2024年87

【事務局コンサルタントのひとりごと】

それ誰が決める?実行する?役割分担の大切さ


プロジェクトを実際に推進するために大切なことの一つは、誰がどのような役割で何を行っていくのか明確にしておくことです。役割というのは大きく分けて2種類あると考えます。

①プロジェクト内で与えられた役割

プロジェクトにおける役割は、プロジェクトオーナー、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー、メンバー、事務局などがあります。システム開発では、ユーザー企業とベンダー側それぞれからアサインして体制を作ります。珍しい用語ではないので、皆さまも何となくそれぞれの役割については理解されているかもしれません。

 

体制については、システム調達・ベンダー選定の際にベンダーから出される提案書の中に記載されます。提案書を受けてユーザーが確認するポイントとしては、ベンダー側の人員の投入率や日々の打合せに参加できるのは誰かを確認しておくことです。特にプロジェクトマネージャーがしっかりプロジェクトコントロールできる体制や時間を確保しているかを確認しておくとよいでしょう。ユーザー側としては、誰がどれくらいの頻度で打合せが必要かなど、プロジェクトに参加する時間を把握しておくことが重要です。現業と並行して参加可能かを確認し、しっかりとプロジェクトに参加できるように環境を整えられると望ましいです。

 

また、要件定義から開発など、プロジェクトの次フェーズに進むためには誰の(または然るべき会議体の)承認が必要なのかについてもスケジュールを検討する時に合わせて考えるべきことです。

 

②タスクを実行する担当者としての役割

スケジュールを細分化し、タスクレベルになった時にはできる限りバイネームで担当者を決めておくとよいでしょう。よりタスクへの当事者意識を持ってもらい、タスクの実行が停滞しないためです。例えば、営業部、経理部などの部単位で、それぞれの複数人参加メンバーがいる場合、その中のリーダーの人の名前を記載するなどタスクの担当者はバイネームを記載するように工夫してみましょう。もちろん、すべてのタスクというよりは重要度の高いものから役割分担を明確にしていき、優先度の低いものは様子を見ながら決めていけばよいです。

 

いくら完璧なスケジュールを作ったとしても、誰がやるのかが決まっていないとプロジェクトは進みません。当たり前なことですが、とても大切なことですのでご自身の参加されているプロジェクトで振り返ってみるのも良いかもしれません。

 

2024年8月