2020年6月30日

【コンサルタント散歩】

~テストデータの有効活用について~


前回(2020/5/11)のコラムでは、テストデータをテストケースと紐づけるように作成することがポイントであると記載しましたが、今回はテストデータをどのように作成すれば有効活用することができるのかを記載します。

例えば、テストデータを活用できるタイミングは以下のような場合です。

▷テスト時に障害が発生して、改修内容の確認として再テストを実施する際

▷障害を改修したことによる影響が他機能にないか確認するためのデグレードテスト

例に挙げたタイミングでテストデータを活用するために、データを作成する際に気を付けるポイントがあります。

ポイント1:テスト対象機能やテスト範囲内のテストデータが一意になるように作成されていることです。テストデータはデータベースに登録されるため、テーブルの中で主キーが重複しないようにテストデータを作成する必要があります。すべてのテストケースを含めて主キーが重複しないように作成することがポイントです。

ポイント2:テスト実施時にデータベースの状態をバックアップで取得しておくことです。例えば、オンライン処理からテストデータを作成する場合は、データを作成した後にデータベースの状態をバックアップとして取得しておくことで、再テスト時にオンライン処理からテストデータを再作成する必要がなくなります。画面に関連するテスト時などの入力情報についてはバックアップを取得することができないので、エビデンスの画面ハードコピーをもとに再作成する必要があります。この場合は画面の入力項目ではなく、各マスタの情報や画面から入力した情報をもとに値を取得するデータベースの状態をバックアップとして取得しておくとよいです。バックアップしたテストデータのデータファイルやフォルダ名はどのタイミングでバックアップを取得したデータなのかが分かるように名前を付けることもポイントとなります。

上記のポイントを踏まえてテストデータを作成すると、再テストやデグレードテスト時に作業効率をあげることができると思います。皆さんもテストデータ作成時の準備を怠ることなくデータを作成し、テストデータの有効活用をするようにしましょう。

2020年6月