2016年1月25日

【失敗しないシステム導入】

~ベンダ側のメンバのレベルが低くて困ったときに何をすべきか?~

過去のコラムでも書かせていただいたように、プロジェクトにおけるベンダ側メンバのレベルは様々です。全員のレベルが高いのが理想ですが、なかなかそうはいきません。

「【失敗しないシステム導入】~ベンダメンバと仕事をする際の注意点とは?~」(2015/8/3)を併せてご覧ください。

生産性、品質、コミュニケーションスキルが低いメンバがプロジェクトにアサインされることがあります。ユーザと関わりの少ないプロジェクトメンバの一員としてアサインされているのであれば、ユーザ側にはあまり影響はないのですが、このようなメンバがサブシステムのリーダなどにアサインされる場合があります。こうなるとユーザ側にも影響が及んできます。

例えば、成果物の品質が低いと、ユーザ側のレビュに必要以上に時間をかけなくてはなりません。生産性が低いと、いつも期日ぎりぎり、もしくは遅延して成果物が提出されるので、ある期間、レビュにかかりっきりとなってしまい、他にやるべきユーザ側作業が滞ってしまいます。コミュニケーションスキルが低いと、レビュ結果の反映が不十分になり、「レビュ→レビュ結果が反映されているかの確認」のサイクルを何度も繰り返さなくてはなりません。このように生産性、品質、コミュニケーションスキルの低いメンバがサブシステムのリーダなどにアサインされた場合、ユーザ側に与える影響は甚大になります。

なぜ、「サブシステムのリーダ」と書いたのかというと、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダであれば、ベンダ選定時のプレゼンテーションにおいて、評価することができます。評価結果に応じて別のベンダを選定したり、必要に応じて人を替えてもらったりします。ただし、サブシステムのリーダクラスまで評価することは現実的には難しいためです。

プロジェクトが始まってから、生産性、品質、コミュニケーションスキルが低いメンバがサブシステムのリーダにアサインされていることが判明した場合にユーザ側として行うことは、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダに重点的にそのサブシステムを見てもらうことです。プロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダは全体を管理しなければなりませんが、全範囲を詳細まで管理することは不可能です。ある程度、濃淡をつけて管理することになります。

ユーザ側から不安、心配なサブシステムをきちんと伝えて、プロジェクトマネージャ、プロジェクトリーダに当該サブシステム、およびサブシステムのリーダを重点的にサポート、管理してもらうようにします。これにより、ユーザ側の不要な工数増を防ぎ、要件のとりまとめ、意見調整など本来のユーザ側作業に注力できるようになります。

2016年1月