202336

【ビジネスシーンで必要なこと】

知識を共有するナレッジマネジメント


皆様は日々業務の中で情報共有をしていますでしょうか。知らないうちに「自分しか知らない」というような状態になっていることはありませんか?今回は組織内の情報を円滑に共有する手法である「ナレッジマネジメント」をご紹介いたします。

「ナレッジマネジメント」とは、個人が持つ知識や経験など言葉や表で表しにくい「暗黙知」を、文章や数字で表すことのできる「形式知」に変えることで、企業内で共有できるようにすることです。ナレッジマネジメントを行うことで業務効率化・人材育成・組織力の向上など様々な効果が得られます。

 

このナレッジマネジメントを実践する上で大切なのが、SECIモデルと呼ばれるフレームワークです。暗黙知を形式知に変換し、そこからさらに暗黙知を生み出すサイクルのことを指します。SECIモデルには4つのプロセスがあります。

 

①共同化(Socialization):言葉ではなく体験や経験を通じて暗黙知を他者に伝える

②表出化(Externalization):暗黙知を言葉や図などを用いて他者へ伝えて形式知へ変換する

③連結化(Combination):表出化で表出された知識を他の知識と組み合わせ、新たな知識を創出する

④内面化(Internalization):連結化で新たに創出された形式知を各個人で自分のものとすることで、形式知から個人の暗黙知へ変化する

 

上記4つのプロセスを繰り返すことで個人の知識や技術が向上し、結果として組織全体の知識や技術となることで組織力向上などのメリットが得られます。また、SECIモデルでは4つのプロセスを活発に行うために、各プロセスに応じた「場」が必要だとしています。

 

創発場・・・共同化プロセスでの他者と知識の交換を行う場

対話場・・・ミーティングなどの会話で個々の暗黙知を形式知にまとめる場

システム場・・・形式知を組織内の誰もが確認できる形で集約した場

実線場・・・反復練習など継続的に実践する場

 

日々の業務をより円滑に行うためには、上記4つの「場」を積極的に用意することが大切です。自身の置かれている状況によって方法は様々ですが、まずは現状の課題を把握することで意識しみてください。4つのプロセスを継続的に繰り返すことができるようになれば、業務品質の向上だけでなく、企業の組織力向上に貢献できるはずです。是非日々の業務の参考にしていただければ幸いです。

 

2023年3月 

【竹内勇輝のコラム】

▶ ビジネスシーンで必要なこと