コシノヒロコ展 —HIROKO KOSHINO EX・VISION TO THE FUTURE 未来へ—

2021年04月08日~06月20日

兵庫県立美術館


 越野だと思っていたが、小篠だった。本名が芸名になっているのは、フジタと同じである。展示から見えてくるのは、仲のよい彫刻家と画家の二人展という印象だ。息があっていてみごとなショータイムを演出していた。ファッションデザイナーだけだと物足りないエンタメ度に拍車をかけるのが、絵画制作だが、この無垢な情動が美術館を舞台にして、成功をもたらした。タブローとしての絵画が、ますます遠のいていく現代アートの現況に歯止めをかけてくれる起爆剤として、重要な美術展となった。古い形式の絵画の重みが、流行に左右されないアートの本性を伝えている。もちろん服がなければ話にはならないが、服だけでは展覧会にならない。


by Masaaki Kambara