオープニングからかなり力をかましてきましたよ。

2. 恋のベスト10 (curtain rise)

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 井上ヨシマサ

この年もやってきた、広瀬香美の季節。シングルとしては「I wish」以来とな16枚目。 この曲が広瀬香美の転機というか、この曲が見事にコケて、この後のアルペンと広瀬香美がタッグを組んだ曲の印象が残らないこと残らないこと。 あまりにひねりすぎな歌詞が、ちょっと冷めた目で見られたのか。なんか裏目に出ちゃっているんだよね。トラックの方は、結構キャッチーな路線を行くグルーヴチューンに仕上がっています。 ちょっと凝り過ぎたのかな。

アルバムでは、カーテンの幕が開いた仕様で。見事なコーラス&ハーモニーで彩を加えたオープニング。 トラックの方は大きな変化は無く、あっさり目なグルーヴチューンで。終わり方は、シングルはF.O.だったのに対し、アルバムではきっちり終わる形です。

3. リバース

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 井上ヨシマサ

前曲のリプライズ的なトラック。でもって、タイトルの通り、ヴォーカルもリバースさせたりと、 ちょっと凝ったナンバーです。浮遊感とデジタル感がハンパないね。

4. I.C.E.

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 野崎貴朗

ちょっとスリリングでちょっとメランコリック。ギターが哀愁を漂わせるミディアムナンバー。 切なさはかなさをスパイスに、淡々と進行。広瀬香美のヴォーカルも、じっくりと聞かせてくれる感じで、あまり力を出さずにあさり目の、ムードの出たナンバーだね。 ちなみに、「I.C.E.」って、アイスかと思ったら、Innocent Crystal Emotionの略として使用しています。

5. ストロボ (remixture)

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 野崎貴朗

ベストアルバム「THE BEST“Love Winters”」がヒット街道真っ最中で、この年の冬も突っ走る広瀬香美が、 早くもシングルをドロップしたわけで。この曲がまた、前年の大ヒットナンバー「promise」テクノ版というような、アッパーチューンで縦横無尽に駆け巡るわけですよ。 打ち込み多様で新しい広瀬香美を聞かせてくれます。さらにストリングスが入ってきては、スリリングに仕掛けてきます。それでいて、しっかりと冬のラブソングなんだよね。すごいや。 サビラストのしゃくりあげるような歌い方も印象に残りますな。

アルバムではリミックスして収録。ビートを強調して、パンチを効かせてきました。繊細さよりもボコスカ感が強くなったね。でも、弦の音は、より際立っている。

6. School Days

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 野崎貴朗

コーラス&ハーモニーで温かく包み込んでくるミディアムポップチューン。タイトル通りに学生時代をテーマに、思い出を綴る主人公の気持ちを歌う広瀬香美。 味があるというか、意外にあっさりしているというか。いい意味で広瀬香美にとっては普通な感じだな。でも、メロディに素朴感があって、なかなかいいですね。

7. Rest of Your Heart

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 井上ヨシマサ

ムードたっぷりのオープニングを経て、ストリングスが華やぐイントロ。まったりボッサテイストを彷彿とさせるミディアムチューンです。 ギターもかき鳴り、味付けは抜群。しっかりと聞かせるナンバーに仕上がっています。

8. NIGHTMARE

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged by 広瀬香美

広瀬香美がアレンジも手がけたバラードナンバー。アコースティックピアノとストリングスをバックに、広瀬香美が切々と歌い上げる。 持ち前のヴォーカル力を発揮し、伸びやかに広がります。さらに、ちょっと感情も出したような、心の叫びみたいな。冬の情景のように突き刺してくるようだ。

9. ムーンロケット

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 野崎貴朗

ちょいとファンクでグルーヴィーな、それでいてHIP-HOPな感じも出してきたミディアムナンバー。なんだか力を集約してはぶつけてくるかのような強力なイメージ。 パソコン用語を並べては、ちょっと私デジタルです、みたいな印象も。さすがは時代を先取りする広瀬香美だね。ヴォーカルの方も、結構パンチを効かせています。

10. パリパラ

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged by 広瀬香美

いきなりスクラッチから入ってきたかと思えば、cobaのアコーディオンがまう3拍子のフレンチシャンソン的ナンバー。 もう、パリの雰囲気が出まくっているね。この歌詞がまたすごい。買い物で安いとか、つかみ所が違うんだ。 パリ万歳。しかも、パリから電話をかけてくるというシチュエーションも面白い。何気に気合の入った1曲だね。

11. BEGIN ~1999's style~

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 井上ヨシマサ

HIP-HOPスタイルでリズミカルなビートを効かせるナンバー。まったりほんわかムードもあり、ゆったりしながらも、ヴォーカルでさらに聞かせる。 ホーンセクションも上品な味付けで、まったりな1999年バージョン。

広瀬香美、2000年最初のシングルは、アルバム「Music D」に収録されていたナンバーを、バージョンを変えてのリカットチューン。 前バージョンはゆったりHIP-HOPテイストのグルーヴトラックだったのに対して、シングルではピコピコ打ち込みたっぷりのダンストラックで、キャッチーに攻めて来ました。 さらに歌詞も新しくなり、年をまたぐ前後でガラッと印象が変わりましたね。面白さがよく出た1曲。

12. I Wish (a cappella)

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged by 広瀬香美

年も越えても精力的なアルペン広瀬。前作シングル「ストロボ」から一転、じっくり聞かせるミディアムナンバーで、 さらに切なく仕上げてきました。まぁ、特にひねりを加えたわけではなく、ストレートにポップなトラック。 鈴の音で冬らしさを出してきましたね。ヴォーカル&コーラスは相変わらず強力です。強弱のメリハリがうまくついていますね。

アルバムでは、なんとアカペラバージョンで。広瀬香美のヴォーカル&コーラスのみで、ドリーミングな世界が広がる。ちょっと壮大に聞こえてきますね。

13. dance with me

作詞・作曲:広瀬香美 Arranged, Synthe Programming & Operated by 井上ヨシマサ

淡々と繰り広げられるビートで流れるミディアムチューン。ストレートなラブソングを見事なまでのヴォーカル&コーラスで聞かせてくれる。 でも、なんか物足りなさもあるね。アルバムの締めらしく、落ち着き感たっぷりで、綺麗にまとめ上げた感じです。

Best Album『THE BEST Love Winters ~ballads~』● '01/11/7 ('04/9/22) release

広瀬香美のベストアルバム第2弾が、デビュー10周年という機会に乗じてリリース。 今作は、バラードばかりを集めたベストアルバムとなっております。バラード曲に重きを置いて、シングルのみならず、オリジナルアルバム収録曲やカバー曲など、 ヴァラエティ豊かな曲が揃っていますね。前作ベスト「THE BEST“Love Winters”」とかぶる曲はあれども、バージョン違いで収録されているので、損することは無いでしょう。 いきなり大ヒット曲「ロマンスの神様」のアカペラバージョンで幕開け。そのハイトーンヴォーカルを、うまくアピールしてきます。 やはり、全体的なアルバムの印象としては、じっくりと聞かせてくれる曲が多く、広瀬香美のアーティスティックな面が良く出た印象を受けるね。 そして、ラストに収録された「アヴェ・マリア」のカバーも、聞かせてくれるじゃないですか。 幼少時に学んだというクラシックに通じるものがあり、広瀬香美のルーツを感じることができるのではないでしょうか。 しっとりじっくり。味わい深い冬を演出するにふさわしい、まさしくベストなバラード集です。

1. ロマンスの神様 [a cappella]

words, music & arrangement:Kohmi Hirose

広瀬香美最大のヒット曲をアカペラバージョンで聞かせてくれます。 フィンガースナップを鳴らし、まるでドゥーワップ。とにかく広瀬香美の声が幾重にもなっては、重厚コーラスで魅了してきます。 本当に、この人はすごいよな。巧みなヴォーカルパフォーマンスで楽しませてくれます。アカペラでもオリジナルの持つ極上ポップセンスは出ていますよ。

3. promise [soul bossa flavor]

words & music:Kohmi Hirose sound produced by Soul Bossa trio (Gonzales Suzuki, Koichi Matsumoto) for Soul Bossa Production, Inc. arrangement, programming & additional productions by Soul Bossa Trio

あの大ヒットナンバーが、装いも新たなバージョンで登場。Soul Bossa Trioによるアレンジで、メランコリックなボッサタッチの曲へと変身。 オリジナルの持つ疾走感は無くなったけれども、より冬の切なさが表れてきたね。広瀬香美のヴォーカルも、どこかはかなく感じる。

4. 誰もいない海

words & music:Kohmi Hirose arrangement:Akimitsu Honma, Kohmi Hirose

広瀬香美が手がけた映画「ときめきメモリアル」のサントラより。タイトルから往年のナンバーを思わせる、切ないミディアムバラードとなっています。 ちょっとほっこりとした雰囲気。でも、やっぱり切なさが前面に出たメロディで、じっくりと聞かせてくれます。

15. Ave Maria

writen and composed by kohmi hirose Arrange:AKIMITSU HONMA

広瀬香美が「アヴェ・マリア」を披露。しかも、アカペラバージョンで、ヴォーカルを重ねてゴージャスコーラスに仕上がっています。 途中からはストリングスやハープも加わってきて、どんどんとパワーアップしていく展開に。いやぁ、なんか圧倒されますね。

9th Album『LOVEBIRD』● '04/12/16 release

広瀬香美がカムバック。休業明けのシングル「日付変更線」を経てたどり着いたオリジナルアルバムは、「Music D」以来、なんと5年ぶり。 休んでいる間は、いろいろ葛藤があったんじゃないかなと思わせるほどに、様々な音をぶつけてきた今作。これまでの広瀬香美のイメージをさらに輝かせてきました。 これまではハイトーンヴォーカルが武器だったけれども、それ以上に力をつけてきたなと思わせる、太目のヴォーカルも登場しては、よりヴォーカルに魅力を増してきた。 そして、自由に操るメロディや歌詞も健在。言葉選びにメロディライン、もうこの人しかこなせないんじゃないかと思わせるようなものがとことん詰まっている。 そのメロディを引き立てるアレンジャーたちも、実に多様。シングル「日付変更線」でタッグを組んだ村山晋一郎はじめ、h-wonder、河野圭、そしてJazztronikの野崎良太の参加にも驚かされますね。 休みを経て、よりいっそうに羽ばたく広瀬香美の姿がここにあります。

1. 明日に向かって架ける橋

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:河野圭

重厚ハーモニーがオープニングを飾る。煌びやかにハープが響き渡った後は、淡々とした打ち込みビートをバックに。 広瀬香美が歌声を響かせる、じっくりと聞かせてくれるミディアムナンバー。歌詞からも広瀬香美節は健在と感じられるね。ヴォーカルの方は、なんかすごく軽やかだよね。 もちろん、ハイトーンヴォーカルも舞います。

2. The Shining Story

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:h-wonder

ゴージャスでポップで迫力たっぷりのナンバー。広瀬香美、一皮もふた皮も剥けては、自分らしさを取り戻したかのような楽曲を聞かせてくれましたね。 サビのパンチがとにかく強力。太くも伸びやかな広瀬香美のヴォーカルがダイナミックに伝わってくる極上ポップ。 広瀬香美、ブランクを感じさせないし、見事にノリを出し切ったね。

3. 白いブーツ

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:h-wonder

どっぷりテイストな感じもする打ち込みビートとザックリギターが絡み合うミディアムチューン。ちょっとブラックテイストを彷彿とさせるね。 ただ、サビはメロディアスでゴージャスで、全体を包み込んでくるような、迫力たっぷりな展開です。

4. 日付変更線

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:村山晋一郎

広瀬香美カムバック。休業明け第一弾シングルは、ヴォーカリストとしての力を発揮させるバラードナンバー。打ち込みトラックとアコースティックギターの音が絡み合う展開。 そこからサビで大きく化けて、ゴージャスに。コーラスからも広瀬香美らしさが伝わってくる。ダイナミックなバラードに仕上がったね。

5. 失恋日和

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:桑野洋子

寂しさたっぷりのピアノのイントロで聞かせるミディアムスロ^のナンバー。タイトルがタイトルなだけに、ちょっと切なさ悲しさたっぷり。 ヴィオラにチェロ、オーボエにクラリネットまで入ってくると、室内管弦楽のように。ちょっと高貴な香りも漂います。広瀬香美のヴォーカルは、情で訴えかけてくるように。

6. sayonara

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:h-wonder

シングル「ストロボ」並みの打ち込みであっと驚かせるアッパーなナンバー。 h-wonderも、随分とど派手にアレンジを仕掛けてくるんだ。もうね、ノックアウトだよ。それ以前に、サビといいヴォーカルといい、パンチが効きまくり。

7. 冬の色

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:服部隆之

ダイナミックなオーケストレーションで聞かせるバラードナンバー。前曲との勢いの落差があって、じっくりと耳に入ってくるナンバーだね。 広瀬香美のヴォーカルをダブらせては、ちょっと印象のある幻想的なシーンが広がる。2番から入ってきた打ち込みが、ちょっとした寂しさを生み出す。

8. 歌いたいの

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:h-wonder

広瀬香美自身のピアノとともに。音はダイナミックでも、なんかシンプルな感じもするんだよね。 広瀬香美のヴォーカルパフォーマンスが、これまたハンパないね。聞かせるように引き込むように。Cメロの英語パートは、いつになく太く、しっかりとしたヴォーカルだね。

9. What a hot winter!!

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:野崎良太 (Jazztronik)

一瞬、プリプリの「M」のような感じがしたイントロ。どっぷりと聞かせる広瀬香美のピアノとヴォーカル、そしてじっくり聞かせてくれた1番サビが終わると、 何かスイッチが入ったかのように、打ち込みがどっぷりと。ポール・マッカートニーの「Wonderful Christmas」のような、ホンワカな感じで。 Jazztronikの野崎良太が見事なアレンジで仕掛けてきました。

10. 眠れぬ夜の小夜曲

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:河野圭

言葉がドンドンと押し寄せてくるミディアムバラードチューン。眠れないという気持ちがあまり伝わってこないけれども、 日本語を英語のような発音で聞かせたり、演技が入ったり、まさかのラップが入ったりと、もう何でもありなトラック。ベース部分は見事な聞かせるナンバーなんだけれども、 いろいろと詰め込んで、なんかすごすぎる。

11. 日付変更線 -acoustic version-

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

シングルナンバーのアコースティックバージョンは、広瀬香美のピアノ1本勝負。ヴォーカルの抑揚に合わせて、ピアノの音も強弱で波を作る。 シンプルながらにダイナミックでかっこいいね。最後のサビのため具合がすごかった。

10th Album『GIFT+』● '06/11/22 release

相変わらず、冬の女王様は健在です。前作「LOVEBIRD」から2年となる10枚目のオリジナルアルバムは、時に優しく、時に激しく、いろいろな面を見せてくれる広瀬香美に面白さを覚える1枚です。 いきなりコーラスワークが冴え渡るナンバー「サッカーボールみたいに転がって」をぶつけてきたり、極上級のバラードナンバー「GIFT」を聞かせてくれたと思ったら、 極上ポップな「愛は特効薬」なんかもあって、とにかく楽しさいっぱい。 英語の発音もよかったり、広瀬香美ならではの歌詞が踊ったりしていて、詞から曲から、十分に楽しめる内容。 収録シングルナンバーが核にはなっているけれども、多才なアレンジャーの面々が手がけた作品とともに、広瀬香美も見事なヴォーカルを披露しています。 広瀬香美からの贈り物は、ふたを開けたとたん、いろいろなものが飛び出してきたおもちゃ箱みたいだね。

1. サッカーボールみたいに転がって

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:h-wonder

イントロから多重コーラスで楽しませてくれます。その後はいかにもサッカー番組で流れていそうな歓声を交えたイントロに。 そして、早口と押し寄せるポップビートに呑み込まれます。間奏では、広瀬香美がアナウンサーに扮したりと、オープニングナンバーからハイテンションです。

2. 甘いお話 part3

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:中西亮輔

イントロからゴージャス。サビ入りでキャッチーに仕掛けてくるナンバー。歌詞もとにかくハイテンション。「ヤフオク」何で言葉が出てきたよ。 ポップなメロディに、広瀬香美のヴォーカルに、とにかくノックアウト。すごい勢いだ。

3. 情熱+

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:井上ヨシマサ

ギターの音がフォーキーに響き渡るミディアムナンバー。 いつものハイテンションは抑えて、まったりとした雰囲気とともに、じっくりと聞かせてくれるナンバーです。味わい深い1曲だね。

4. GIFT

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:井上ヨシマサ

広瀬香美、お久しぶりとなるシングルは極上バラードチューン。じっくりと歌って、そのヴォーカルをしっかりと堪能できる1曲に仕上がっています。 メロディもとっても美しく、さらにストリングスも華を添える。途中では、スキャットコーラスも広がってゆく。久しぶりにダイナミックなバラードを聞かせてくれましたね。

5.

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鈴木Daichi秀行

イントロから歌謡曲テイストを感じるミディアムナンバー。なるほど、鈴木Daichi秀行のアレンジですか。ちょっと1990年代初頭の雰囲気が漂いますね。 音がトレンディドラマティックなんだよね。音と歌詞の時代の差が面白いのかな。

6. サプライズ未来

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鈴木Daichi秀行 Strings Arrange:弦一徹

伸びやかなヴォーカルを聞かせた後は、ポップなサウンドが展開。随分とアイドルなノリというか、雰囲気というか。 まぁ、広瀬香美のキャラクターがよく出ているナンバーとでも言いましょうかね。曲同様に、ヴォーカルも陽気です。前向きな気持ちにさせてくれる曲だね。

7. Silent Night Candle Light

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:h-wonder

ギターの音がサラサラと飾るミディアムチューン。12月にぴったりなテーマなんだけれども、タイトルに反して、広瀬香美のヴォーカルが元気良く響き渡っています。 Cメロなんか、顕著だよね。でも、サビのメロディはなかなか染み渡ってくるものがあるね。

8. 愛は特効薬 (type2)

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:鈴木Daichi秀行

メランコリックなイントロで、往年の名曲「promise」のような雰囲気をまとったシングルナンバー。 しかし、中に入るといつものハイテンションな広瀬香美。サビでの極上キャッチーなメロディにノックアウトだね。 とにかく、ものすごいや。歌詞も韻を踏んだりしていて、ベンチャーズ的なノリも出したり、遊びまくっています。

アルバムでは、コーラスにポイントを置いて、サウンドがちょっとおとなしくなったかな。サビでは声が重なるなど、ゴージャス。

9. 西暦2010年

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:河野圭

ボッサな雰囲気を匂わせるポップなミディアムチューン。2010年について歌った曲。この時点でいうと、3年後のことを歌っているわけですね。 広瀬香美なりの現代風刺を組み込んだ歌詞が突き刺してきます。とにかく、広瀬香美が明るく楽しく歌います。

10. No More Sad

作詞・作曲・編曲:広瀬香美

広瀬香美、渾身の一作。ピアノ弾き語りで、じっくりと聞かせてくれるバラードチューン。 音数が少ないと、広瀬香美のヴォーカルがいいね。自由自在に動き回るように、激しく切なく。強がりな主人公を歌っています。

11. Happy Valentine Day

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:中塚武

広瀬香美流バレンタインソングは、とにかくポップで極上キャッチーに。コーラスも分厚く、ヴォーカルは楽しく。アレンジが中塚武というところにも注目かな。 ブラスセクションの華を咲かせて、盛り上げる。ただ、ヴォーカルが無理にビブラートをかけているような、変な余韻を出さなくてもね。

12. sometimes...

作詞・作曲:広瀬香美 編曲:h-wonder

ピアノとストリングスの音にうっとり。ヴォーカルをじっくりと聞かせてくれるバラードナンバー。 サビ前で急にヴォーカルのみになってしまう部分が、ちょっとあまりにも突然な流れで驚いた。2番では、音も入っているので、この流れの方が落着く。 英語の発音は、相変わらずべらぼうに良いですね。

Best Album『THE BEST Love Winters & ballads』● ’07/2/21 ('09/3/18) release

広瀬香美のベストアルバム2枚、「THE BEST“Love Winters”」「THE BEST Love Winters ~ballads~」をパッケージしたお得盤。 これさえあれば、広瀬香美のメイン楽曲はカバーできますね。