第945回 2026年1月9日
ジョン・ランディス監督作品、原題はThe Blues Brothers、ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド主演、ジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ、ツイッギー共演、148分。
音楽映画としても優れたものだが、それ以上にカーチェイスをはじめ、とんでもないスピードで、シカゴの街を駆けめぐるアクションに圧倒される。開閉式の橋で左右の橋が上がりはじめるのを、発進して橋を飛び越えてしまうのに、まずは驚かされる。
はじまりはずんぐりとしたチビの男(ジェイク・ブルース)が、刑務所(ジョリエット刑務所)から出所するところからである。5年の刑が3年での仮出所になったと言っている。黒づくめの所持品を返されて門を出ると、同じような黒づくめでサングラスの男が待っていた。
パトカーに乗っているが、警官とは思えない。会話から弟(エルウッド・ブルース)だということがわかる。キャデラックではないのかと聞くが手放していて、古くなったパトカーを払い下げで安く買っていた。パトカーなのでエンジンは申し分ない。
二人で向かった先は教会だった。兄は嫌がったが、女性の院長(メアリー・スティグマタ)が出てきて、弟が兄の出所を報告している。そこは二人が育ってきた施設(孤児院)でもあり、口やかましいが恩人だった。
教会の実情を聞くと、5000ドルの税金を納めないと、立ち退かなければならないことを知る。兄はそれくらいはわけがないと思ったが、悪事をはたらいての金はだめだと断られた。
キリスト教の教訓を伝えて、説教を聞くようにと命じられ、別の教会に出向く。黒人の住人たちが大勢集まったなかに混じって、後方に立っていると黒人の聖職者(ジェイムズ・クリオウファス牧師)が出てきて説教をはじめた。
はじめはことばによるものだったが、やがて歌いはじめ、さらには踊りはじめる。信者たちも席を立って、ビートの効いた激しい動きで踊りに同調していった。
はじめは退屈そうにしていた兄は、その光景を見て、雷に打たれたように感銘を受け、バンドだと口走りはじめ、同じように踊りはじめた。体型からは想像もつかない、軽やかなステップに驚かされる。弟もそれに合わせているが、かつては二人が組んで舞台に上がっていたことを予想させるものだった。
車での移動中に交通違反をしたことから、停められて免許証を提示させられる。弟は常習犯で免許停止中だった。振り切って逃げるがパトカーとのカーチェイスがはじまる。名前が知られその後も追われ続けることになる。ショッピングセンターに入ると、ショーウィンドウをなぎ倒していく。大暴れをする撮影は凄まじいものがある。
弟の住む安宿に連れて行かれる。入口に立ったとき、兄をねらってロケット弾が飛んできた。車に乗った女が映し出されるが、何者かはわからない。ベッドしかない狭い部屋に入ると、兄が先に寝てしまう。弟は横で座って寝るしかない。線路脇で窓からは列車の行き交う音が絶え間なく聞こえている。
兄がバンドだと叫んだのは、かつてのバンドを再結成して、5000ドルを稼ごうというものだった。当時のメンバーはバラバラになりすぐには見つからない。欠かせないトランペッターは、今はホテルマンとなって給料もいいので難しいだろうという。
兄弟はホテルに出向き、嫌がらせをする。レストランの案内係をしていたが、客となって入っていく。バンドに誘うが断られると、隣の席の家族客に言いがかりをつける。父親に向かって子どもを売ってくれと言い、さらには妻も売ってくれと、無茶な要求をする。立場を悪くして言いなりになるしかなかった。
カフェの主人に収まっている仲間もいた。店に行くと女主人が注文を聞いた。奇妙な組み合わせだったが、厨房に伝えると主人は思い出したようにやってきて、昔仲間と再会した。5年の刑期だと聞いていたが早かったなと言って喜んだ。こちらは妻が止めるのを振り切ってバンドに加わった。
楽器店にも繰り出し、バンドは結成できたが、問題は仕事だった。仲間には決まっていると伝えたがあてはなかった。すでに決まっていたバンドの名をかたって、会場の酒場に入り込む。正式なバンドの一行が交通事情から遅れたのが幸いして、ステージに立つことができた。
はじめの持ち歌では客は喜ばず、弟はとっさにローハイドを歌いはじめる。客が注目して、次のラブソングも成功した。演奏が終わった頃になって正式バンドは到着した。
オーナーは出演料の200ドルを支払うが、それ以上に飲み代として300ドルが請求される。仲間を先に出発させたあと、小切手で払うと言って、弟が発車の準備をしている車に戻り、そのまま逃げ去った。オーナーは正式バンドの車でいっしょになって追いはじめる。
追手はこれと警察だけではなく、さらに政治団体も加わる。思想的な背景はなかったが、ナチス党の集まりを妨害することになる。ヒトラー万歳と叫ぶ一団を揶揄する集団の側にいたことから、政治組織と勘違いされ実態が探られ、制圧の魔の手が伸びてくる。
次に大きなホールでのコンサートが企画される。こちらも有名バンドに見せかけての、人海戦術の宣伝によるものだった。ブルースブラザーズという有名バンドの名を強調している。ひとり2ドルの入場料を設定しており、5000人収容なので一度でケリがつくはずだった。
バンドのメンバーがそろい舞台上で、待っているが、ボーカルの兄弟が現れない。警察は逮捕しようと、人員を配置している。ギリギリに現れて、何曲かを済ませたあと、舞台地下の抜け穴から出て、車で逃げ去る。
地下道を逃げているとき、女が現れてさえぎり、火炎放射器を放ってきた。これまでも兄をねらっていて、ロケット弾のあとは時限爆弾で、安ホテルを木っ端微塵にしていた。
電話ボックスに入ったときは、起爆装置のスイッチを入れて吹き飛ばしていた。女はあらゆる手段での殺害を企てている。美容室にいて火炎放射器について書かれた本を読む姿が映し出されていた。
女が言うには兄のフィアンセであったようで、裏切られたことからの恨みで、殺害を企てていた。兄はサングラスを外し素顔を見せて、誤解だと真剣な顔をして答える。女が手をゆるめると、突き放しその隙に二人は逃げ去って行った。
パトカーの追跡は数を増していく。振り切って逃げるたびに、パトカーはぶつかり、横転して山のように重なりあっている。パトカーを振り切ったと思ったとき、一群の別の車が現れた。ナチス党の首領が銃を手に追ってくる。
道路工事中という標識を無視して逃げ込むと、高速道路が途中まで建設されていて、兄弟の車が落ちかけた。Uターンして引き返すと、追ってきたナチス党の首領の車が間に合わず、そのまま真っ逆さまになって落ちていった。
逃げ延びた先は、市役所の納税課だった。大ホールでの公演直後に声をかけてきた男がいた。演奏を気に入って契約をしたいと、やってきたレコード会社の役員だった。手付金をその場で受け取ったので、5000ドルの税を支払う事ができる。
支払って受け取りをもらったときに、警察はそこまでたどり着いていた。市役所も派手に破損されてしまった。仲間は警察に捕まり、刑務所内でバンドとしてステージに立つことになる。受刑者たちの熱狂ぶりを映し出し、看守たちも浮かれている。獄中ではあるが、たぶんレコードは発売されることになるのだろう。