2019年1月7日

【中小企業のIT投資は社長が仕切れ!】

~新しい技術についていけない社長は淘汰される~

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

筆者が所属する全国の異業種交流を目的とした社団法人があります。その社団法人は一昨年まで理事会の招集は電子メールと書面郵送の2つの方法で行っていました。理事会は2か月に一度の頻度で平日の午後に、主に東京で開催されます。理事は全国各地に15名で、ほとんどが中小企業の社長か会長です。地方の理事には東京までの距離に応じて2~4万円の旅費が支給されます。理事の年齢構成は40代~80代で、特に60代と70代が最も多い世代です。この運営をずっと行ってきた結果、理事会に参加するのは執行部の数名の理事と、社長だけれども事業の一線から離れた高齢の理事達ばかりとなりました。働き盛りの「現役社長」である40代50代の理事は多忙なので、平日に2時間程度の会議のためだけに出張はできないのです。

数年前に就任した現在の理事長はこの状況を憂慮し、昨年、試験的に2回ほど理事会をWeb会議で開催しました。Web理事会の前後の相談や報告はチャットワークを使いました。すると理事会参加者の顔ぶれがガラッと入れ替わったのです。40代50代の理事はWeb会議だと移動時間が不要で、会議の2時間だけを確保すればよいから大歓迎です。ある理事は自分の会社でもチャットツールを導入するかどうか思案していたので、テスト的に自分がまず使ってみる機会を得たことを喜びました。

逆に高齢の理事はほとんど参加しませんでした。Web会議に明確に反対意思を示す抗議の欠席ではありません。どうやって参加すればいいのか自分でわからないのです。わからないなら社員に聞けば簡単に設定できるのですが、聞いてでも参加する意欲がないのです。ましてメールもろくに見ない人はチャットワークなど試そうともしません。理事長は今年からリアルの理事会は年に2回とし、その他はすべてWeb会議で行うことを宣言しました。また理事会開催通知は郵送を廃止し、メールとチャットワークでの通知となりました。この変更により年間数十万円の旅費や経費が削減されます。

厳しい現実ですが、Web会議に参加できない、チャットワークが使えない、そしてメールをあまり読まない理事はやがて淘汰されることになります。これは1つの社団法人での事例ですが、ビジネスの現場や各種団体活動、コミュニティで同様のことがどんどん発生するでしょう。社長が取り残された会社や社員はどうなるか?それを考えれば社長は常に自らをバージョンアップさせねばなりません。

2019年1月