album

1st Album『Leisure』● '91/8/26 ('91/9/20 on Japan) release

UKから4人のロックバンドがデビュー。Blur。1990年代のUKロックには欠かせないバンドのデビューアルバムの登場だ。 さすがはデビューアルバムなだけあって、まだ粗さのあるソリッドなバンドサウンドはじめ、歌詞やメロディも意外とシンプル。 そして、Damon Albarnのヴォーカルも、気怠く退屈的だったり、鋭く元気をぶつけてきたりと、様々だね。 シングル「She's so High」「There's No Other Way」「Bang」の3枚が収録されていますが、まだまだ発展途上な段階で、この先も楽しみにさせてくれるような感じ。 日本版はボーナストラックを3曲収録。でも、なぜその場所に挿入してきたのかが謎な感じです。

1. She's so High

tracks by Albarn / Blur produced by Steve Lovell and Steve Power

記念すべきBlurのデビューシングル。2本のギターをイントロからかまして、独特のディストーションをかけてきます。 ヴォーカルもSEを加えてエフェクトをかけてと、どこかしら不思議テイストをかましてきます。 「彼女はサイコーさ!」という気持ちは歌詞からは伝わってくるんだけれども、ヴォーカルは粘り気があって、そんな感じをさせないんだな。

シングルでは、F.O.してゆくエディットバージョンで収録。

2. There's No Other Way

tracks by Albarn / Blur

Blurの2枚目のシングルナンバー。ブレイクビーツよろしくなトラックとギターを絡めて、聞かせてくれるミディアムチューン。 ざらりと滑らかな音を投入。全体的に淡々とした感じがBlurらしいね。キャッチーさも少々。サビフレーズの繰り返しで、頭の中をぐるぐると駆け巡る。

3. Bang

tracks by Albarn / Blur produced by Stephen Street

Blur、通算3枚目のシングルナンバー。ガツガツギターも加えては、タイトル通りに弾けるロックチューン。 あっという間に過ぎてしまう時間を嘆いている歌なんですが、なかなかの粗さや骨太さもあって、Blurらしさが出ているね。 ラストのサビなんて、ヴォーカル&コーラスで分厚く魅了してくるじゃないですか。

4. I Know

tracks by Albarn / Blur produced by Blur

ガチャガチャしたギターとドラムで音をぶつけてくるロックチューン。 「君の考えていることは知っているんだよ」。でもずいぶんと変なことを思っているんだな。そんな2人の関係を歌うナンバーです。

エクステンデッドバージョンは、始まりの演奏を延ばして、サビを投入し、6分半をたっぷりと聞かせてくれます。

5. Slow Down

tracks by Albarn / Blur produced by Stephen Street

ヘビィでガッツリとロックな音をぶつけてくるミディアムチューン。Damon Albarnものびのびと歌っているね。 タイトルに反して、フック前の一瞬のアップテンポへの変身がスパイスに。

6. Repetition

tracks by Albarn / Blur produced by Stephen Street

こちらはのっしりどっしりと。ちょっと気怠い音も若気の至り。ヴォーカルにエフェクトをかけて淡々と聞かせてくれる1曲。 「TRY TRY TRY」と歌っていても、あまりやる気を感じさせないね。不思議な歌。

7. Bad Day

tracks by Albarn / Blur produced by Stephen Street

ハーモニカっぽい音の柔らかさと、エッジの効いたギターの音が交差するロックチューン。ガッツリと音をぶつけては、ギターがうねりをあげているね。 それでいて、淡々とした歌い口。ずいぶんと曲のある彼女の歌です。

8. Sing

tracks by Albarn / Blur produced by Blur

ザラついた音の中で、ピアノの弾む音がポイント。そして、歌っているのか、からかっているのか。 ずいぶんとヘビィでアングラな雰囲気を出して聞かせるミディアムチューン。でもって、不思議な世界hrとトリップさせてくれるんだな。これぞBlurな6分。

9. High Cool

tracks by Albarn / Blur produced by Stephen Street

軽やかなテンポでさらりと聞かせるミディアムロック。こなれた感じで歌っていますね。 だからなのか、特段とポイントもなく、ストレートに聞かせてくれるナンバーです。

10. Come Together

tracks by Albarn / Blur produced by Stephen Street

軽やかロックで鮮やかに聞かせてくれる痛快チューン。「なんで一緒に来てくれないの?」と相手に疑問をぶつけてくる1曲。 ジャカジャカと気持ちがいいくらいのギターが鳴り響いていますね。

11. Inertia

tracks by Albarn / Blur produced by Blur

じっくりゆっくり、スローテンポのロッカバラード。淡々と、静かに語るように歌を聴かせてくれます。 なんだか眠たくなってしまいそうな雰囲気なんだな。

12. Mr. Briggs

tracks by Albarn / Blur produced by Blur

ブリッグスさんについての歌を聴かせてくれます。不思議なストーリーで展開しては、Blur特有のザラついた音で楽しませてくれるロックチューんですね。 最後はラララのコーラスで味付け。

13. Fool

tracks by Albarn / Blur produced by Mike Thorne

さらっとギターをかき鳴らして聴かせてくれる痛快ロックチューン。若々しさの出た歌詞や演奏。 いきなりドカドカジャカジャカと変身する間奏には驚かされたな。「僕の馬鹿を許してよ」と、ちょっと切ない歌詞が踊る。

14. Birthday

tracks by Albarn / Blur produced by Mike Thorne

とっても暗いバースデーソング。今日は自分の誕生日だけれども、ひとりぼっちで君のことを思っているのさ、という歌詞です。 本当に寂しいな。ヴォーカルもずいぶんと切なくて、コーラスでより涙を誘ってくる。

15. Wear Me Down

tracks by Albarn / Blur produced by Mike Thorne

随分と低温度なのに、どっしりした演奏が味を出すナンバー。アルバムのラストチューンなだけあって、音を固めてぶっ放してくるようだ。 Damon Albarnのヴォーカルは、相変わらず淡々としているけれども、

2nd Album『Modern Life Is Rubbish』● '93/5/10 ('93/6/23 on Japan) release

UKバンド、Blurの2枚目となるオリジナルアルバム。1st「Leisure」から2年。前作でのディープでドープな雰囲気を取り払って、これぞUKバンド、UKポップ、UKロックな1枚をぶつけてきた。 「現代生活はゴミ」と言い切るタイトルとは裏腹に、キャッチーなメロディとシニカルな歌詞で魅了してきます。さすがはDamon Albarn。 シングル「For Tomorrow」「Chemical World」「Sunday Sunday」の3枚を収録。不景気だったり、情勢が不安定な、この頃のUKについて歌うかのように、 Blurがガッツリと聴かせてくれます。全14曲。途中でIntermissionを挟んでくる今作は、どこかしらアナログ盤のA面B面のようだね。 日本版はボーナストラックを2曲収録。オリジナルアルバムには未収録のシングル「POPSCENE」などは、やっぱりこのアルバムには異質なのかな。

1. For Tomorrow

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

イントロからポップの塊がぶつかってくるBlurのシングルナンバー。1st Albumのような堅苦しさを取り払って、 UKポップロックを示すようなキャッチーソングをぶつけてきました。これまでのBlurの2年がこの曲に集約されているようだね。 「He/She is twenty century boy/gir」とキャッチーなフレーズもポイントが高いね。

2. Advert

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

ザクザクとギターの音が押し寄せては、ゴリゴリロックをぶつけてきた。歌詞は広告批判みたいなものだね。 とにかく勢いが出まくっていますよ。そして、歌い方も随分とイッテますね。

3. Colin Zeal

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

少々のダークな雰囲気がクール。そして、どっしりと音をぶつけてくるロックナンバーです。サビはキャッチーさを放って、繰り返しては頭の中でループする。 力強さでアピールしてくる。

4. Pressure on Julian

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

歌い方がまた独特。これがDamon Albarnですよ。歌はJulianにかかってきたプレッシャーのお話。ちょっと狂気も感じるけれども、 キャッチーさも伝わってくるね。

5. Star Shaped

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

アコギの爽やかさを加えて、どっしりロックを聞かせてくれるアップチューン。軽快なんだけれども、サビが変拍子を持ってきては、トリッキーに展開。 聞いていくにつれて、なんかハマってしまうんだな。

6. Blue Jeans

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

アコースティックサウンドをベースにしたバラードチューン。味わい深さの中にポップでキャッチーさも加えて、ゆっくりじっくり歌を聴かせてくれます。 彼女と僕の不思議な関係がいいね。

7. Chemical World

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

Blurの軽快さを出すミディアムロックチューン。ざっくりギターの音に合わせて、自由気ままにヴォーカルを聴かせてくれます。 楽しさが伝わってくるね。けれども、歌詞は相当に現代イギリスを皮肉っています。家賃の高騰や薬物の蔓延を、Blurが斬る。意外や、社会はナンバーだね。

Intermission

インターミッション。アルバムをA面とB面に分けるかのように。ピアノの音が軽やかに跳ねています。

8. Sunday Sunday

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Steve Lovell

日曜日の歌。家族揃ってお買い物へ行く様子をBlurが描き出す1曲。ウキウキワクワク感たっぷりだね。 中盤のホーンの温かさからの、間奏のテンポアップの勢いといい、とにかくノリまくりなBlurって感じがして、いいね。 シングルとしてもリリースされたキャッチーソングです。

9. Oily Water

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Blur & John Smith

ゆったりどっしりミディアムロックチューン。軽やかに聴かせてくれます。 ヴォーカルには全体的にエフェクトをかけて、まったりまろやかに。後半のガッツリ演奏がまた、かっこいいな。

10. Miss America

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Blur & John Smith

Blurからアメリカへのメッセージ。ゆったりしっとりバラードナンバー。気怠いヴォーカルもポイント。 なんか演歌みたいなアコースティックサウンドで、湿り気たっぷりに情で聞かせてくれます。

11. Villa Rosie

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Steve Lovell

これまたゴリゴリとした音といい、陽気なヴォーカルといい、Blurの明るさ大爆発な1曲だね。 Villa Rosieの楽しさを伝えてきます。そして、間奏のキタキタキタと言わんばかりのヘビィな展開がまたいいんだな。

12. Coping

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

弾けた音で聞かせてくれるロックチューン。メロディパートは言葉を畳み掛けてくるように、淡々とぶつけてくる。 間奏でのシンセの音がまるでニューウェーブで面白いな。

13. Turn It Up

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Stephen Street

こちらもガツガツしたロックチューン。まずは演奏で魅了してくる。単純明快な歌詞で構成されて、楽しさを出すナンバーだね。 所々で合いの手を入れて、手拍子したくなるような曲です。

14. Resigned

Words: Albarn Music:Alburn, Coxon, James, Rowntree Produced by Blur & John Smith

アルバムのラストを飾るミディアムロックチューン。Blurならではの瑞々しさとアングラ感をうまくミックスさせて、いい感じに湿り気あるサウンドとヴォーカルを聴かせる。 淡く包み込んで、語りかけるように。ラストは激しいロックなインストをお見舞いだ。

15. Young And Lovely

優しくゆったりと聴かせてくれるロックチューン。タイトル通りに、若々しくてラブリーな印象を与えてくれる。 ほっこりとさせながらも、ロックの重みもきちんと伝えてきます。

16. Popscene

疾走感たっぷりのガッツリロックチューン。1st Album「Leisure」リリース後の初となるシングルだからこその、勢いが出まくっているんだな。 ブラスもかなり強力だね。とってもハイテンションなんだな。とにかくロック、とにかくBlurならではの音で魅了してきます。

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