2023年323

【飛び込んでみよう!】

~ドローンによる有人地帯配送


2023年3月23日、日本郵政主催で「ドローンによる郵便物の配送」が実施されます。

 

日本郵政(および日本郵政キャピタル)は2021年6月に国産の産業用ドローンメーカーであるACSL社と郵便物流の強化を目的に業務提携を結んでおり、この2023年3月に国土交通省航空局から有人地帯での目視外飛行の承認を受けています。

2022年12月5日にはドローンをはじめとした無人航空機の「有人地帯の目視外飛行」(レベル4)を認める改正航空法が施行されたばかりです。

ドローンの飛行には「レベル」というものがあります。

2016年に開催された小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会の中で提唱された「無人航空機の利活用と技術開発のロードマップ」による飛行技術に応じたレベル分けです。

 

飛行レベル1:目視内の操縦飛行

肉眼で見える範囲での手動操縦で、ドローン空撮や電線の点検、農薬の散布はこのレベルになります。


飛行レベル2:目視内の自動運転飛行

GPS等を利用した上空からの測量等はこのレベルになります。


飛行レベル3:無人地帯での目視外飛行

人のいないとされる地域で肉眼で見える範囲外までドローンを飛ばすレベルです。災害時の状況確認や山・海での捜索等はこのレベルになります。


飛行レベル4:有人地帯での目視外飛行

市街地など第三者がいるとされる上空で、肉眼で見える範囲外までドローンを飛ばすレベルです。今回の日本郵政のような住民居住地域での物流やインフラの点検などがこれに当たります。

 

2017年末に岐阜県のイベントで目視内の上空からドローンに乗せたお菓子を来場者に撒いていたところ、機体が約10メートルの高さから落下し来場者数名が負傷する事故がありました。有人地帯の上空飛行は細心の注意が払われるべきですが、限界もあります。

 

今回承認を受けた「PF2-CAT3」という機体は幅1メートル平方、高さ60センチ、プロペラ6枚、機体重量5.53kg、最大ペイロード(運搬できる荷物の重量)1.00kgと、まだまだ大きな荷物を運ぶには至りませんが、風速10m/sまで運行可能であり、非常用パラシュートも搭載されている等、従来のセンサーに加えて異常時の対応も強化されています。

 

眼前の目標としては、インフラの整備されていない地域への郵送にということになりますが、機体を地上局PCの画面上で管理できるサービスとして実現されれば、ネットワークの強化であり新たなDXにもなるのではないでしょうか。

 

2023年3月 

【鶴田光樹のコラム】

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