2021年5月31日

【RPAコンサルタントの日常】

~Adobe Update Serverの構築~


業界によってはAdobeソフトウェアを多数社内に導入している企業も多いだろう。そしてAdobeソフトウェアのアップデートが一斉にかかってインターネット回線を逼迫してしまうということもあるかもしれない。WSUS(Windows Server Update Service)のようにアップデータをローカルにため込んで、ローカルネットワークで配布する仕組みはないものか、と調べたところ、あった。Adobe Update Serverである。

構築は至って単純だ。Windows ServerかMacOSでIISまたはApacheの設定を行い、Adobe Update Server Setup Toolを起動するだけだ。サーバーパスなどのクライアントへの配布はグループポリシーを使えばよい。

▽詳しい構築方法は以下にあるので、気になった方は参照して欲しい

https://helpx.adobe.com/jp/enterprise/admin-guide.html/jp/enterprise/using/update-server-setup-tool.ug.html

WSUSとの違いは、アップデートの管理ができない点にある。このコンピュータにはこの製品のこのバージョンが入っていて、別のコンピュータにはこの製品とこのバージョンが入っているなど、配信状況を確認できる機能はない。できることは至って単純で、上述のよにアップデータをローカルにため込んでローカルネットワークで配信するだけのことである。グラフィカルな画面もない。アップデータ取得もコマンドで行い、そしてそれをタスクスケジューラー等のOSの機能で自動化する。極めて単純機能なツールである。

しかしよく考えてみれば、ソフトウェアの管理はAdobeのライセンス管理サイト「Admin Console」で行えばよい。ここでライセンスを付与しなければ、たとえソフトウェアがインストールされていようと起動しない。Adobe Update Serverをわざわざ多機能にする必要がないかもしれない。多機能にして動きが悪くなる方がよくない。その意味では、的を絞ったいいツールなのかもしれない。

2021年5月