2016年10月31日

【ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~】

~パソコンなどの処分~

PCやサーバその他の機器に限りませんが、機械であれば時間が経てば故障して使えなくなってしまうこともあるし、新しく導入するソフトウェアが要求する性能を満たせなくなったためにリプレースが必要になってお役御免になることも珍しくありません。

リースで調達した機器なら更新時期に最新型に置き換えて古いものは引き取ってもらえますが、購入した機器の場合、最終的には廃棄など何らかの処分を行います。かつては粗大ゴミとして気軽に処分できた時代もありましたが、リサイクル法の施行以降はそれなりの手続きと費用が必要となり、気軽に捨てることができなくなりました。加えて、故障ではなく機械としては動作する状態で置換えた場合、「まだ使い道があるかもしれない」といった気持ちもあり、とりあえず倉庫などに保管しておくこともあります。

オフィス空間を効率的に利用するといってもデッドスペースに類する場所はどうしてもできてしまうものですが、このスペースがこういった処分品の格好の置き場になります。普段はデッドスペースですから気にかけることもありませんが、オフィスを移転するとなると「これ、持っていってもしょうがないよね」となり、この際だから処分しようということになります。新しいオフィスに持っていかない机・椅子やキャビネットなどの什器類は引越しを担当する運送業者さんやその界隈のリサイクル業者さんなど引取先が簡単に見つかりますが、PCなど電子機器は対象外の場合も多く、これらの処分方法についてもご相談いただくことがあります。

法人でPCを廃棄する場合、大雑把に分けるとルートは以下の2種類です。

①PCメーカーへの依頼

②リサイクル業者

<パソコンをはじめとしたOA機器類を対象にしたリサイクル業者>

メーカーに依頼する」場合、「メーカー名/パソコン/法人/廃棄/リサイクル」あたりのキーワードで検索すればたいていのメーカーのリサイクル窓口がわかります。これらのWebページで紹介されている方法ですが、ほぼ間違いなく一般社団法人パソコン3R推進協会が運営する回収・リサイクルのルートに乗せることになります。機器1台あたり数千円の廃棄コストを要しますが、データ消去証明やハードウェアの廃棄証明が発行される公的な方法です。

<パソコンをはじめとしたOA機器類のリサイクル業者>

家電リサイクル法の施行前後から整備された①のルートとは別ですが、パソコン引取りを請け負う業者が同じ検索ワードで引っかかってきます。ほとんどは処分費用無償、不要になった機器を梱包して送付するだけという手軽な方法で、廃棄費用は無料、送料着払いで構わないというところも少なくありません。データ消去証明やハードウェア廃棄証明発行ですが、これらを有料で行うところもあれば証明書を出さずにモノだけ引き取るところもあるようです。ハードウェア本体については、クリーニング・修復した再生品や、分解したパーツを再利用するなど収益が出るので処分費用は要らないという名目です。送った後の処分内容については正直なところ相手先を信用するしかないため、積極的にはお勧めできませんが、処分費用がかからないということもあって結構繁盛しているようです。

いずれのルートであってもハードディスクの内容消去は、引取を謳う業者なら間違いなく行っているだろうと思います。しかし、たまに廃棄PCのハードディスクからサルベージされたデータが流出したなどといった事例がマスコミやネットで流れて物議を引き起こすのを目にしたことがあると思います、どのルートを使うにしても、手放してしまえば何がどう取り扱われるかを監視することはできません。証明書が発行される方法を採るとしても、念のために事前のデータ消去をお勧めするようにしています。

2016年10月