2016年3月7日

【失敗しないシステム導入】

~ダメなスケジュールの見分け方は?~

ベンダから提示されるスケジュールを見れば、そのベンダのプロジェクトマネジメントのレベルがわかります。残念ながら、最低限のレベルに達していない“ダメな”スケジュールが提示されることもあります。本コラムではダメなスケジュールの見分け方を提示するとともに、なぜダメかの理由を合わせて説明します。

1.タスクに番号が振られていない

進捗会議などでタスクの状況について議論する場合に、どのタスクについて議論しているのかを全員が即座に間違いなく認識できるように番号が振られていなければなりません。番号が振られていないとタスクの認識に時間がかかったり、別のタスクと勘違いしたりする可能性があります。

2.タスクの成果物が明示されていない

タスクが完了したかどうかを明確に判断するためには、成果物が明示されていなければなりません。成果物が明示されていないと、タスクが完了したかどうかの基準があいまいになり、実質的には完了していないのに完了とされてしまうリスクがあります。「○○検討」というタスク名がつけられていて、成果物が明示されていないタスクは要注意です。検討した結果、どのような成果物を作成するのかを明示してもらう必要があります。

3.ひとつのタスクの期間が長い

正確に進捗を管理するためにはひとつのタスクは適度に短くなければなりません。タスクの期間が長いと進捗管理が難しくなります。タスクが着手中の状態では進捗報告は自主申告になりがちで他者からは真偽の判断がつきません。「このタスクは80%完了しています。来週には完了予定です。」と言われ、安心していたら、翌週の進捗会議で「完了できませんでした。あと二週間ください」ということが起こり得ます。「タスクの期間は最大一週間」などとし、細切れにして、必ず成果物を明示してもらうことで、進捗を確実に管理できます。

4.タスク間の前後関係がわからない

ガントチャート型のスケジュールであれば、スケジュール上にタスク間の前後関係を表す線を引かれているか、もしくは、別途、タスクネットワーク側のスケジュール表が作成され、タスク間の前後関係が明示されていなければなりません。タスク間の前後関係がわからないと、スケジュールの妥当性をレビュできませんし、プロジェクト開始後もどこが進捗上、重要なタスク(例えばクリティカルパス)かわからず、管理の精度が落ちてしまいます。

これらに該当するスケジュールがベンダから出てきたら要注意です。ベンダ選定局面であれば、このようなベンダは落選させるべきですし、ベンダ選定後に判明した場合には、プロジェクトマネジメントの強化、場合によってはプロジェクトマネージャの交代を申し出るべきです。

2016年3月