2022年725

【RPAコンサルタントの日常】

FSLogixを活用しよう~


社内に共用PCが多数ある場合など、一つ一つのPCにユーザープロファイルを作成すると、データの重複が発生する。また、どのPCにファイルがあっただろうか、といったファイルの場所忘れも発生する。管理者から見た場合、共用PCにいつまでも、ユーザーデータが残り続けるのも頭の痛い話である。

そんな時、検討に上がるのが「移動ユーザープロファイル」である。移動ユーザープロファイルはサーバーにデスクトップやドキュメントなど、ユーザープロファイルデータを格納する仕組みである。正確に言えば、パソコンログオン時、サーバーに格納されたユーザープロファイルデータをパソコンにコピーする。(ユーザーログオフ時にパソコン内のユーザープロファイルデータはサーバーにコピーされた後削除される)


移動ユーザープロファイルを使用すれば、使用するPCがたくさんあったとしてもデータを一元管理できる。ユーザーがPCを一台しか使用していなくても、基本パソコン内にデータを残さないことになるので、移動ユーザープロファイルは情報漏洩対策として有効な手段だ。しかし、移動ユーザープロファイルには弱点がある。それは、ログオンやログオフが非常に遅くなるということである。前述のとおり、パソコンにログオンした際、サーバーからパソコンにユーザーデータをコピーする。よって、コピーの時間がログオンに加算される。ユーザーは起動するたびに、この待ち時間に耐えなければならない。

そこで、今回紹介したいのはFSLogixという仕組みだ。FSLogixはAzure Virtual Desktopでよく使われる移動ユーザープロファイルの仕組みだ。しかし、実はこの仕組みは通常のパソコンでも使用することができる。方法は簡単で、FSLogixをインストールして、サーバーのパスを指定すればよい。Microsoft365ライセンスがあれば無料で使うことができる。

移動ユーザープロファイルをFSLogixに変更すれば、ログオンの遅さは解消される。移動ユーザープロファイルがデータをコピーしていたのに対し、FSLogixはデータをマウントする。コピーしないだけログインの時間が短縮できる。これまで「移動ユーザープロファイル」を使用していたのであれば、以後はFSLogixに変更するとよい。ユーザーのストレスが大分軽減されるであろう。

2022年7月

【小早川豊のコラム】

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